曲名は赤い字、森山さんの喋りは緑の字にしてあります。

9/22札幌

9/23登別

9/24弟子屈

9/25根室

2000年9/22(金)、第一日、札幌。

名古屋からJAS403便。森山さんの顔を見てほっとした(実はネット上のある筋で森山さんの死亡情報が流れており、デマだと判ってはいたのだけれど、でもなんとなくね)。札幌に到着、望月、音川、田中の3氏はもう東京からついていた。今日明日の分をコーディネートして下さった、登別の税理士さん、長瀬さんがお迎えにいらして下さっていた。望月さんはベースと一緒に長瀬さんの車、もう一台BMWを音川さん運転で(長瀬さん一人でどうやって二台の車でお迎えに来られたのだろうと皆不思議がる)札幌へと向かう。森山さんは「あー、緑の時期の北海道は初めて来た、いつも雪景色だもんなあ。いいなあー、このままどっか行っちゃいたいなー。サッポロビール園も行ったことないし」と楽しげ。ライブの会場はすすきの狸小路、キクヤ楽器店があるビルの5F(メッセ)ホール。1階の店のディスプレーにTAKEO MORIYAMAと書いてあるのがすごい!と思ったらにTAKEO KIKUCHIの店だった。

100人ほどの入りでしょうか。ヤボ用で開演に間に合わず、反省。メンバーにあとで「寝てたの?」なんて言われちまった。メンバー紹介でいきなり森山さん「テナーサックス、田中信正!」みな凝固。

「Gratitude」「この曲は長年やってきた井上がグループを去る前に書いた曲で、そんな意味もないんでしょうが感謝という意味です。」イントロから入るところのテンポがちょっと合わない。あー、ビールを飲みながら聴いている人がいる、いいなー。ページを作るためメモをとりながら聴く。実は前にパソコンに直接入力していたのだけれど、暗い中でモニターのぼーっとした明かりが私の顔を下から照らすと、ステージから見てちょっと不気味だと望月さんから言われてしまったので。しかし最近は便利になった。デジタルカメラのカードから直接画像が取り込めるし、ダメな画像ならすぐに削除できる。録音もMDで撮ればテープひっくり返す手間もないし。但し演奏時間がデジタル表示ですぐ判ってしまうというのも味気ない気がするが。

二部はSound Riverから始まる。ステージが高く田中さんの顔が見えず残念。ちょっとベースとピアノの音が聴き取りにくい。田中さんのソロ、森山さんと目を見交わしてバトル。音川さんもかなりのハードなソロ。次いでTake Zero。望月さんのベースソロ、音川さんのソロ、田中さんはまるでフリージャズ。森山さんのソロで曲が終わるが、リズムの遊び方がうまくてなんとなくひゃははと笑いが出る。山下洋輔さんの本にもあったが、凄いものを聴くと驚くのを通り越して次になんだか笑えるのは正常な反応だと。隣の男性二人組もひゃははは笑っている。

三曲目は見上げてごらん夜の星を、音川森山デュオ、次いで田中森山デュオ、森山ソロ、テンポもなくずっと長く続く。初めて聴く人には最後のところでテーマに入ってやっとこの曲だと判り、今までのは長いイントロだったのかと思ってしまうだろう。四曲目はサンライズ、音川から田中ソロ。森山さんが後ろから一声かけてリフに突入。

ここで終わりの挨拶、アンコールのかけ声でGoodbye。田中さんのピアノの和音が美しい。複雑で非常に深みのある音でどんな音を組み合わせているのか見当もつかない。これで終演。「本当は夜中までやって皆さんと盛り上がりたいのですが、実はこのバンドはアンコールにやる曲がないんです。こんなこともあろうかと思って唄を練習してきたんですが、まだお聞かせするほどではなくて・・・。来年来たときには坂本冬美のあばれ太鼓をお聞かせしようかと思います」との森山さんのせりふ。しかし、ハッシャバイをやらないのは少々初日で控えたか。


終演後、ジャマイカというジャズクラブへ。壁一面LPレコードで埋まっている。森山さんの今は手に入らない古いLPが山ほど出てきた、あっぱれ。森山さんサインをしながらこれ聴こうよとハッシャバイやスマイルのLPをママさんに差し出す。聴きながら「俺って4ビートうまいじゃない」「昔の自分の演奏を聴くのをいやがるヤツもいるけど、俺はそんなことないね。へたくそで自分で嫌になるような演奏をしてたのか、そんな演奏ならやめちまえ、っちうの」おおすごい。さすが森山さん。熱心な年輩男性ファンに延々話しかけられ(からまれ?)ている望月さん、帰りましょうかと声をかけるもまだアルコール量が足らないらしく腰を上げず。狸小路のラーメン屋で餃子、ビールとラーメンで仕上げ。夜更かしはしないつもりだったが、既にオリンピック中継は終わり、アリーマイラブが始まっていた。

9/23(土)二日目、11時にロビー集合。音川さん運転のBMWで高速道路で登別方面へ向かう。昨夜のあれからを望月さんに伺うと、「あの男性をタクシーに乗せて帰すまでが大変だった」(望月さんをよくご存知の方なら!と思われるに違いない)。登別温泉近くのバーベキューハウスで昼食。


会場は登別市鷲別。公民館の二階のホール。和室では地元の人たちが大宴会をなさっておられる。リハが終わって一階の自動血圧計を発見した望月さん、最近健康に気を遣って減塩(アルコールは減っていない)しているので早速測定。まあまあの数値が出てこんどは森山さんに計測を強制。結果はそれほど悪くなかったですよ。
行き来している女性からリンゴとブドウ、梨のおすそわけをいただいておいしかった。しかし今夜はオリンピックサッカーの試合が既に始まっている。お客の入りが少々心配。

一曲目はマーチTM、森山さんのドラムから入って音川ソロ、田中ソロへと。ベースのモニター音が強く、少しピアノが聴き取りづらい(でも今までライブで聴いた中で一番よくベースの音がきこえた。後で話題になり音川さん、田中さんとも「ベースってあんなに弾いてたんだねー」((ゴメンナサイ))なんて言ってた)。ソロが終わるとちゃんと拍手。札幌の観客よりノリがよいかも。モニターがドラムに合わせてハウリングしているようで少し聞きづらい(これはしばらくして解消)。

ステージを使わずフロアで演奏しているので、メンバーにスポットが当たらず会場がやや暗い。演奏中はフラッシュを焚けないので演奏中の画像はありません、すみません(お前がそんなこと気を遣うかって?一応)。Yama田中、音川ソロ。めちゃくちゃかっこいいー。音の爆風に襲われたみたいな(あ、登別あたりでは禁句?)すごいエネルギー。Gratitude、一瞬にして静寂。誰かがライブのパンフレットをさわっているカサコソという音が会場に響くほど。だんだん森山さん音量アップし結局最後は大暴れ。Departure from the mysterious flash田中さん拳でソロ、グズラさんもノリノリ。これで一部終了。


休憩になり、岐阜県笠原町から駆けつけた、スタジオFの藤井先生にお会いする。一階のホールでは皆サッカーに釘付け。隣の部屋では社交ダンス教室、すごいピンヒールの靴でターンをおばちゃまたちが。あー、外反母趾養成靴・・。社交ダンスで足が痛くなったって外来に受診される方、結構多いんですよね。他にはカラオケ教室、よさこい教室なんてあってほのぼの公民館です。

二部開始前に隣に座っていた男性に話しかけられる。"あのー、森山さん聴きに来たのだけど、おひねりとかあげても失礼じゃないですよね?" 私"終わってからですか?" 男性"いえ、サックスのソロが終わったときとか" 私"曲の最中はやめた方がいいと思いますが" 男性"曲の間ならいいですかね" 私"やっぱりステージが終わってからの方が・・・" 男性残念そうに"そうですか・・・" そんなに言ってたのに結局ステージが終わってもご祝儀を持っていったようすはありませんでした。あとでお伺いしたらおひねり大歓迎、但し当たると痛いので硬貨はご遠慮下さい、と森山さん。 

そうこうしているうちに二部が始まる。Sound River田中、音川の順にソロ。音川さん爆発状態。下のダンスホールはどうなっているだろうか、この曲に合わせたら大変。

森山さんMC今日はあんまり喋らなくて申し訳ないです。メンバー紹介といってもあんまりメンバーの素性は知らないんですが、名前は知っています。テナーの音川英二は・・・(と言葉を切る、いったい何を喋り出すかと音川さんぎょっとした顔)アメリカのバークレーに行って、卒業してからアメリカで長く仕事をしていたんですけれど、帰ってきたら知り合いはなく、浦島太郎になってしまっていてまた独りさみしくアメリカに帰ろうかというところに声をかけたわけです。(これは冗談、仕事はいっぱいあった)ピアノの田中信正はヤマハのコンクールでジャズの部門で優勝して賞金をもらったという経緯の持ち主です。BO-JOという変わった編成のグループで頑張っています。今日もCDを持ってきていますのでよろしかったらお求めになって下さい。・・・・・ここでしばらく間が空き、誰かを忘れているんじゃないかって言う雰囲気・・・・ベースの望月は(笑)ただ長くいるだけが芸という・・山下洋輔の所を離れる前からつきあいがあるベーシストは望月英明だけで、ベースという名前にふさわしくホントに一番基本の所をがっちりと押さえてくれています。皆さん聴いておられておそらくドラムもピアノもでたらめをやっているんだろうと思われるでしょうが、でたらめに見えないところはベースが押さえてくれているんで、さいごはきちんとまとまると、そういう演奏になっています。

叩くときは涼しい顔をして叩こうと思っているんですが、手足がばたばた、頭の中はピアノとサックスが何をしてくれるかと予想しながら裏切られると、悔しくてまた叩きのめしてやろうと、そういう物語を作って演奏しています。もちろん全部でたらめに全部アドリブでやっているわけではなくある程度の取り決めはあります。曲の名前は今まであまり紹介しなかったんですが・・と曲名とその由来を紹介(内容は以前にも紹介したので省きます)。Take Zeroベースソロ、バキバキのチョッパー風。

見上げてごらん夜の星をSunrise。森山さんのドラムは音が澄んでいるからかどれだけ大音量をだしてもうるさくない。このドライブ感はたまりませんねー。メンバー紹介のあと、ありがとうございました。えー、山下洋輔と演奏を始めた頃はこの人といつか別れる日が来るんだろうか、どうして別れることなんかあるだろうかなんて思いましたが別れましたし、自分が癌にかかるなんて思ってもみなかったのもかかりましたし、いろんなことがありました。結婚して長いこと子供がなかったのに42才にして初めて赤ちゃんが生まれたりして、喫茶店のあるじもしてみましたし、不動産屋のまねごともしてみました。いろいろしてみましたが、これをやっているときが一番あっているといういう気がだんだんしてしてきました。皆拍手。ドラムを叩いているときは一生懸命叩こうっていうことが目標で、こまかい事が何にもできないうちに年ばっかりとってしまって・・・。一生懸命叩こうとやっているとこういう風になってしまうんで、本当は歌が好きなんです。本当は歌手になりたかったんですが、このルックスとこの声ではどうしようもありませんでした。ある人に森山さんはどうしてきれいな曲でもあんなに叩くんですか、やっぱり既製のものを暴力的に壊そうとなさってるんですか、っておそるおそるきかれましたが、きれいに叩こうと思うとああなってしまうんです。きれいな曲を叩いているときはきれいーに叩いていると思って下さい。最後にいろんな事を喋ってしまいましたが、これに懲りずまだ続けますのでまた聴きに来て下さい。

拍手の中、静かにGoodbyeが始まる。うー、このメロディーを聴くといつもなぜか鼻の奥がつーんとして、目の奥が熱くなってくる。
アンコールの拍手が鳴りやまない。ありがとうございます。・・・サッカーどうなったんでしょう。(笑)(PK戦で負けてしまっていた)・・・ドラムを山下洋輔とやり始めて、まだお客さんがあまりいない頃から、まだ若いので俺が一番ドラムがうまいなんて思っていました。朝起きて靴を磨くところから、夜演奏するまでドラムを叩くことにすべてを賭けていたみたいな。オリンピックを見て若い選手たちを見ているとそんな自分の若い頃を思い出します。JAZZは勝ち負けだ、JAZZにもオリンピックがあったらいいのに、そうしたら自分は金メダルが取れるのにと、思っていました。・・50を過ぎると、勝ち負けでなくてもいいかぁ、と思えるようになりました。・・・でも、勝ち続けます(ぎゃーかっこいい)。またお会いします。ありがとうございました。

9/24(日)三日目弟子屈
この日は集合前、ホテルでテレビを見ていたら高橋尚子がゴールインしたところでいきなり停電。水道の水まで止まってしまった。シャワーを浴びてた人なんかどうなるんだろう。外は土砂降り暴風雨、喫茶店を探しに出かける気にもなりゃしない。しかたなくチェックアウトタイム10:00からお迎えの11:00まで、ローソクの明かりでロビーで音川さん、田中さんと時間つぶし。

札幌発北海道エアシステム社の便は36人乗りのかわいい(怖い?)飛行機、機体はSAAB社製と表示があるのをSAABにのっている音川さんが見つけました。藤井先生運転のお車に同乗させていただき、釧路空港から弟子屈に向かう道はとてものどか、牛や馬が牧草地帯に点々と、それどころか丹頂鶴まであちこちに見られました。会場は鮭の遡上する釧路川のほとり、河原のいっぷくマーケット。無国籍雑貨の店と喫茶店が併設になっている感じのいいところ。壁には日本地図、世界地図(ここを訪れた人がどこから来たかピンで刺して示すようになっている)、流木など。メンバー、興味津々店内を見て回っている。皆何かを買って帰ることでしょう(藤井先生はアフリカ産のドラムをお買いあげ)。

この店で本格的なジャズライブは初めてだそうです。6時開場とぴったりに入場しましたが、だれもまだ座っていません。昨日もそうでしたが、北海道の方はのんびりされているのでしょうか。うー、席取りに東京や名古屋で何時間も並んだ経験があるので、開場時間に行って一番前に座れるというのがちょっとびっくり。昨日、おとといと開場では何も口にできなかったので周りの人が食べているお好み焼きに惹かれて開演前にお好み焼き、枝豆と生ビールを一杯。

曲順は一昨日、昨日とほぼ一緒。marchTMが終わったところで、メンバー紹介。今日は思い切りやろうと思ったら思い切りやってしまいました、すぐに交換します、しばらく休憩します。なんとスネアドラムのヘッドが破れてしまっていたのでした。(この写真はドラムを叩いているのではなくヘッド交換中の森山さん)。
チューニングが済んで、Yamaが終わったところで後ろのカップル、気持ちいいー。とつぶやいている。確かに。

Gratitude。メンバー紹介、ほぼ昨日と同様。音川さんの紹介が済んで、ピアノの田中信正は・・・・・・・と森山さんの目が宙を泳いでしばらく間が空き、もしかして彼のことを何も知らないんじゃという雰囲気が漂い、会場爆笑。BOJOというボーカル、ドラムとの編成のグループをもう長いことやっています、と言ったら今は僕も入っていますと音川さん。あ、すみません何も知りませんでと森山さん謝る。このバンド、先日の長野県飯田のライブの後豪雨でたいへんだったらしい・・実は私も(名古屋ですので)車が浮くかと思った。で、昨日も言ってましたが今日彼が持ってきてるCD「ODD or EVEN」は別のグループの彼のリーダーアルバムなんですけど・・・。ついに望月さんの紹介は無し。まあ、今更わざわざ紹介するのもね、って感じかな(あとでお聞きしたら全くお忘れになっていたらしい)。

んぎゃ、Take Zeroでの森山・田中デュオのすごい事ったら。緊張感がみなぎって、山下森山対決よりも私にとってはすごかった。ビシッとブレイクが決まって、のぼせそうだった。

サンライズのイントロのリズムを聴いて、お隣の男性はにこにこ。古くからのファンらしい。最後はアンコールに応えて、グッドバイをするのかなと思ったらハッシャバイ。うー、、毎日調子を上げてきております森山威男!今日のお客さんは昨日、一昨日より一曲多く聴けています。最後にグッドバイを追加しておしまい。お疲れさまでした。会場も「すっげー」「来て良かった・・」「な、俺の言ってた通りだろ」なんていう言葉が飛び交う。

ライブの後、田中さんのホームページの常連のさこちゃん、紅子さん、のんちゃんにお会いしました。オフ会状態。
左よりさこちゃん、のんちゃん、紅子さん
初めてお会いするのにそんな感じはしませんでした。閉演後、エスニック調の服をいろいろ試してみるも森山さん、「だめだー、全然似合わない。いいなあ、田中は手足が長くてモデルみたいで何でも似合いそうだ」それに対して田中さん「ハンガーって言われます」打ち上げはいっぷくマーケットの心温まるキムチ鍋、カボチャなどのお料理。グズラさん絶好調、一升酒がみるみる減っていきます。外は大雨。氷雨に近い?やっぱり北海道は寒いなあ。

9/25(月)四日目、いっぷくマーケットの店長運転の車で大雨の中を根室はサテンドールという駅前ジャズ喫茶に到着。壁中LPだらけ、時間があればもっとゆっくりしたい所。マスターも奥さんもとっても暖かい感じの方。根室ジャズファンクラブの会長高橋さん、船長さん(あ、ごめんなさい森山さんが船長と呼んでいらしたのでお名前が・・・)にお会いする。皆さん森山さんを歓待しようというお気持ちがダイレクトに伝わってくる。今回のコンサートのパンフレット、大変立派なものができています、記念にしよう。根室はジャズが熱いという噂は前々からお伺いしている。今回の北海道ツアーも、弟子屈で帰るつもりだったのだが、森山さんに「根室に行かなきゃダメだよ!」と言い渡されたのでした。会場は根室市総合文化会館小ホール。とてもきれいで立派な会場。今まで最前列で聴いていたので今日は少し後ろの全体が見渡せる席に座ることにしよう(と思ったが最後は前から2列目まで出てきてしまった。やっぱり近くで見る方がいいよー)。
リハーサル風景。田中さんのハンチング帽に注目。

曲順は昨日と同じ。会場は老若男女、5才くらいの女の子から白髪のカップルまで。高校生らしき少年たちも。人生のはじめに本物の音楽に触れるのは良いことだ。根室ホットジャズクラブの皆さんが切符のもぎり。7時になり舞台にメンバー登場。アナウンスも拍手もなく、いきなりマーチT.Mが始まる。今日はイントロのマーチソロが長い。
田中さんたらほんとに猫背。後ろの方で見ると、首から上が全く見えず、まるでハンガーに吊した服だけが動いてピアノを弾いているみたい。


最後のグッドバイ、音川さんの音がめちゃくちゃ良い。サックスだけでなく彼の体全体が鳴っている(森山さんもほめていた)。田中さんのソロも美しく決まり、思わず涙が。登別から弟子屈(車で7時間)、根室とずっと車で森山さんのドラムを運んで下さった水野さん(北海道でログハウスを造っておられる)も「泣けちゃったよー」。うんうん、大人の男性にもそういう感動を与えてくれる森山バンド、万歳。打ち上げの席はホットジャズクラブの面々が揃い、大宴会。花咲蟹、イクラ、骨付きのめちゃくちゃでかいハム、パエリア、サンマのさしみ、ホタテの刺身・・これ以上書くと悔しがられそうなのでやめておこう。長老と呼ばれるその名も望月さんから根室ホットジャズクラブの昔の話などをお伺いする。15年くらい前に根室の面々で酒の肴を持ち込み、六本木ピットインを借り切って超一流ジャズメンの一大ジャムセッション大会になったとか。うーんすばらしい。味のあるお方だ。
音川さんと田中さんのおだてにのって酔っぱらった勢いでお店にあったピアノで「渡良瀬」を弾いてしまった(テーマだけだけど)。二人とももう二度と私に弾けということはないだろう。

9/26(火)ホテルの前でネムロ・ホットジャズクラブの皆様と記念写真。

根室からの帰りに霧多布岬に寄る。以前森山さんが根室で演奏後に寄って感動され、もう一度寄りたいとのご希望。うー、あまりにも似合い過ぎなんだけれど、でもこの写真では岬の光景があまり伝わってこないなあ。断崖絶壁、三方を海に囲まれ、カモメが眼下を飛び、海鳴りがとどろく・・・やはり、森山さんがもう一度寄りたいとご所望になったお気持ちがよくわかりました。
で、音川田中を従えて歩く姿は助さん格さんと歩く誰やらのお姿。音川さんが印籠を出しております。唯一の観光だったね、と森山さん。

ツアーって本当に時間がないものだと、同行させていただいて良く判りました。起床、朝食、移動、セッティング、リハ、ちょっと休憩、本番、片付け、着替えて打ち上げですぐもう夜中、の繰り返し。とっても大変。あれだけの演奏を4日間も続けるのですから・・・。来年からは3DAYSか、4DAYSの間に一日休憩があるといいかも・・・でも期間が長くなると追っかけがむずかしくなるなあ。空港までは会長、船長、サテンドールのマスターが送って下さった。私たちが東京、名古屋に着くのと同じくらいの時間をかけて根室まで戻られるのですね。お疲れさまです。

音川さんと望月さんは一足早い便で帰京。名古屋へのフライトは釧路15:00発、田中さんは15:50発で札幌へ。昼御飯を食べた後、ちょっと寂しそうな田中さんを残して機内へ。良く晴れて浅間山や諏訪湖がよく見える。飯田上空を南下、豊田当たりでUターン、南から小牧空港へ進入。ツインタワーや名古屋ドーム、私の住んでいる公団住宅までよく見えました。あー、4日間長いようで短かった。お世話になった皆様ありがとうございました。このバンドが一つのユニットとしてまとまり、これからどんどん変革していこうとしている姿がよくわかりました。多分、おなじみのサンライズ、ハッシャバイ、グッドバイなどの曲はなくなっていくでしょう。それは少し寂しいことでもあるけれど、このバンドの方向性なのです。それで離れていく人もいるかもしれないけれど・・・。