何やかんやと多忙で体調がイマイチどころか今三つ、パソコンを入れたカバンは重いし、暑くてげんなり。おまけに家をでてタクシーに乗る前に足首を捻挫して腫れてきた。「も〜!行くの止めちゃおうかな・・・」でも財布の中には前回出張の時に残った、有効期限今日までの名古屋東京間の新幹線回数券がある。使わなくちゃもったいないし、と出発。氷で足を冷やしつつ、午後からの靴店での相談会にアテンド。5人ほど患者さんの靴相談後、名古屋駅から「のぞみ」に乗り込む。水戸には午後6:45着。7時すぎに店に着くと、おなじみの顔が並んでいる。

ヨッチャン先生のおかげで好位置をキープ。体調を考えてドリンクはアイスコーヒー。ペンにノート、MDをセット、今日の画像は先生におまかせしよう。

8:05スタート、Impressions。ノブ君の和音がいい感じ〜。いつもより少しテンポが遅いかな?バスドラの音が少し軽めに聞こえる、ベース、ピアノ、全体的にいつもよりバランスが軽い感じ。音川ソロ、森山さん笑顔。高瀬さんと顔を見合わせて笑っている。わー、すごい、叩きまくり。うひょ〜、やっぱりすごいわ、この人。ちょっとへばり気味だったのがぶっ飛んだ、やっぱり来てヨカッタ。音川ソロ終わり、拍手、歓声。ノブ君3拍フレーズ、連打。うなっている声が今日は良く聞こえるなぁ。森山さんノブ君を見据えて叩きまくる、ノブ君も負けじと応戦。キャリキャリキャリガリガリコンゴン、パカンパカンドシンバシン。はあ、森山さんすごいリキの入れようのドラムソロ。目がシャープ。いつもよりもまた磨きがかかったように感じる・・・。テーマ、終了。「モリヤマ〜!」「かっこいい〜!」の掛け声。初めて聴く人が多いのか、「何だこれ〜」「スゲエなぁ〜」などと口々に驚きの歓声が伝わってくる。

音川さん「どうもありがとうございます〜。ここではコルトレーントリビュートということで今年で3年目ですが、今日はすばらしいゲストをお招きしています、ドラムス、森山威男!」大拍手。「森山さんは水戸は初めてですか」「そうですね、光圀公にお会いして以来ですね」爆笑。「え〜」何と続けていいかわからない音川さん、笑ってしばらくの間が。「こういうヒトです。僕と田中君は何年も森山バンドで演奏させてもらっているんですけれど。昨年出た僕のリーダーアルバムでも叩いてもらっています。今日は一部はコルトレーントリビュート、二部はそのCDからの曲を演奏したいと思います。メンバー紹介します。ピアノ田中信正。ベース高瀬裕。サックス音川英二です。一曲目はインプレッションズ、コルトレーンの曲をお送りしました。二曲目はこのステージ最後の曲になりますが」笑い、森山さん拍手、ノブ君も。至上の愛パート1-3をやろうと思います」歓声、拍手。

音川さんが吹き始め、ベースがタターンタタンと弾き出す。ノブソロ。う〜ん、何と表現していいのかな、なんて書こう・・舞台上を飛び回る小虫が気にかかる、顔にも当たるし。と思っているうちに一部が終わってしまった。二部。ノブソロ、軽快な感じに。本当にノブ君いろいろな奏法、フレーズが出てきて面白い。森山さん楽しそうに叫ぶ。楽しそうにノブ君を見ている。拍手、音川ソロへ。おお、音川ソロいいぞ。低音と高音のメリハリがしっかりついて、のけぞって吹きまくる、時々片足を上げたり、回し蹴りっぽくなったり。森山さんとノブ君が目を見合わせて、高瀬さんが笑いながら踏ん張っている。そのままテーマ、エンディングかと思ったら森山ソロ。ライトが暗くなった、あれ?ライトアップでなくて周りを暗くして森山さんを浮かび上がらせようという手法かあ。スティックが飛ぶ。持ち直すまで少しいつもより時間がかかった。ロール、タムからがーっと叩き回して、テンポを変えて、第3部へ。ああ、スピーディーでいいわ。ノブ君ソロ、ゴージャスだわ、しびれちゃう。森山さんの地響きのするようなドラミング。ノブ君をあおるあおる。音川ソロへ、森山さんがノブ君を見て合図、森山音川デュオへ。ライトが音川さんのサックスに当たって反射してきれい。迫力あるデュオ、音川さん水を得た魚のよう。ロールから合図?なのか高瀬さんが入りノブ君が慌ててつける。スティックの先が折れて飛んだ、森山さん目をつぶったまま渾身で叩き続ける、ドラムヘッドが破れないかな大丈夫かな?さすがにスティックが短くなったのに気がついたか、ぱっと持ち替えて叩き続ける。テーマ終了。歓声、ため息。

休憩の間に、音川さんとのじゃんけん大会、今日の景品は森山さんのスティック3組、サイン入り。今回3回とも負けてしまいゲットできず、でもま、いっか。先回のドラムヘッドに続いてゲットしてはバチが当たるというものだろうよ。森山さん登場。「今日は音川バンドだから勝ったらサックスがもらえるかと思ったのに・・・」森山さんAlaの宣伝。売り出したばかりだというのに、どうももう2階席しかとれないらしいよ?すごい売れ行きだね!「皆さんにはわざわざ水戸から来ていただこうとは言いませんが、チラシを持ってきて入り口の所に置いてあります、記念にお持ち帰り下さい。先着20名様に。生きていればまた水戸に来ることもあると思います(来年もお待ちしてま〜すの声)、よろしくお願いします」拍手。

振り向くと、最初は入りが心配された会場もほぼいっぱい、びっくりした。二杯目のドリンクはウーロン茶。9時20分、2nd setスタート。「このセットの最初の曲は、僕の【存在】というCDに入っている【New and old wonder trilogy】という組曲で3-40分かかると思いますので(笑い、ホント?の声)、そのつもりで聴いてください」MDのスイッチを入れて、レポート書きのスタンバイをしようと思ったら、ペンが見あたらない。あわててヨッチャン先生にペンをお借りする。サックスが高らかに鳴り響く、マレットで叩くシンバルがすごい音を立てている。イントロの激しさからは打って変わって、ゆったりしたテンポのテーマから。ノブ君のソロへ。ゆったりとした振幅があり、曲想もちょっとアラブ風の感じもするし、少し不安になるような感じもあるし、行き先のわからないボートに乗って海原を流されているみたい。高瀬さんちょっと不思議な弾き方をした。静かにフェードアウト。

音川さんソプラノに持ち替える。ノブ君がきれいなイントロを弾き始め高瀬さんがつける。サックスの音響にエフェクトがかかっているのかな・・・でも、ソプラノの音が本当にクリアできれい。森山さんがブラシで入るが、いきなりドシャメシャ!!という感じ。だんだんテンポがはっきりして、音川さんが吹いて、ソプラノを置く。ノブ君のソロに森山さんが入ってデュオ。高瀬さんが弓でつける。ブーンという音、ノブ君の弾きまくり、森山さんの大音量、ミツバチの大群が飛んできたみたい(なんかそんなタイトルのクラシックの曲があったっけ?)。3人のバトル、大迫力。森山さんがヘイ!とノブ君に声をかけ、ブレイクを合わせる。

ンタッタ、ンタッタとノブ君が弾き始め、組曲の3部目へ突入。ジェットコースターに乗って疾走しているようだ。アレ?ちょっと森山さんとノブ君の拍が合ってない?高瀬さんはどっちにつけてる?(後で聞いたら、「強い方に」ですって、どっちに合わせたのかな?)森山さんとノブ君、楽しそうなデュオになった。どうやって仕掛けてやろうかと森山さんは考えているけど、ノブ君も負けていない。思わずギャハハハ、と笑ってしまう。森山さんが声をかけ高瀬さんがデュオに乱入。音川さんが入って、今度は音川森山デュオに。後ろからあおる森山さん。吹きまくる音川さん。ベルの陰で森山さんがよく見えないが・・・森山さんがんばれ!音川さんがキュー〜〜と音を伸ばし、森山さんがタカタカトコトコと入れてコーラスの頭に。高瀬さんとノブ君も入って全員で。うん、いいぞいいぞ。おお、まだ続く、音川ソロ!うわーすごいスティック捌き。この左手、何なの!渾身のドラムソロ。タカタドン!でテーマへ、今年の最初はカンニングが必要だったとは思えない、危なげない。おお〜、爆発、燃焼!って感じで

「モリヤマ〜!」の掛け声、拍手、笑い声。「ドラムス、森山威男!」ノブ君の拍手に合わせて森山さんもスティックを打ち合わせる。

「New and old wonder trilogy、自分でもなかなかうまく言えないんですけれど。40分くらいかかりましたか?」30分、と答えると「意外にコンパクトにまとまりましたね。CDでは、20分くらいなんですけれど」森山さん「じゃんけんでCDくれないの?」笑い。「このメンバーと、アコーディオンの佐藤君を加えて5人で二日間で録っちゃった、ってCDなんですけれど。この曲はレコーディングの前日にできて、突然持ってきて録音したんですけれど、それがまた緊張感があっていい感じなんです。是非お買い求め下さい。森山さんの演奏を初めて見たってひとも、ずいぶん前に聞いて今日久しぶりに聞いた、なんていうひともいると思いますので一言」と森山さんにマイクを渡す音川さん。

「あの、何も原稿が用意していないので何をしゃべったらいいかよくわからないんですけれど。僕がいつもやっているバンドでベースが違うだけで音川バンドっていうんですよね。このグループを、森山バンドってことにして。で、元のバンドを音川バンドにしましょうか。また音川バンドでも呼んでください。(???あんまり深い意味はないと思うな)今夜はありがとうございました。自分のバンドじゃなくて、ヒトのリーダーバンドでやる時はバックで目立たないようにするっていうのが自分の信条なんですけれど・・・(音川さんが爆笑)。あ、気づかなかった?今日はちょっと目立っちゃったかしらね。申し訳ありません。よろしければアンコールなんかやろうかと思うんですが、よろしいでしょうか」音川さん「まだアンコールではなくて、最後の曲なんですが」爆笑。

日本海の朝焼け。ベースのイントロから。このリズムは、他にはこんな曲ないもんね。レポートを書くのに「なんてリズムですか」って聞いたら、音川さんも森山さんも「さぁ〜」と考えてから、「二拍三連の四拍子?」と音川さん。森山さんは「リズム&ブルースかなぁ?」で、毎回この曲を叩くのは緊張する、とおっしゃった(意外!)。わ〜、サックスにエコーがかかってる?展開が面白い。森山さん、ノリノリ。ノブ君ソロへ。高瀬さんライブ中を通して、本当に楽しそうな顔をして弾いてる。ノブ君のカカカカカカの高音に高瀬さんもディディディディディディと高音でつける。タイトだけど広がりがある、スピーディーだけどゆったりしているこのドラミング。根底に流れるタイム感の大きさだろうなぁ。ノブ君バックで、森山さん必死で叩いているふりをしながら音を出さない得意のおちゃらけ。でもリズムは崩れず、他の所で出している音が爆音をキープしているので、見ていないとわからない、目をつぶって聴いている人には。わ〜、かっこいい〜・・・かっこいい・・・うぉ〜・・・・と、気がつくとペンがここで止まっている。

アンコール、退場したフリをしながら舞台の袖で4人で相談、曲決め。「ありがとうございます。今日はコルトレーントリビュートということで、最後にジャイアントステップスを」拍手。音川さんがゆったりと吹き始める、高瀬さん弓でつけている。おお、テーマから飛ばすとばす。あ〜、森山さんおちゃらけをまたやったらスティックを落とした。スピーディーだわ、音川ソロ自由自在。もうカッコ良すぎ!!高瀬さんがんばれ!ワクワクドキドキが止まらない。あ、ノブソロ、森山さんがノブ君にちょっかいをかけ、ノブ君声を出して笑ってる。ちょっとノブ君、ジャッ・ジャジャジャ、ジャッ・ジャジャジャ、ジャッ・ジャジャジャ、って、これ水戸黄門のテーマじゃない?唖然、狙ってたのか思いついたのか、良くこんなの入れられるねぇ・・・!もう、高瀬さんも音川さんも爆笑。ああ、おかしくて涙が出てきた。お、ソロからデュオになるのかどうなるのかな?で、ドラムソロへ。もうノリノリの森山さん、サービス精神旺盛。バコン!でテーマに戻る。はぁあ〜、もう脱帽。

アンコールの拍手が鳴りやまない。もう、森山さんは出てこないと思うけど・・・そう、これ以上叩かせなくていいです。おっ?音川さんが出てきて、後ろにトコトコとノブ君がついてきて。なんだかノブ君、学芸会に登場する子供みたいで、胸のフリルがまたかわいく見えてしまう。「2回もアンコール、ありがとうございます。何をやろうかと考えたのですが、田中君と二人で『I want to talk about you』を演奏します」ううう、音川さんが吹き始め、ノブ君がきれいにつけて。ゾクゾクゾクッ!デュオまで聴けて、なんか、得した〜!アンコールもしてみるものだねぇ。ノブソロ。ああ、ステキ。歌い上げる音川さん、リズムをつけるノブ君、うっとり。最後のカデンツァーも、クリアーな音で。森山さんもおっしゃっているけれど、本当にこの二人の成長ぶりを見るのは楽しい。私がこんなことを書くと偉そうに思われるかも知れないけど・・・。拍手、拍手。終わってからも、余韻を楽しんでいるヒトが多く、ため息があちこちで。

いい夜を過ごせた。(写真提供:岩手ジャズ愛好会ヨッチャン先生)