年末年始の休暇にレポートを書いて早速アップするつもりが、旅行先にパソコンの電源ケーブルを持っていくのを忘れ、結局書けずじまい。日常生活に戻ったらまたレポートを書く時間がとれず、半月も経ってしまいました。なんとまあ、森山さんのよくおしゃべりになった事よ・・・演奏の最中は森山さんの体調が心配で、結局メモがあんまりとってありません。MCの再現が中心のレポートになってしまいました。お許し下さい、ああ来週はもう北海道ツアーだ・・・(2004.1.14管理人記)

ちょいと早めにラブリーの前につくと、黒山の人だかり、一日目にしてこの人数はすごい。明日はどうなっちゃうんだろう。今日明日、H条さんの分のチケットがあまってしまっていたが、クリコさんにひきとっていただけて助かった。入場を常連さんと共に待つ。最初は余裕だったが、定刻の6時を過ぎると5分、10分と経つうちに底冷えがしてくる。

入場していつもの席を確保する。座席は一日目の6時半にして既に満席、補助椅子が出ている。maroちゃん、K藤先生と同席。ちょっと落ち着いてから今日の昼間作ったスケジュール表を配って回る。皆さん好意的に受け取ってくださる。それからコンビニにコピーを取りに行ったり、年賀状を出しに行ったりと落ち着きのないこと。戻ってきたら大阪の「ドラマー」さんが同じテーブルについていた。話がどんどん盛り上がり、花が咲く。今私が参加させていただいている、イラクの子供たちを救おう!というプロジェクトでお世話になる名古屋大学K島教授が、同席のK藤先生の直属上司だったということが判明。世の中狭いな。

8時過ぎ、メンバー入場。森山さんの体調がかなり悪いのは知っていたので心配でならない。実は昨日ご自宅まで往診してきたのだ。ん、グズラさん久しぶり。音川さんのシャツは初めて見るやつだなあ。森山さんはジャケット姿。お、いきなりBye bye blackbird ?このバンドでやったことはあったっけ?テーマをちょっと崩して、音川ソロ。サックスの音が少しよれてきこえるが、音響のせいかも。ノブ君のバッキングがおもしろい。森山さん、表情が険しい。今日はちょっとつらいかな。それでもドラミングはいつもの一曲目よりもリキが入っている、かえってすごいかも。一曲目から張り切りすぎだわよ。体調の悪いのをカバーしようとしてかえって力が入っているようだわ。音川ソロ、だんだん盛り上げていくところ、ノブ君のバッキングもまたおもしろい。ノブ君髪の毛、後ろが立ってて寝癖がついているようだわ。でもこの写真じゃ頭もほとんど見えない。ノブソロ、フレージングがおもしろい。森山さんもノブ君につけてバシバシとヒートアップ。う〜ん、Bye byeでこんなにすごいの?だんだん森山さんの険しい顔がゆるんできた。やりとりがすごくて、森山さんの笑顔につられて笑えてくる、あ〜おかしい。ノブソロ終わってすぱっとベースソロに入る。音川さん、エンディングの循環コードの4小節を繰り返している部分があまりにもハードで、どんどん盛り上がっていく。音川さんどこまでやるの、森山さんは必死に叩いている、フロントに立っていると森山さんの表情は見えないものね・・・・やっと音川さんがサックスを振り上げて終わりに。ふへ〜。なんか、楽にやろうとしてバイバイを選んだように思えるけれど、かえって裏目に出たのではないかしらん。

森山さんは曲が終わってしばらく沈黙、不安だわ・・・大きくため息。「ドラムを叩くのがこんなに疲れるものだとは思いませんでした」笑い。森山さん側の観客から「森山さん、とばしすぎ〜」の声。私と同じことを思っている人がやはりいたのね。「やりすぎ〜」の声も。森山さん、音川さんを見て「いたわってくれぃ!」爆笑。「星野監督だって俺より年下なんじゃなかったですかね」うしろから「それがどうした?」の声。「はぁ。(とまたため息)今日はかっこをつけてこんな格好をしてきたんですけれど、やっぱり危な系みたいだって・・・」拍手、笑い。「一応メンバーでも紹介しましょうかね、音川です」拍手。「望月。田中です」それぞれ拍手。またしばらくちょっと間が空き森山さん小さなため息、笑い。「去年はね、ここを終わって数日して胸膜炎という病気にかかって、1ヶ月入院してるんです。あれはもう、本当に死ぬかと思いました。いきなりナイフで心臓を刺されたみたいにずきーっと痛くなって、脈拍が一気に200くらい、心臓が動くとそのたびに炎症を起こしているところが刺激されていたいのなんの、もちろん救急車で運んでもらったんですけれど、女房なんかは『延命治療はどうしますか』なんて訊かれたぐらいで(観客席からは笑い、でも冗談抜きで本当にそうだったんです、思い出すだけで背筋が寒い)、でもホント麻酔でも睡眠薬でも打ってくれって頼んだんですけれど、『今うつと危ないからって言われて(注:実際、血中酸素濃度が低い場合は危ない)、まあ寝てください』って言われても寝られないですよね、酸欠状態でチアノーゼがでてしまって、片肺に3リットル水が溜まってたっていうんですから、おおきな瓶2本分くらいですか、そんなに溜まるものなんですね、体重が増えたんじゃないでしょうか(笑い、でも実際増えてたと思います)、そういう状態だったものですから、今年はもうラブリーはやめた方が良いんじゃないかと思ったんですが(笑い、でも実際直前までキャンセルしようかと思われたらしい)、でも考え直してラブリーの前に入院してしまえばいいと思って今月4日に病院に行ったらみごと入院でした。約10日間肺炎で入院してまして、えー、まあ治って大丈夫だろうと思ったんですけれど、私も年なんでしょうかね、腰がすごく痛くなっちゃって、レントゲンも撮ってもらったんですけれど、『別に骨に異常はない』と言われて、10日間も寝ていていきなり起きあがったから痛くなったんでしょう』って、それはそうでしょう、こんな重たいものを物置から出してきて、革張り替えてチューニングして、それをまたえっちらおっちら車に運んで積み込んで、本当はもうそういう作業をしてはいけないんです、こういう年にならなくてもボーヤっていうんですかね、弟子みたいなのがいてそういうことをやってくれるんですけれど私には弟子がいませんもので、ひとりでやってるんです・・・いろいろ喋っているのは時間を稼いでいるんです。でもやらなきゃ終わらんからね、いくら時間を稼いでも。やりますよ。あんたらいいね、休んでいられて」とメンバーの方を見る。「田中さんの何か挨拶でも聴きたいね」イェーイ、の歓声、大拍手。ノブ君ぶんぶんと首を振る。「うちの娘も物まねうまいよ、『田中で〜す』」と高めの声で。爆笑。「でも今日は何か言わせましょうね、楽しみにしていて下さい。」拍手。

ドカン!から始まる、サウンドリバー。テーマから、ノブソロへ。森山さんのアフロリズムに乗って、高音を多用したパーカッシブなソロ。テーマのリフが少し入って合図、4ビートに、ノブ君の右手と森山さんのシンバルがばっちり合う。縦横無尽という感じ、森山さんも険しい表情がすこし和んできた、リムショットも響く、おおドラミングはすごくパワフルだが、力みという感じは消えてきたか。音川ソロにすっと移行。徐々にフリーっぽくなってきて、森山さんとバシバシ。そこにノブ君がからみ、望月さんがぐいぐいとねじこんでいく。音川ソロからドラムソロに突入、拍手。そんなに長くやらなくていいからね、と思っていたが意外に長いソロ。ばっちりの体調の時の方がソロも喋りも短い・・・のではないか。体調不良をカバーしようとして、かえっていろいろ手も口も足も動かし、かえって疲れてしまうのではと余計な心配をする。ドンッタンタン・タタンットッ!からテーマに戻る。ふー。拍手。

森山さん脱力状態。「音川さん、メンバー紹介してください」客席から掛け声、森山さん「盛り上げないで。」音川さんがマイクを持って「え〜、森山さんが病み上がりで大変なんですが、でもいつもより元気にリハーサルもやってましたし」森山さん「下手に聴いとられん」音川さん「そろそろ大丈夫ですか」森山さん「な〜にを言ってるんだ」音川さん笑い、森山さん「田中さんにも何か」音川さん「田中さんにもじゃあ何か一言」大歓声、拍手。観客席から「歌って〜」の声。田中さん一言マイクを持って「今晩は〜」と言って音川さんにマイクを戻す、「え〜?」「それだけ〜?」と観客席からブーイング。音川さん「それじゃあ、さっきメンバー紹介はやりましたので、一言ずつみんなにいただくということで」拍手。「望月さん何か一言」望月さん「イヤアダァ〜」と裏声で。大爆笑、「アンコール」の掛け声、拍手。森山さん「お前はハナ肇かい」音川さんが「では、次の曲はスタンダードのナンバーで、In a sentimental moodです」と締める。森山さん「インナーじゃないでしょ、インナでしょ」またわけのわからんつっこみを。

ソプラノで美しく始まるテーマ。ピアノソロは望月さんとのデュオ、森山さん休もうとしてるかな?息子から携帯に電話で店の外に出る、中一とはいえ、家に一人で留守番に置いてきたのでなにかあってはと。「晩ご飯のししとう残していい?」「・・・いいよ、留守番よろしくね」

音川ソロ、最初バラードだったと思ったが、戻ったら普通の4ビートになっている。グズラさんのラインがなかなかよろしい。ゆったりした曲のはずがまた盛り上がっているわ、森山さん大変。

「恥ずかしいことをちょっと言っちゃいます。あの、私が小さい頃ジャズというか、ジャズじゃなかったかも知れないんですけれど、生演奏を聴いた時にドラムに魅了されたんですけれど、ああいうときドラマーは何考えて叩いてるんだろうって思ったんですけれど、みなさんそういうこと考えないんですかね(笑)?考えるでしょう?・・・(音川さんの方を見ながら)吹いている人は何考えて吹いているんでしょうか(爆笑)?」音川さん「何でしょうねぇ」「やっぱり音楽のことを考えているんでしょうね。あらぬ事を考えている訳じゃなくて(笑)・・・・」

間、笑い・・・・

「他人事のようですけれど、アナタはいったい何を考えてるんですか(田中さんの方を見て)?」客席から「知りた〜い」ノブ君「いろいろ。」森山さん「どう展開させようかとか、ドラムがあんな事やりやがったとか」ノブ君頷く。「そう、やっぱり。そうでしょうね。あの、実はそういうことを考えているんです。自分が何をやりたいのかってのが最初にあります。だから人に受け入れられようが受け入れられまいが、やりたいことをやるんだっていうのが。それでその次にはそうやると一緒にやる人は何と思うだろうかっていうのがあるんですよ。やっぱり話し合いみたいなものですから、全く受け入れられないと次からの演奏の機会が無くなりますから、どっかでは共通点があって、『良かったね〜』とか、こう言い合いたいわけですから。だからこういう事をこういう風にやると、田中さんがどう思って弾いているんだろうかとか、一緒にやっていると」と突然望月さんの方を振り返って「この人のことはあまり考えてないんですけれど」爆笑、拍手。「でも長く続いているっていうことはそれだけで意味があるんですよね、夫婦みたいなもので」とフォローに入る、望月さん苦笑い、拍手、「そうだ」の掛け声。「それで、その次にはもちろんお客さんがどう思うんだろうか、ということも考えてます。だから叩きながらチラッと見るんですよ、だから叩いていて『どうだ!』と思って見るとこんな顔して(ぼーっとした顔)いるのを見ると、やっぱり、ああやらなきゃよかったと反省してみたりしながら叩いていろんな事も頭の中に出てくるんです。でも、かと思うと、そうばかりじゃなくてね、今田中さんに訊きましたが、音楽のことばかり考えているかというとそうばかりじゃなくてね、『今日あれ喰わなきゃ良かったかな』なんて、『終わったら何呑もうかな』なんてくだらんことも、瞬間的です、夢のように、ぱっとパルス的に走ったりもするんです、ちょっとばかばかしい話でしたね」笑い。「でもみなさん聞いてらっしゃる方もそうでしょ?本当にのめり込んで聴いているかと思うとそうでもなくて、『これおいしそうかな』なんて急に全然別のこと考えたり、そういうことありますよね」すかさず客席から自信たっぷりの声で「ないです」。森山さんそっちの方を向いて「あ、こっちだけ相手して、こっちは(私たちの方)きかないようにして、ね、やっぱりそう言ってる」

「もういいか、もう一曲やればこのステージ終わりだから。やりますよ、やらなきゃ終わらないんだから」あちこちで笑い声、拍手。

お〜、Impressions。と思ったが、MCの余韻で笑えてしまう。音川ソロ、お手の物。ノブ君と望月さんが退いて音川森山デュオ。ノブソロいきなりトップギア、不思議な音階だ。ノブ君も森山さんも大きく腕を広げて、森山さんはスティックが飛ぶソロ。この苦しそうな顔はフェイントだな、パコン!の音でテーマに戻る。エンディング。「音川英二!田中信正!望月英明!・・・もう帰ろうよ・・・昔そういう漫才がありましたね、ビートたけしの師匠だとか言って・・・もう亡くなりましたけど・・・休憩です」一部終了。

今日は一日目にしては本当に客の入りが多い、補助椅子が多数。トイレに行くのも大変。

森山さんジャケットの色が変わっている、「なんか着替えてるし〜」と声があがる、やっぱり危な系じゃん。なかなかBGMが消えない。「え〜、こんな格好をつけたってしょうがないのにね、恥ずかしい!さっき黒だったから今度は白にして」「かっこいい〜」とクリコさん。拍手、「おしゃれやねえ」との声。「昨日、テレビで太閤記、木下藤吉郎のやつやってて、ちょこっとお休みしながら見ていたんですね、そうしたら、『人が着ているものではワシは判断しない』とかいって、竹中半平というひとがそういって、『心得た』とかいって、それを見ながら『明日はやっぱり普通のTシャツにしようかな』とか思ったんですけど、もう一回気を取り直しました。え〜、メンバーを紹介し・・・てもしょうがないので(笑)・・・え〜と、何か私弱音を絶対はかないようにしたんですけれど、みんなが気を遣ってくださって、『あんまり速い曲ばかりやってドラム頑張らないでいいですよ』なんて言われましてね。まあたまには人の意見なんかも聞いてみようかって、強気でしょう。・・・やります」しかし、ステージ前にこんなに喋るのは聴いたことがない。

ワルツのリズム。何の曲かな・・・えええっ、渡良瀬?客席からはどよめきと歓声。「おお〜」「初めて〜」「え〜っ」「びっくり〜」むこうの机でTOMさん大喜びしている。さては、何も考えずに手癖で叩ける曲を選んだな、このあとの曲も予測がついた。ソプラノを吹きまくる音川さん、グズラさんの音色落ち着くわ〜、良い曲だわ。ノブ君の手元をアツヤ君がじっと見ている。ん〜、誰が譜面を提供したんだろ。うわ、うわペンを持つ手が止まってしまっていた、ノブ君のソロ。メロディーライン、音の高低、とても多彩。森山さんもとても楽しそう。きゃー、まだやるの?拍手、歓声!まだやるの!ってくらいノブ君のソロ、ついにドラムソロに突入、とても長いソロ、もー、無理してやらなくて良いよ、明日もあるんだから〜。ワルツのリズムに戻り、グズラさんがガーンガーンとつけ、元のペースに。あ、あんまり心配でデジカメで画像を撮るのを忘れてた。ん、そういえばこの曲、リハやったのかな?

拍手!「ちっとも楽じゃない・・・」ハハハハ。

Gratitude。ん〜、しみじみするなあ。テンポが少しゆっくりめかな?マレットでつけているが休んでピアノベースデュオ。森山さん休んでちょうだい。ん〜ん、うっとり。バックで音川さんが少しつける。音川ソロ、ドラムブラシで。終わりのテーマ、あまり暴れなくて良いからね、ホントはバラードなんだから・・・ってそういうわけには行かないのよね。マレットに持ち替え、エンディング、スティックで。

すかさずサンライズが始まるかと思ったら・・・・。「今すごく悩んでいることがあるんです。私でも悩むことがあるんです。来年の9月にAlaという可児市のコンサートをやってくれって、まあやり始めた頃から毎年やりましょうっていうんだから当たり前といえば当たり前なんですけれど、実は出し物がないんです(笑)。あの、前にもいいましたけれど、1回目だからっていうんで1000人の大ホールで大勢の人に来てもらいたいっていうんで、ケイコ・リーとか、近藤房之助とか山下洋輔だとか坂田明とか、まあそれぞれが一人でも1000人くらい呼べてしまうような人たちを呼んでるわけですから、もちろんチケットは早々にSold out、森山なんかいなくたってすごいものになるのは確かなんで、そうしたらそれを、森山ゆえにこんなに人が入ったって、そう職員の人は思ってしまったようで、2回目もってことで今年やったのはジョージ・ガゾーンとかエイブラハム・バートンとかニューヨークから呼んでやったんですけれど、やっと昨日になってそのテープを聴いたんですよ。うんと頑張っているのはよくわかるんだけれど、あれは自分がステージで聴いていたらおもしろかっただろうか、あまりおもしろくないなあ、ただ頑張ってるだけだって、淋しいっ!」客席から「良かったよ」「面白かった」と掛け声、森山さん「ホント?」客席から拍手!!「それでいよいよ、悩んでいることの本題に入るんですが、何か誰か出し物がこうやったらいいんじゃないかっての教えてもらえません?・・・田中一人じゃ30人くらいしか呼べないし(笑)、望月何人来るの?2人?(爆笑)まあこんな風ですから弱っちゃったな〜と思って、どうしたらいいんでしょうねぇ。そんなこと考えなくても良いんでしょうか、客が入るか入らないかなんて」拍手、行きま〜す、の声。「山下洋輔トリオの時はそういうこと全く考えなかったんです。もちろん、そんな売れる前からお客さん2-3人しかいないわけですし、そんなこと全くおかまいなし、お客さんがいっぱいになろうが2人だろうが関係なくやったんですけれど、あれなぜかなって今考えると、やっぱり責任感でしょうかね、山下洋輔トリオって名前が『山下洋輔』だから入ろうが入ろまいが、俺には関係ないって」オオウケ。「そのくせお金もらうとそこへ全部並べて一枚、はい一枚ってとって全部山分けしたんですけれど・・・。話がなんだったかわからなくなっちゃったんですが。・・あの、山下トリオの時は考えなかったんですけれど、自分の名前が付くからでしょうかね、森山威男4ってつくから入るか入らんかなんてことを気にするんでしょうかね。他に理由はないような気がするんですけれど。ここ(Lovely)だって入らなくたってお金はいただけるんですもんね、そういう仕組みになってるんです(笑)。Alaももう考えなくていいのかなあ、お客さんが入るか入らないかって事よりもだいたい今となってはその日叩けるか叩けないかって言う方がそろそろ心配になってきましたよね。まあいいかぁ、思いわずらったところでどうにもなるもんじゃなし、ね。今日がやれりゃあいいじゃないか!」拍手。しかし長いMC、体調の悪さをリキのはいったドラミングといつもより長い喋りでカバーしようとしているのか。これはレポート書きが大変だ。「小松政夫じゃないですけれど、だんだんだんだん元気になってきた・・・・・あ、小松政夫ってばね、小松さんのの奥さんが私のファンなんですって。前に小松政夫さんが『森山さんサイン下さい』っていうから『どうしてあなたにサインするんですか』って訊いたら。『うちの女房が森山さんのファンで』へえ〜、初めて聴いた、なんて思ったんですけれど・・・・たいして関係ないですね、じゃあやりましょうか」

タタン!サンライズが始まる、歓声があがる。おお、いきなり全員がブレイクして音川さんだけのソロになった。音川さんシャバダバシャバダバ。曲の頭で森山さんがドカン!と入れたらそこから望月さんが入り、音川望月デュオに。曲の頭で森山さんがタン・タン・タ・タ・タ・タとリズムを入れて、ノブ君がつける、サビでブレイクし音川望月デュオ、を数コーラス繰り返す。休んでちょうだい。カメラを構えたらポーズをつける森山さん。だんだん盛り上がってきた、曲の頭からまた全員で。ノブソロ。三拍フレーズから、わけのわからないリズムになってきたぞ。どんどん曲のトップから盛り上がってサビに入る、この持っていき方だと休んでいたのもかっこよく思えるね!ノブ君高音でカリカリカリカリ。そこに音川さんがキュキュキュキュキューとつける。ヒェー、こうきたらああくるかという予測を超えた応酬。またまたドラムソロ、スティックが飛ぶ。もうやめて良いよ、なんて心配が先に立つ。タカタタカタタカタ、ドカン!でおしまい。

メンバー紹介。あ、笑顔がみえる、よかった。

ハッシャバイ。音川さんの吹くテーマからノブソロ、ちょっと面白い感じの音階を使っている。音川ソロ。グズラさんのソロも。ああ、なんとか今日は持ちこたえてるわ。よかった、森山さんが歌うかのようなメロディーラインをノブ君が入れる、音川さんの低音のフレーズがよいわ。テーマ、サビ、すごい・・腕を大きく振り上げて。

「ありがとうございました、なんとか終わりまでたどり着けました。ああ・・・大したことじゃないんですけれどね・・・他人の時はそう思うんですよ、マル・ウォルドロンも亡くなる前、無理して演奏したのも聴きましたし、こちら、日本に最後にいらっしゃった時もお医者さんがついていて、長野で演奏することになってた時も、直前までお医者さんにかかっていて、どうかって悩みながら演奏したってききましたし、アート・ブレイキーもそうでしたね、何でそんなときに演奏なんかするんだろうってアホじゃないかって思ってたんですけれど、私の時も同じようになるんでしょうかね?」しーんとしている。なんだか縁起でもないこといわないで。「やりませんよ、私ゃ」大爆笑。「昔飼ってた猫が死んだ時みたいに、そっと一人で山へ行きます。ありがとうございました」

拍手。しずかにグッドバイのイントロが。なんだか和風っぽい、お正月の琴の演奏のようなイメージの音階が。テーマのアプローチもまた、一風変わっていて・・・。ん〜、いい曲だ。スティックからブラシへ持ち替えて。しかし、森山さんの表情はもうよれよれです。演奏はよれよれじゃないけれど・・・。

終わって、メンバー退場。もういいよ、頼むわみんな、アンコールしないで。森山バンドは普通、グッドバイの後、曲を演奏することはほとんどないんですよ・・・。もうやめてよ、これだけ森山さんつらいって言ってるんだし。そりゃ拍手はいっぱいあったほうがいいけど。周りからも「え〜、かわいそう」「あれを見てアンコールはやらせないでしょう」という声。あーあー・・・戻って来ちゃった。そりゃ、余力があるんでしょうがね。プロならアンコールを受けるのは当然という声も出るかも知れませんが、グッドバイの前に一旦退場しかけて、アンコールの拍手をとるという手もあるんですけどね。ピットインなんかの時には絶対やりませんよ。

「え〜、あの〜・・・田中さん、絶対出てこないよね、穴にもぐったウナギみたいになって」そこへ田中さんひょこっと顔を出す。「あ、出てきたじゃない」と森山さん。「デュオだったら演る」とノブ君。「え、ソロだったらやるの?」と森山さん、ノブ君ぶんぶんと首を振って「デュオだったら」と登場。「待ってたよ」「田中さん!」と声がかかる。森山さん「演るよ、演るよ」観客からはいっせいに歓声。「これ持ったままやるから」とマイクを持った森山さん、「歌って〜」「月がとっても青いから」「聴きたい〜」森山さん「ごめんなさいね、こんな醜態を。じゃデュエットで一曲」客席から「二人の大阪」笑い。二人で曲の相談。森山さん「何曲演るの?」田中さん「一曲」森山さん「えっ?一曲?」田中さん「だって・・・」森山さん「目にもの見せてやろうか」観客席から「おおお〜」

ダニーボーイ。テーマ、美しく、きれいに終わる。二人の対決が始まる。ぎゃー、すごい対決、森山さん余裕がありそうでほっとしたけど、それでも心配で・・・ドカンドカンバシン、ギャンギャンカリカリ!最後はしっかり美しく余韻を持って終わる。大拍手。

「田中さんのレコードがあそこに5枚ありますので、どうか召し上がってください」
ああ、明日はきっともっといい演奏になるな。聴けないのが残念だけれど。

来年も追っかけを続けるぞ〜。