18:15に座ってからずっとレポ書き。う〜ん、書き終わらない。今回は組長のしゃべりがめちゃめちゃ冴えていて、おもしろくて爆笑している間に話題が次々と変わって行ってしまい書き切れてないの。その上録音していないので四苦八苦。昼間は丸山繁雄ヴォーカルスクールのグループレッスンがあったのと、午後からは仕事で靴屋さんに行っていたし、書く時間がなくて。昨日1日目の夜、帰宅してから午前3時くらいまでと朝7時に起きてレポ書きしていたんだけれど全然間に合わない。レポート途中で一応アップ。今日はがんばってきっちりMCもメモを取ろう。


19:50ころ森山さんがドラムのチューニングに現れた。今日はリハーサルなしだったからね。20:00ちょうどにメンバー登場。わくわく、ノブ君ブルー系の明るい色のシャツ、佐藤君もかわいいプリント柄のシャツ。音川さんはジッパーがついたデザイナー系(?)のTシャツ。グズラさんは黒Tシャツだけど昨日と違う。ちゃんと着替えてるんだね、と誰かが言った。
ノブ君腕をストレッチして準備運動、ささっと靴を脱ぐ。今日は一曲目は
Impressions。音川さんが吹き始め、8小節経ったところで全員が入るがちょっとテンポが合わない、ずっこけてしまう。音川ソロ、本当に音川さんが得意とするジャンルだねえ。音がストレートに太く、とても気持ちいい。森山さんバックで暴れるが、ノブ君も森山さんをしっかり聞いて、見ながらサポートしている。森山さんのリムショットがカンカンとひびく。わあ〜、スゴイ!幸せ!!いいなあ、ホント。胸に迫る。佐藤君ソロ、ああだめだ、一曲目からメモを取る手が止まってしまう。音川さんはサックスを胸に抱えて目を閉じてバンド全体の音に聴き入っている。ドキドキしてきた、う〜わ〜、もう文章になっていない。ノブソロ、全身を使って弾きまくる、しているペンダントが胸のところでジャンプする。佐藤君がバッキングする。連打、腕を広げて手のひらまで使って弾くソロを見ていると、森山さんと打楽器バトルをしているみたいだ。森山さん楽しそう。腕を振り回してちょっと遊んでいる、おっかしいの、もう!写真なんて撮ってられない。息を詰めて聞いていたので、ノブソロが終わったら思わず息が荒くなってしまう。ノブ君ソロ終わって、赤いフェルトの鍵盤カバーを折りたたんで団扇代わりにして扇いでいるけど、そんなので効くのかな?扇子貸そうか?ドラムソロ、叩きまくり、さてどうやってテーマに戻る?お、わかりやすいリズムパターン(私でもわかったぞ)を入れてテーマに戻る、ending、パカン!

「は〜、ありがとうございます」拍手。「テナーサックス、ソプラノサックス音川英二!二日目になるとちょっと疲れが口に出まして、早口でしゃべれなくて舌足らずですみません。ピアノは田中信正です。アコーディオンとヴォーカルは佐藤芳明です(笑)佐藤君目をまん丸にして振り返る。「ベース望月英明です。もう夏の時期にここでやるようになって何年でしょうか、河合さん」「20年くらいかねぇ」「20年よくもやれたもんだと思っています。このグループは新しく森山威男クインテットとしてできたグループです」拍手、佐藤君が一礼する。「1日目はさらっと水に流して、昨日は本気で練習しましたのでよろしくお願いします」またいつもの冗談を。森山さん、スネアを入れ替える。

渡良瀬だ、ノブ君のイントロ。やはりきらめく水面が脳裏に浮かぶ。ソプラノとアコーディオンのユニゾンのテーマ。2回目のメロディーは佐藤君が少しアレンジ。佐藤君ソロ、じっくり聴かせてくれるね、本当に胸に染みこんでくる。森山さん大鷲のように両手を振り上げる。音川ソロ。本当にこのバンドは全員がお互いを尊重し合ってみんなそれぞれの音を聞き、そしてその上バンドとしての音を出そうとしているところが凄い。そこが大好き!お?昨日とちょっと雰囲気が違うノブソロ。森山さんも佐藤君もちょっと水面に怪しいさざ波が立ってきた、嵐の前触れ?少し雲行きが怪しいぞ、こんな雰囲気の渡良瀬は聴いたことがない。いつも波は高くても空まで陰ってきたことはない、不思議な渡良瀬だった。ノブソロから音川さんがテーマに戻る。いい曲だ〜。サックスを振り上げてのendingも決まった!

「ありがとうございました、渡良瀬でした。こういう曲はしっとりと情景を思い浮かべるような演奏をした方がいいってわかってるんですが・・・ついこんな叩き方をしてしまうんです。死んだお父ちゃんに『そんなにがんばってやらなくてもいいじゃないか』って言われたんですけど」佐藤君大笑い。「そう、今までシンバルがなくてね、昔使ってたシンバル、ここが欠けてたでしょ?あれは叩きすぎて欠けちゃったんです。あれと同じシンバルはなかなか探してもなくてね、ずっと欠けたのを使ってたんですが、さる方がお貸し下さって、『壊れるまで貸して下さい』って」爆笑。「叩くときこの辺で(と頭を指差す)はわかってるんですけどね、こんなに叩くつもりじゃなかったんですが。私の友人だったエルヴィン・ジョーンズさんという人に、『楽器なんだからもっと優しく叩いたら』って言われたんですけれど、あの方にそんなことを言われるとは思ってもみませんでした」大爆笑、「私も言ってやりたかったんです、『死に急ぐなよ』と」うんうん。「次の曲は何でしたっけ、Not openなんとか、じゃなくって」爆笑。「それでもいいんですけれど・・・。New and Old Wonder」と音川さん。「どういう意味なんですか?」「古くて新しい驚き、それが今じゃないかなあということで」「今がそういう感じなんですか?」あ、あのことだなとピンと来て大笑いしてしまった、音川さん目が点。森山さんちょっと座り直して「え〜、私事なんですが、音川さんは晴れて独身になったということです」爆笑。New and old wonder(英語風に)、ワンダー(と言い直す)ですね」だめだ、もう笑えてしまって。

森山さん楽しそう。ノブ君暴れまくり、佐藤君大笑い。ノブ君の手も肘も足もピアノからはみ出ている。ピアノの椅子の近くに置いてあったソプラノを蹴り倒されそうになった音川さん、慌てて位置を変える。なんとスピーディーな、トップギアで疾走。この、ステージから吹いてくる風は、全身にかかってくる風は、何に例えたら?とてもここちよいスピード感。わくわくする、ああ幸せだ、と浸っていたら、あれれれれ?アコーディオンソロに入ったとたん全員バックが止まってしまって、全くの佐藤君ソロになってしまった。左手で和音を入れながら弾きまくる。どこで入るんだろう、もう3コーラスめだ、森山さんスティックを構えてどこで入ろうか伺っている雰囲気。どこまでやらせるんだろう?おおフレーズがガレシャンぽくなった、面白い、バラエティに富んでいていろんなフレーズが出てきて楽しい!森山さん構えを崩して今度はじっくり聴いてやろうって顔つきになってきた。佐藤君「どこまで俺一人にやらせるんだ〜っ!」と思っているのじゃないかしら?森山さん楽しんで聴いている、こっちはおかしくて笑えてしまう、もう10コーラスを越えた・・・サックスが入りデュオ、森山さんノブ君望月さんが入りまたまた爆走。息がつまる、ああ。この緊張感!感動です。全身で弾きまくる佐藤君。わ〜、胸が苦しい。森山ソロもまたこれはすごい!スタン、タン!と切ったところでまた全員が一瞬にしてなだれ込んでテーマに戻る。は〜。呆然と聴き入っているうちに、一部終了。MC書き留める暇なく、拍手拍手拍手。

21:30。あ、このテンポ、アリゲーターダンスだね。昨日のリハで練習したらしい・・・どうも曲のメロディーラインがはっきりしなくて、森山さんと望月さんが二人でピアノを弾きながら歌って採譜したということを今日の昼間に音川さんと佐藤君に聞いた、情景を想像すると恐ろしい。道理で昨日の1st setと2nd setの間に珍しくグズラさんが「アリゲーター・ダンスのメロディーが・・・」と話しかけてきたわけだ。うんうん、って聴き入る。ソプラノのソロ、吹きまくる音川さんのバックでノブ君森山さん暴れまくり。またあ、佐藤君ったら不思議な音階のソロを。ノブ君五月雨式のバッキング。ノブソロ、弾き始めまるで板さんのフレーズ。コピーとか真似したはずはないのだけれど雰囲気がそうなっちゃったかな。今日はワクワク楽しくて、最前列で暴れてしまう。後の人ごめんなさい。あれ、佐藤君が大笑いしている、何?森山さんウォーウォーウォーと叫ぶ。テーマのエンディング、どうなるか心配したけれどよかった、決まった〜。

「え〜、めったにやったことのない曲をやりました、アリゲーター・ダンスです。板橋文夫とグループを組んでいた頃の曲ですからもう20年くらい前の曲ですかね(と望月さんの方を見る)昔のことはアナタがよくご存知でしょう。(井上さんが入ってからは演奏していないので23年より前ですね)。最初板橋文夫と、この人と私で昔トリオだったんです。それからテナーサックスが入ってカルテットになって・・・小田切一巳っていうハッシャバイという曲で美しいメロディーラインを聞かせてくれました、残念ながら亡くなってしまいました。あの〜、他にもいましたよね、亡くなった方が」と望月さんに助けを求めるが望月さんは寡黙に口をつぐんだまま。「まだ元気なのは井上淑彦と音川で、来月alaでコンサートをやります。チラシを記念にお持ち帰り下さい。そういえばさっき2階で休憩しているときに話していたんですけれど、音川さん同窓会に行ったんですって?高校の同窓会っていうと何年ぶりですか」「26年くらい前ですかね」と音川さん。「計算早いですね、やはりみんな変わってるんでしょうね」「わ〜、音川〜なんて寄ってきたのが一緒のクラスになったことなくて、実はセールスだったんです」「いやですね、鵜の目鷹の目で何か売ろうって。私も最近同窓会に行ってきたんですけれど、こういう場所に出てくる人は会社で成功した人とかが多くて、私なんか肩身が狭いんですよ。この前は小学校の同窓会で50年ぶりに会うっていうので出かけていったら、みんな変わってしまって『え、あなた***ちゃん?ホントに?』って、昔とえらい違いで・・・。私遅れていって会場のドアを開けたら間違えた、老人会の集まりに来てしまった、なんて。向こうもどう思ったかわかりませんが。60になると身体のこととか亡くなった人の話題になりまして、片脚なくなっちゃったひととか、何しろ50年も経ってからですからね。嬉しかったですね、2クラスしかなかったんですけれど先生がいらして下さって、『君たちの学年は優秀だった』なんて。新聞の切り抜きを出して『これが森山君だ』なんていって下さるんです」(芸大に入ったときのとか?)「田中さんは同窓会なんか行くんですか」ノブ君首を横にぶんぶんと振る。「あの佐藤さんは」佐藤君も首を横に振る。そうですよ、私とか音川さん年代がちょうどみんな高校出て集まろうかっていう年で、ノブ君や佐藤君はまだちょっと(だいぶ)若いんです。「いいねえ、ヴィジュアル系は。出ていっても肩身が広いでしょう。あいつは何してるんだろうなんて言われませんよね。私も化粧して出ようかな」(ガレージシャンソンショーのことね)「・・・アリゲーターダンスが古い曲だっていう所から(この話は)始まったんです。こんどは練習してやりましょう」音川さんたち爆笑。「私が歌ってメロディーを思い出してたんですが、望月が歌うとメロディーが違うんですよね。Alaの時は井上とやります。Alaは全曲井上がアレンジしてフロント5人がやりますから豪華ですよ。次の曲は井上淑彦が作りましたGratitude、感謝という曲です」


ノブ君弾き始める、美しく。この時に、書ききれなかったMCをメモに書き加えていけばまだ思い出せるのだけれど、そんなことはしたくない、浸っていたいから。グズラさんのベースが厚みを添えて、ああノブソロ、このバラードの美しく、シンプルで厚みがあって、透明で深見があって、クリアな・・・サウンド、いくつ形容詞があっても足りゃしない。ノブソロから佐藤君ソロへ。心の奥の底で、何かを考えなくては、忘れていることを主出さなくてはという気にさせられる。やはり、「感謝」なのかな?これだけ心の奥底深く揺さぶられるのは、曲そのもののできの良さ、演奏のストレートさなんだろうな。うへ〜、森山さんのブラシでの暴れまくりも今日はまた、凄すぎ。エンディング、佐藤君の口笛とアコーディオンのメロディー、とてもマッチしてきれいに聞こえる。わ〜、きれい!

ズダン!とサンライズが始まる。ああ、やっぱりすごいなあ、ストレートにサウンドが伝わってくる。音川さんの太い音が目の前のベルから立ち上ってくる。ストレートなブロウが心地よい。リムショットの響きがダイレクトに伝わる、頭の皮膚までチリチリして毛が逆立ちそうなソロ、音色、グループのサウンド、この緊張感!まだやるの?って思ってもまだまだ次のコーラスも。やれやれ〜。佐藤君ソロ、タイトに始まったけれどどんどんヒートアップ。わ〜すごい、音が渾然一体。「アコーディオンでジャズ?」って思う人は絶対一度佐藤君の演奏を聴いて欲しい。音のシャワーなんて生やさしいものじゃない、滝に打たれているみたいだ。森山さんバックでものすごい叩きよう、あおったのか止めさせようとしたのか?はあ、もう書きようがない。さあこれを受けてノブソロどう出るか。森山さん音量をちょっと下げ、ノブ君も下げる、緊張感。わお、デュオになった。グズラさんじっと見守る。トリオに戻り。曲のトップから佐藤君と音川さんが座ったままタータータッタッタッタとつける。すごい、ノブソロ。毎回なんて感激させられるの・・・。森山ソロに、唖然。観客席から見られるようにしゃがんでいる佐藤君も、「スゴイ」って顔をしながら森山さんのソロに見入っている。スタン!で全員でテーマに戻る、ああすご〜〜い。

「ありがとうございました!ピアノ田中信正!テナーサックス音川英二!アコーディオン佐藤芳明!ベース望月英明!ありがとうございました!9月17日alaでお目にかかります。今年も大勢の人に来ていただいて、いい演奏になると思います。田中さんと佐藤さん、CDを持ってきてるんですね、カウンターの所にあります、ガレージシャンソンショーもよろしく、ありがとうございました」と全員拍手のうちに退場してしまったのだが、「なんかやろうよ〜」って森山さんが言ってみんな戻ってくる。私はずいぶんメモ帳に余裕があるつもりだったが、気がついたらもう最後のページまで来てしまったどうしよう。伝票の裏じゃ回収されちゃうし、テーブルの紙ナフキンじゃにじんで書きにくいし・・・カバンの中に入っている、今度出版する本の表紙ゲラの裏にメモを取ることにした。
みんな戻ってきてスタンバイしたとたん
「リクエストありますか?」何か言おうかと考えたとたん「あ、ハッシャバイ?」爆笑。「じゃあやりましょうか」でテーマが始まる。テーマを音川さんと佐藤君が演奏し、ブレイクした瞬間誰がソロに入るの?って雰囲気をお互い見交わす目と目。ノブ君がうまくつないで皆笑いながらノブ君ソロ。次は目だけで音川さんが佐藤君に振る。すごくアコーディオンっぽいサウンド。左手を駆使して、厚みのあるサウンドに。音川ソロ、ああできることならこのバンドのこの音をこの腕でぎゅっと抱きしめたい。ベースソロ、しっくりくるなあ。おおけっこうテンポ早いが、厚みのあるサウンド、Endingに。

「ありがとうございました!」拍手。「もう亡くなって5年以上経つんですが、父親もアコーディオンを弾いていました。勝沼にいて、小さな町に7件も歯医者があって、なかなか患者さんが来ないんです。近くの川で日がな一日釣りをしていて、患者さんが来るとお母ちゃんが『お父ちゃん、お客さんよ〜』って呼ぶんです、患者さんって言えばいいのに、すごくいやがってましたけど。その父が『アコーディオン弾きには気をつけろ』って言ってましたが、アコーディオンの佐藤さんは森山威男5のメンバーとして、9月のala,10月は北海道4日間、11月もどこかであって、12月年末はここでいっしょに?よろしくお願いします」そうです、北海道はノブ君がいなくてもいっしょにカルテットで演奏してくれる日があるんですから。

森山さんがノブ君を見て始まる。またなんとも形容しがたい変化に富んだサウンドだわ。サビでは佐藤君がメロディーを弾き、音川さんがバックを。ああ、無音になりそうな、か細い音、でも緊張感が張りつめた流れの音。最後の8小節は音川さんがテーマを。佐藤君ソロ、ああ浸っている間にGoodbyeが終わっちゃう・・・。

「ありがとうございました!」でステージ終了。

また本当にいいステージだった。これから年末まで何回聴けるかな、楽しみだな。佐藤君のリーダーバンドもぜひ聴きに行かなくちゃ。

終わってから、森山さんがワインのボトルを持ってきて「100レポート達成おめでとう〜」と祝福して下さった。感激です。記念にみんなで写真を撮らせていただきました。ありがとうございました!これからも私もがんばります。