さてさてもうずっと楽しみにしてきたラブリー年末ライブ。ああしかし森山さんの喋り(すべて緑文字)というのはすごいな。書き言葉にするとニュアンスが伝わらなくてちっともおもしろくない。このしゃべりの間といい、タイミングといい、落語に通じるものがあります。

「いやあー、久しぶりだなあー」と腕まくりしながらライブに出かける準備をしていたらオットに「君が久しぶりなんて言ったら皆に殴られるよ」と言われてしまいました。
午後6時を過ぎ、チケットナンバー順に入場。今までのセッティングと違って、ステージの向かって右側にピアノ、左側にドラムが。いつもはドラムの真ん前に座っていましたが、今回はピアノの真後ろに座ることになりました。あんまり至近距離に座ると田中さんがいやがるかなあと思いつつも、田中さんの肘が当たりそうな位置に座席を取りました。待っている人が全てはいると、ちょうど満席状態。見渡すと男性:女性が4:6くらいで女性の多いこと。他のホームページで「森山ファンはオヤジが多い」なんて書かれていましたが、いやいや・・・そうでもなさそうですよ。

8時にライブ開始。拍手で開始。曲はMarching Seventh、新しいCDに収録されている曲です。田中さんの手のひらを使った奏法が後ろに座っているとよく見えます。服の袖を使って衝撃を和らげているのかしらん。と思っていたら後で曲の途中、指先まで袖がかぶって慌ててまくり上げていました。タイトな森山さんのビートに乗って田中さんが飛び跳ねています。4ビートにアドリブの途中で変わり、なんだか不思議な音階の行進。音川さんがテーマを吹きソロに替わる、次いでドラムソロ、なんだか日本太鼓のように聞こえる。スネアがミュートしてあるのかなあ、この曲はステージではこういう風な音でやるのかな。 

ありがとうございます、とメンバー紹介。このセットはこんど新しく出たCDの中から選んだ曲で、田中信正が全部作曲して、バンドの方向付けを少し変わったほうに持っていこうという企画でやりました。おそらく田中らしさがよく出ていると思います、ドラムは非常に控えめにしています(皆大笑い)。その証拠にちょっと休憩をいただきます、始まったとたん実は響線が飛んでしまったようでこれではまるで祭り太鼓にしかならない(と叩いてみせる)・・・。そうか、そのせいだったのか。ドラム調整中にOさんが田中さんの肩をもんでいる。「出直しました」という間もなく次の曲に突入。

Sun, Be Motionless.アップテンポの曲。音川さんのソロ、すごく良い音。音川さん吹きまくりバックで森山さん叩きまくり「キェー」という奇声が飛ぶ。田中さんソロ、「ふな」さんが名付けたパワーショベル奏法炸裂。ちょっとリフがうまく決まらなかったがそのままドラムソロへ。タカタドンのキメのフレーズでテーマへ。昔サックスの藤原さんが「困ったときのタカタドン」といっていたのを思い出してしまいました。場内拍手。

久しぶりだから今日はそーっとやろうねって言ったのに・・・昨日おとといと東京で浅川マキさんのバックで叩いていました。大暴れするとどうなってしまうのかということでおとなしく叩いてきました(どうもこのラブリーライブのあとの12/30浅川さんのピットインライブ5days最終日にもどったはイイが大暴れしてきたらしい!森山ファンには嬉しいが浅川さんのファンには迷惑だったらしい!。立ち見が3重くらいになりステージまで客があふれてしまったらしい!あ、うちのホームページに書き込む森山さんのスタイルがうつってしまったらしい・・・)。このCDの中にも書きましたが、ずっと昔は晴れれば晴れればで泣き、雨が降ったら降ったで泣き・・という我慢の日々を過ごしてきました。(このへんは翌日のMCで詳しい)そのころの想い出の曲です

ダニーボーイが始まる。最近は山崎パンのコマーシャルで流れていたなあ。実は私はこういうスタンダードが入るのはあまり好きではない(ああごめんなさい公式ホームページとは言えない、公認ホームページに名前を変えよう)。テーマのバッキングは田中さんは慎重に望月さんの手許をみている。が、田中さんのソロにはいるといきなり何の曲だかわけがわからなくなってしまう、全くのフリーソロ。ブレイク決まる!すごいデュオである。ピアノが上下左右に揺れ壊れるんじゃないかと少々不安になる。で、最後だけまたむりやりテーマに戻る。これならダニーボーイ(ロンドンデリーの唄)でなくてもいいんじゃないのかなあ、と勝手に思う。がしかし、パワーの極地から静寂にと一気にシーンが変わる、この瞬発力とセーブの対比を見せていただけるのは幸いでございます。

あれ、Sound Riverだ。これはこんどのCDには入っていないのになあ。田中さんのソロから音川さんのソロへ。森山さんのリズムと音川さんのアーティキュレーションがばっちり噛み合い、うねりを作るところにグズラさんのベースが巻き付く感じ。森山ドラムソロへ。大音響からふーっと音量が下がって、ここでテーマに戻る。メンバー紹介。しばらく休憩します。

2ndステージ。ちょっと休憩時間を利用させていただいて、新しいグループのCDが出まして今日入り口の所にあります。(買いましたの声)半年前のCDとセットで買うと5000 円ということになっています。(二枚とも買いましたーの声)ですがだいたい一人3枚買うことになっています。(声の主すみませんでしたと笑う)

多治見に移り住むようになってから、陶器の街ですので色々なものを見せていただいています。ついこの間、三代、四代続いている知山窯というのがありまして、安藤弘一先生というモダンクラフト、前衛陶芸をやっていらっしゃる方の所にNHKの焼き物探訪という番組のインタビュアーで行くことになりました。ひょんなことから私が陶器とは何かと言うことを深く掘り下げるという、歩いて行くところから撮って、ごめんください、これ何ですか、と聞くわけです。

だいたいNHKのほうの意向で、ただ聞いただけではおもしろくないので、話をだんだん持っていって、ほかの影響があるとどうなるんでしょうか、安藤先生がそれにのってまあ何か影響があるんでしょうなんて答えるわけです。案の定NHKがそこへじゃあ森山さんがドラムを横で叩くとどうなるんでしょうか、なんて割れるに決まってるんですが・・・。なんてむりやり陶器を作っているところでドラムを叩くという・・、まあ場面を転換してスタジオFをお借りしたんですがろくろを持ち込むわけにはいかなくって、陶板を持ち込んだ所で安藤先生が陶器を作っている横で叩くとどうなるかという・・まあどうにもなるわけでもないんですが。

これは来月1月20日土曜日にBS2で朝8時に放映されます。安藤先生に今日お越しいただけました。これは先生がお作りになった陶器です。白い家族というタイトルの陶器で、似顔絵のような・・。顔じゃないかなと思うんですが、ここは私がスティックを突っ込んだから穴が開いている・・・というわけではありません。こういうものをなぜ作るのか良く判らないんですが、こう穴が開いていると水が漏れるんじゃないかなんて言って叩かれそうになりました。それで今日は、先生が私に記念にくださるとおっしゃります。ただ紹介しただけでは皆さんの気が済まないんじゃないかと、スネアのヘッドをはずしてきました。これに私と安藤先生のサインをしてプレゼントしようという・・・欲しい方いらっしゃいますか?でじゃんけん大会が始まる。10人ほどで勝ち抜き、うちのオットも挑戦したが一回戦で負け。都築さんという男性がゲット。イイなーイイなーの声が充満する。私ばっかり喋っていては何ですんで、安藤先生にライブを聴いた感想を一言・・・褒めて下さってかまいませんので。写真はプレゼントしていただいた陶器を手にした森山さんと安藤先生。座っている席の都合で先生のお顔が写らずすみませんでした。

安藤先生「えー、私はこの年までジャズという世界を知りませんで、こういう世界があるんだなと。今日は非常に感動しました。最初のマーチ曲を聴いて私が感じたのは関ヶ原の合戦。最後の静かなところがダンダンダンと来て、織田信長が今川義元の首を持って悠々と去っていく姿を思い浮かべました。徳川家康というのはすごい武将でございまして、森山さんにも今後400年くらいジャズドラム界の大将でいていただきたいものです。」

最後にうちのおじいちゃんのことまでほめていただいてありがとうございます。戦いで勝利を得たというのはこの曲のイメージで、まさに大当たりでございます。この次、来年はきっとろくろを回しながらドラムを叩いているんじゃないでしょうか。またお知り合いにあのような方がいらしたらひっぱってきていただいて、各方面にジャズを広めたいと思います。それでは第二部を始めましょうか。

、田中さんのソロからテーマが始まる。ちらっとJoe SampleのVoices in the Rainを思い出した・・・が、的外れ?でもどっちも雨がテーマってところでははずれてないか。まあただの偶然だな。音川さんソロは望月さんとのデュオ。テーマに入りさあそろそろ森山さんが来るかなー来るかなーと思ったがブラシで押さえ気味のバッキングでした。

Free People はアフロのリズム。音の飛び方が面白い。テーマから田中さんのソロ、アフロから4ビートへ。音川さんソロは4ビートのまま。4人で爆発、どんどん盛り上がっていく、キュキュキュキュキュキュキュキュー〜〜〜〜〜音川さんのソロが終わったところでほっと望月さんもため息をついた。森山さんのソロがまたすごい。

Gratitude これは本当に名曲だと思う。音川さんの音色はとても深みがある。最近使いだしたサックスのせいだけではなかろう。昔みた秋のカナダの夜明けを思いだした。ちょっと寒くて淋しいんだけれど、これからに希望が持てるようにすこしづつ明るくなっていく・・・。音川さんのソロからテーマへ戻る。さて今度こそ森山さんが来るかと思ったら来た来た来た!大暴れだー。

Departure from the Mysterious Flashこれも前作のCDに入っているアップテンポの曲。音川さんソロ出足から全力疾走、すごいがもうすこし緩急が欲しいところ(ゴメン)。田中さんソロ、まあよくこんなに指が動くもんだ。望月さん頑張っております!森山さんソロ、手足、頭ともバタバタ暴れまくるのに上体(医学用語で言うと体幹部)はほとんど動かない。この安定度はすごいと感心する。

明日はガゾーンというニューヨークで活躍中のサックスプレーヤーが飛び入りする予定です。谷啓の弟じゃないんですが(ガチョーン!)会場大受け、一番受けていたのはグズラさんであった。良かったら聴きに来て下さい。

アンコールに応えてハッシャバイ。田中さんソロ。どうもベースアンプの接触が悪いのか、グズラさんが弾く毎にバリバリ変な音がする。森山さんがレガートを叩きながら器用に左手を伸ばしてベースアンプにつながるケーブルを直している。音川さんソロ。サビで森山さんがメロディーを口ずさんでいる。なんだか久しぶりにグズラさんのソロを聴いたような気がするが・・・1コーラス、ここでいつもなら森山さんのソロに突入するのだが音川さんがテーマに入る。これは打ち合わせで森山さんを消耗させないようにしたのか、それとも森山さんは叩くつもりだったのに音川さんが入ってしまったのかどっちだろう?テーマで森山さんの左手のスネアがスタタスタタと三連を刻んでいるのが好きだ。終わって拍手。

満足。

で、打ち上げの席でいろいろとお話。フロント(音川、田中)二人、仲の良いのがうれしい。2001年は二人が中心になってバンドを作りたいのだとか。すでにB0-JO で共演中の二人は音楽性を引き出すためいろいろ考えているのだが、この二人が森山・望月といっしょにやっているというと、ほかのリズムセクションが(引き受け手がない?)決まらなくて大変らしい。ドラムとベースのやり手がいなくって・・というのであそこにいるじゃない、と森山、望月両氏を指さすと二人に大受け。森山の手足となって・と働いている二人が、森山望月を手足として・となると本当はどんなバンドになるか、が楽しみでもあるのだが、関東方面でレギュラーバンドとしてライブに出られないのでは話にならないようだ。この二人の今後の活躍に期待したい。