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Live Report

2006年09月16日 MORIYAMA Jazz Night 2006 @ ala

〜 1st 〜
待ちに待った、2006ala!ちょいと早めについて、書棚から中部版「ぴあ」をチェック。 佐藤くんのPot Headsが取材を受けていたはず、と探すとp75に掲載されているのを発見。 続々と顔なじみさんがやってくる。京都から、大阪から、北海道から、九州から・・・。
開演時間を少し過ぎた頃、真っ暗けの中からノブ君のピアノのイントロ。 Birth of Life。どかーんとアフロが始まると青のライトが点滅、ピットインの時に比べて、バリトンの音がよく聞こえる。 はぁ〜、かっこいいわぁ〜。思わずぼーっと見とれてしまう。 森山さんはど真ん中、フロント陣の譜面台が大きくて四角いので、森山さんが隠れて見えない・・・。 後列左端からベース、アコーディオン、ドラム、ピアノ。 前列左端からトランペット、アルト、音川さん、井上さん、バリトン、トロンボーンの順に並んでいる。 森山さんの両脇には分厚い透明なアクリル板が立っている。 高瀬さんのトランペットソロ、トップバッターでやや緊張の面持ち。 佐藤くんのスーツ姿もなんだか見慣れないなぁ。バスドラムがよく響く。 田中さんがリードを調整する。淑ちゃんは右端に退いている。 ファイアーさんソロ。指のアクションが大きい、金髪に目を見開いて正面を見ながら時折膝蹴りを加えながら吹く、後から佐藤くんがファイアーさんを笑いながら見つめている、バッキングかっこいいぞ。 グズラさんは左端でぐいぐいと音をのばし、音川さんが出てきてソロ交代。 サックスがキラキラ光る、バスドラの音がバシバシ響く。 ノブ君は首を傾けて音川さんの方を見ながらバッキング。 そういえば1年前のこのステージ、ノブ君は骨折の手術をしたばかりでギプスしてたんだったねぇ。 ステージ真ん中で吹きまくるが、周囲から少しずつメンバーが戻ってくる、長いソロ、どこで戻るのかな?ウキュキュー、で、リフが入る。 ノブ君ソロ、急にピアノの音が大きくなる。よく聞こえるのはいいけど、ハウリングしちゃった。 森山さんはノブ君を見据えて左脚でハイハット攻撃、リムショットが響き渡る。容赦ない森山さん。 ステージの影で中路さん(tb)と田中(bs)さんが大喜びして見ている。 ノブ君ソロが終わってドラムソロ、腕を大きく後にストレッチ。 森山さんのショットにあわせてノブ君の頭が上下に動く。 のっけから森山さん飛ばしすぎないでね・・・ノブ君の方を見ながら少しずつドラムのトーンをおとしていく森山さん。 すっとピアノのイントロが入ると、ドラムソロへの拍手がわき起こる。 トランペットとアルトが8小節、井上さんとバリトンが8小節、トランペットとアルト、トロンボーで8小節、という風にサウンドを変えていって、森山さんのアフロが入るところで全員でドカーン!! 佐藤くんの和音が大きく伸びる、ああ、かっこいいわぁ。 森山さんのタムの回し打ちが雷鳴のようにとどろく。

「ありがとうございます。こんばんはよくいらっしゃいました!」って、この前のピットインのとき、ギャグのようにかました直立不動の挨拶のようだ。拍手。 「待っていたんですこの時を。恐ろしさ半分、期待半分で。こちらから紹介します、バリトンサックス田中邦和。 トロンボーン中路英明。テナーサックス井上淑彦。テナーサックス音川英二。アルトサックス渡辺ファイアー。 トランペット高瀬龍一。ピアノ田中信正。アコーディオン佐藤芳明。ベース望月英明。 私は森山威男でございます」拍手。 「初めての方達が多いんです。初めてお会いする方たちと一緒にやると、いろいろなことを考えるんです。 渡辺ファイアーさんのファイアーってのは本名なんだろうか、もし本名だったら親は何を考えてつけたんだろうか。 バリトンサックスの田中さんは体が大きいから普通に見えますけれど、これを坂田明が持ったらどうなるんだろうかとか」いろいろ考えるって、そんなことぉ? 「最初の曲はBirth of Life。生命の誕生、っていう曲、井上淑彦さんの曲です」井上さん頭を下げる。 私は作曲というのをしたことがないんでよくわからないんですが、こういうのはタイトルを先に考えるんですか、曲が先にできるんですか」淑ちゃん振り返って「曲です」 「え〜、いろんなことが見えてきました。メロディーができあがった後に、題名をつけていく。もし、次回歌詞をつけて頂いたら、私が歌いましょうかね。あ、今日は時間がないのであんまりしゃべっちゃいけないんです。 短めにしてお送りします。次の曲も井上淑彦さんの曲で、Gratitude」しゃべり、いっぱい聴きたいんだけどなぁ。

佐藤くんの口笛とアコーディオンの音で始まる。舞台上、全員がじーっと身じろぎもせずに聴いている。 8小節たったところでノブ君、ベースが入り、淑ちゃんがテーマを吹き始める。 少し、かすれたような、柔らかい音で。音川さんの絡みの音が優しく響く。 でも、先日のピットインでこの制服のことを森山さんが「音川が着るとリゾートホテルの支配人」なんていうから、もうさっきから音川さんの姿を見るだけでおかしくておかしくて・・・。 思わず吹き出してしまいそうになるのをこらえてしまう、あまりに言い得て妙なのだ。 ああ、淑ちゃんのソロに、最初の音からノックアウトされてしまう。 森山さんの繊細なブラシワーク。佐藤くんの透明な音のソロ、ホーンがアンサンブルをつける。 佐藤くん、後にいるのはもったいないなぁ。前に出てこれないの?今日は「リズムセクション」に分類されているんだねぇ。 アクションが全然見えなくてつまらないよぉ。 テーマ、森山さんのブラシのカサカサ音がよく聞こえる。 ライティングで後の壁に映っている模様は何だろう?一瞬、無音になって拍手!

お、Catch up with himが始まった!テーマ、よく、よく合いました!この緊張感と疾走感がたまらない。 音川さんとトランペットのアンサンブルにアルト、井上さん、バリトンが加わって、ううんかっこいいアレンジだ、佐藤くんが書いたんだよね? 中路さんのtbソロから。ソロを聴きながら、佐藤くん右手で太ももを叩きながらテンポをとる。 森山さん楽しそうに叩きながらスイングしている。ノブ君が膝をポカポカ叩いている。 トロンボーンの太い音、ベルの正面がちょうど私の視線の先にある。 さて、どこで転換するのかな?ぱっとソロ交代、熱の入ったトランペットソロだ。 右を向いて合図してアンサンブルが入る、おっバリトンソロだ。 バリサクって大きいけど指のキーの間隔はテナーなんかに比べて広いのかなぁ?なんて余計なことを考えていたりする。 一生懸命ノブ君がバッキングしている。少し森山さんがトーンダウン、佐藤くんノブ君を見つめてあいずしている、お、全員が止まってバリサクの「ソロ」になった。 森山さんの楽しそうな表情。ありゃ、このリズム8beat?森山さん合図して、ありゃバッキングまで8beat。 少しコミカルな雰囲気もただよって、どうやって戻るのかしらん?こんな雰囲気になるとはねぇ、いやあ笑っちゃうなー。 次いで井上さんソロ、ベース、ドラムとのトリオ演奏。ノブ君時々乱れ打ちで参加。 井上さんにしては珍しくウニョウニョ系の吹きまくり、望月さんが高音で弦をはじく。 佐藤くんが少しニュアンスのあるバッキングをつける、井上さんが音川さんを見て、音川さんがタイミングを合わせてリフを入れる。 おや佐藤くんソロになったら森山さん止まっちゃった!森山さん、ノブ君を見ながらロールを入れてノブ君を誘い出す、「二人でやれ〜っ」って感じに。 アコーディオンとピアノのデュオ対決になる。 森山さんのアクションが面白くて中路さんと田中さんに大受けしている。 ノブ君の音階がアウトな感じで面白い。二人のリズム、音の雰囲気、優しいやりとりからだんだん緊迫していく、おおすごい緊張感のある掛け合いだなあ、どうなっていくんだろう。 森山さんはにやぁ〜っと笑って思惑通りになった二人のバトルを見ている。 森山さんが小さく入って、ぱっとグズラさんもつけ、全力疾走の佐藤くんソロになる、佐藤くんがみんなに目で合図をしてホーンセクションが入る、そしてドラムソロに。 バックはきれいなオレンジ色になる、森山さんがライトを浴びながらどまんなかで叩きまくる。 ノブ君は首をぶんぶん振ったり頭をポカポカ叩いたりストレッチをしたりして忙しい。 佐藤くんは真横から透明なアクリル板を通してじっと食い入るように森山さんを見ている。 大音量からトーンダウンして、ノブ君が小さくイントロのメロディーを弾き出す、もう、この音のダイナミズム、ほれぼれしちゃうなぁ。 うっとり〜。叩き終わって森山さんウォ〜と叫ぶ。

「ありがとうございました!田中邦和!中路英明!井上淑彦!音川英二!渡辺ファイアー!高瀬龍一!望月英明!佐藤芳明!田中信正!ありがとうございました、しばらく休憩してよく考え直して参ります」メンバー共々会場爆笑。 「こんなもの着てしまっただけで、いつもよりハッスルしております。・・ねぇ望月さん!」と珍しく望月さんに振る。 「こういうもので、喜べるものですねえ。 音川さんを見ると、なんかこうリゾートホテルの支配人みたいですね」大受け、音川さんは肘を体の前で折って支配人っぽくお辞儀をする。 「まあそれぞれ何かしら雰囲気を持っています。 これはレギュラーのグループのメンバーだけ作って、しめしめかっこいいぞなんて思っていたんですが、逆にこっちが背景っていうか、前に立っている黒い方が主役みたいに見えるんじゃないかって、誤算でした」大笑い。 「ありがとうございました、また考え直して参ります」拍手、全員が舞台から去っていく、ため息と歓声と拍手が渦巻く。 「・・・ただいまから20分間の休憩に入ります・・・」とアナウンス。

〜 2nd 〜
19:50、2部スタート。ノブ君がグランドピアノの弦の上に置いてある譜面をいじるカサカサいう音をマイクが拾って響く。 おお意外にもサンライズ、後から歓声が飛ぶ。九州組かな? ライティングがめまぐるしく変わる、みんな衣装を一部と変えるのかなと思ったら一緒だ、さすが淑ちゃんだけ赤のストライプのシャツからピンクのシャツに着替えている、ライトは赤、黄、青と変わる、淑ちゃんソロ、井上さんだけ残してみんなフロントは舞台の両脇に退く。 淑ちゃんの音がalaの高い高い天井に突き刺さるかのような勢いで響く、森山さんの踏むバスドラに合わせて左側に立っているマイクが揺れる。 森山さんがノブ君に合図してリフのリズムを入れる。森山さんすごいスティック捌き。 田中さんが森山さんを見ながら笑って、中路さんを振り返る。 佐藤くん森山さんを見ながら大きなアクションで蛇腹を引く、サビでテーマのリズムを入れる。 バリサクのソロ、今日は音がよく通ってフレーズがよくきこえる。 これ、排気量じゃなくて肺活量はすごく要るんだろうか。 太い音でバリバリと、森山さんも大きなアクションで楽しそうに叩きまくる。 もう森山さん調子良さそうでうれしいなぁ。田中さんすごいわ。ノブ君音を小さくして森山さんもだんだんトーンダウン。 なんかすごいビブラートをつけてバリサクの一人舞台、森山さんもニヤぁ〜っと笑って、また完全なソロになった。 ブルース風の、いやバリバリにビブラートをかけたムード歌謡かぃ?おおさてどうやって戻すんだろう。 森山さんちょっと思案顔。さてどうする〜?森山さんスティックを振り上げてノブ君に合図。 リズムパターンを頭から入れ、サビから田中さんがメロディーを吹き始め、終わりのリフを全員でつける。 次いで中路さんソロ。トロンボーンって割にこの曲に合うような、あ、そうか向井さんで何度か聴いているからなじみがあるんだな。 しかし森山さんってバッキングしているだけでもドラムソロしているみたいなドラミングですごいゎあ。 今回初参加のフロント陣はひぇ〜という感じでのけぞっている・・・。 もうこの曲が始まって15分経過、頭から合図してサビからアンサンブルが入る。 ノブソロになる。森山さんが目で望月さんのベースラインを止めさせて、ノブ君とのデュオになる。 肘打ち、前腕ぶつけ、まあ久しぶりにこんなド派手なデュオ!ふふふ、すごく楽しい、今後はどんな展開になるのかな?って思ったら途中で森山さんが止まった、ノブ君のソロにさせるのかと思ったら森山さんが椅子から降りる、 そういえばさっき「クシャーン」と音がしたと思ったらハイハットがおちょこになってるんだわぁ! 座っている場所が最前列で、ハイハットもしたから見上げる形になっているのでよく見えなかった。 森山さんハイハットの上をはずしたところで上のマイクに当たって音が「ガシャ」と出る。 膝でハイハットを元の形に戻し、再度セッティングするまでの間、ノブ君ソロで奮闘。 音川さんがファイアーさんたちに左の袖で「ハイハットが裏返ってるんだよ」と説明しているのであろう、ファイアーさんと高瀬さんがのけぞっている (そういえば昔はひっくり返すのをよく井上さんがやってましたねえ。 私も何度かステージまでよじのぼって直した覚えがあります、ラブリーでやったときは共演者の森剣さんにとても驚かれましたが。 あのときからライブを聴きに行くのはスカートのスーツじゃなくてパンツスタイルで行かねば、と思うようになりましたが、さすがに今日はステージによじ登っていく勇気はないです)。 森山さん戻る、いっきにまたバトルヒートアップ、息つく暇もありゃしない。 ドラムソロに突入、ノブ君肘を大きく後に振ってストレッチ。 はぁ〜、思わず口を開けて見とれるドラムソロ。 まだセカンドセット(こういう劇場の場合は後半というのかな)の1曲目だよ〜、でももう20分経ってる。 息を呑むような迫力のドラムソロを展開していたと思うとオーバーアクションのおちゃらけドラムソロの演技をして、笑いをとる。 メンバーが笑っている間もなくいきなり「パカン!」でドラムソロ終わり、テーマに。 森山さんエンディングで叩きまくって、フロント陣が息の続く限り音をのばしたあと、天を仰いで「ほー」っと吠える。

拍手が鳴りやまないところに、ノブ君と佐藤くんで「雨」が始まる。 もしかして二曲目は「ずっと・・・」かな、と思っていたのだけれど予測がはずれた。 拍手が退くまで待たないと聞こえないんだけど、でも始めるように指示があったのかも。 森山さんがシンバルの位置を調整する。ホーンセクションのアンサンブル、あれ音川さんソプラノはこの曲で使うのじゃなかったんだっけ?森山さんが細かくシンバルを鳴らす、ノブ君がぱっとテーマを切り替える、911改めBeyond the C (Crisis)だ。 ステージ全体がオレンジ色に染まる。ライトがいっぱい天井からおりてくる。 音の暑さがすごくてぽ〜っとなっちゃう。音川さんが前に出てきてソロをばりばりと吹きまくる。 スーツがオレンジ色に映え、客席の方から当たっているブルーのライトにサックスが青く染まり、対照的な色合いを見せる。 佐藤くんはじっと立って何かを監視するかのような目で全体を見回している (こういう、アンテナを張っているような、何かをキャッチしようというような姿勢は大好きだ。自分のソロが終わったら後は知らん顔、なんていう人間は共演者とはいえないと思うぞ・・・って独り言)。 音川さんのウキュウキュウキュー、にグズラさんのベースがうなる。 ノブ君膝に手を置いたまま音でなくて体でバッキングしている。 佐藤くんが蛇腹を引き始め、どんどん音をつけていくと音川さんも吹きまくり、森山さんも叩きまくり、さあ音川ソロがどこで終わるか?って雰囲気になってきたところで全員定位置に戻ってきた、音川さんがサックスをちょっと下げて上げるのを期にリフ、 そして高瀬(tp)さんのソロに移る、ドラムがトーンダウンすると、ベース、アコーディオン、ピアノがそっとつける。 ピアノの音がパランパランとわざわざ花開いたような音階をつけると、ベースもアコーディオンもみんなやさしくそっとつけていくような、あたたかく包み込むようなバッキング。 森山さん、自分で音を切ったのはいいがどうやって戻していこうかなぁ、と思案しているかのように見える、肘を太ももに載せ、あごを手のひらにのせたロダンの思案顔。 まあ、目線は床じゃなくてミュージシャン方面ですが。 フリーっぽい感じのドラミングからはいる、体を揺らしていたずらっぽい顔をして、叩き始めたと思ったら今度はいきなりバカスカ状態、起伏ありすぎ! ホーンセクションもちゃんと最後8小節のリフを入れようとしたが勢いよすぎて届かず、そのままファイアーさんのソロへ。 大きな目を見開いて、金髪なのでおもわず「キューピー人形」さんを思いだしたが、真正面を見て吹きまくる姿はまるでもも上げ体操をしているような感じ、ド真面目アスリート風。 容貌とネーミングと楽器とフレージングの微妙なミスマッチがなんとも形容しがたい、今まで見たことないようなアルト奏者、おもしろい〜! (すいません、リハとピットインでは拝見してますけど。うう、一気にファンになっちゃいそう、こんど是非ライブに行きたいです)なんていっている間にソロ終わっちゃった、 サックスのベルを振って合図、ホーンセクションが前列に戻ってきた、音川さんがサックスを振って合図してリフ。佐藤くんソロ。 もしかして佐藤くん、森山さんを見ているような目だけど視線の先はノブ君?ノブ君は膝に手を置いたままじっと全身でバッキングしている。 お、森山さん叩きまくりに佐藤くんは攻め込む、おお肘弾き、前腕弾きが出た!それでも佐藤くんはまだまだ攻め込む、まるで喧嘩を売ってるみたいだ、いいぞやれやれ〜。 森山さん防戦一方の様に見えるなぁ、佐藤君、なおも攻め込む、肩すかしをくらうどころか手応えがなく、佐藤くん攻めあぐむ。 森山さんがドカンと叩いたがまるでおちゃらけドラム、肩すかし戦法に戦意喪失したところに森山さんが一気に攻め込んで自分のペースに持っていく、「お主、やるなぁ〜」。 すっと小さい音にしてノブ君にイントロを入れさせる、911改め、Beyond the crisisというくらいだからやはり緊迫感のある曲だ。 テーマに戻って、息詰まる展開が終わる(う〜っ、佐藤君とドラムソロの終わりにうまく拍手できなかったのが残念である、でもalaは拍手の質がよいと思うな〜)。

「ありがとうございます、このセットの最初の曲はサンライズ、次のスローな曲は田中信正の作りました『雨』・・という曲で、今の曲が(カンニングペーパーを見る)・・・Beyond the C」そうか、911なら簡単だったけどまた覚えられない名前の曲が増えちゃったか。 淑ちゃんがすっと舞台の端に退く。森山さんしばらく沈黙。何をしゃべろうか考えているのか? 「は〜。大丈夫です、少しぼーっとしてるだけですぐに戻りますので。毎年このコンサートをやらせていただいて、もうやることないよと思っていたんです。 大勢でやれば、陰に隠れていられると思ったら大間違いで、みんながやっている間ドラムはずっと叩いていなきゃいけないんです。ふー。 この次やることがあれば田中さんとデュエットにしたいと思います。 今日の最後の曲は、井上淑彦さんが、今日のためにずっと考え続けてくれていた曲なんですよね」淑ちゃん思わず笑ってしまう、 「そこは笑うところじゃないんですが。曲名は『ずっと・・・』です」

舞台の後に満月が出た。森山さんの姿がドラムのところに見えない、もしかして椅子を降りて台に座っているのかしら、月に帰っちゃったか? ピアノとアコーディオンのテーマ、美しいわぁ。うわぁ淑ちゃんの音色、ゾクゾクッと鳥肌が。 アコーディオンのソロ、透明で透き通るような。森山さんがアクリル板に映っているのが見える、身じろぎもしない。 大丈夫かしらと心配になる。淑ちゃんのソロ、でも音よりだんだん心配度が増してきた、あ、汗を拭いているのが見えたけど・・・もしかして本当に体調が悪いの? まさか脳梗塞とかじゃないでしょうね。 もうほんとうはここでドラムが入るんじゃなかったかしら、何かあったら舞台へよじのぼらないと。 客席には藤井先生もみえるし、私の他にもK枝先生もいるから少なくとも3人は医者がいるわ、などとハラハラして頭の中は演奏を聴くどころじゃなくなっている。 あ、復帰してきた、ロールが入った、とりあえず大丈夫かしら。 フロント陣勢揃い、音川さんがソプラノを持った。 テナーを置く間がなくテナーを首に下げたままカーブドソプラノを吹く、フロント全員違う楽器になった。 森山さん叩きづめ、エンディングで淑ちゃんがサックスを振り上げて合図、わぁっと盛り上がったところで森山さんのロールが炸裂。

「ありがとうございました。高瀬龍一トランペット。渡辺ファイアーアルトサックス。 音川英二テナーサックス。井上淑彦テナーサックス。バリトンサックス田中邦和。 トロンボーン中路英明」みんな舞台を去っていく。 「田中信正ピアノ。望月英明ベース。佐藤芳明アコーディオン。 私は森山威男です、ありがとうございました」と去っていく・・・。 大丈夫かと思っていたのだが、舞台の袖に奥様が心配そうな顔をして立っているのが見え、また心配がぶり返す。 大丈夫か・・・。

拍手が鳴りやまない、アンコールかと思ったが森山さんが一人で出てきてマイクを握る。
「終わりまで来ることができました。いつもいつもありがとうございます。 東京からですよね、北海道から、九州から、みなさん遠くからもいらしていただいて。 大分からの方が泣きながら電話してきました、飛行機が飛ばないって」そうだわ、台風が来ているんだわ。 「来週にしてくれないかって(笑い)言われましたがそういうわけにもいきませんので。 ・・・これで終わるわけにはいかないんですよ。 なぜ前にでてきたかというと、これがあるということなんです〜、もうこれが楽しみで」とじゃんけん大会が始まるんですね。 「これと(スティック)、これと(ドラムヘッド)・・これは今年のですね」とTシャツをだす。 「たいした価値はないんですが、もらってくれる人います?」会場全体を巻き込むじゃんけん大会、最近私は1回戦負けが続いている。 「あ、藤井先生まだ残ってらっしゃる、しぶとい。マユミちゃんも。じゃ〜んけ〜ん」藤井先生、マユミちゃん健闘! 最後の最後までアツヤが残ったが、2階席最前列の男性と決戦じゃんけんで負け。 え、きょうはスティックとTシャツとドラムヘッドがセットなんだ、いいなあ〜!これは何としても次はがんばらないと。 「じゃ〜んけ〜ん」またも1回戦負け。次は1階席の女性がゲット。いいな〜。 「これが楽しくて。来年はじゃんけん大会から始めたいと思います。 今日は本当にありがとうございました!」

舞台の袖に奥様が待っていらっしゃる、やっぱり体調が悪いのかしら、大丈夫? メンバーがみんな戻ってきた、Hush-a-byeが始まる。 淑ちゃんが吹き始める、アンサンブルが不協和音で不思議な感じ。 アコーディオンソロ、前に出てこられるといいのにねぇ。トランペット、高音がばっちり。 アルト、真剣な顔で正面を見て吹きまくる。音川さんは余裕の表情、井上さんは少しはずした感じのソロが面白い。 トロンボーンのソロの音を拾ってバリトンソロが続く。 ノブソロ、サビになると森山さんが歌っていないのに歌っているかのように聞こえる。 ベースソロの間に淑ちゃんがドラムソロの有無を森山さんに確認に行く。 淑ちゃんすっと脇に退いてドラムソロ、1コーラス。 淑ちゃんがタイミングを見計らってテーマを吹き始める、ああサウンドの厚みが。 エンディング、全員力の限り、という感じで音を出す。

「ありがとうございました。すばらしいミュージシャンたちと一緒にできて、私が一番喜んでいます。 今まで一緒にやったこともないのに、お話ししたこともないのに、友達でもないのに、親戚でもないのに、助けてくれました。 ありがとうございました」とメンバー紹介をする。 「今年でだめだろう、今年でダメだろうって、情けないんですがネタもないし、いつもそう思ってしまうんですが、今年もやれました。 もうお聞きになってお気づきでしょうけれど、曲を書いてきてくれたのは私じゃないし、佐藤さんだし、音川さんだし。 すばらしいアレンジをしてくれたのも私じゃないし。・・・練習の日取りを決めたのも私じゃないし。 どうやろうか、こうやろうかっていうのをリハーサルの時に言ってくれるのも私じゃないし」会場からくすくす笑い。 「どこが森山威男だか分からない・・・喜んで一緒にやってくれた皆さんのおかげです。 アーラのPAのみなさん、照明の皆さん、一年間楽しみ半分、お役目半分でしょうけれどいっぱい前もって準備してくださって本当にありがとうございます。 何よりもこのコンサートが楽しみなんです。 電話をかけるわけでもなく、お手紙も書かないのに皆さんいつも集まってくださって、ありがとうございました。 またできそうです。体に気をつけて来年ここにまた来られるようにがんばります。 皆さんありがとうございました!」

舞台の上はレギュラークインテットが残った。森山さんまたしゃがんでいるみたい。ううう、大丈夫? ノブ君からの、グッドバイ。イントロから、ノブ君がメロディーを弾き出したらすっと立ってドラムの椅子に座る森山さん。 会場は静まりかえって、舞台からのなめらかな音に満たされている。 ほんの小さな雑音が気になる、パンフレットをカサカサする音。 サビからみんなで入り、ソロは佐藤君。 ふう〜、しみるなぁ。パイプオルガンみたいな音に聞こえる、わぁっと音が迫ってくる。 う、終わっちゃうんだなぁ、と思ったのと同時に無事に終わってよかった、って思ったらどわっと涙がこみ上げてきた・・。 やっぱり感動の舞台です。さあ、来年はどうなるかなぁ?






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