Giant stepsから始まる。ああ、やっぱり一番前がいいわ。ノブ君、ピンクのシャツ。グズラさんは昨年のalaのTシャツだね。音川さんのベルの前だと、少々ノブ君の音が聞こえにくいかと思うが、贅沢な悩み。音川ソロ、滑らかなフレージング。森山さんの左手のスネアショットと、望月さんの高音を弾く音が良く合う〜。森山さんのドラミング絶好調、って感じ。音川さんよくこんなに吹けるよな!おお、田中さんが森山さんを見るとすぐさま、いやちがう、森山さんはずっとノブ君を見つめていたのだ、森山さんタムを連打。すごいや、あ〜、来た来た来た〜、このタムを入れるタイミング、音、ああ、またまた!ぎゃ〜、まだやるか!ってな感じ。この二人のバトルを支える望月さんも凄い!ドラムソロ、あ〜、森山さん、今日はまた音が大きく、耳が割れそうな感じ。森山さんのドラムにはマイク立ってないしネ〜、それでも凄い音。この一撃だけでどーしてこんな音ができるの?すっと森山さんがドラムを叩くのを止めただけで、おおきな合図もなくふっとテーマに戻った。全員の呼吸がよくあっていると思うな。

音川さんが上着を脱いだ、赤の模様のシャツ。

ああ、今日も二曲目はAfro Blue。テーマでのソプラノの音が一瞬よれた。テーマが終わったところで拍手。ピンクのシャツのノブ君、ちょっと妙なフレーズも入る。音川さんソロ、凄いな。音川森山デュオになった。スティック3本一気に飛ばした。ノンブレスで吹きまくる音川さん、少しだけ目で合図してドラムソロへ。メリハリのあるドラミング。昨日共演した丸山先生がおっしゃっておられたが、「ドラムを叩くために生まれてきたような人」という表現はあまりにぴったりかも。すうっと音を小さくするだけで、エンディングへの合図になる。このタイミングのみごとさよ。

今日はMCが全くないぞ〜。MCマイクがそばにない?なんてわけはないだろうし。それでもライブレポートを書く身としてはありがたいような気もするけれど。拍手と共にテーマ終了。

またもMCなしでI want talk about youが始まる。昨日とうってかわってMC全くなし。ん〜、どうしたかな。ノブ君の優しいソロが美しく響いて、うっとり。少し肩が上がっていて、昨日の森山さんの話を思い出す。テンション入りまくりなのにきれいに聞こえるバッキングとソロ。ああ、こんな風にピアノが弾けたら楽しいだろうなあ。音川ソロ、よくフレーズがつながり、まとまりはなんという素晴らしさだろう。お互いがお互いをしっかり聴きあって。音川さんのカデンツァーが最高潮か?というところにぴくっとノブ君の手が動くが、まだ続く。音川さんが振り上げたサックスをおろすところでEnding。

Mr.P.C.が始まる。ここまで全くMCなし。いったいどうしたことか?あまり笑顔もなく、体調が悪いのではと少々心配。写真を撮ろうと思っても、森山さんの手前のシンバルに合ってしまうのだ・・・あ、少し森山さんの表情に笑みが戻った。ノブ君ソロサクサクという感じ。ヒートアップ、森山さんがあおる。サクサクがガリガリになり、ガンガンギャンギャン。右目でノブ君を、左目で森山さんを見る私。ノリノリの音川ソロ。おーおー、疾走する音川さん森山さん凄い。森山さんノブ君に合図してピアノのリズムを合わさせる。森山音川デュオに。大変だったら音川望月デュオにさせるという手もあるのになぁ〜。途中でまたベースとピアノが戻り、カルテットでの演奏に。この叩きっぷり吹きっぷりで、32小節の終わりをぴたっとテーマのフレーズに戻すところはお見事、本当にバンドが一体となっている。と思ったら音川さんが吹き終わった瞬間、何どうしたの?みんなが一瞬停まってしまった。このままエンディングに突入するつもりだったのだと思うが、ここで森山ソロに。ああびっくりした。タタン!でテーマに戻る。歓声が飛ぶ。

「どうもありがとうございました!音川英二!田中信正!望月英明!」「昨日もいらしている方がほとんどなんですよね・・・・・」「紹介する元気がなくて、演奏しながら何を喋ろうかと考えていたら暗くなってしまって・・・」チラシを持って「『LIVE SUPREME』というコンサートです。可児市のalaで、9/19,20と金、土と二日間やるんです。あの・・ぼくは本当はジャズを知っているんだということをこの機会にお見せしようと思って・・・」と、alaのチラシを持ったまましばらく沈黙。「メガネを忘れてきてしまったんで」笑い「こんな小さな字読めるわけない・・・」爆笑。「初日の19日の1ステージ目は、コルトレーンの1965年以降の作品をとりあげて、ジョージ・ガゾーンとエイブラハム・バートンと、ベースは井上陽介、そしてピアノは田中信正というクインテットで演奏します。アセンションとか、トラディッションとか、あまり知らないでしょ?僕が知らないんだから。今レコードを聴き始めています。あまり譜を覚えても仕方ない曲なんで、一発勝負でやろうと思っています。それから、その日のセカンドセットがこのグループで演ります。そして9月20日、二日目の最初のセットは井上陽介と田中と僕のピアノトリオ。今必死で原曲を聴いたり、今日も昼間、二人で秘密練習したんだよね、」と田中さんを見て。ノブ君うんうんとうなづく(ホントかい)。「ノクターンとか、別れの曲とか、・・・それから・・・月光・・・・仮面じゃないよ」笑い「それから・・・童謡の中だったら、・・・」「月の砂漠」と私が言うと「どうしてあんたが知ってるの」笑い。ノブ君「チャップリンの・・・」「あ、そうチャップリンの」私「スマイル」「スマイル」ノブ君「テリーのテーマ」「テリーのテーマ。何か、でもたくさんあって、16曲ぐらいあるんですよ。なにかリビングにいてそれとなく人と会話をしながら、コーヒーを飲みながらでも聴けるようなCDになればいいなと思っています。つまり、全体の中でがらっと雰囲気を変えた感じにその部分はしたいと思っています。そして最後が、このタイトルの元になっているんですが、A LOVE SUPREME、至上の愛組曲をエイブラハム・バートンとジョージ・ガゾーンのクインテットで演奏したいと思っています。アンコールがあればいつまででもやるという趣向ですので、1日目だけ聴いて安心なさらないように。それから、たかをくくって二日目だけいらっしゃるということのないように。よろしくお願いします。しばらく休憩します。」

2nd setの一曲目は何かな〜。と考えながらアイスコーヒーを飲んでいたら、周りの目が点になっていた。アイスコーヒー風カクテルじゃないのかと思われたりして。メンバー登場。みんなが拍手で迎えたら、望月さんが私の前でノブ君拍手(手のひらのいちばん手首側をくっつけたままする拍手)のまねを。

Sound River。ノブソロ。タパタパタパタパ、途中でガンガンと盛り上げ、アフロリズムから4ビートに。目で合図して音川ソロ。低音で吹きまくる音川さん、フレーズに合わせてバッキング、ノブ君。楽しそうにつける森山さん。最高潮に盛り上がる。グズラさんのベースのうねりが押し寄せる。おお、ドラムソロ、響き線をはずしてタムのような音に変えたスネアを叩きまくる。音階を叩きわけるような、リズムをテーマに戻す時に左膝ですっと響き線のレバーを戻すところはさすが。ああ、このソロは職人だ芸術だ達人だ!テーマが終わり、拍手。歓声。

「ありがとうございます。えー、最初の曲は、音川の、曲で、サウンド・リバー、音・川でした。えーと、音川の、リーダーアルバムが、出ました。昨日と同じ紹介のしかたをすると、ドラマーがすばらしい」爆笑。「話に乗らない・・・田中さん今日昼間何着て歩いてたんですか」ノブ君が最近浴衣に凝っているのを知っている、ノブ君HPの読者と音川さん大笑い。「浴衣着て歩いてたんです」客席からおお〜、の声があがる。「今日ここにも浴衣姿の方がいらしてますが」と、浴衣美女2人をさして。「本当は今日、ゆかたで演奏したかったんでしょ?」「昨日始まる前に相談されました」と音川さんが暴露。あわてるノブ君。「見るのも恥ずかしい」と森山さん。「・・・・でもいいかもね・・・・どうしてそういうものを着たくなるんでしょうか・・・」ノブ君「何となく着たくなって」「和服が。僕にはそういう経験がないから全然わからないなあ。(ノブ君の)髪の毛もイイ色に染まってるし」「失敗したんです」「田中さんをいじめると、なんだか話に乗れそうな気がして。化粧したいとかなんとかは、男の人でも普通に思うことかも知れませんね。僕も中学生の時、眉毛がうんと薄かったものですから、薄い中でもまたこの真ん中へんが毛がないところがあって、そこだけでも母親の眉墨を塗っていこうとおもって、塗っていたらああこっちももうちょっと濃くしようかな、なんてなってしまって、家を出る時になったら母親に『威男!なんだその顔は!』最初はちょっとここだけ、なんて思っていてもだんだんだんだん濃くなってしまって。皆さんもそうですか?だから、すごい化粧している人でも最初は最初はそうじゃなくて、鏡を見ている間にあれもうちょっと、もうちょっとと増えて行くのかなと思って。田中さん着物の後はどうなるんでしょうかね。こわいものがあります、ちょっと塗ってきました、なんて。二曲目はまたこれも音川さんが作った曲、ですね。はい。なんていう曲・・・」「Hole in the world」「世界の穴。山の穴、ってのは昔落語にあったんですけど。」

Hole in the world。ゆったりしたテンポのワルツ。おお、ばりばりというサックスの低音の響きが凄い。ピアノの和音が何ともいえず。ありゃ、サビの入り口がいつもより決まらなかった感じ。なぜかな?ノブソロ。ステージでは左側にあるのだけれどシンバルのシズルの音が響いて右側から聞こえてくる。もうソロが終わるかな?いやまだ延々と続く和音を多用したファンキーなソロ。音川さんが楽しそうにノブ君を見ている。フレーズに広がりを持たせるバッキング。ノブソロからそのままテーマに突入か。

Gratitude。あ、かわいい感じのイントロ。野に咲く小さい花のように。ピアノのフレーズに色彩があるとすれば、いつもと違った色に感じた。あれ、初めて気がついたけれど音川さんエクボができる?ああ、美しいソロ、ノブ君もっと弾いて〜。音川さんの響きも、何と味があることよ。ワイヤーブラシで大暴れする森山さん。

パコン!でサンライズ、音川ソロ。おお低音がよく響く。パコン!という音でリフを森山・田中コンビがつける。デュオになるかと思ったがそのまま続く音川ソロからノブソロへ。す〜っと森山さんも退いてベースとピアノのデュオに。いいねぇ〜、このデュオも。森山さんはリムショットを入れて。おお、仕掛けたぞ、2barsみたいに。すごい、ノブ君がリードをとって!うわお!ノブ君一生懸命に鍵盤を拭いているけれど流血したかな?

「音川英二!田中信正!望月英明!」イェーイ、拍手、歓声。「さっき、音川英二のリーダーアルバムを紹介しました。そして、昨日、50枚持ってきたんですよね、昨日半分くらい買ってくださったそうで、今日も半分くらい売れる予定になっています」笑い。「ついでながら、同じメーカーというか、何というんですか、同じ会社から杉本喜代志と私のやったレコードも同時発売になりましたので今日も持ってきてもらいました。昨日半分くらい売れたそうで、今日、残り半分が売れる予定になっています。よろしくお願いします。で、田中信正君のCDも出たんですね」「ハイ」「あのー、なんというタイトルですか?」「Mummy's Dance」「? エ?」「Mummy's Dance」と繰り返すノブ君。「どういう」「ミイラの」「あ、ミイラの踊り。気持ちの悪いタイトルですね、でも、僕は聴きました。聴きやすいですね」笑い。どういう意味かな?「お酒もよく言いますでしょ、この赤は飲みやすいなんて。飲みにくいようなものをなんで飲むのかってね、飲みやすいのなら水の方が飲みやすいと思うんですが」「聴きやすいですか」とノブ君。「ええ、よろしくお願いします。まとめて3枚買ってくださった方には何か特典がつくんですか?・・・ベースをつけて差し上げましょう」大爆笑、拍手。音川さん「それはすごい」「残りはくれぐれもよろしくお願いします。9月の19,20日は現地でお会いすることにしましょう、ありがとうございました」拍手。

すっとハッシャバイが始まる。ノブソロ。音川さんのソロ、まとまり◎。ふう〜っと気持ちよくなってきた。サビで森山さんが歌っている。

拍手。森山さん何もいわずノブ君を見てウィンク。強さと激しさ、優しさと柔らかさ、不安と切なさ、いろんな感情が押し寄せてくるような、一つ一つの音が表情を作るグッドバイのイントロ、すばらしい。テーマのメロディーを低い音で弾き始め、森山さんがシンバルだけでつける。なんだかグズラさんのベースの付け方もいつもと違う感じ。うお〜。ノブ君ソロに入ってから、ノブ君のフレーズ少々落ち着きのない感じの音階。きれいにまとめて終了。ありがとうございました!音川英二!田中信正!望月英明!

拍手が鳴りやまず、森山さんMC。

「どうもありがとうございます。あの、皆さんもこれ以上演奏する曲がないこともよくご存知の通りだと思います。私も外で『森山さん出て行きなよ』ってみんなに言われたんですけれど、何を言って良いのか頭が少し休めになってしまって、実はこういうことが二日三日前にもありまして・・・。お医者さんいます?何曜日だったのかとか、何月だったのかとか急に判らなくなってしまって、何度も何度も人に訊いたりするんですよ。親父が脳梗塞の最初の頃そうだったんでしょうかね、『何時だ?何時だ?』って腕時計を見ながら何度も人に訊いていたのを思い出して、とうとう俺にも来たかって、ちょっと寂しい気がしているんですけれど」ざわつく客席。「ヤダー」と言う声。「一過性のものでしょう。年を取るとしょうがないですね。でも頑張りますよ、9月までは。こればっかりなんですけれど、これが終わったらそろそろやめても良いかな、なんて思ってるんですけれど。えー、なんにもしょうがないから、スティックでもあげましょうか。落ちてるの・・・もらってくれます?」「欲しい〜」と手が上がる。「一本で良いですか」「はい、ありがとうございます」「あ、また遠くから来ている人にあげましょうかね。昨日は秋田からもいらしてた方が。秋田、遠いですよね、北海道よりも遠いくらいなんで」爆笑。「茨城」「茨城、横浜・・」手を挙げていたヤジ男に「そっちは近いですね」「すぐ近く」と言ったTOMさんににあげてしまう「やっぱり女性に弱いんです。・・・・どうもありがとうございました」拍手。

皆さんご安心下さい。すぐに総合病院の脳外科部長にお願いして検査していただき、心配ないというのが判りました。私も、まだまだ追っかけ道が続けられるな・・・・。