遅れて着いたので1番のチケットを持っていたのに入場が済んでしまっていた。ちくしょー。その上あれだけ確認したのにMDを忘れてしまっている。なんていうこと。電池、替えのMD、マイク、デジカメ、パソコンとみんな入れたのにさ。いっしょにきたみわみわちゃんもあきれてる。

ノブ君浴衣じゃないんだね。MCなく、しーんとしたまま大音響でGiant stepsが始まる。今日はバスドラの音が今ひとつこもっているように聞こえる。音は大きいんだけれどシャープさが・・・なんて気のせいか。音川ソロ。ピアノの音がちょっと聞こえにくいかな。1日目にしては入りがよい。お盆で休みの人が多いせい?音川さん、髪が伸びたね。ノブ君は茶髪で。森山さんの体がしなやかに揺れている。ノブ君ソロ。コーラスの変わり目に森山さんの短いショットが響く。白いシャツ、音川さんはグレーの光沢のシャツ、ノブ君は縦縞。グズラさんは音川さんの陰で見えません。

ノブ君森山さんの方を見て、森山さんの叩き方にタイミングを合わせた付け方。3拍フレーズを入れてパカンパカン、ギャンギャンガシガシの対決。森山さん楽しそう。あ、望月さんは茶色のシャツでした。森山さんスティックが飛んだ、スティックケースから取ったらもう一本がついて来て、その落ちた一本がバスドラのペダルの所に落ちた。邪魔にならないかな・・・またスティックが飛んだ。パカン!でいきなりテーマに戻る。エンディングが少ししつこめ。

「ありがとうございます、テナーサックスソプラノサックス音川英二!ピアノ田中信正!ベース望月英明!」拍手!いつものようにノブ君が拍手を自分の席でしていると、「どう〜も気になるんだけれどいいのかね、出演者がこういう・・・」とノブ君の拍手の真似をする森山さん。客席から「OKで〜す」「OKネ」と森山さん拍手、ノブ君も喜んで手を叩く。「良かったよ今日は、田中さん」拍手〜、ノブ君も拍手。「今日はこのセットは9月のalaに備えて・・・」「練習?」という声が客席から。「何を練習だなんて、あなた、そんなばかなこと・・・あるんです」爆笑。「コルトレーン曲集をお送りします」大歓声と拍手。

音川さんソプラノに持ち替えた。マイナーのワルツ、何の曲かな・・・My favorite things よりはテンポが遅いかな?あ、Afro Blueだ!出だしの静かなイメージと違うものすごいノブソロ。ピアノソロのエンディングのところから音川ソロに移るところ、あまりにもスムーズで拍手のタイミングがずれて拍手なし。音川ソロは循環奏法で吹きまくる。今日は森山さんソロ長いな・・・2曲目なのに。静かにワルツのリズムに入ってテーマに戻る。

I want talk about youだ。音川さんのソロからノブ君のソロへ。ノブ君のソロの後はまたまばらな拍手。まあ、バラードものには拍手なしでも正解、ってことにしておきましょう。音川さんのカデンツァに、最後は森山さんが合わせてつける。

開場からYea ! の掛け声。

タタン!と始まるMr.P.C.。ノブソロから。スピーディーにソロが続く。ノブ君がしかけ、森山さんが応えるが、もっとノブ君は行きたそう。バックで望月さんは黙々と弦を弾く。音川ソロのバックでピアノドラムブレイク、森山さんがスティックを打ち合わせてリズムを入れる、音川さんのパフパフというウラに響く息の入れ方。森山田中二人で顔を見合わせ、バシ!と入れる、二人でまた顔を見合わせてバッキングに戻る。音川さんのスピーディー&パワフルなソロ。あれ、音川ソロの後一瞬無音になりここで終わっちゃうのかと思ったらドラムソロ。スネアの高音で、「Marching 7th」の終わりのようなフレーズを使ってテーマに戻る。

「どうもありがとうございます、田中信正!音川英二!望月英明!・・・レコードが出たんですね、ちょっとこちらに見せてくれます?」とラブリーのカウンターに置いてあるCDの方を指さす森山さん。「こちらの方に放り投げていただければ」あわてて手渡しの中継をし、ついでにノブ君のCDもとってもらう。「あ、そうそうノブ君も出たんだってね。私も出たんだよね・・・望月はどうしたの?」笑い。「望月さん〜!」「がんばれ〜!」の掛け声。「今日はメインはこの音川英二のリーダー作ということで。ドラマーが結構良いらしいね」笑い声。「ドラマーも良いし、ピアノも良いし・・・ベースはいいの?メンバーを教えてください」音川さん「えー、ドラムス森山威男。ピアノ田中信正。サックス音川英二。に、アコーディオンの佐藤 芳明っていう人が入っています。これがまたユニークでおもしろいんですけれど。ベースは若手で高瀬裕っていう、東京でいつもやっているメンバーなんですけれど。こんなジャケットで、『存在』というタイトルで、音川英二ウィズ森山威男という形で出ております。8月27日発売なんですが、今日はもう先行発売という形で持ってきましたので、是非この機会に、必ずお買い求め下さい」

森山さんCDを持って「これはね、音川に似ているらしいですね、このトリは。トリ顔なんだね、あんたは」「そう」「あんたは何系ですか」と望月さんを振り返る。「ゾンザイ、っての?」「存在」「あ、点がないのね。はい。」「漢字じゃないですか」と音川さん。「あ、そうか・・・ヒヒヒ。お安いんでしょ?これは」「2800円」「僕のより200円安い。でも今日は・・・買う人いますぅ?」買った〜という声と拍手、手が何本も上がる。「え、いるの?へぇ〜〜〜」驚いたような顔。笑い。「じゃあ今手をあげて下さった方はもう買ったんですか!それとも・・・」買った〜、買いました〜の声。「これから買おうなんていうひとは?そんなのいないね」と訊いて、「あ、いるんですか」手を挙げた最前列の人に「じゃあこれ1枚あげちゃいましょう」と渡してしまう。会場から驚きの声。もらった方も「エッ、ホントですか!?」唖然。奥様の方が「じゃあ別に買います」「夫婦でも別々にして共有はなさらないように。こういうのも出てますので・・・」ともう一枚の方を取り出す。

「これは存在、じゃなくて滅亡、じゃなくて・・・タイトルは何ですかね」「Battery's not included」「あ、そういうのはわかんないんだよね・・・こういうの」「電池が入ってないっていう意味で」「あっそう、ほお。それならそう書きゃあいいじゃないのねえ?電池が入ってないそうなんで、これ誰が買うの?・・・メンバーはギターの杉本喜代志、ドラムが森山に、笹路っていうピアニスト、ベースは高水さんっていうカルテットでやってるんです。ギターとドラムっていうのは本当に合わないんですよ・・・」爆笑。「こんなの買う人いないんじゃないですかね、あ、買われました?これから買うんですか、あ〜、それなら一枚差し上げましょう」本当にあげてしまった。もらった人は目を丸くしている。ノブ君「イイナー」。

もう一枚こんどはノブ君のCDを出して、「これは?」これもあげちゃうのかっていう雰囲気。「2枚くらいないの?これはなんていうの?」ノブ君「マミーズダンス」森山さん「あ、マミーズダンス。なんていう意味ですか?」音川さん「ママの踊り」ノブ君慌てて「違う!」森山さん「英語知らないと思って・・・」ノブ君「ミイラの踊り」「あ、ホント。気持ち悪い・・・田中さんのことですね」ノブ君「はい」。「これはソロですか?ふーん。こんなの買う人ぉ、います?」爆笑。手が上がったら「あげないよー」笑い。「じゃあ北海道から来ましたから、北海道の人にあげましょう」とN瀬さんに渡す森山さん。

「今日も遠くから来てくださっているんですよね。北海道が一番遠いですか?東京組がそこにいらっしゃるし。あ、そちらも東京ですね。あ、今日は来なくてもイイですから、9/19、20に可児市の方へ是非いらしていただきたいんです。うちの近くですから、もしよろしければ寄っていただいて、是非お茶でも。」爆笑と、ほぉ〜、へぇーという声。本当に行きたいと思うようなニュアンスの人も。「そこまで考えているんです。1000人のホールでそれも二日間、そんなのはいるわきゃないんです。格好も何もつきゃしないんで。去年が悪かったんです。去年はケイコ・リーと、山下洋輔に坂田明と近藤房之助と、それでもって我々なんていう顔ぶれでしたから、1000席があっという間に売れてしまったんですね。だから、可児市の方は『森山さんがやるとものすごく売れる』と思いこんじゃってるんですから。今年は一日じゃ無理だって、二日間やろうなんて。入るわきゃないのに・・・それにしかも、聞いたことないでしょ、ジョージ・ガゾーンなんて。エイブラハム・バートンなんて聞いたことないでしょ?ジャズの関係者の僕ですら知らないのに(よく言った!)、ラブリー関係者の皆さんが知るわきゃないんです。どうしようかと思っちゃって。で、今もまだ半分も売れてないしね、どうしようかしらって。荷物でも持ってきて置いて格好つけようかしらと思っているくらいですから。皆様どうにかして来てください、僕たちも必ず行きますから(何度聞いてもおかしい、このギャグ。タイミングかしらね、呼吸かしらね)。しばらく休憩します」笑いと拍手。

二部スタート。「このセットは突然ですが、ヴォーカルの丸山繁雄さんに入ってもらいます」「ええっ?」「ヒュー」「おおおっ!」拍手、どよめき。「私はジャズヴォーカルでは丸山さんが一番好きな方で、というのはジャズヴォーカルでは丸山さんしか知らないんです。」あっはっは。「美空ひばりの次で・・・昔何度か一緒にやらせていただいたことがあったんです。早稲田でやりましたよね」「はい、早稲田のテント公演で」とちょっと緊張気味の丸山さん。「テント公演で・・・ねぇ、昔です。そして、アケタの店でもやったことがありました。あのときは美空ひばり特集をやってくれました。きょうもそれを最初にやろうって言ったんですけれど、だめだって言われました。じゃあ、お任せします、丸山繁雄さんです」「一言ご挨拶を。ヴォーカルの丸山繁雄です。森山さんに早稲田のテント公演を手伝っていただきましたのが、もう25年も前になります。私ももう50を過ぎました。その時森山さんとフリーをやったんです。タックルダウンというマーチをやって、そのあとでノーサイドっていうフリーをやって。私はその時初めてフリーをやったんですけれど、あのころは若かったんでできたんですけれど、もう無理なので。森山さんが私のバンドに遊びに来てくださることはしょっちゅうあったんですけれど、私が森山さんのバンドに乱入することは初めてなんで、だいぶ心臓がどきどきしてしまいまして、音程がとれなくなってしまいました。ですから今日は丸山の実力100%と思わないでください、言い訳がましいですが」笑い、拍手。「じゃあ森山の実力100%と思わないでください」と森山さん、笑い。「私もヴォーカルとやると緊張してしまうんです。歌手になりたかったものですから、どうしてもこう、隣で歌われると、嫉妬心が出てきてしまうんですね。うまくなんか叩いてやるものか、って」爆笑。

「では、Norwegian woodを」緊張した面持ちの丸山さん。ノブ君がパラリラリンと、今まで聞いたこともないようなピアノの軽いフレーズを右手で入れる。「ウィッ・ディッ・ディッ・シュバ、シュヴィディディディッ、シュヴィー、デュヴァー・・・・」とスキャットが始まる。いつもの丸山さんと違う、またリキが入ったスキャット。森山さんがマレットでリズムをつける。ワルツのリズムが始まり、望月さんがベースを弾き始めるとノブ君、ソプラノで音川さんが入り、音川さんと丸山さんがフーガ。テーマを唄う丸山さんに音川さんがからんで、丸山ヴォーカルスキャットソロが始まる。ノブ君のバッキングが気持ちいい。ヴォーカルでこんなインプロヴィゼーションができると、本当にイイナ。音川ソロ。いいなあ、森山さんのワルツとは思えないような疾走するドラミング、音川さんの滑らかなフレーズに絡むノブ君のバッキング、伸びのあるベースワーク。一体になって気持ちいい。この曲こんなにいい曲だったんだ。ノブ君ソロ。丸山さんが真ん中に立っていても、全く違和感なし。よく、ヴォーカルが入るとその人中心のバンドみたいに見えて、聞こえて、歌姫様か王様とそれに付随するサイドメングループみたいな感じになるけれど、今日は一人のミュージシャンとしてバンドに溶け込んで見える。ノブ君ソロ、最高潮に盛り上がったところですっと丸山さんが入り、スキャット、テーマに戻る。エンディング一旦音量落ちるが、最後に向かってまたヒートアップ、スゴイ盛り上がりよう。ああ楽しかった。堪能しました。丸山さん疲れただろうな〜。「ありがとうございました、ヴォーカルの丸山繁雄さんです」丸山さんがメンバー紹介。森山さん「CDはお持ちじゃないんですか」「あちらのほうにあります」とカウンターを指さす、休憩前のいきさつを知らない丸山さん。「一枚いただいて」と冗談を言う森山さん。「月曜日にラブリーでヴォーカルスクールを開いていらっしゃいます」「土曜日土曜日」「そうでした、月曜日は私でした。可児のalaでドラムスクールをやっております。何人か(生徒さんが)来てくださっているんですが。えー、・・・・・です」拍手。

Gratitudeが始まる。ノブ君のソロでのイントロ、高音から入り、望月さんが徐々につけていく。テーマ、ノブソロへ。バックで音川さんがテーマをつけて吹く。音川ソロ。ああ、完成されたバンドだわ、曲だわ。森山さんテーマでブラシで暴れ出し大騒ぎとなるが、すーっと静かに戻ったと思ったらまたバカーン!!と大音響。一曲の間でこの振幅!はぁ〜。

森山さんがノブ君と目と目を見交わしている、森山さんにこにこしながら体をツイストしてタイミングを計る、ぱっと腕を振ってパコン!とサンライズが始まる。あれ、テーマのさびにはいるところ一瞬タイミングがずれたような・・・音川ソロ。気持ちいいなあ〜。ストレートなブロウが心地よい。森山さんの大鷲のような腕。森山さんが身を乗り出してノブ君の方に向き直る、ターンターンタッタッタッタとリフのリズムをトップから入れる、望月さんもつけ、サビでブレイクするのかと思ったらせずにガーンガーンと突っ込む。そろそろ終わりかと思ったがまだまだ音川さんのブロウが続く。ノブソロ、しょっぱなから不思議な音階、たたきつけるように鍵盤を弾く、腕を大きく左右に開いてこのままフリーに突入するのかと思うくらい疾走する、音川さん笑って見ている、望月さんは一人で黙々と弦を弾いて。うぁ〜、なんという激闘、よくここまで弾けるものだというくらい弾く、よくここまで叩けるものだというくらい叩く打ち合い!息を呑むバトル。森山さんが合図を出してノブ君ソロからテーマに戻る。終わって音川さんとノブ君が笑い合う。ここまで叩いてまだ叩くかというくらい森山さんが叩く、大丈夫かと心配になるくらい。ほぉ、テーマに戻るとほっとしてしまう。大歓声、大拍手。

「音川英二!田中信正!望月英明!どうもありがとうございます。」森山さんが喋り始めようかとするが、拍手が鳴りやまない。「これで予定曲数は終了したんです。」笑い声、「えー」「マダマダー」の声。「えー、これでまだalaで1000人のホールで二日間やるんですよ!」「その次東京ドームでやるなんていったらどうしようかと思って」爆笑。「私がぼつぼつ終わりだって知ってて、だんだんでかいこと仕掛けてるんじゃないかって・・・そんなことあるわけない。でもまあ、楽しい期待はあります。このalaでのコンサートの総指揮っていうか、仕切っているのが三澤ってひとなんですけれど、ジョージ・ガゾーンっていうのを10年くらい前から日本に紹介して、といっても年に1回来るか来ないかって言う感じで。(年に一回ライブをするかどうかって状態だった人が何を言うかという気もしますが)しかもまた商業ベースに乗っていないので、アメリカでは、ニューヨークでは有名らしいんですが日本ではプロモーションがあまりされていなかったっていうことで。今回を皮切りに、やっていこうって。今まではアメリカの大学で教えていたんですが、それだけではなくジャズの現場でやっていこうと。この前最終的な打ち合わせにニューヨークに三澤さんが行きましたら、壁に森山さんの写真が貼ってあったって。Big brotherって・・・そんなことは言ってないか。俺のアニキだって言ってたって、私が勘違いしたんですが。やるき充分だそうです。今からもう毎日練習しているそうなので、私も今日明日、ここの仕事が終わったら朝から一時間くらいランニングをしようかと思っています。すっきりと痩せた森山威男をalaでご覧に入れようかと。誰も喜びゃしないんですけれど。で、田中さんは何が目標なんですか?」「え"っ?」いきなり振られて驚いてのけぞるノブ君。「田中さんは演奏の時力を抜くのを目標だって言ったでしょ・・・さっきどうやって弾いてたか見せてあげようか」と真似をする森山さん、会場大受け。「抜けてたねぇ〜」・・・・「ありがとうございました。」

ハッシャバイが始まる、拍手。ノブ君ソロ。サビで森山さん雄叫び。あれ、もう少しソロたくさん弾いて欲しかった。かな?音川ソロ、しっくり来る。吹きまくってるのに。うん、定番だけれど、飽きさせない。

「ありがとうございました!」とメンバー紹介。「レコード欲しい方います?あの、もし今日買っていただければ、後でサインをしますので。下が見えなくなるくらい真っ黒になるまでさせていただきますので。ありがとうございました」と退場。拍手鳴りやまず。

戻ってきた。拍手!「もう、やる曲はあれだけなんです」爆笑。「イェィ!」「待ってました!」の掛け声。「たまにはやらない、なんていうのも芸かな、と思ったんだけれど、そういう芸はないわね〜、わざわざ外まで行って相談なんかしなくたって、さっさとやればよかったんだ。」爆笑。「・・なさけないよ、田中さん!(?)

きれいなイントロ。ちょっと不思議な音階。これが現代音楽風ってやつ?少しずつ、グッドバイの音階が混じっているけれど。テーマに入る。右手と左手とちょっとずつ調和を乱したような、う〜むずかしい。ノブ君ソロ、後ろで森山さんが歌っている。テーマ。ああ、もうなんとも書きようがありません。

「音川英二!田中信正!望月英明!どうもありがとうございました!」拍手。「入り口の所に、alaのコンサートのチラシがあります。記念にお持ち帰り下さい。たとえいらしていただけなくても」と、alaに来て欲しいと懇願するような顔、みんなに伝わったよ、その気持ち。