画像のアップと森山さんの喋りは明日以降にして、第一報ということに。(2002.8.24) 完成!(2002.8.26)

豊橋での仕事を午後6時半に無理矢理終え、あわてて新幹線に飛び乗り名古屋へ。8時前にラブリーに到着、ああ間に合ったぁ。オットが席を確保していてくれたところに滑り込む。のど渇いた、お腹すいた〜と生ビール・鶏の唐揚げ四川風をぱくついていたらあらライブが始まってしまう、メモの用意用意。

あれ、今日はピアノのふたを取っぱらってあるわ。PM8:15 Marching of 7thからスタート。森山さんのスネアのショットが耳に痛いぐらい。良く鳴るわ。森山さんのマーチング、ピアノ入り口で一瞬もたつく。ノブ君ソロから、ランダムな打鍵、ますますパワーアップ?音川ソロ吹きまくる、後ろで森山さん望月さんであおる。ノブ君ガンガンにはつけず、間合いをとっている。お、めずらしく望月さん柄物のシャツだ。森山さん靴を替えましたね、今までのステージシューズからドイツ製の革靴に。軽快に舞い上がるスティックと左足。音川さん首が太くなった・・吹くとき、ストラップが首に食い込んでるんだもの。音川ソロ終わり拍手、ノブ君も拍手している。森山ソロへ。なんか、昔はライブが年に2回くらいしかなくて、たまにあるライブでも一日目はリハーサル・二日目が本番・みたいなことがあったけど(失礼・・・でもそのころは本人に向かって「客の前で練習しないでよ!」などと恐ろしいことをほざいていた私)今日は一曲目からとばしています。バリバリ全開・・・って古いか。音川さんしゃがんで、観客から森山さんの姿が見えるようにしている。ここまで気を遣わないサックス奏者もい・・・・・(前任者のことではない)。森山さんスティックを落として持ち替えるまで一瞬、間が。ちょっと本調子ではない?なんてスティック持ち替えで判断してはいけないか。落ちたスティックがバスドラのペダルに当たってじゃまになりそうな位置で少し心配。静かめのソロ。マーチのリズムになり、もう一暴れあるかと思ったがそのままテーマに。

いつものようにすかさずSun,be motionlessになだれ込むのかと思ったらガーンガーンとゆっくりめのリズムから入る、あれこの曲なんだったっけ・・・音川さんの吹くテーマ、田中ソロ。こういう時のグズラさんのベースラインかっこよい。うん。ノブ君今日は連打系が多いけれど。何かいつもと弾き方が違う気がする。姿勢かな?何か後ろの方でシャーと鳴っている音が耳障りだけれど気のせいかな。カリコリギャリゴリというピアノ、音川ソロ。ああ、そうかこれは音川さんの曲、[Hole in the world]だ。こんどのCD「森」の方に入っている。リズムをピアノとベースで残したまま森山ソロ。

姿勢良く弾いていたが 肩が上がってきて 首が折れ曲がり 腕が伸びてきて 頭を激しく振る、と。

ありがとうございます、メンバー紹介します、音川英二。田中信正。望月英明。えー」・・・・・・とここで間が。クスクス笑いが始まる。「久しぶりのような、いつも同じのような不思議な気持ちです。やる曲はいつも同じなので、変わりばえしないんですけれど。僕としてはいつも新鮮な気持ちでやっております。だいたいどの曲も初めてやるような、緊張感があります。最初の曲は、これはホントしばらくぶりでした、たぶん春からやってなかったんじゃないかと思いますが。ドラムマーチで、叩きながらどうなるんだろうと。筋書きを忘れた話のようになってしまいました。2曲目は音川英二の作りました曲で、[Hole in the world]って曲ですが、なにが[Hole in the world]だかよくわからない(笑)。2曲目の方は新しい「森」のほうに入っている曲で、この、2枚のレコード作りのために音川が書いてくれた曲です。次の曲はこれもまた変わりばえしないんですけれど、私にとっては新鮮な曲です。井上淑彦が作りました曲で、G**です。」となりでTOMさんが大喜びしている。

ピアノのイントロから始まって、美しく、しみる音。ベースの音がまた良い・あ〜、味わい深い。ふわ〜っと、頭が軽くなる・・・頭が軽いのはもとからか、肩の力がぬける、と言い直そう。うっとりしているとレポート書きの手が止まってしまう。やっぱりいいわあ〜。終わりのテーマ、森山さんすごい暴れよう。いつまで経っても暴れている、なんとまあ。

すかさずSound River。アフロリズムが前の曲との対比でよく効くわ。田中ソロのバックでハウリングが1回、2回、3回、4回・・・・アフロから4ビートに変わる流れがスムーズで、ドラムとピアノがお互い顔を見合わせなくてもスムーズに進行するようだ。ノブ君左手を膝の上において右手だけで弾いていてもすごい音量、今までの弾き方とちょっとやはり違うみたい。パーカッション風のリズミックなリズムの取り方。森山音川デュオに。コルトレーン風のフレーズ。あ、今日のトップシンバルいつものと違う。割れてない、新しいやつだ。響きが違うのはそのせいかな?デュオ盛り上がったところで、森山さんいきなり合図、あわててノブ君が入る。ドラムソロ、放物線のスティックの残像が目に焼き付く、デジカメで撮るだけではなくて実際見ていてもそう見えるんだよ〜。ソロが終わりに近づいたかな?と思ったらぱっとノブ君スタンバイ。よろしいよろしい。エンディングに突入、きれいにまとめる。終わって、拍手と歓声、ため息が交錯。

ほお〜っとため息をついていると「流血の惨事」と隣のテーブルから声が。みーこさんご家族、指さす方を見ると鍵盤が血だらけ。すでに1曲目から流血していたらしい、ピアノの弾き方が違うように見えたのはそのせいか?とちょっと心配になる。休憩中のノブ君に聴いたら「大丈夫、全然痛くない」とのことなのでほっとする。座席はほぼ一杯だが明日はもっと多いであろう。

PM9:50。お〜っ、二部はデュオからだ。Danny boy、美しいテーマ終わると同時に不規則な音の展開、パーカッシブに鍵盤を叩く叩く!わおぅ、一騎打ちだ!ノブ君少し長めに伸びた髪を振り乱し、ガシャー〜〜〜〜!と終わりまで突っ走る、最後の最後で美しく終わる、ため息。

「どうもありがとうございます。えー、そこに、大きいテーブルの真ん中に、4枚お皿があるんですけれど、NHKのハイビジョンで・・・」と止まったので小声で「焼き物探訪」と言う。「焼き物探訪という番組にお出になった安藤光一さんという、陶芸家のかたをアピールする役に私を抜擢してくださって、どういうわけか、私が安藤さんにいろいろなことを尋ねて、焼き物の魅力を探るという不思議な番組だったんですけれど。その番組の最後に、焼き物を作っているところでドラムを叩いたらどうなるかっている、そういうしかけがありまして。まあ後から言わせると安藤先生は多分に影響を受けましたっていってなにか飛び跳ねるみたいにして絵筆をふるっていらっしゃったんですけれど。せっかくそういう出会いがあったので、一杯飲んだ勢いで、『何か二人で作りましょうよ』ってことになりました。4人で私が演奏しているのでそれぞれの楽器を、こういうデザインで作りましょうかって、皿に私が絵を描いたんですけれど。そうしたらそれを安藤先生が自分流にデフォルメして書き換えて、それでできあがったのがあれで、なにか4枚って言う中途半端な数ですけれどドラムと、ベースと、ピアノとサックスっていう絵柄が描かれています。それが、安藤先生が『これが限度です』って100組だけ作ってくださって、まあ半分近くは今日までで売れましたが残り半分は今日売ろうかっていう(笑い)イヤらしい魂胆で参りました。CDは1枚で3000円なんですけれど、これは4枚で3000円で(笑い)、枚数で稼ごうって言うヒトはこちらを選ばれるといいと思います。まあこっちは音がでないんですけれどね。せいぜい割っていただいて(あっはっは)。で、CDも向こうに『森』と『山』とありますので、今日『森』を買って明日は『山』を買うと、そんな風にしていただいて。よろしくお願いします。」拍手。

「あと、こういうのもあるんですけれど」とピンクのチラシを取り出す。「何かあまり、私らしくない色なんですけれど。ジャズコンサートがあります。私の住んでいる可児市って街の、文化創造センターっていう建物ができて、なんとか元弥っていう(爆笑)方がお出になるとかでないとか話題になったところです。あれだいぶ話題になって日本全国に『可児市』とか『アーラ』とか名前が知れ渡ったようでねえ。向こうの会館の方は、『迷惑しております』っておっしゃっていたんですけれど、本当に迷惑したのかなあ、得したんじゃないかなあと。放送だったら一分買っても何十万とか何百万とかかかるわけで、それを来る週も来る週も時間をかけて報道してくれたんですからねえ。(サッカーワールドカップ前の大分県中津江村のようだ)私もちょっと横へ行って映れば良かったかなあと。でも何にもお呼びがなかったので。こういうのも(チラシ)早くできれば良かったのにねえ、こういうものを持って泉さんの喋っている後ろで持って映れば宣伝になったかもしれないのに(爆笑、ノブ君も)ねえ。これができたのは三日前で、できあがったときはもう切符が売り切れてましたっていうんで何のためにこんなものを作ったのかしらって。お好きな方は何枚でも持っていってください。」

「後ろにこんな説明もあったりして。」とチラシを見せる。「これは、私のこのグループと、それからゲストに山下洋輔、坂田明で一つのセットを作りまして、それからケイコ・リーと近藤房之助というヴォーカル二人の組み合わせでワンセットやるというところに私が絡んでいくという。まあ歌に絡むったってねえ、大した歌は歌えないので、坂本冬美の『暴れ太鼓』か吉幾三のなんかとか知らないんですけれどね。あ、この歌手二人は(演歌じゃなくてジャズの方)縁がありましてねえ、近藤房之助はその昔、私をおんぶしてうちまで帰ってくれたという・・。私はすっかり忘れていたんですが。『あの時ゃ往生こいた』って言ってましたが。ケイコ・リーはいつもこの店にいたんですよ。私がやるときにいつもこの店にいたんで、自分のファンかなと思っていたんですけれど、『私歌うのよ〜』なんて言ってたので『へえ〜』なんて思っていたんですけれど、歌手だったんですね。そういうことで知り合いになりました。是非、こういう機会ですから我が町のジャズコンサートに出てください、って言ったら二人とも快く引き受けてくれました。山下洋輔は今、私より年上ですけれど、けっこう大活躍しています。演奏回数も多いし。坂田明はあんまり聞かないんですけれど、皆さんご存じですか?この間急にものが言えなくなったっていうんで脳じゃないかって心配しているんですけれど、会うまでわかりません。・・・・まあ坂田明が出るか出ないかって言ってもまあテレビ局は来ないと思うんですけれど。まあこんなようなことで、(コンサートが)あります。多分値段も安かったんじゃないかな?でもまあチケットがもうないなら仕方ないですねえ、いくら言っても。えー、そんなような訳でテナーサックスは音川英二(拍手)。・・・・あんた、手ぇ叩いてどうなるの(と田中さんに向かって)!」爆笑。「おかしいんですよ、この人。終わった後、『森山さん、サイン下さい』お前はいっしょにやってるんでしょう!」会場大受け。「えー、またこれも滅多にやってない曲ですけれど、コルゲンさん、鈴木宏昌さんが、レコーディングする日に藤井先生がお電話したらすぐに折り返しファックスで送って下さった曲です。もうお亡くなりになってしまったので、やらないって言っていたんですけれど、ウソつきタケちゃんとしては(また大ウケ・特にノブ君に)、やらないっていった曲は必ずやるんです。」拍手。

おや、Departure from the Mysterious Flashだ、久しぶり。森山さん曲名を覚えていないのではないだろうか、前やってたときも「コルゲン」と一言指示を出すだけ。一瞬、音川さんのテーマの音も音符が足らないのではと思った。音川ソロなかなかいいぞ!田中ソロいつもと違うみたい。すごいわあ〜、のぼせそう。森山ソロ、ちょっと手足が・・・叩きたいことが全部表現できていないのではと。いきなりのパカン!という音だけでシャバダバダバダ〜とテーマに突入、さすが、久しぶりの曲でもバンドのまとまりを感じさせます。

いきなり森山さん何もいわず手を田中さんの方にむけ、どうぞ〜とおいう感じでスタートを切るように促す。あわてるノブ君曲名を音川さんに確認。・・・音川さん「朝日」。ソロ、ベースとピアノデュオ。この前の山梨みたいに来るかな、来るかな?来るといいなあ〜。おっ、インテンポになってきた。このベースのランニングのすばらしさはグズラさんだけのものだと思うけど・・・・もう1コーラスやる?森山さんまだ入らない?微妙な、響き線をコントロールして、金具をバチンと戻して森山さん軽快につけていく。全員で入り、次は森山音川デュオ。昔のLPの、フラッシュアップ(だと思う)の中の朝日のようにさわやかにのイントロを思い出した。今日はけっこうスティックが飛ぶなあ・・・森山ソロ短め。

あれ、ノブ君の靴下ピアノ柄!と気づいたところでパカン!!とSunriseが始まる。ノブ君ソロ、変拍子っぽいものも入れて。サビのところで音川さんがリフを入れる。音川ソロ、あ〜〜〜、来る来る、響く、森山さん雄叫び、いいぞー、やれやれ〜。インプレッションズ風のフレーズ。森山さんが音川さんのバックで田中さんに合図してトップからターンターンタッタッタッタと二人でつける。この間は山梨でこけそうになったんだよね、大丈夫かなと心配していると雄叫びとともに音川望月デュオに。森山さんいたずらっぽい顔をしてリズムリフを田中さんと入れる。サビから後半は音川望月デュオに戻す。次の1コーラスはまたデュオ。ドラムを叩かずに手を顎につけたまま森山さんが望月さんを見つめて、なぜかうんうんと頷いている。全員でそろって音川ソロを締め、森山ソロに突入。リフに入ってテーマに戻るかと思いきやまたドラムソロを始める、一同ずっこけ。またあ、古いロックのリズムでドーンパーン、ドンドンパーン・・またあ〜・・やめてくれえ。スティックが飛ぶ・・・また飛ぶ・・・持ち替えの早さよ、と思ったら両手に持ったスティックをいきなりぱあっと後ろに放り投げた!満場大爆笑、私は思わずスイングジャーナル誌のあの、4つ星のCD評イラストを思い出した。もうツボにはまって笑えて笑えてお腹の皮がよじれて身動きできず。スカーっとテーマに戻りエンディング。だめ、まだ身動きできない。

おきまりのハッシャバイ。田中さんよく歌うソロ。もう胸一杯。音川ソロ、すばらしい。うう〜、言葉が・・・望月ソロ、1コーラス。これほど控えめなベーシストもめずらしい。森山さん音川さんに合図、テーマに戻る、あれ?ドラムソロがない?

音川さんが田中さんを目で促してイントロ、グッドバイ。ごめんなさい皆様もう手がすでに止まっています。ああ〜、満足。

二日目。トイレに行って戻ろうとしたら拍手が聞こえてきてあわてて席に戻る。昨日と同じMarching 7thから。少しテンポが昨日より遅いかな?気のせいかも。あ、音川さん昼間パルコで買ったジャン・ポール・ゴルチェのシャツだ。右胸のところに革がついていてかっこいいんだよね。森山さんは一人だけ白いシャツを着て目立とうとしている・・・。田中ソロおー、わー、うへー、すげえー。だいぶ苦しげ、ソロの終わりのリフを入れてくれと音川さんに懇願の視線で見上げる、音川さんニヤリと笑ってマウスピースを口に持っていく。音川ソロ。ロングトーンの後ろで暴れまくる森山さん、もうなんかすごい気迫。椅子から立ち上がるようにして、両手を高く挙げショット、かっこいい〜。このバンドが一体になって出しているこのサウンド、あー、森山さんの左手、逆手で叩くシンバルワーク、んぎゃーすごい。もう、一曲目から胸が苦しい。ドラムソロからテーマに戻る時森山さんが一瞬顔をあげて合図するところをシャッターチャンスでねらおうとするが、ピンボケ・・・。ありゃ?森山ソロ少し印象が違う。

メンバー紹介。「みんな黒で揃えてくれました。音川英二はさっきパルコへ行って買った服、田中信正はここにフリルが付いてかわいいんだよね(黒いブラウスにフリル付き)・・・・・・と望月さんを見て間が。客席から笑い。「望月は西友友の会で500円均一で買ったそうです。・・・・あ、ユニクロ。失礼しました。あー、最初の曲はなんだか忘れました。・・・しばらくやってなかったのでね。あ、7度めの行進、March of 7th。えー、今度の曲は音川英二が作った曲で、今度のレコードの「森」の方に入ってるんですね、『Hole in the world』。」

1-2-3-と森山さんカウントを出す。この曲は変拍子で3-3-2に聞こえるのだがなんだかもっと深いらしい、よくわからない。難しいよなあと思っていたら自然に4-4のソロに変わっている。ドラムもベースも、ピアノも自然に。やっぱり、すごい〜、う〜、プロだわ。さすが音川さん自分の曲、メロディアスなソロ。シンバルが変わったせいかレガートの音が優しく聞こえる。森山ソロへ。

昨日と同じ進行、もうこの曲ではうっとりとして手が止まっちゃう。なんだかじわっと目頭がにじむ。昨日は力が抜けたけど今日はもうのぼせそう。リラックスモードに自分を持っていこう。でも感激。店の電話が鳴っている。あ、テーマに戻るところ、ここで来るな!と自分で手を振り上げたところと森山さんの手が一致して思わずにんまり。あー、きれい、あー、美しい、あー・・・・。完璧だ。

森山さんツイストを(知ってる?)踊るような格好でリズムを取り、客席からくすくす笑いが。Sound River。やっぱり今日も少しハウリングがこの曲で気になるなあ。あれ?ピアノソロの最中で4ビートに変わるのがちょっと早かったような気が。森山さんエーイと雄叫び。ノブ君森山さんとのやりとりを楽しんでいるようす、なんだか森山さんを挑発しているように見える、すごい、余裕〜。ピアノがドラムをリードしているようなサウンドに聞こえる。大したものだ。最初の頃、あんなに遠慮がちだった田中さんがねぇ・・・・。盛り上がりの極地、客席からも歓声が。ベースの音がガンガンと入ってまた重厚感。音川ソロを森山望月がガリゴリバンバンというサポートで盛り上げる。うんうん。森山ソロ。もうあきまへん、詳細をレポートするよりぼーっとしてしまって・・・。終わりのアフロリズム、ドーンカーンコンに入ると田中さんの背中がすっと伸びる。しかしまだソロは続く。テーマに戻り、メンバー紹介。ここで一部終了。

あ、二部もデュオからだ。でも「見上げて〜」だ。やりかたはいっしょかな?テーマは静かに入って、2コーラス目からフリーになって、終わりのテーマはまた静かに戻すというパターン。「曲が違ってもやるこたぁ一緒なんです」という森山さんのMCまで思いついてひとりでぷっと吹き出してしまった。あれー、テーマのサビからもうフリーに行くか!これはちょっと意表をついた。激しいピアノソロ、ノブ君の姿なんてブレまくりで撮りようがない。こうなりゃ一番ブレてるのを載せてやろうじゃないか!あれ?二人でブレイクするのかと思ったが来ないのね?きれいなはずのテーマでテンション音を入れまくりのノブ君、さすが。

「ありがとうございます。渋谷毅さんと一緒に作ったCDが『しーそー』というんですが、渋谷さんとふたりでレコードを作ろうという話が持ち上がったときに、果たしてそんなことができるんだろうかと思ったんですけれど、まあ、コトは音楽ですから、やれば終わるだけのことですから、そう心配することはないだろうというようなことでやったんですけれど。渋谷さんというひとはあまり曲をいじったりするヒトではなくて、いじったりするとそういう意図的なところがあの人はいやらしく感じるらしくて、なんでも『普通にやろう、普通にやろう』。でも普通にやろうとすると、ドラムがやる曲やる曲こうなでていてもしょうがないし(とブラシでスネアヘッドをかき回すときの手つき)、全部フリーにしてもしょうがないし、わたしとしてはどうしても普通にはできませんでした。まあ、何か窮するとアイデアがでるもので、今も曲をやってもどういう風にやったかよく覚えていないんですけれど、『しーそー』を聴くと『うまいことやってるなあ』と人ごとのように感じます。田中と『しーそー』をやったらどういう風になるかなとおもってやってみたんですけれど、どうでしたかね、田中さん」といきなりノブ君に振る。「え、あ、はい」といきなり振られてあわてるノブ君。「この人おかしいんですよ〜」とノブ君のことを。客席大爆笑。「昨日も言ったんですけれど、一緒に演奏して終わった後スティックを拾って「すいません森山さんサイン下さい〜(声色をつかう)」爆笑。およそ共演者らしからぬヒトなんですけれど。

えー、そんなわけで(どんなわけだ)異色組み合わせの安藤光一さんとのお皿ができてあのテーブルにセットで4枚置いてあります。ピアノ、ベース、ドラム、サックスをデフォルメして安藤先生が手書きで描いていただいたものです。まあ、そういくつも数ができないということで話があったのも今年になってからなんですけれど、やっとできあがってこれまでの期間かかったって、どれほどできたかと思ったら97セット、きりのいいところであと三つ足していただいて、100セットになりました。昨日まででもう半分近くなくなってしまったんですけれど、後は東京ピットインと最後は9月21日のアーラでのコンサートの時まで何とかもたせようと思っています。4枚で3000円で、一枚なら1000円、なんてことはないんですけれど(笑)、CDをもうお求めになった方は、今度はお皿の方をお願いします。お皿に昨日サインを書いたんですけれど、何となくさまになってそこへうまくはまるんですね。ぜひお皿の方にもサインさせてください(と頭を下げる)。え〜〜、なんか楽しい話と思ってるんですけれど、な〜んも楽しい話が無くて・・・(そんなあ〜と客席笑い)。しょうがないから演奏でもしましょうか。(爆笑)こんどの曲は先ほどお亡くなりになった、・・・やっぱり楽しくならないねえ・・・・鈴木コルゲンさんが作ってくださった曲です。ミステリアス何とかといって、非常に難しい、何とかからの出発といって、Departure from mysterious 何とかという曲なんですけれども、・・・出発してしまいました。 やります!」

テーマに入るロールが短い!あっという間に始まる。テーマの間に入るピアノの短いソロがいいんだわ。今日は昨日よりテンポが速いみたい。音川ソロ、バリバリ、ああ、すごい、びしばしとサウンドが決まっていく。ほーっ、森山さんのインパクトが今日は強く、引き締まっている。バスドラもビシバシ決まる。森山さんだんだんトーンを下げ、響き線をはずして望月田中デュオへ。すごい、あー、森山さんサアーっという音でつけて、だんだん音量アップ、曲のトップから全開でビートを決める、タムをまわす、何これこの緊迫感!!森山さんの左手を逆手に回すショットも決まる!あ、ごめんごめんこれノブ君のソロだった。・・・森山ソロ、端正な、タム類とスネアだけのソロからシンバルワークに移るのもすばらしい、さすがは森山さん、もうまた惚れ直しました、ゴメン、オット!あ〜れ〜、何と言っていいのか・・・!!!

マレットのドラムソロから、あ、「朝日」だ。私の趣味だけで言うとどうもこの曲はねえ・・・「知らな〜い〜街〜を〜歩い〜て〜み〜た〜い〜」に思えてしかたないっす。でもダニーボーイも聴き慣れたらそう違和感が無くなったしなあ。こんなもんかもなあ〜。あれ?ベースワークが変わったのか、田中さんの前は二人のコード進行が合っていないような違和感があったのだが、それは消失。このデュオ(森山さんもそっとつけているが)、テンポあるソロに持っていくところがうちのオットも好きみたい。森山さんのゴージャスなシンバルワーク、かっこいいからもっとやってほしい、ああー、テーマの終わりなんだ。少し盛り下がったのかと思ったけど違った。

パカン!と一撃で始まるテーマ、あれ、テンポちょっとゆっくり目かしら。ああ、本当にこのモードの進行はしっかりしみついてしまった。パシパシ決まる音川トーン、わーい、まだやる!田中さんのリズムを使った感じのソロの入り口、以前はノブ君のタイム感がすこし早めに感じられたこともあったが最近は全然感じない。わおわおすごい、もう1コーラス弾いてもらいたかったような気もするが。あれ・・・・・森山さんまたリフのリズムで遊んでいる、今日は音川さんがどうやっていいやら迷っている。本当に森山さん何をしでかすかわからないのだもの。あー、ドラムソロすごい!パカーンと入るところで思わず自分もレポートを書いているペンを投げ飛ばしてしまった、騒々しいなあ、もう。

MCなく上半身踊りながらカウントを出す森山さん、あー、あかんもう〜、もう田中ソロ、軽快だけどすごいーーーーもうレポートなんて書いてられるかーーーーーーってな感じ。今日の私はかなりどたばたと騒々しい。メロディーを口ずさむ森山さんと音川さん(?)。あ、音川さんのソロもいいぞシャバダバシャバダバシャバダバシャバダバ。望月さんソロ終わりの4小節になって、まったく合図をしないから今日はドラムソロをやるのかと思ったら一拍前にぱっと音川さんの方を見る、音川さん慌ててテーマに入る、なんてタイミングだ!森山さんも笑っている。テーマ終わって、拍手拍手、歓声!

「ありがとうございます・・・」とメンバー紹介。「今日も鈴木宏昌さん、コルゲンさんの曲をやったんですけれど、あの方がトコちゃんが癌で余命幾ばくもないときにつききりで看病してあげていたんですけれど、自分が同じ目にあってしまった・・。日野さんが名古屋の病院に入院していたコルゲンさんをお見舞いに行ったんですけれど、藤井先生のスタジオでコルゲンさんを偲んで日野さんとか、佐藤允彦さんとかが集まって演奏したときに私も仲間に加えていただいて演奏したんですけれど、皆さんがコルゲンさんの思い出を語っておりました。私はあまり思い出がなくて、日野バンドでコルゲンさんが非常に熱っぽくピアノを弾いていたのをなつかしがって、あんなふうに自分もいつかはなれるかな、と思っていたぐらいで一緒におつきあいしたことはあまりなかったんですけれど。立派なミュージシャンになって、たくさんいい曲を書きましたし、多くのジャズミュージシャンにいい影響を与えたんですけれど、偲んでみんなが思い出話をしたのでさぞかし音楽のことをお話しになるだろうと思ったら、『あのひとはいい人だった』と。日野さんは、コルゲンさんを名古屋の病院に見舞ったときに、自分が見舞いに来ることが判ったのでコルゲンさんが病院を抜け出して(困りますね)、イチゴを買いに行って自分たちのために病室でイチゴをだしてくれた、って語っているんです。また佐藤さんは佐藤さんで、『あの人くらい立派な人格者はいない』と話していて、それを聞いていて私は思ったんです。立派なミュージシャンになろうと思ったんですけれど、やめました。最後はあんな風に語られるなら、立派なミュージシャンになるよりはいい人になった方がいいんだなと。こんどお会いするときはもっといい人になります。ありがとうございました。」拍手・・・・

音川さんが目で合図してピアノのイントロ、グッドバイ。ノブ君のピアノによるイントロ、静かに始まって美しく続く。みんな引き込まれていく。テーマ、そうっとそうっと優しく出す音に場内、し〜ん。さっきまでの熱気が、深いため息に変わっていく。音川さんがテーマを吹く。ノブ君ソロ。陶然となる聴衆。終わりのテーマ、吹き上げる音川さん、暴れる森山さん。曲が終わって、メンバー退場。アンコールを要請する拍手に変わるが、たぶんもう、終わり。

終演後、グズラさんと話をしていたら「気が付いた?」と訊かれた。どうも、森山さんがソロの最中に「猩々寺の狸囃子」の一節を入れたらしい。う〜ん、気が付かなかった。「まだ修行が足らないね」と言われてしまった。そうかもしれません、また追っかけ修行に精を出します、はい。次はピットインだあ〜〜!