おお、今日はなかなかの人出だわ。18時を過ぎても、なかなか入場が始まらない。いつもとピアノの位置が逆で(いや、いつもがこうなのだ、森山バンドの時がunusualなのだ)、今回1番の入場券を持つNatsukiちゃんと定位置を交代。ピアノの真後ろに席を構える。う〜ん、昔のワタシの定位置だ、なつかしい。イタさんがなんか歯肉が腫れて痛い、というのでOkadatoにMDの購入とスケジュール表のコピーを頼んで自宅に薬を取りに行く。自宅に置いてある薬を選んで「塩之○整形外科」の薬袋に「板橋文夫様」と書いて持参。さあ、MDのセッティングをしようと思ったら、あれ?ない・・・持って出たはずなのに自宅に忘れてきたかしら。もう!

20:10、「狭いなぁ〜」といいながら板橋さん登場。竹内さん緊張の面持ち。
「今晩は、ようこそ、とりあえずメンバー紹介します。テナーサックス、竹内直。ベース、望月英明。ドラムス、森山威男。ピアノ、板橋です、よろしくぅ〜」なんだか文字で書くと、普通に喋っているように見えるが、当然板橋節炸裂である。「今日は森山望月とのリズムセクションに林栄一、竹内直という予定でしたが、林栄一君が猫にひっかかれた傷が悪化して、2週間は安静ということで・・・また復帰して再会のライブをできるように頑張りたいと思います(拍手)。1ホーンで竹内君頑張ってくれ!1曲め僕の曲で、アリゲーターダンスきゃ〜、ええっ?幻の曲・・ずっと以前、ライブではそれこそ25年くらい前に一度聞いたことがあるかしら、くらい。う〜っ、なつかしい〜。25年前にタイムトリップだわ。何がアリゲーターかというと、板橋さんのピアノスタイルを見れば一目瞭然であろうよ。なんと表現したらいいのかなぁ、低音の響き、竹内さんのソロ。板橋さんの肩越しに森山さんをラブリーで聴くなんて、何年ぶりだろう、なんてなんてなつかしい。もう嬉しくなって思わず笑いが出てしまう、楽しい!そうか、板さんピアノが後ろにずれるのをお尻を使ってもどしているのか。これも技だなあ。森山さんソロ、わかりやすくテーマに戻る。森山さんのショット、竹内さんの吹くメロディーライン。うゎ〜、立ち上がってピアノを弾く板橋さん!

1曲目が終わり、譜面とにらめっこする森山さん。アフリカン?リズムを叩き出すと板橋さんが手拍子をしながら「ジャンボ!」と歌い出す。観客も歌い始める。「ナイロビの夜」だね。望月さんは黙々とベースの弦をはじく、竹内さんのソロ、3拍フレーズに森山さんも板橋さんも反応。ダンダン!と「Jumbo!」のリズムを入れてアフロリズムに変化をつける森山さん。本当に懐かしい板橋フレーズが炸裂、このしつこさ!鍵盤に打ち付ける右手を後ろに引くとき、私の膝に当たりそうになる。あ、これパッションダンスのフレーズじゃないかな?さりげなくリズムパターンを入れて板橋さんがトーンダウン、森山ソロに。ハイハットは決まったリズムを踏みながら、腕が繰り出すリズムはすごくいろいろなパターンがある、こりゃすごい。森山さんの向こうにならんでクリコちゃんとヨッちゃん先生の顔が見えるが、シンクロして動いているのがおもしろい。リズムリフから、板橋さんが竹内さんに合図してテーマに。森山さん雄叫び、何て言ったのかな?

スローな曲。この板橋さんのサウンドは本当に不思議だなあ、なんだろう。Georgia, on my mindみたいな雰囲気を持っているけれど、もっと複雑なコード進行、少し甘いけれどやるせない、しんみりするだけじゃなくて気持ちをあっちこっちに引っぱられるみたいな。懐かしいだけでもなく、寂しいだけでもなく、不思議な気分にさせられる。ちょっと忘れていた何かを思い出させてくれるような。板橋さん吠える、森山さんブラシで暴れる。板さんソロ、ああ、またグズラさんのサポートがいいわぁ。ベースソロ、おおいつもグループでは最後のハッシャバイしかソロを弾かないのだが珍しい。意外に長いぞ?ソロが。メロディアスとはいえないけれど、響きの深いサウンドだわ。竹内さんの吹くテーマ、不思議な音を最後に板さんが足して終わった。


森山さんがテンポをグズラさんと出したら板さんが「ウン、ウン」カウントを出しExchangeが始まる。おお、森山さんのショットが炸裂。凄いサックスの響き、と思ったら竹内さんがサックスのベルにマイクを押しこんでいる。わあ、ハウリングだ。ピアノソロ、暴走する板さん。森山さんもだ、うは〜楽しい。板さんに足を踏まれそうだ。板さんの本気の爆発ぶりはなかなかすごい、森山さん相手でないとなかなか見られないのでは?森山さんソロ、必死の形相で叩く叩く。テーマ、最後のタ〜、タララ〜の部分が少し合わない、残念。しかし考えてみたら、この曲は板さんグズラさん森山さんはお手のもの、竹内さんは今日が多分初演。そりゃ仕方なかろうよ。アフロリズムの長い長いエンディング、グズラさんの響きが最高、またしつこいなぁ、板さんと森山さんとでどっちが最後の音を出すか競争しているみたい、エルビンマッコイギャリソンのリズムセクションのようだ。

「どうもありがとう竹内直望月英明森山威男!少し休憩しま〜す!」

観客席は興奮と笑いの余韻が・・・皆楽しそう。今日は板さんファンも多く、森山さんとの共演を初めて見たひとも多いかも?去年のalaで見ていたとしても、やはりこれだけ至近距離だとまた違うよね。う〜ん、迫力だわ。

21:30。「おっ待たせしました〜」とメンバー紹介。「いつまでも若いつもりでも年は取ります、しっかりとります。・・・ワッタラセェ〜あ〜、どうしようこの和音、もう万感。必死で手元を覗き込んでいた頃の自分を思い出す。この無造作に押しているようにみえる鍵盤、まるでげんこつでプレスしているようにみえるのに、どうしてこんなサウンドが出るの?ああ、このサウンド、う〜ん、う〜ん、としか言いようがない。ああボキャ貧。ベースソロへ、ああピアノソロが終わったのに拍手しそびれた。テーマにはいるのをどうしようかと竹内さんが迷う、板橋さんの方を見ている、板さんが合図してテーマに入る、あ、最後一音足らない。

「え〜、どうもありがとうございました。春シリーズというのがありまして、さっきのステージでやったのが春のブルース、次の曲が2005の春っていう曲です」

う〜ん、だいぶ不穏な春だなぁ。アップテンポの波乱だらけの春じゃないかな、あ、このフレーズなんか懐かしい。ピアノソロから。板さん、椅子は私の膝で止まってます。森山さん、板さんをうかがって叩きまくる、板さんリフを入れてソロを竹内さんに回す。休憩中に着替えた板さんのシャツがだんだん汗ばんでくるのがわかる。う〜、合わせるところが多くてドラムソロも大変そう、板さんが竹内さんに声をかけようと体をのばしたらピアノの横のモニターがひっくり返った。水を飲む板さん。森山さんのドラムソロが、ちょうど竹内さんの影で見えないんだよねぇ・・・クリコちゃんのテーブルに置いてある譜面を見ながらドラムソロをする森山さん、ジョーク?いや、本当にわかってないんだと思うけどね。リズムが複雑で覚えにくい曲は森山さん向きではないのですよ・・・。

この曲、なんだっけ。あ、For Youだ。テーマから。どこまでがテーマでどこからがアドリブなのかよくわからない・・・テンポが速くなって森山さんが暴れ出す、

「どうもありがとうございます、最後ですサンライズあ、森山さん親切、いつもよりドラムソロのイントロが長い、昔みたいに。このバッキング、この刺激!森山さんのバスドラのペダル、吠えるサックス、板さんソロ、さあ来るぞ。お、ピアノとドラムデュオになった、サビから後半休んで、またアタマからグズラさんがつける。板さん立ち上がってピアノと格闘、椅子も傾くし、戻るときに足踏まれそう。ピアノの椅子の下に足を入れておくのが一番安全と判断して足の位置を変える。森山さんのソロ、森山さんのドラムリフが段々大きくなって合図、タカタドン!テーマ、竹内さん膝蹴り、しつこいエンディングも心地よい。

「ありがとうございました竹内直テナーサックス望月英明ベイス、森山威男ドラムスありがとうございました森山さん一言!」森山さんがマイクを持つが何を言っているのかよくわからない、どうも板さんのまねをしているようだ。「いやあ幸せでした(拍手拍手)。一生懸命練習したんです」とタムを持ち上げて観客席にヘッドを見せる、ヘッドにマジックでリズムが書いてあるのがわかり観客爆笑。そういえば「New and old wonder」を覚えるのに書いてたよね、ヘッドに。さっきの2005の春、だね。「努力は報われませんでした・・・」爆笑。「正しい譜面はあれなんです、みんなで今日即興で作ったので、明日はちゃんと合うと思います」
「特別ですアンコールです」ハッシャバイだ〜、観客から拍手と歓声。観客も楽しそう、みんな幸せそう。森山さんが観客サービスしているみたいな様子が向こうの客席の笑い顔で伝わってくるけれど、こっちからは見えないんですよねぇ。森山さんサビで歌っている。循環奏法で吹きまくる竹内さん、でもこの曲は循環で音階を吹くよりもフレーズを大事にした方がいいように思うんだけどなぁ?ハウリングしちゃってるし、ちょっと残念だわ。板さんソロ。ああ、ソロに聴き入ってしまってペンが止まってしまっている。ベースソロ、竹内さんがテーマに戻るのかドラムソロにするのかわからず、どうするのかなぁ、って顔。森山さんはバッキングしながらぶんぶん首を左右に振って「ソロはしないよ」って顔をしたが、とうとうドラムソロに突入してしまった、あ、わかりやすいソロなのに、竹内さん遠慮したかテーマに入り損ねる。そんなに遠慮しなくていいのに、っておもうけれどこのリズムセクション相手ではちょっとまだ慣れないかしら、明日になればまた違うわね、きっと。

グッドバイ、やらないのかなあ・・・と思ったら、わ〜、わわわわわ〜、きっちり締めてくれました、もう言うことはありません。

気がつけば、ピアノの周りに置いてある飛び道具は今日は出番がありませんでした、そりゃ森山さん相手におもちゃの太鼓出してもねぇ。そうです板さんはピアノで真っ向勝負してください、それが一番です。ああ堪能したした。明日も楽しみ〜〜〜!

ヘッドに書いてあるカンニング

九州からのおみやげの焼酎を前にご満悦の望月さん
森山さんの写真提供ありがとうございますヨッチャン先生