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Live Report
2006年9月16日 森山威男 Jazz Night 2006 @ ala
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ついこの間まで、「アジィー、アジィー。アジィーのはお前の出すアホバカギンギラ光線のせいだ。」
と太陽を罵っていたのに、さわやかな秋になってきました。
この分では、「サミィー、サミィー、太陽よ、もっと強いギンギラ光線出せ。」とわめきだすのももうすぐだな。
つかの間、さわやかなこの初秋に毎年催される“Moriyama Jazz Night”。
今年2006年は9月16日。
もっとも、今年は台風のせいで、さわやかな天候というわけにはいかなかったが。
毎年、aLaのある岐阜県可児市へは、うちのポンコツ車で出かけるのだが、
今年はTOMちゃんが愛車“コラどかんかそこのトロトロポンコツこっちとらぁムチャハヤイネンNEW号”(以下、コラNEW号)に
同乗させてくれるというので、厚意に甘えることにした。
コラ【NEW】号だけあって速いわ、パワーはあるわで、うちのポンコツとは大違い。
名古屋方面からaLaへ向かうときは、国道19号を使うのだが、途中の内津峠、
ポンコツだとアクセル目一杯踏んでも、ゼーゼーヒーヒーいうだけでカメ速度でしか登っていかないのだが、
コラNEW号、エンジン音もほとんど変わらず瞬く間に内津峠、制覇。
このままでは、aLaへ早く着きすぎてしまうということで、途中、多治見市の喫茶店で道草。
この喫茶店はJR太多線を見下ろすことのできる見晴らしの良いところにある。
店の真ん中にグランドピアノが置いてあり、時々いろんなジャンルのライヴを行うそうだ。
パンフレットを見ていたら、名古屋で活躍するジャズメンの名前もあった。
9時過ぎまで食事もできないだろうということで軽食を取った。
じゃこトーストというシロモノ。まあまあ、うまかった。
そんなこんなで、aLaへ到着したのは5時半頃。
年一回のお祭りコンサート、森山ファンが全国津々浦々、aLaゆるところから集まってくるので、顔見知りも多い。
その方々と挨拶、おしゃべりしていたら、あっというまに開演時間。
あわてて、指定された席に着くと、これが最前列のセンター、ど真ん中。
うれしさ四分の三、恐縮四分の一。
闇の中、田中のpfの音が聴こえる。
あ、“Birtn of Life” のイントロだ。
前にも書いたが、この井上淑彦による曲は曲想スケールが大きい上に叙情性も激烈な要素も持ち合わせた、わたしの大好きな曲。
井上のリーダーバンド“fuse”の曲だが森山バンドで聴くのは、ひと月前、名古屋ラヴリーで聴いたのに続いて2回目。
どうやら森山バンドのレパートリーにもなったようでとてもうれしい。
まだショッパナだけれど、この曲、聴いたらもう帰ってもいいわ、十分、入場料分聴いたわ、帰らないけど。
なんて思って聴いていると、いきなり明るくなってフロントの六管の面々が目に飛び込んできた。
aLa、みんな黒っぽい服なのに、音川(ts)だけ、マオカラーというんですか、立ち襟でアイヴォリー系の色のスーツ。
なんかaLaたまっちゃってるなあー。(後で、森山がMCでリゾートホテルの支配人みたいと言って笑わせてくれた。)
ああ、そうか、レギュラーメンバーだからフロント六管のリーダー取るからか、ともおもったが、上手のp田中みると同じスーツ。
ここで納得、レギュラーはお揃いのスーツか。
森山、望月、佐藤のスーツ姿もみたいと思ったのだが、なんと、とんでもない障害に気がついた。
さっき言ったようにわたしの席は特等席なのだが、フロント陣の楽譜立ての陰になって、この3人がよく見えないのだ。
せっかく、こんな良い席を与えてもらったのに残念!
お尻をずりずり椅子の前方に出し、首をカメのように引っ込めて低い姿勢を作れば、
なんとか見ることができるのだが、そんな格好恥ずかしいし、第一、しんどくていつまでもしてられない。
うーむ、楽譜立ては透明なものを使ってほしいものだ。
あ、楽譜も透明じゃないと意味ないか。それでは、ミュージシャン困るわな。
曲はこれも井上の名曲“Gratitude”、 佐藤が森山に追いつこうという意図で作曲したという“ Catch up with him”と続く。
tb中路英明はじめて聴くが、素晴らしい。
tbというとなんとなく丸っぽい柔らかな音というイメージがあるのだが、尖った鋭い音もよく出て多彩。
面白かったのは、マイクと楽譜立ての間、15Cmくらいかな、その狭いところをスライド管が行き来するのだが、
わたしの見ている限り最後まで一度もどちらかに触れるということはなかった。これもプロの技か。
tp高瀬龍一、この人もはじめて聴く。
tpというとtbと逆に鋭い音というイメージだが、柔らかで優しい音もよく出ていてこれも素晴らしい。
隣りの渡辺ファイアーがアクション激しく演奏するのだが、高瀬はアクションほとんどなし。
誠実な演奏スタイル、好感がもてた。
そのas渡辺ファイアー、まさに火の玉小僧のような演奏。
彼もはじめて聴く。アクション激しく、わたしはインドの蛇使いと蛇を想像してしまった。
あの、笛に合わせて、籠の中の蛇がくねくね頭をもたげて踊りだすというヤツ。
ただ、良い音なのだが、みんなアクションの方に注目してしまうのではないかなあ、とも思ってしまった。
もちろん熱演のあまり自然に出てくるパフォーマンスだろうが。
bs田中邦和、この人は一回だけtsで聴いたことがある。
bsは他の人で聴いたことがあるが、その時は、bsだからそりゃ低い音だわな、と予想した通りの音だったのだが、
今回、田中のbs、低音はもちろんかなり高い音まで聴くことができた。
その低音から高音に駆け上がったり急降下したりするときの音の連鎖がなめらかで、とても心地よかった。
田中のファンになってしまった。
ts井上淑彦、いつ聴いても、どんなに激しく吹いてもハートウォーミング。
今回、プレーヤーとしてだけでなくコンポーザーとしてもあるいはアレンジャ−としても有能であることを再認識。
後半、演奏された“ずっと…”ははじめて聴いたが、豊潤で、優しいテーマをもつ佳曲。
“Birtn of Life”と同じくらい好きになりそう。アレンジの妙も、例えば六管によるアンサンブルに表れていた。
耳に届く六重の音の美しさは鳥肌モン。この曲も森山バンドのレパートリーになってくれるとうれしいなあ。
おっと、気がつけば、結構レポート長くなっているなあ。
まだ後半についても、レギュラーメンバーについても、ほとんど述べていないが、
しかし、あまり長いのは読者の迷惑、ここから端折るぞ。
後半は“Sunrise”“雨”“Beyond the C”“ずっと…”アンコール“hush-a-bye”最後はレギュラー5人で“Good-bye”
pf田中、上手で弾いているので、わたしの席からはちょっと遠く、
指使いなどはわからないが、体全体で弾いているのはよくわかる。
日本が世界に誇る芸術、BUTOH(舞踏)のダンサーを思い起こすような、
時にゆっくり時に激しく動く様をみているだけでも楽しい。
ts音川、絶好調。テクニック駆使してベルから放出される多彩な音、まるで音のカレイドコープ。
今回、彼の曲“911”改め“Beyond the C”が演奏された。シャレタといってはなんだが、うまい改題だと思う。CはCrisisの頭文字。
b望月、いつものように冷静沈着、5人だろうが10人だろうが、激しいときも静かなときも確実にリズムを刻む。
わたしとしては、望月の滅多に見られないスーツ姿での演奏、じっくり鑑賞したかったのだが、残念。
acc佐藤、はじめての人はこれがaccの演奏かと仰天するに違いない破壊的演奏。
しかし、これもよく見えず残念。翌日、ラヴリーへ彼のリーダートリオPOT HEADS(acc,b,ds)のライヴを聴きに行った。
彼と話したら、ある事情でaLaでは、あまり動けませんでしたといっていたが、
それにしては音もよく聴こえいつも以上の熱演だと感じたたのだが。
最後にリーダーds森山。テクニック、スピード、パワーによる超弩級サウンズ、いまさら、わたしがいうまでもない。
今回、最も感銘したのは、演奏もさることながら、9人ものミュージシャンと対峙したその姿勢。
コンサートのパンフレットに森山のメッセージが載っている。
「…今回は大勢のミュージシャンの陰に隠れていようと企てました。が、それは大はずれ!
共演者が多ければそれだけ疲れる。全員が音を出すときはドラムもその分大きな音で叩かねばなりません。
一人一人のソロの間中、ドラマーは集中してそのソリストとやりあうのです。
…あー、こんなことがわからなかった。…」
とユーモアも交えて書いてあるが、もちろん、本当は、ハナからそんなこと百も承知のはず。
森山、還暦もはるかに過ぎた年齢のはず(あ、はるかに過ぎたということはないな。失礼。)
なのに、そのチャレンジ精神というか、果敢な姿勢はおおいに敬服するところである。
上に挙げた三つに“スピリッツ”を高々と掲げておく。
全体を通していえば、去年のようにUFOは現れなかったが
(本当はミラーボール。今年は“ずっと…”のとき、バックに巨大な満月が映し出された。
曲ともマッチして実にファンタスティックなシーンだった。)、
10人ものミュージシャンが出演したのに、感動が心にゆっくりしみこんで来るような落ち着いたとても良いコンサートだった。
では、みなさん、また、今度、森山サウンズをご一緒に聴くことができる日まで、ファaLaウエル! さようなaLa。
(ふな)
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