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Live Report

2006年09月08日 森山威男QUINTET +1 @ Pit Inn

〜 1st 〜
二日前にインドから帰ってきて、体調がイマイチどころか絶不調、行く前に内科にかかるべきか?でも検査だとか何とかいわれてピットインまで行けなくなってもいやだし・・・大学病院で仕事をしていたので、消化器内科の受診可能かどうか、と受付に聞きに行ったら「今日は予約が一杯で・・・」と言われ、自宅に戻ってどうしようかとベッドの上で煩悶。「えい、行っちゃえ、森山さん聴けば元気になるかも」と決心して支度、荷物を抱えて駅に向かう。ホテルに何とかたどり着き、しばし休息してからピットインへ向かう。入場してもビールは飲めなさそう、トマトジュースそれも氷なし、を飲みながらレポート書きの準備。前もって送ってあったスケジュールチラシがちゃんと配られている、ほっとした。冷房があまり効いていないのが助かる、それでも冷えてきそうで膝にインドから買ってきたショールを掛ける。さて始まるぞ〜、ワクワクワク。
20:00、メンバー登場。森山さんがノブ君を見て頷く、「ドーソッソッソ」とピアノの短音で「Birth of Life」のイントロが始まる。佐藤くんがメロディーを弾き出す、ついで井上さん、そして音川さんが入ってハーモニーを作り出す。さあ来るぞ来るぞ、「ドカーン!」とアフロが炸裂。もう、この人達見ているだけでゾクゾクしちゃう、うっとりして一曲目からペンが止まる。井上ソロから。もう初っぱなからクールだけど火の出るようなソロ、ノブ君の和音が低音から徐々に攻めてくる。グズラさんがバシバシと弦を打ち付けるようにはじく。森山さんが見えるように音川さんが舞台の端に退く。リムショットが炸裂する。淑ちゃんがフェードアウト、森山さんがビシーっとショットを決める。佐藤くんの三拍フレーズに森山さんがびっちりつける。森山さんの表情が怖いくらいに冴えている。ステージのフロントには佐藤くんが一人で立って弾きまくる。ノブ君一生懸命に聴いてバッキング、佐藤くんも一曲目からすごいぞ、ばりばり飛ばしまくり。音川さんノブ君が目を見交わして、音川さんがノブ君に合図、ピアノソロになる。カリカリとピアノを弾くノブ君を森山さんが追い立てるように叩きまくる。グズラさんのベースがうなるうなる。ノブ君と森山さんのバトル強烈、佐藤くん大笑い、音川さん「イェー」と声をかける。おおバトルに拍車がかかる、森山ソロへ、唖然、髪の毛が逆立つ。すうっとボリュームをおとして、ノブ君が確認するように森山さんの顔を見て、曲のイントロを弾き出す。佐藤くん、井上さん、音川さんの順で入っていく。全く隙のない演奏。

テナーサックス、井上淑彦!テナーサックス、音川英二!アコーディオン、佐藤芳明!ピアノ、田中信正!ベース望月英明!・・・はあ〜。なんか、軽くやろうねって言ったのに。ちょっと間があいたせいか、勢いが最初からついてしまって。最初の曲は井上淑彦の、何とかって曲です」と言い、笑いがもれる、淑ちゃんが森山さんの顔を見る。「へへ、分かってますよ、Birth of Lifeって曲です」「やっと覚えてくれましたね」と井上さん。「そう、やっと覚えました。今日はこれでまだ人数はいいんですけれど、明日は大変なんです。全部で10人になるんです。(多くの人数でやろうと思った)動機は、人数が多くなったらドラムがちょっとかすんでいられるかと思ったんですけど、逆でした。こっち(フロント)が増えると、ドラムは延々叩かないといけないんです。ここのところが計算違いでした。先のことを考えずにやってしまうという、悪い癖が出てしまいました。次の曲はずっとドラムが休んでいようと思います。これも井上淑彦の曲で、『ずっと・・・』」

ノブ君が弾き始め、もううっとり・・・。こんどは佐藤くんがテーマを弾き始める。少し哀愁を帯びて、懐かしいような淋しいような気になる。淑ちゃんが一人でテーマを吹き、グズラさんが入る。こんどは音川さんと淑ちゃんのユニゾンのサビ。そして佐藤くんがソロをとる。映画のシーンに使えそう。逆に言えばこの曲を聴いているだけで、いろいろな情景がみんなのまぶたの裏に浮かぶのではないだろうか。鼻の奥がつーんとしてくる。淑ちゃんのソロ、ノブ君、そして佐藤くんがテーマを弾く。やっと森山さんがロールを入れる。スネアが細かく鳴り響く。ハモって、かっこいいこと!だんだんクレッシェンドしてくる。なんか、ずっと浸っていたい感じ。ううう。

何が始まるのかな?と思ったら、Catch up with himだ。あ、「パン!」と音を切るところ一拍早かった。「ありゃ」と思ったら森山さんと目があって、森山さんがいたずらっぽい目をして舌を出し、天井を仰ぐ。思わずこっちも笑ってしまった。2回目のテーマ、今度はばっちり。森山さん楽しそう。ハーモニーがかっこいい、音川ソロ吹きまくり、疾走感が気持ちいい。サックスを振り上げてアドリブの進行を切り替える。佐藤くんがぴったり付ける。うほ〜。森山さんもすごい勢い。佐藤くんが森山さんの顔を見たり、音川さんの方を見たりして適切なバッキングしていく。サックスを振り上げてリフへ、しかし井上さんが入ったら揃ってのリフになるのかと思ったが勢い余ってソロをそのまま吹き続けてしまった、って感じ。フロントが3人とも下がる。ノブ君が辺りを見回してソロに入る。徐々に森山さんがトーンを下げ、ベースとのデュオになる。あれ今のは何のフレーズだ?おもわずずっこける。森山さん少し休んでいたが参しバトルとなる。ブラシの音が響き渡る。バシーっと音を切った、一瞬静寂となり、そのままドラムソロになるのかと思うと森山さんしゃがみ込む、椅子が壊れた?その間はノブ君のソロが続いている。森山さんはそこにあったピアノ椅子を持ち出して座り直す、大丈夫かしら。ノブソロ終わって森山ソロに移る。森山さんがスカッと切ったところタイミング合わず、一瞬テーマが揃わない。テーマになり、あれ?もう一回やるんだっけ?森山さん叩き続ける、佐藤くん頷きながらタイミングを取りまとめる、ばっちり揃って最後のテーマ。

拍手!「音川英二!井上淑彦!佐藤芳明!田中信正!望月英明!ありがとうございました。少し反省してから出直したいと思います。今日は・・・いや、さっき井上さんから口止めされました、いろんなこと言うんじゃないって」淑ちゃん「言ってません!」「しばらく休憩します、ありがとうございました」

〜 2nd 〜
21:25。911改め「Beyond the C」。みんなでのカデンツァから。森山さん去年のalaのTシャツから、パール60周年の「60」と書いたTシャツに着替えている。テーマ疾走する。佐藤ソロから。淑ちゃんは後に下がり、グズラさんの横に立ってじっと前を見ている。音川さんはサックスを抱きかかえるようにして体を揺らしている。シンプルなフレーズパターンからだんだんヒートアップ、ほぇ〜。佐藤くん弾きまくる、蛇腹切れるんではないか、初日から故障しちゃうんじゃないかと心配するくらい。音川ソロ、半袖シャツから覗く右上腕二頭筋のレリーフがくっきりと美しい。とノブ君真剣な顔、泣き顔のようにも笑っている顔にも見える。サックスを振り上げたので井上さんが後から出てきたが、多分ソロ進行を切り替えただけのようだ。森山さんがかけ声をかけてあおる。ノブソロ、デュオバトルとなる。ノブ君眉間に皺を寄せて弾きまくる。佐藤くん音川さん楽しそう。井上さんはじっと表情を変えずに聞き入っている。デュオバトルの最中、びしっとブレイク、そのまま切るのかと思ったら、森山さんが目で合図、そのままリフを入れるところまでノブ君が弾いていく、フロントが誰も入る気配がなくドラムソロになる。ボリュームを上げ、下げる、このコントラストは見事。静寂からノブ君のピアノのイントロ、少しアレンジしてサウンドが発展している、テーマもハモって・・・かっこよすぎ、うひゃ。

森山さん何も言わずに頭を下げる。Gratitudeが口笛とアコーディオンのメロディーで始まる。淑ちゃんのソロ、包み込まれている感じでなんかほっぺたがゆるんで溶けて落ちそうにでろ〜んとしてしまう。佐藤くんが「次どうすんの?」って大きく目を見開いている、音川さんがゆったりと合図を出して佐藤くんソロ。大きく広がりのある感じ。さて次は?ノブ君が音川さんを見上げて頷きながらソロに入る。いい曲だネェ、本当の名曲だわ。淑ちゃんが最後にテーマを吹く、そして口笛とアコーディオンのエンディング。少し明るい寂しさが漂う。

「もう一曲の辛抱です」??
サンライズ、2回目のテーマにつける佐藤くんの和音が不気味で面白い。音川ソロ縦横無尽。井上ソロへ、太い低い音からソロが始まる。なんて広がりのあるサウンドが出せるバンドなんだろう〜、音の洪水、この揺れる音の中で浸っていたい、もう幸せだわぁ〜。洪水じゃ浸っていられないか。ノブソロ、淑ちゃんが頭を下げて下がる。ノブ君の頭が譜面の影からぴょこぴょこ見えたり隠れたりしている。森山さんが大きくシンバルを鳴らす、ノブ君真剣な顔してむちゃくちゃを弾いている。佐藤くんと音川さんに大受け、井上さんはグズラさんの横でじっと表情を崩さずに立っている。森山さん笑ってリズムを合わせる。テーマのリフに間に合わないと見た井上さんはそのままの立ち位置。森山ソロ、ひょえ〜、もう終わるかと思うのにさらにヒートアップして行く、歓声が上がる。テーマに戻り、そのまま圧倒的な勢いでエンディングまで。

「ありがとうございました、音川英二!井上淑彦!田中信正!佐藤芳明!望月英明!ありがとうございます」拍手。「あの、今日は制服を仕上げたんですよね。制服っていうんでしょうか、ステージ衣装。ちょっとかっこいいんですけど、着る人によってえらい印象が変わるんです。なんか、音川が着るとリゾートホテルの支配人」爆笑。「で、望月が着るとなんか、外科のお医者さんみたい。田中が一番似合ってたって言ってましたね」「自然で」と音川さん。「ほぉ、自然。まあいっぺんみんなで着てみて、そのあとまた着るかどうか決めたいと思います。まあ、何を着てみてもかぶってみても私は似合わないんですけど、このあいだ靴屋さんに行ってみたらえらくほめられました。今履いているのもそうなんですけれど、足をゆっくりさせる、リラックスさせる靴ってのがあるんです、こう幅の広い、甲の高い人にも合う、コンフォートっていうんでしょうかね。で、そういう靴屋さんに行ってみていたら、『ああ、そういう靴をはいていらっしゃるんですか、じゃあこちらにこういう靴がありますから』っていうんです。ドイツ製が多いんですね、そういう靴は。そこのご主人が『最近お宅のような足の人は少なくなりましてねぇ。み〜んな薄っぺらくて細長いんですよ。お宅は立派ですねぇ〜』って」音川さん大笑い。「『本来足っていうのはそういうもんで』って言われてだんだん帰れなくなってしまって、それで別の店でこれ買ったんですけどね」大爆笑。「変なことがあるもんです。・・・やりましょう!」拍手。

Hush-a-byeが始まる。音川さんが吹き、サビは井上さん。ソロを佐藤くんから、弾きまくりだわ。佐藤くんのフレーズに合わせて森山さんがリズムを拾い、それを音川さんが拾ってソロへ。サビで森山さんが歌う。Hush-a-byeがアンコールの時、以前はあっさり消化試合みたいなことがあったけれど、まだまだみんな演奏し足りないとみえる。ノブ君ラグタイム風。ノブソロの切れ目に森山さんがズダダダンと合わせる。ベースソロ、サビに音川さんが座ったまま吹いてつけ、ソロのコーラスの終わりに森山さんを見上げるが、そのままテーマに行けという顔、音川さんがテーマを吹き始めるが井上さんは「ドラムソロないの?」という顔(井上さんは森山さんのハッシャバイのドラムソロが大好きだそうで)。テーマのサビ、井上さんが吹くところに音川さんがからむ。終わり8小節は音川さんがメロディーを吹いて井上さんが絡む。

「ありがとうございました。明日は大人数でやります、今日はこれだけやったから明日は大丈夫じゃないかと思います。いつも同じせりふですいませんねえ、井上さん」爆笑。「田中さん今日はTシャツは花柄ですか?」「背中は」「あ、うしろ。かわいいねぇ〜。(笑)ふう。明日またやります、元気であれば。明日またお会いしましょう。ありがとうございました」

ノブ君一旦帰りそうになるが、「え?え?グッドバイ?」と言いながら座り、かわいい音でイントロを弾き出す。広がりのあるカデンツァー。また低い音のテーマだねぇ。舞台の上ではみんながブルーのライトの中。静かに立っている、かっこよすぎ。サビからテーマを吹く音川さん。井上さんが低い音でからむ。最後8小節は井上さんが吹き、音川さんがからむ。さて、だれがソロをとる?佐藤くんが大きい目をして、ふわぁ〜っと弾き始める。サビから井上さんが吹き始め、音川さんが絡む。この二人の間で、微妙〜にサビの音階が違うんだよねぇ。最後8小節は音川さんで絡みが井上さん、と最初と最後のテーマで吹く順番がちょっと違う。最後は森山さんが大暴れ、うひゃぁ〜。

もう十分堪能しました、「ありがとうございました〜」とメンバーが去っていく、拍手が鳴りやまない。ああ、楽しかった。いい演奏だった。明日もまた楽しみ!






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