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Live Report

2004年8月14日 森山威男QUARTET @ LOVELY
開演に先立ちまして、一言お断りを。
「スミマセン、スミマセン、ちょっと通してくだされ。」とライヴが始まる前の時間、 満員の店内をわたしのようなウザイ男が、みなさん掻き分け歩き廻っておりますが、これには訳があるのです。
顔見知りを見かければ挨拶しないわけにはいかないでしょう。 もし、挨拶しにいかないと「なんでオマエはワシのところへ声を掛けに来んのじゃ、いつからオマエはそんなにエラクなったのだ!」 とか「失礼ね、ふなさん。なんでワタシのようなイイオンナのところへ挨拶に来ないの。もう味*の激辛ラーメン食べに行くの、 誘ってあげないから。フン」とか非難ゴーゴー。
そんな訳で店内ウロウロしてますが、開演前か休憩時間に限ってのことなので、 どうかお目障りでしょうがお目こぼしを。ペコリ。

さて、一廻り挨拶も済み、店内もなんとなく落ち着いてくると開演、ライヴの始まりだ。
8時過ぎメンバー登場。 おや、bの望月がいつもと違うぞ。えらくスリムになっているではないか。 後から聞けば、ラーメン断ちと酒の肴の種類を変えたことで7キロ痩せたとか。
5月の岐阜県中津川市のコンサートの後で、近くにある全国チェーンの居酒屋の名前を何度 もわめいていたミュージシャンとは思えないな。 望月も遂に体に気を使うようになったか。結構、結構。
さて、さて、いつもはdsかtsの陰になって見にくいのだが、 今回はわたしの席から、その望月、どういうわけか真正面に見える。 望月の出すbの音がダイレクトにわたしに届くようで望月ファンのわたしとしては、とてもうれしい。 dsやp、tsの轟音にともすればかき消されそうなbの音もよく聴こえる。 スリムになったせいか音も一段と切れ味鋭くなったようで、着実にリズムを刻む。
ジャズに疎いわたしにはよくわからないが、望月のタイム感覚の正確さには定評があるそうだ。
そのb望月のサポートを受けた3人の奏者、水を得た魚のように泳ぎまくり暴れまくり。
pの田中、鍵盤上をまるで右手、左手がそれぞれ独立した器官のように自由自在に疾走。 表情見れば目は閉じ口は半開きで喘いで、非常に苦しそう。
「田中よ、なにがそんなに苦しいのだ。悩み事があったらいつでもワタシに相談してくれ、わるいようにはしないよ。 カネは貸せないけどよぉ。」バカなこと想像しているうちに、ts音川にタッチ。
音川、tsのベルがマイクにぶつかるのも全く意に介せず(というより気がついていないのだろうけれど)吼えまくる。 ブオー、ブオーと野生味あふれる音から繊細な音まで、一本の管から湧き出る音色は千変万化。 音川の顔色、次第に紅潮して、右足でたたらを踏み、エビゾればクライマックス。
ようやく音川ソロ終わると思えば、間髪入れずにdsの音、一閃。
リーダー森山、それまでも田中、音川とのバトルに体力消耗してきたはずなのに、それまで以上にパワフルな音。 もうそれは暴力的なサウンズといってもいいだろう。 暴力的といっても管制は取れていて、いわば“美しい暴力。”
わたしたちはこういうシーンで、すぐ「一心不乱に叩いている。」とか「我を忘れてドラミグ。」とか表現してしまうのだけれど、 森山の頭の中にはどこか冷静な部分というか、理性が働いている部分があるに違いない。 でなければ、あんなに見事に10種類ものドラム類、シンバル類を絶妙のタイミング、コントロールで操って、 わたしたちの心を揺さぶる重層音が出せるわけがないではないか。 理性が働いているのに、“暴力”と言ってもいい超弩級サウンズを表出させる。
「凄い!」と思わないか。

(ふな)





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