えー、ライブ翌日午前中にアップという暴挙に出ました。これはユーグリーンのレポートが遅くなったという反省に基づいております。これは速報ということで、森山さんスピーチと画像入りの完成版のアップにはあと数日かかると思いますがお待ち下さい。というのは文章の最初にも書きましたが、マイクを忘れたためMDの録音がなく、そのうえビデオも録音がされていないため、音声データが今のところ手元にないからです。Kaoruちゃんからお借りしたDATのテープをMDにダビングできるかどうかトライしてみます。(2001年12月29日午前10時15分)

完成!(2002年1月2日)

今回はチケット1番をゲットしそこねた、残念。6時に行くとおなじみの顔があちこちに。ラブリーのドアには森山さんの南里文雄賞受賞のポスターが貼ってある。入場し、「ふな」さんがいつものテーブルに席を構え、空いた席に座らせていただく・・・ふなさんありがとう!といってもずるをしたわけではなくチケットは5番という早い番号ではあったのだが。結局いつものシートを確保できた。ラッキー。さあレポートを書くための準備、と七つ道具を取り出す。ビデオ、iBook、ビデオのバッテリー、MDにデジカメ、デジカメのバッテリーの予備・・・。しまったマイクを忘れた。馬鹿なヤツ。みわちゃんに「かおりせんせー、いつも何か忘れる」と笑われた。

8:00きっかりにスタート。Marching of seventh。目の前にサックスのベルがある。やはりラブリーは良い。森山さんのリズムがちょっと変則的。田中さんの左右の手のリズムの取り方がちょっと今までと違うかな?ゆっくりにしたらラグタイムピアノみたいに左右でタイミングを違えて弾いている。バンバンと叩く鍵盤のリズムに森山さんが反応する。音川ソロ、しかしいつも黒づくめのバンド・・・「黒い服ならみんな持ってんだろう」ってことで揃えたとセッション505の時におっしゃってたが、バックの壁一面が黒いラブリーの場合は埋没してしまう。今度は「赤」ででも揃えて派手にしてみてはどうだろう。バッキングのタイミングが森山田中でぴったり。すっげー。多分田中さんにとっては森山さんに「合わせ」なければならないところもあるのだろうが、そのタイミングもずいぶんこなれて自然になってきているようだ。音川さんの倍音、それで吹きまくるところに森山さんのリムショット!肩の力が抜けて腕を柔軟に振り回す、まるで深海ダコがスティックを4本くらい振り回しているように見える。
奇声をあげながらのドラムソロ、まだ今日はスティックは飛んでいない。叩きまくりからマーチに戻る。
相変わらずパワフル、あ"ーっ、初日からこんなに飛ばして良いのか!年明けにはピットイン3days、その次の週はスタジオF、その次の週は京都だよ?3連週だよお?終わりのテーマ、ばしっ!

ざわめきと拍手がおさまらないうちにスネアのざああっというロールからガーンとSun, be motionlessに入るところ、この引っぱり方もかっこいい。あれ?音川さんの吹き方もメロディが斬新。いや、もちろんここは毎回違う音列なのだけれど。またテーマに入るタイミングも森山田中ばっちり!今まで見てきて、本当に今の森山さんが生き生きと叩けるのは女房役の望月さんの存在もさることながら、田中さんの存在が大きいと思う。数多くのライブをこなされた(なんと今年は明日を含めれば22日間・・・そのうち20日聴いております、ほほほ)のは、このバンドの全体のまとまりの意味も大きい。すばらしいグループだ。お、音川さんのフレーズのリズムと森山さんの左手のショット、ばっちり。すごいなあ、すごいなあ。ああ、今度はフレーズと、田中さんのバッキングと森山さんのロール、ぴたっと合う!!細かいところだけれど、淡々と流しているけれど、これはすごいわあ〜〜。何でもないソロと、バッキングに聞こえるがすごくまとまった・・・こぢんまりしているという意味ではなく・・・4人が4人様に演奏しながら、お互いをきちんと聞いて即座に反応している。もうのぼせそうだ。田中ソロ、おお両手で同じメロディーを弾く奏法、これとっても難しいのにこんなに早いパッセージを弾けるの?大変だろうなあ、お、猫手奏法(ふなさん命名パワーショベル奏法)も出た!ノブ君の演奏は毎回新鮮だ。ああ、彼がいつも新しいものを追求しているからだろう。彼の柔軟さがとても魅力的だ。体も柔らかそうだが。さあ森山さんが来たぞ〜、わーい、わーい、わー、森山さん楽しそう〜〜、わーい、わーい。森山ソロ、あーっ、すごいところで切ったと思ったらみんなちゃんと反応している。ん〜、どこかの誰か、前共演した人だったらここは入れないな、慌ててグラスとタバコを置いて飛んで行かなくちゃ。きゃーきゃー、すごい!

TOMさん曰く、「(ピアノとドラムの)バトルの間(いつも目をつぶっている)グズラさんが田中さんを見つめてにやーっと笑っていた」とのこと。私の席からは音川さんにかくれてグズラさんは見えなかったのであった。

マイクを持って立つまでちょっと時間がある。ありがとうございます、メンバーを紹介します。テナーサックス音川英二。ベース望月英明。ピアノ田中信正。ピアノの所だけマイク入ってたの?なにか企んだ?田中さんが笑って首を振る。ピアノの所だけマイクが入ってたみたい。えー、早いものでもう暮れですよね。こないだ2000年の年末のような気がしていますが、もう2001年の年末です。なかなか、テレビとかラジオとか、聞かないと、見ないと、年末という感じがしてこないんですけれど。今日ここへ来て音を出した途端、「あ、年末だ」って、こう思いました(恒例だもんね)。毎度おなじみの曲ばっかりで、演奏回数が少ないものですから、私にとっては非常に久しぶりの曲で、なつかしさを感じます(何をおっしゃる、今年は今回で20回目ですぞ。あの盆暮れバンドと言われていた森山さんとは思えない)一曲目も二曲目も、ピアノの田中信正のオリジナルです。一曲目が、Marching of seventh.そして二曲目がSun, be motionlessって言う曲でした。次の曲はスローバラードを演奏します。これは、前一緒にやってくれていたテナーサックスの井上淑彦が作った曲です。Gratitude、感謝という曲です。

マレット、ブラシでつけるテナーのテーマ、少しテンポが速いかな?テーマからピアノソロに。う〜む、ちょっと調律が悪いのだろうか、響きが今ひとつ。もう少しソロの中に高音域の音があっても良かったかと思う。音川さんソロ・・excellent。特に出だしの連符が、ジャズの三連のアーティキュレーションのいい緩急がついていて(生意気なことばかり書いてる)・・・。美しい。おおお、うっとり。

うーん、デジカメで撮ろうと思ったが、フラッシュを焚かないと暗くて手ぶれしてしまうのでVTRを撮ることにする。Sound River。あれ、Free Peopleが来るのかと思った。ビデオテープから取り込むと画面が選べるから楽、でもこの位置からはグズラさんが全然見えないんだよお。テーマから田中ソロへ。森山さんのシャツがだんだん上の方から汗で色が変わってくる。すごい、周りをみまわすと皆真剣に聴き入っていて、だれもタバコに火をつける人がいない。わあー、良いピアノソロだと思ったがあれ?拍手が少ない。音川さんのバックでがんがんリズムを変える森山さん、なんてなんて音川さんのすごいソロ、わーわー。もうバックのみんなも!!あ〜っ、もうなんて表現したら良いのかな、唖然としているうちに音川さんのキメのポーズ。道具が多いと困るのよねー、拍手したい時にできないのがいちっばん困る。だんだんメモもぐちゃぐちゃになってくるし。はあ、1stセットが終わった。

恒例じゃんけん大会。森山さんが数人を指名してじゃんけんに参加。あっさり決まってしまった。敗者復活戦、森山さんのサイン入りCD「マナ」をかけて。これは指名制でなく希望者全員じゃんけん、森山さんと対決して勝った人だけ残っていくという風にしたほうが盛りあがりそうだ、提案しよう。

2ndセットの最初はFree People。テーマのバッキングも田中さんの左手がちょっと違う??新鮮だなあ。音川さんソロ、音の深みが増している。いいなあー。飛ばしまくりだ、すごい!でも最初からあまりに飛ばしすぎで、緩急がないのですごいのに起伏がなく聞こえて損かな?森山ソロ、いろいろテクが・・・。すごい大拍手!いつも、いつでもすごいと思ってきたけれど、どこまで行っちゃうのかなあ、このバンド。

あれ?MC(スピーチ)がない?のに、Danny boyがスタート。いつもここで芸大時代の苦労話が聞けるのに・でもMCが少ない方がレポートを書く方は楽だけど(ゴメン!)。リズムキーパーのグズラさん。ピアノのギャリギャリのソロ!うわ、ブレークを決めるところ少々迷いがあったとはいえ、田中さん今にも空を飛びそうなくらい両手を広げて!ドラムとピアノのデュオだけれど、何もしていないはずのベースとサックスの二人、全身でバッキングをしている。わーわーわー、最後の大音量からそーっとテーマのシメ、ダイナミズムにうっとり、そしてしーんとなるところまでみんな固唾を呑んで聞いている。拍手のフライングで場内の雰囲気を壊す人がいない、さすがラブリーの客。

どうもありがとうございます。次の曲は今日初めて演奏する曲で、テナーサックスの音川英二が作ってきてくれた曲です。名前は・・・ついてるんですか?音川さん小声でHole in the worldHole in the world。・・・・(なぜかくすくす笑い)世界の穴。(笑い)山のあな、ってのは昔聞いたことがありますが。何か意味があるんでしょうかね。壁の穴っていうHole in the wallって言う名前をつけたんですけど、と音川さんが言いかけたところで 壁の穴っていうスパゲティやさんがありますな。・・・まあ曲の名前なんて言うのは番号みたいなもので大した意味はないんです。昔誰かが「私は平和のために演奏しています」なんて言ってましたが、平和のために演奏なんてできるんでしょうか。こんなところで文句言ってもしょうがないんですが。・・・私は仕事でやってます。(誰かへの皮肉と思われるが、なんかすごくかっこよかった)

おー、ワルツ、と思ったら3,3,2の変拍子、いいなあ(あとでお聞きしたらこれは変拍子ではなくて4,4のリズムだと言うことだけれど聞こえないよー。)。かっこいいけど、ちょっと森山さん面倒くさくなるのでは?あー、やっぱり流れが作れなくて森山さん苦しそう。田中さんよく弾きました。音川さんソロ、森山さんバックで8になりそう、田中さんグズラさんがよくひっぱっている。ドラムソロのバックでベースとピアノのリズムキープがある。おやー、やはり叩きまくり、でも最後のテーマに戻るところで音量を下げるとドラムソロの終わりでも拍手しにくいものだ。最後にちょっとテンポが遅くなったかな?かっこいいけれど、「大変そう〜」と思って聞いていたら曲にのめりこめなかった。うー、大変そうなのでこのバンドのレギュラーの曲にはならなさそうな気がするなあ。

サンライズ。思わずスタートから皆の拍手が出る。おおお、ちょっとまた変則リズムのハイハットワークからスタート、テーマの最後サックスの音が伸びない、あ、マウスピースを直してそのままソロへ。あー、森山さんにこにこしながらドラムとピアノ二人でキメてブレイク。あ〜〜〜〜、すごい楽しそうな顔の森山さん、みんなにこのおちゃめな顔を見せたいわ〜。いいなあー、グズラさんのベースラインとサックスがよく絡んで。お?森山さんがちょっとずつ引っかけのリズムをいれて、また休む。音川さんがそのリズムに即反応する。森山さんそこでまたブレイク。最近遊びができるのよね、このバンドで。
ピアノソロのバックで森山さんまたブレイク。ピアノベースデュオがまたこれがかっこいいんだ。少しバックで森山さんつける、かっこよくハイハットやリムショットでリズムをからませる。ここでざああっと入ってくる、かっこいいなあ、思わず拍手が出る。ドラムソロ終わりの合図、みんな入ってきたのにあれ?まだ続けるかソロを。何なんだ、反則技ー。まだやる?まだやるの?もう降参!わあ、明日もあるんだよ。あ、あと30分近くあるはずのビデオテープとバッテリーだったのにいきなりバッテリー切れのマークが点灯!嘘だあ!

Hush a bye。心にしみるグズラさんのベースライン、ん・・・ん・・・。ピアノソロも短く音を切るソロ、バックで森山さんが歌う。音川さんソロ中、ついにビデオのバッテリーが切れた、くそっ!(あ、失言。きたない言葉はユーグリーンのレポートで終わりにしよう)残念、あすはバッテリー買いに行くぞ。それから即充電だ。ベースソロ。落ち着くなあ。テーマ終わり、あれ?ドラムのリズムが合わない、思わず笑うと森山さんと目があってしまった、森山さんずっこけていた。

ここでグッドバイ、と思ったらGIant stepsが????!!!アンコールの声もきいていないうちにさっさと始めてしまった。あー、あー、あー、ビデオテープ切れが惜しい。何でもこなせる、田中さん化け物かあんたは。音川さん水を得た魚のようだわ、わーおわーおかっこいい、じたばたしてしまう、音川さん汗がしたたり落ち、ジャケットの襟に水玉を作ってきらきら、ジュエリーのように美しく光る。っっとーにすごいすごい、わーい、何ともはや、あー、言葉にならん、音川さんサイコー、くらくらきちゃった。何と緊張感のあるグループなんだ、誰も気を抜いていない。ドラムソロ。ようやるなあー。スピーディーな叩きまくりの、シンバルも多用してタムの音階もうまく利用している、ぱっと音階を切ったらすかさず全員ぴたっとつけ、16小節ほどやってテーマに戻る。

拍手。ありがとうございました、とメンバー紹介。ありがとうございました。どういう意味があるのかわからないまま、三つも今年は賞をいただいて、いつになくたくさん演奏したのかなあと思いますが、おそらくCDがたくさん出たからじゃないかな、と思っています。電話がかかってきまして、「南里文雄賞を森山さんに差し上げたいんですけれど、もらっていただけますか」って言うんで、お金をくれるのかと思って「金一封はあるんですか」って聞いたら「いえそういうものはありません」。授賞式は1/16に東京であるんですけれど、スイングジャーナルの方の授賞式と文化庁の方の授賞式が同じ日で、ホテルが東京プリンスと赤坂プリンスと近いかどうか判らないんですけれど二カ所であります。まあ、行って来ようかと思ってますけれど。さっき、上で話をしていたら「招待状だけで森山さん行けるんですか」って変なことを聞くなあと思ったら金一封が出ないのに交通費と宿泊費をどうするんですか、って聞かれて、そんなことを理由にお断りをした人はいないだろうなって、なんとか工面していこうと思っています(貧乏ネタ、本気にする人がいるかもよ?)。むかしそういうことを考えたことがあるんですよ。何か賞を貰ったら、有名人がやっているように、「イヤ私はそう言うものは欲しくありません」って言ってみようかなと思ったんですけれど、僕が言ったところで、多分貰わなかったら誰も知らないで他の人が貰うことになって、私とスイングジャーナルだけが知っていて、ほとんど何の価値もないんじゃないかって。イチローなんかでもそうなんですが、断ったことが新聞かなにかに出たりするから意味があるんで、(イチローは名誉県民賞を断ったのが最近愛知県のニュース)内々に断ったら何の意味もないので、それじゃいただこうかって。電話で南里文雄賞をもらったよ、って言ったら娘が「なんで?」「なんでじゃないんだ、なんりだよ」ってこのくらい知らないわけで、でもまあ行けばなんとかなるんじゃないかって思っています。

来年も頑張ります!ありがとうございました。拍手!わあー、わあー、今までやめるやめるって言ってたのに、はっきり来年も頑張るなんて言ってくださって、嬉しい、叫びたいくらい!

グッドバイが静かに始まる。いつ、いつも、いつ聴いても本当に泣きたい気持ちになる、名曲。もう言葉になりません。せつなくなって、満足感が胸の中に広がっていく。終わった時もう観客も皆、堪能したのでむりやりアンコールはさせない。皆さん判ってらっしゃる、さすがラブリーの客。

終わってから、今将棋に凝ってる田中さんが音川さんと一局。結果は音川さんの勝ち。

いろいろ書いても、言葉じゃねえー。ああ、どれだけ魅力が伝えられるのだろうと思うとむなしい。みんな聴いてね、森山バンドを。