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Live Report
2005年9月17日 森山威男 Jazz Night 2005 @ ala
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地球にケンカ売っトルとしか思エンさしもの太陽も、
ようやくその凶暴性に衰えを感じさせる今日この頃であります。
つまり、秋の到来であります。秋といえば恒例、aLaのMoriyama Jazz Nightであります。
Moriyama Jazz Nightといえば、去年の脳天ブチワリ最高コンサートの記憶がいまだに鮮明なのでありますが、
同時に、わたくし個人的には、赤っ恥かいた悪夢も、これまた鮮やかに甦ってくるのであります。
思えば、この掲示板にアップしたレポートで、ステージの“上手”と“下手”を何十年もの間、
逆に思い込んでいたことが露見してしまい、わたくしに対するアホの評価が一段と高まったのであります。
“しかし”であります。その3,4日後に、ある新聞記事のおかげで、この勘違いに気づいたのです。
考えてみると、これはとても幸運なことであります。
だって、何十年も思い違いしてたことが、aLaコンサートのレポート書いて、
その3,4日後に訂正することができたのだから。これはaLa(アラー)の神の思し召しに違いない。
「しょうもないダジャレ3年も使い廻しやぁがって。
それにオマエの個人的なことはどうでもエエ、トットとレポートに行け!」
今回のaLaは、例年のようなワクワク感よりも心配が先にたつ。
Pianoの田中が直前にアクシデントで左足首を骨折。
わたしゃ、なんと言っても、第一に田中のファンだから、とても気になる。
Pianoは上手にセッティングされているので、下手側にあるわたしの席からは遠く、
左足の様子はまったくわからない。
が、いざ、演奏が始まると、いつものように、
いや、いつも以上に疾走感あふれる白熱のピアノサウンドを聴かせてくれた。
他の奏者の演奏を見ているときもニコニコした表情なので一安心。
安心したら、近い距離にいるリーダー、森山(ds)の演奏に集中できた。
去年は皆既日食状態(シンバルの陰に森山の顔がスッポリ隠れてしまう。)でしかも遠い距離だった。
今年は去年よりはマシだが、トップシンバルとその隣りにセッティングされているセカンドトップシンバル(?)
の間から顔が見えるが、演奏中は体全体がゆれるので、2つのシンバルのどちらかの蔭になることが多く、
いわば部分日食状態。しかし、手はよく見える。
特にスネアーを叩くときの両手の様子はよくわかる。
両手とスネアーの間にあまりのスピードにスティックの残像ができて、
さながら水量、奔放に流れ落ちる瀑布のよう。
その瀑布から音の飛沫が大量に四方八方に飛び散り、聴く者の体から心に飛び込む。
音のシャワーをはるかに超えて音の洪水。
ゲストの本田(as,ss)、この人の名前を聞くと、あまり演奏を聴いたこともないせいもあって、
反射的に映画「マルサの女」のテーマが頭に浮かぶ。
しかし、作曲家だけではなく、優秀なプレーヤーであることがわかった。
小柄な体だが全身をバネのように使って吹く。
向井(tb)もdsの大音量に拮抗するtbサウンドを聴かせてくれた。
ただ、熱演だが、表情が楽しんでいるというよりも苦しそうに見えてしまう。
これは、別に向井だからというわけではなく、tbという楽器の特性によるものだと思うのだが…。
井上(ts,ss)、aLaの前々日、soloライヴを聴いてきたばかり。
この人のtsはいつも心に染み渡る。激しいけれどハートウオーミング。
今回のアレンジはすべて井上によるものらしい。
佐藤(acc)、dsとのバトル、pとのバトルで轟音聴かせてジャズシーンでも、
どの楽器とも対抗できることを実証。
レギュラー、音川(ts,ss)、もうすっかり森山バンドになじんで、風格さえ出てきた。
井上とは違った個性の鋭いtsサウンドが客席に突き刺さる。
森山バンドを支える望月(b)、今年もわたしの席から見えないが、確かなリズムのbサウンドは確かに客席に届く。
照明も楽しかった。ステージの天井から球体が降りてきた日にゃー、ビックリ。
遂にaLaの天井ぶち破った超弩級サウンズが宇宙まで届き、UFOに乗ってETが聴きにきたかと思ったほど。
ミラーボールとわかるまで数秒かかった。
今回、森山の近くの席で聴いて、上にも書いたように部分日食状態(笑)で表情はあまりわからなかったのだが、
改めて森山の凄さを認識させられた。
「スピード、パワー、テクニックと三拍子揃っている」とは多くの人が指摘するところだが、
今回、わたしがもっとも感じたのは“vitality,持続力”であった。
スタートから全力疾走、そして他の奏者とのバトル、一人が終われば次の一人、
また次の一人と続いて、ようやく終わったと思えばソロに突入、
最後はまた全員でという構成で力を抜くということが全くない。
わずかに他の奏者同士がバトルしているときに休憩できる程度。
いわゆるバッキングも全く手を抜かない。
さすがに曲が終了したときは息を弾ませているが、すぐ次の曲に突入。
ウーム、年齢は全員の中で一番高いはずなのに。
前にも紹介したが「42.195kmを100メートル走のペースで走る」((c)知らない人)といううまい表現が頭に浮かんできた。
(ふな)
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