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Live Report
2004年5月28日 森山威男QUARTET @ 東美濃ふれあいセンター
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みなさんは“オーディエンシィーズハイ”という舌を噛みそうな言葉をご存知だろうか?
「ご存知だろうか?」なんて改まっちゃったけれど、知ってるわけないよねぇ。
だって、いま、わたしが造ったんだモ〜ン。デヘヘヘヘ、ワルイ、ワルイ。
しかし、“ランナーズハイ”ならみんな知ってるよねぇ。マラソンの最中に脳内物質が分泌して
とても気分がよくなってくるという例のヤツ。
コイツを中津川で体験。別にマラソンしに行ったわけではないよ。
以前、メンバーの音川氏と雑談していたときに、ランナーズハイの話になった。
「ああ、僕も演奏中にそれに似たの、経験したことありますよ。自動的というか、指が勝手にsax
のキィを押していくという感じで、いつまでも気持ちよく演奏できちゃうって感覚。」と話してく
れたので、わたしがエラソーに「あ、それはね、ミュージシャンズハイって言うんだよ。スペルは
musician's highと書くんだよ。」とその場で、これも造って言ったら、バークリー出身で英語も
ペラペラの音川氏は、わたしをバカにすることもなく「ああ、なるほどね、そう言うんですか。」
と納得した態度をとってくれたのだった。音川氏はやさしいなぁー。
さて、前置きが長くなってしまったが、わたしは、マラソンなんてシンドイことする気はモウトウないし、
楽器もできないので、こういうのは体験できないだろうなあーと思っていたら、中津川ででこれがやってきたのである。
あれは、2nd setの2曲目だから、New & Old Wonder(音川作曲)の終盤、森山のすさまじいドラミングに、
遂にスティックが耐え切れず、真っ二つに折れて、手元じゃない先端の方がステージの床をコロコロ転がっていくシーンは、
覚えているから、その後だ。つまり、次の、Gratitudeの演奏中。
もちろん、森山カルテットのライヴ、コンサートでは、いつも、興奮、感動してβエンドルフィン
活発に分泌するって感じになるのだけれど、このときは、自分だけが周囲と遮断された感覚。
それまで、右隣りの席の興奮したオッサンの左肘が再三わたしの脇腹に当たって、うっとうしいオヤジだなあと思っていたのも覚えているし、
少し後の席のバカップルのとんでもなくタイミングの悪い拍手も聞こえていたのだ。
このときは、そういうのが全然気にならなくて、音に自分だけが抱え込まれているよう。
Gratitude(井上淑彦作曲)のテーマの美しいメロディは、もう何度も聴いているので、口ずさめる
ほどなのだが、このときは、メロディが聴こえてくるという感覚はなかった。ただ、ただ、サウン
ズシャワーに囲まれて恍惚感というか幸福感が自分だけを包み込んでいるような…。
でも、Gratitudeが終わった時の拍手は、はっきり覚えているから、そんなに長い時間でなかった
ことは間違いないのでけれど…。
で、後で「こんな現象が起ったんだゾー。」とわたしのよく知っている人に話したら「そんなモン
、アンタの脳に、そのときたまたま発作が起っただけダ。」とヌカシャアガッタ。
一瞬、張り倒してやろうかと思ったが、そういうことをすると来月からお小遣いもらえなくなってしまうことは明白なので、
グッとこらえざるを得なかった。クソッ。
そんなことはどうでもいいけれど、それがオーディエンシィーズハイだったにしろ発作だったにしろ、
ヒトの脳を一時的に異常にしてしまう森山カルテット、恐るべし。
(ふな)
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