いやあ迫力、7/16 京都RAGのライブ!あまり関西方面ではライブがないので初めて聴いた方、久しぶりに聴いたと喜んでらっしゃった方も多かったようです。森山さんの喋りもまた冴えてました。

一曲目は「マーチ
森山さんのマーチングは小音量から大音量までのダイナミズムがすばらしく、また正確です。教則本にしたいくらいだと他のドラマーの方にお聞きしたことがあります。今までは他の曲のドラムソロの中にマーチが挟まれる事が多かったのですが、流れが変わるような感じがあって今ひとつ好きになれませんでした。しかし、この曲では思う存分森山さんのテクニックを堪能することができます。作曲は音川さんです。音川さんの音がまた太くなってきました。

二曲目はtake-0(テイク・ゼロ)
先日発売された森山さんのCDのタイトルにもなった曲。作曲は(といえるかしらん)森山さん。ピアノの田中さんたらあの細い指と腕から、どうしてこんなにすごい音が出るんだろうと不思議になってしまいます。ついに一番高いDフラットの黒鍵がすっとびました。
この曲が終わって、森山さん曰く「今までの板橋・井上の叙情的路線を変えて・・どこまで行っちゃうんだろうって感じですよ。まあこの若い二人に(音川、田中)叙情的って言っても無理かも知れませんが」いえ、そんなことありませんよお。バックで響く望月さんのベースがまたよく効いている。

三曲目はGratitude、うーん、いい曲(井上淑彦作曲)だ。十分叙情的だし。

1st setの最後の曲はサンライズ(板橋文夫作曲)。おなじみの曲ですが、それだけに安心感もあって乗れますね。ここで休憩。

2ndセットの最初の曲はSound River(音川さん作曲)
バリバリ、ゴリゴリ!以前名古屋のラブリーで森山さんのキャッチフレーズを「ジャズが戦車でやってきたァ!」と書いてあったが、それを思い出しました。

見上げてごらん夜の星を」派手なドラムソロ、テナーとのバトルの様相、何が何やらですがリフだけはちゃんとタイトル曲になっているんです。ここで森山さんは「この曲は坂本九さんが歌って、いずみたくさんが作曲したんです。実はその昔、山下バンドで始めた頃、わたしはいずみたく音楽事務所に所属していたことがあるんです。そのとき佐良直美のバックバンドをやっていました。松本でステージがあったんですが、ある曲で8小節ドラムのフィルインがあって、始めたところがうまくまとまらない。8小節で終わらなきゃいけないのに、ドラムのフリーソロになっちゃった。こちらも終わり方がわからない、佐良さんも入り方がわからない、んで終わらなくなっちゃって、しかたなく頭を下げてすみません、森山ですって言ってステージを降りて来ちゃった。次の日に連絡があってもういいです、って始めて一週間でくびになっちゃった・・・そのせいで山下とやるしかなくなっちゃったんですけどね」このことは望月さんも初めて聞いたそうです。

Departure from the mysterious flash(鈴木広昌)先日のレコーディング当日の朝ファックスで森山さんに送られてきたそうです。「またドラムのパートが難しくて・・・、間違っても譜面にこう書いてあったと思って下さい」そんな、すごい演奏でした。田中さんの弾いているピアノの、もう一つ下のDフラットとEフラットの黒鍵がすっ飛びました。ひゃー。15年ほど前に同じような光景をほど近いライブハウス(ブルーノート)で見たような気がする・・・いえね、ピアニストは違うんですがドラマーとベーシストは一緒でした。また森山さんと田中さんのバトル、決めがバッチリ、ゾクゾクしてもう鳥肌もの。何かの雑誌に感動したときに鳥肌が立つと書いてはいけないという文章がありましたが、感動・興奮すれば交感神経が興奮して立毛筋が収縮する・・・つまり鳥肌立つのは不思議でも何でもない。

ハッシャバイ、グッドバイと続き、フィナーレ。ピアノの音が今一つよくなく、弾いている最中に調律が狂ってきたようで残念でしたが、黒鍵3つ飛ばしちゃうような演奏だとしかたないか?そのうち山下洋輔さんのように「田中信正にはピアノを貸さない」なんて会場が現れたらどうする・・・

打ち上げの後、以前森山バンドを何度か聴いた懐かしのBlue Noteをたずねました。なんと森山さんがカウンターで飲んでました。森山さんが現れる前に、ライブを見終わったファンの人たちが何人か集結して森山談義に花を咲かせていたらしいのですが、その方たちが帰ってから森山さんが現れたとか。ママさん相手に話し込んでよろよろとお帰りになりました。

曲の内容についてはあえてあまり書きません。8月のラブリーでのライブがまた楽しみです。皆さん是非CDを購入して下さい。ラブリーにも来て下さい。あ、田中さんのCD「Odd or Even」このCDがまたすごい!感動ー!いやホントだってば。