2005.6.17
板橋森山スペシャル
すごい人出だ。前売りで180というから、当日も入れたら200人くらい?テーブルをとっぱらって、前から何列かの椅子、そして後ろの方は最初から立ち見の設定。う〜ん、後ろの立っている人達を振り向くのがコワイ。こんなのは初めて見た。

「え〜、お待たせしましたこんばんは板橋森山スペシャルセッションにようこそ。なんだか空気が薄くなるような気がしますが。ぼくからメンバー紹介しますベース望月英明ぃ。ドラムス森山威男ぉ。テナーサックス竹内なお〜。ピアノ板橋ですよろしくお願いします。残念なことに林栄一くんが猫の創がまだ治らないので8月ぐらいまでお休みです、今日は来ていますが。またいつか林君交えてここでやりたいと思いますよろしく。一曲目僕の曲ですアリゲーターダンス!」

観客から歓声、森山さんのドラムから始まる。竹内さん染めの上下、胸板厚いし軍人さんみたい。森山さん白っぽいシャツ。板さん茶の比較的新しそうなTシャツ。直さんのソロ、音が大きいなぁ。抱っこ紐みたいなストラップ、胸のところの細い方の紐が食い込んでいる。あ、首のところのネックレス?も吹くときに首が太くなると食い込んでいるわ。バランス、ピアノが弱い感じ。拍手、板さんソロ。竹内さんがピアノのモニターの音量を上げるように手で合図。いきなりスゴイ音量になってしまった、割れてるし。拳でグリッサンドするだけでフレーズになっているところが不思議なんだなぁ。右の小指にテープが巻いてある、傷めたのかな。3拍フレーズに森山さんがつける、すごい形相で弾きまくる板さん。メガネが落ちそうだよ・・・。フレーズを入れて合図、森山さんのソロ。このハイハットを踏む時の膝の高さといったら!スネアのショットが決まるなぁ。ああ、このエンディングのしつこいやりとりがたまらない。

Jumbo! 板さんが拍手(手拍子)を促す。竹内さんのソロ。板さんゴキゲン。森山さんがんばれ〜。よくピアノに頭をぶつけないね、板さん。この距離感は、ぶつからないようにとはとても見ているみたいではないけれど、もう感覚で分かっているんだろうね。ダンダン!というフレーズを入れる、プレス、手のひらだけでなく肘から先前腕全部使っている!森山さんソロ、すごいなぁ、化け物だ、怪物だなんていうと息子に「失礼だ」と怒られるのだが。さすがグズラさんだ、森山さんの入れたフレーズにきちんと反応している。汗が目に入って痛そうな森山さん。 Jumbo!

「森山さん、すごいドラム鳴ってますね、どこのメーカーなんですか?」と立ち上がって覗き込む板橋さん。「もう手に負えません」と森山さん。「飛ばしすぎですね。次は少ししっとり行きたいと思います。スプリングブルース」
マレットで叩き始める。テーマ、切るところで全員でブレイクして、どこまでブレイクが延びるの?少しアレンジが前回と違うね。ブレイクの前まで森山さんが叩きまくりどこまでブレイク?竹内さんどこで吹き出そうかという感じ。思わず観客席から笑いがおきる。あ、ワルツ調になった。竹内ソロから板橋ソロへ。黙々とラインをつなぐグズラさん。ピアノソロへ。竹内さんステージの端へ移動して。バラード調から4ビート調に、広がりのあるソロだわ。グズラさんソロ。なんか、森山さん右目が痛そうだわ、大丈夫かしら。

静寂。だれが均衡を破るの?森山さん、しゃっくりのような「ヒャッ!」という声を出す。エクスチェンジだね。お、今日は竹内さんテーマバッチリ合った。板さんグリッサンドで黒鍵を低音から高音へ、右の方へスライドして体重を移動するのと同じように、森山さんもシンバルを左から右の方に大きく叩く。アクションがばっちり二人で合っていてヴィジュアル的にもおもしろい。森山さん楽しそう、かけ声をかける、板さんのシャツがだんだん上から色が変わっていく。しかし、このやり合いはなんという迫力だろう、すごいな、しかし平均年齢50ウン才のバンドとは思えない、オッちゃん達のこのパワー、どんな若手も真似できないよ〜。板さんがフレーズを入れてタイミングを計るが竹内さんは入れず。板さん吠えて竹内さんのソロに。竹内さん踊っているかのようなステップ。吹き方がその時々で全然違う。あれ、キャラバンのフレーズかな?うぉぉ〜、テーマに戻ってまた凄いアクション、左目で板さん、右目で森山さんを見ていたい!まだドラムソロがあった、どひ〜。すごいよ、ホントによくスネアが鳴っているな、もうみんな、かっこよすぎ!
「テナーサックス竹内直!ベース望月英明!ドラムス森山威男!少し休憩します」
拍手が鳴り終わって、みんなが控え室に行ってから、しばらく静寂。そしてみんながため息をつき、それから「すげ〜」「何だこれ?」などとしゃべり出す。今日初めて森山さんを見た、という人もいっぱいいるみたい。そりゃ驚くでしょうね・・・。

2nd setに入る前、椅子の調整をする板さん、チューニングをする森山さん。竹内さんがなかなかステージに戻ってこない、あら始まってしまった。渡良瀬かな〜。と思っているとだんだん渡良瀬だということが分かる音列になった、客席からやったぁ〜、という感じの拍手がわく。板さん、赤色のTシャツに着替えている、いいなぁ、足の柄だわ。今日は私は靴柄のシャツですが。森山さん黒のalaのTシャツに着替えた。竹内さんなんだかよろけたみたいな足取り。本当に吹くときのスタイルがいろいろに変わるわね。板橋さんの運指を見ると、この指使いでどうしてこんな音が出るんだろうと不思議になってしまう。出た膝蹴り!

「ベース望月英明!ドラムス森山威男!テナーサックス竹内直!渡良瀬でした、次は僕の春シリーズ、2005の春という曲です。・・・はー」

竹内さんソロ。しかし、前にも書いたけれど、なんという春でしょうか。・・そういえばもう夏ですね。クリコちゃんのうれしそうな顔。板橋さんの変化をつけたソロ。おおグズラさんのベースラインがグォングォンと聞こえてくる。しかし、暗いなぁステージ。どうしてもうまく撮れないので白黒にしようとモードを変えたら、わああ〜〜〜〜、フラッシュ光っちゃった。まずい!と慌てるが光っちゃったものはどうしようもない・・・気をつけていたのになぁ。あれ?ソロ終わったのにだれも拍手しないの?森山さんソロへ、凄いドラムソロだ。グズラさんを見ながら一瞬手を休める、次の瞬間グズラさんが入りテーマに戻る。決まった〜!

「え〜、ありがとうございます。ピットイン40周年ということで。あっという間の40年でした。青春時代ピットインで過ごして、今も青春ですが肉体的に・・・森山さんあの、一言、今日のお言葉を」
竹内さんが森山さんにマイクを渡す。
「今日は森山グループへようこそ」笑い。「そう、さっきも外で何人かの方になつかしくお会いしたら19年ぶりですって。もっとぶりのかたいらっしゃいます?僕がちょうどドラムを始めた頃ですね。遠くは宮崎からもいらっしゃってくださった方がいて。宮崎に行ったときにはお目にかかれなかったんですけれど、わざわざ新宿までお越しくださって。室蘭からもいらっしゃってくださっています。え〜。板橋さんとも久しぶりで演奏しています。こんな荒々しい方だとは思わなかった」「私の方が少し年が上ですから、先輩を立ててやさしくこう、見守るようなピアノを弾いてくださるのかと思ったら何のことはないけしかけられました、またノリやすいものですから、あられもない姿をお目にかけてしまって。もう今さら取り返しがつかないんですが、今日終わったらなるべく下を向いて岐阜へ帰ります。ピアノ板橋文夫!」拍手。

「え〜、もうちょっとしっとりやろうと思っているのにけしかけられるんですよね・・・竹内君!」と振る。「何で俺が?マジですか?」といいつつ「あの、昔Taroっていうジャズ喫茶があって、今日もタローさんいらしているんですが、行ったことのある人も意外にたくさんいると思うんですが」拍手。「24でアメリカから帰ってきて、日本でもこんなすごいバンドがあるんだって、森山さんと板橋さんの演奏を聴いて思ったのがTaroだったんです。恥を顧みず矢も盾もたまらず。全然誰も知らないのにいきなりやらせてくださいって言ったのがウン十年前です。ちょうどグズラさんのいたこのメンバーでした。あ、長い?」と訊くと板橋さんが「竹内君そんなに若いの?」「あ、いえいえ」「竹内君凄い不思議な人でね・・・B型でしょ?」「A型です」「え、A型ぁ?・・・・竹内直!・・・めったにしゃべったことのない」と望月さんの方を見る。会場もう歓声と拍手。「酔っぱらうと良くしゃべるんですが、ピットイン40年で何か」マイクを持ったグズラさん、「やっとしゃべれる」会場大爆笑。「さっき楽屋で話していたんですがこのメンバーの中で入院したことがないのは竹内直だけだろうって。この森山バンドのサックスのOさん、Kさんは亡くなってしまって、Fさんもこの前脳出血で手術したって・・・って話は止めようって言ってたんですが」笑い。
「ってなわけで40周年ですがこれから50周年、100まで生きてその時またこんな演奏ができればと」板橋さん、大受け、拍手、歓声。
「あの〜、ね、バラードいきたいもんです。あなたに捧げます、FOR YOU」
しかし、本当にどの口で、じゃなくてどの手で弾いてるんだろう、さっきまでのピアノと全然違う。どの手で、いや同じ手でこのフレーズが出てくるのねぇ・・・すごいわぁ〜。グズラさんのベースの響きでスネアの響き線が共鳴している。連日の4時間睡眠のせいか、ふゎあ、っと意識が遠のく、なんだか酸欠なのかな・・・?ちょっと頭も重い。でも聴いているだけで酸欠なんていっていたら、ミュージシャンはどうなるのだ?

タカタタカタと叩き始め、「イイ?」と聞き板さん頷く。そのまま短いイントロですぱっとサンライズへ。竹内ソロ、太い音で豪快に。よく鳴っているなぁ。板さんソロ。イントロをモチーフにした展開からはいる。単発の音をつないでフレーズにしていく。そろそろ、おお音がつながっていく、フレーズができていく。このトリオの調和たるや・・・高音でバリバリつけるグズラさん。嵐のような演奏。森山さん楽しそう、かけ声。やっつけてやるぞ、って顔。余裕が出てきたのか板さんをあおっている。合図して、ああ、迫力のソロ、板さん大丈夫?ブレイクからすぐにテーマに戻る、板さんもぱっと反応。迫力に圧倒されてメモを取る手が止まる。はぁ〜。

板さんと竹内さんがステージを降りるが、アンコールの拍手が止まらない。グズラさんと森山さんが残っている。あ、森山さんまで手拍子を始めた。

Hush-b-byeだ。竹内さんのソロから。あ、やっぱりでた循環奏法。板さんソロ、ああなつかしい、音の粒がどんどん飛んできて、私に、みんなに当たっているみたい。お、グズラさんソロ、2コーラスめに突入。もうここで森山さんは本当はもうドラムソロをしないで頭に戻りたいのだ、竹内さんに入れという合図、でも入らない。板橋さんも合図、テーマにはいるかと思ったら8バースに、そして4バースに持っていったね・・・テーマに戻り、エンディングからカデンツァーに。終わろうとしてスティックを振り上げたまま固まっている森山さんと目が合う、そのまま森山さんずっこける。カデンツァーの最中に笑いが起きる。

間髪入れず予想通りの曲へ。あまり聴いたことのない雰囲気のかわいいイントロだ。竹内さんあわてて楽屋へとんでいく、何を取りに?フルートじゃないよね、あ、譜面だ。すこしテンポ速いかな。板橋さんのソロ、なつかしい。
終わって拍手、板橋さんが何か、弾き始める。ありゃまだやる?と思ったら森山さんが立ってお辞儀をする。板橋さんガン!と音を切っておしまい!でした。