朝、新幹線の中で書きました。画像をアップしている時間がないので、またそれは後日。

二日目。ホテルの部屋でレポートをアップするのに時間がかかり、慌てて出たところシャトルバスの時間が合わず、「間に合わないかも」でタクシーに乗った(まず一つ目の間違い)。けっこう混んでいてピットイン近くについたらもう7時、あせってレシートをもらわずに降りた(二つ目の間違い)。運転手さんと話しもしたのに、どこの会社か全然覚えてない。ピットインについて、お慈悲で最前列をいただき、さて録音しようとしたら機材がない。ありゃ〜。ホテルかな?タクシーかな?忘れないようにと思って持ったからタクシーの中のような気がするけど・・・部屋に忘れたのかな・・・・

しかたないので今日のレポートはメモに頼ろう、がんばって書かなくちゃ。階段の上で、髪型がかわってえらく短くなってるノブ君が若い男性と話をしている。今日飛び入りするという三木俊彦(as)さん。かわいい顔の短髪、やや小柄。ハードゲイクラブの看板の前で話し込んでちゃ、そういうカップルと間違えられるよ。8時開演と思って、外で電話をかけていて戻ったらもう始まってるの!Mister P.C。あちゃ〜。やはり二日目の方がすごいや、おお、音川さん初っぱなから爆発状態、スゴイ熱気。アルトもなかなかやりますねえ〜、コルトレーンのフレーズなど入れながら、勢いがあって元気がいい。いや〜、この人静止画像を取るのが難しい!バックで音川さんが盛り上げるように吹く。ソロが長くなってくるとフレージングの単調さが少々気になるが、これから先が楽しみな若手ですね。ノブ君ソロ、よく森山さんを聴きながら弾いているのがわかる。望月さん大変そう・・・しかしさすがのベース、弦を押さえ、スライドし、弾き、はじき、叩きと音を作っていく、思わず手に見とれる。くゎ〜、スゴイ、ノブ君本当に凄い、引き込まれてしまう。一曲目から手が震えてしまう。森山さん気迫のドラミング、うひゃ。ちょっとテーマはアレンジしてあって変わってる。終わって大拍手、歓声!

「昨日の練習の甲斐がありました(何てこっちゃ!)、メンバー紹介します。音川英二!望月英明!田中信正!三木俊彦アルトサックスです」拍手。ぺこりと頭を下げてステージから降りる。「次の曲は音川英二の作りました曲で、Hole in the world

昨日はゆったり、とした感じだったけど今日はまた、スイングしているというかなんと表現したらいいのか、ウラがよくわかって気持ちよいノリ。ウラがわかるというのは、ジャズをご存知の方には今更説明することでもないし何を偉そうにと思われるかも知れないが、一拍を1/3に割ってその2つめにリズムの強勢がくる、これをウラというのですね・・・・わかんないか。非の打ち所のない演奏に聞こえる。はあ〜、ぼーっとしてしまっていた。音川ソロまたウラのノリがよくて非常に気持ちいい。ソロからテーマに、ああしみるなあ、いい曲だわ。森山さんの叩くタムが響いてお尻にビリビリ来てる。

Soul Eyes。昨日の宣言通り、マル・ウォルドロンの曲ですね。横目でちらちらと譜面を見ながらテーマを吹く音川さん。望月さんはさすが、譜面なし。そりゃ森山さんは譜面はいらないでしょうが。やっぱり普段やりなれていない曲のせいか、ノブ君のソロには今ひとつ精彩がないようだ。いや、そりゃ、普通のカクテルピアニストが弾くより数段上なんだろうけどさあ、要求水準が高すぎるかも?音川さんそつなくソロをこなす。テーマに戻るとき森山さんスティックを放り投げブラシに持ち替える。

「ソウル・アイズでした。昨日練習しました(嘘ばっかり)。マル・ウォルドロンさんが亡くなられたんですよね、マル・ウォルドロンさんの作った曲です。次はなくなられた鈴木宏昌さんの作った曲です。亡くなられたって事を強調したいわけじゃないんですが、なつかしい曲です。題名は難しくて言えません、なにやらの出発って曲ですよね」音川さん「Departure from the mysterious flash」森山さん「という曲です」

タイトなドラミング、ギャーひどいハウリング!今日は昨日より少しテンポが速いかな。ノブ君黒シャツの重ね着、音川さんオレンジ色のTシャツに黒Tシャツを重ね着。望月さんは黒の長袖Tシャツ、森山さん白のシャツ。のけぞって吹く音川さん、余裕でかます森山さん。ピアノの音量少し小さいか、森山さんとっても楽しそう。うわー、繰り出すフレーズ、リズムがノブ君の出す音とまともにぶつかりあってがっぷり四つに組んでいる。森山ソロ、スネアのショットがよく響く、もう胸がつまってしまう、何とすばらしい!

「えー、後ろのところに例のものを持ってきました、小皿叩いてチャンチキおけさ、なんてこと言っていますが、もうお買い求めになった方も一組だとたぶん割れてしまうのでもう一組お買い求め下さい。ドラムを新しくしました。まだ叩き始めたばかりなんです。これタイコだけで100万円以上したんです。古い方を売ろうかなと思うんですけれど、お友達を紹介してください」あっというまに売れたらしい。オークションでもすれば良かったのにね。

休憩中、ノブ君と話していたらメンバーがステージへ向かう。ノブ君慌てて手に提げていたバナナを控室に置きに走って、舞台へ駆け上がる。私はたのんだバーボンソーダができあがるのを待って席へ、後ろの観客にはひんしゅくもの、一部も二部も始まってから最前列へ座るのだから・・・。Sound river。ノブ君のソロ、森山さん実にじつに楽しそうな顔。わたしも思わずにこにこしながら森山さんをみていたら目が合ってしまった。ノブ君が低音から高音に和音を盛り上げて・・・余裕で遊んでる森山さん。奇声をあげる、昨日は出なかったね。きゃー、いいわいいわ。音川さんも楽しそう〜にノブ君のソロを聴いている。うわ、すごい!だんだん両腕がしびれてきた(しびれちゃう!ってのはこういう感覚かしら?古いな)、繰り出すリズムがノブ君と森山さんばっちり。ノブ君も楽しそうな顔で弾いている。ステップを踏むかのようにソロをする音川さん、バックで暴れる3人。ドラムソロ、いきなりスティックを落とす森山さん、叩きまくった後渾身のテーマに!額に汗が光る、テーマ終わりウォーと吠える森山さん、歓声が上がる。

静かにGratitudeが始まる。ピットインの電話が鳴っている。森山さんのまぶたから汗が滴り落ちる。あ〜、まだ余韻が消えません。テーマから、ソロに入りノブ君とグズラさんのデュオ。きれい・・・あ、くしゃみが出そう・・・・必死で我慢。ノブ君の前の譜面台がじゃまなんだよなあ・・・使ってないんだからどけちゃえばよかったなあ・・・写真撮ろうとしても譜面台にピントが合っちゃうんだもの・・・。音川ソロも、うっとり。あ〜、暴れる森山さん、ふう、静かに終わって静寂。

森山さんにやーっと笑ってすかさずパカン!とサンライズ。音川さんタパタパタパタパと切れの良いフレージング、膝を曲げてのけぞる、ああ森山さん楽しそう。音川ソロよくドライブしている。田中ソロ、望月さんとデュオになり小気味よく展開。トップから森山さんと音川さんがつけ、サビに入ったところでまたデュオに。グズラさん、ホントにすごい。ありゃ〜、森山さん遊ぶあそぶ。ドラムソロ、音量も昨日と全然違うよ。バシバシ来ちゃう。ドラムソロを真剣に聴いている音川さんの横顔がまたいいわ、なんて。ああ森山さんステキ〜、キャ〜!

ハッシャバイ。うん。今日はやるのね。何かノブ君のソロあっさり終わっちゃった気がする、音川ソロ、ベースソロと廻る。ああ、もう終わっちゃうのね・・と、いつもハッシャバイを聞くと、なんとなく寂しくなる・・・。ドラムソロなくテーマに戻るよと森山さんが音川さんに目で合図。

なるべくステージを見ていようと思うと、メモを書く手を見ないことになってノートが凄いことになってる・・・ミミズがのたくったなどというものではなくイトミミズが散乱しているような・・・自分で書いてて後、読めやしないんだもの。

「どうもありがとうございました、無事終了いたしました、何かねえ・・・昔はそういう考え方をしなかったのに、ひしひしと年を取ったなあと思います。さっき休憩中に控室で誰かが言ってたんだけれどチコ・ハミルトンは80くらいでばりばり叩いてるんですから森山さんも頑張って叩いてくださいと。それなら私もまだ20年は叩けるなと(やった〜!)まだ新人と同じくらいですね。拍手。母親が84になって、一人で暮らしているものですから毎年岐阜から山梨にこの時期になると連れに行くんです。最初はいかにも嬉しそうな顔をしているんですが、数日経つと『お前は子供の頃から駄目だったけど、いつまでたってもダメだね』と私の怠惰なところを戒められます。今年も迎えに行くつもりなんですけれど、怠惰なところをしかられて頑張ろうと思います。来年もよろしくお願いします」と頭をぺこりと下げる。

Goodbye。森山さんが汗を拭く。ああすてきなイントロ。このまんまCDにしちゃいたい。テーマ。しーんと静まりかえる場内。みんな、ノブ君に聞き入っている。テーマのサビから音川さんが入る。レフト・アローンより名曲ではないかと、以前うちの掲示板で盛り上がっていたことがあるが、本当にそう思うわ。ああ、グズラさんの音が響く。いいわいいわ。森山さん置いたタオルがじゃまになっていて叩きながらタオルをどける・・・思わずニヤッと笑って見てしまった。いやしかしすばらしい演奏だわ。終わって拍手。収まるかと思ったが続いている。もう演奏はないのは大体みんなわかっているのだ。「拍手してたら出てきてなんか喋ってくれるかなあ」なんて声が聞こえた。

「ありがとうございます。今、田中にピアノソロで何かやって、っていったら首が取れるほどぶんぶん振って、絶対やらないって言うんで、しょうがなく出てきました。何でしょうかね、私の若い頃山下トリオ時代に、アンコールでドラムソロをやれっていわれたら喜びいさんでやっただろうと思うんですが。・・・・夕べ呑んだときにこれだあ、って明日喋るネタを思いついたんですが忘れてしまいました。・・私の住んでいる岐阜県可児市にAlaっていう、オープニングの時に能の方がヘリコプターを飛ばすだ、ジェット機を飛ばすだっていう騒ぎを起こして有名になってしまいました。来年の出し物がほぼ決まりました。ケイコ・リー、山下洋輔、坂田明、近藤房之助なんかの有名どころに出てもらって、名前を利用したようで気恥ずかしいんですが、可児市の人々にジャズにもいろいろあるんだって事を知ってもらおうっていう理由なんです。ことしの9月にコンサートをやって1000人のホールが満員になりました。来年こそ森山さん単独でやりましょうって、市の人は無謀なことを言うんです、よしそれじゃあみんなに目にものを見せてくれる、っていうんでうちのグループだけでやって、5-60人くらいでやろうと思ってます。でも自分のグループのみじゃなくじゃなく、9分とおり、ジョージ・ガゾーンという、去年から今年にかけて2-3回演奏をいっしょにやった彼と、エイブラハム・バートンというK-1の選手みたいな人と(笑い)、ベースの井上陽介、ニューヨーク在住なんですが3人来ていただいて、レコーディングまでやろうと考えています。うちのグループとセッションをしたりして。お客はさすがに小ホールで、400人の観客席のほうにしましたが、Alaの方は、入りきらなかったらどうしようなんて心配していますが、入るわけがないんで私の可児市での生命もあと1年ということになりました。もし入らなかったら、もっと山の方へ親子3人移り住んで細々と暮らしていこうと思います。

けっこう可児市とか岐阜県とか声をかけていただいて、来年は10月から11月にニューヨークでグループで演奏したいと思っています。昨日も話したんですが、織部博という焼き物の展覧会をニューヨークのメトロポリタン美術館で岐阜県の主催でするそうなんですが、僕のグループを推薦してくださって。茶碗なんかこわしていろいろやろうと思ってます(笑い)

最近も娘が卒業した可児東中学校の創立20周年記念の式に呼ばれまして、校長先生のお話の後に森山さんのドラムソロを聴きましょうっていう(大爆笑)企画がありましてやってきたんですが、先生たちから『お前のお父さんはすごいな』って娘も言われて娘も見直してくれたようでまあやって良かったと思っています。これで来年もやっていかれそうです、綱渡り人生が来年も続きそうです。ありがとうございました」