森山威男公認HPライブレポートNo.114

2006年1月22日(日)林栄一(as)井上淑彦(ts)音川英二(ts)板橋文夫(p)望月英明(b)@新宿厚生年金会館

さあ、いよいよだ!昨日から延々と座っていたのはこの時を待っていたの、私を知っている人がみんな「何で今日もいるの!」と昨日はびっくりしていたけれど。さすがにやはり「・・・・・」とコメントしようもないグループもあった。でもせっかくの機会だから、全部聴こうと思ったの!


17:45、メンバー登場。司会者が「30年くらい前に活動していました、ピットインでも1,2を争う熱い演奏を繰り広げていた二人が久々のユニオンです、森山・板橋グループです」おお大歓声に拍手、口笛だ!厚生年金のホールを揺るがすような、今までのバンドとは全然音量も熱気も違う。私のひいき目じゃないよね、と辺りを見回すと、皆が椅子から乗り出すようにして拍手をしている。
舞台のフロントは左から林さん、井上さん、音川さんの順。拍手と歓声が鳴りやまない。森山さんが「イヨ〜ッ」とかけ声で、両腕を高く上げて一撃をするのに合わせ、フロントが吠える。ガーンガーンガーン、と
アリゲーターダンスが始まる。かあっと体が熱くなってくるのは休憩時間に呑んだ赤ワインのせいだけじゃない。森山さん白シャツがライトに映える。林さんからソロ、指はもう大丈夫のようだな、よかった。板橋さん赤いシャツ、赤茶けたライオンヘアを振り乱してバッキング。音川さんが舞台裾に何か合図。後ろは幾何学模様のコンピューターグラフィックスが渦巻いている。板橋さんのグリッサンド炸裂、まだ森山さんは鳴りをひそめている。延々吹き続ける林さん、45分くらいしかないはずだが、このペースでソロをみんなでしていったら何曲できるのだろうか?おお、ソロの交代の時にはテーマのアンサンブルが入るのね。おや、井上・音川のソロはなくて板さんのソロだ。舞台の右側に音川さんと井上さんが立って何か2人で打ち合わせを。板さんソロにかぶって音川さんと井上さんが吹き始め、林さんがそれにつける。トップシンバルがきれいに聞こえる、タムもよく鳴っている。さっきの舞台のジョージ大塚さんのバスドラに比べて森山さんのはとても小さく見えるな。板さんのアクションが一番目立つ。井上さんがサックスを持ち上げてテーマのフレーズを3人でつけ、また3人とも退く。森山さんのソロ、やっぱり破壊的!すごい!!唖然!!! タン、と音を切ったところに板さん、グズラさんがぱっと入ってテーマ、大歓声に大拍手だ。


「え〜こんにちは40周年おめでとうございますぅ、これからもよろしくお願いします」げほげほと咳き込む板さん。「アルトサックス林英一、テナーサックス井上淑彦、テナーサックス音川英二、ベース望月英明、ドラムス森山威男、ピアノ板橋文夫!一曲目は僕の作った曲アリゲーターダンス、続いて渡良瀬サンライズです」
板さんの美しいイントロからワルツのリズム。グズラさんのベースがぐんぐんと響く。場内少し明るくなって、手元のノートとペンが見える、助かった。テーマから板さんソロ、なつかしぃなぁ〜。このトリオが復活した1989年6月30日、それから長野の日の感激を思い出して目頭が熱くなる。誰だフラッシュをたいて写真を撮っているのは。そういえば「許可のない撮影・録音はお断りします」のアナウンスもなければチラシにも書いてない、ちょっとしばりがゆるいのだろうか今日は。板さんの膝蹴り、ライオンヘアを振り乱す、フロント3人が中央に集まってくる。あ、エンディングのテーマ回数がちょっと合わず?こういうときは短くていいのだと思うが、1コーラスか2コーラスかちゃんと打ち合わせがしてなかったか?

サンライズ、おなじみのリズムが響く。森山さんが立ち上がって乗り出すようにして、右腕で左側のシンバルを叩きつける。音川ソロ、シルバーのテナーがキラキラと輝く、ドラムの音は少々小さいようだ。いつものバトルならそろそろノブ君とドラムのリズムリフが入るところだが、音川さんが合図してリズムリフなしでそのまま井上ソロへ。燻した金のような、渋い色のサックスが音川さんと好対照。井上さんのバックで、板さんのグリッサンドが炸裂、グズラさんは黙々と。森山さんは大きく腕を上げてシンバルを叩きまくる、きっと大きな声を上げていることだろう。井上ソロのエンディングに音川さんがつける。板さんソロ、赤いシャツがライトに映える。なんだか興奮してしまって、ソロを聴くどころじゃなくて・・・。板さんソロに頭からサビまで短くサックスがつける。立ち上がり、のけぞり、おしりが椅子から落ちるんじゃないかって心配するほど。ぱっと井上さんが合図に反応してつける。森山さんのソロへ、板さんが汗を拭く。舞台の袖左側で板さんと林さん、右側で音川さんが立って森山さんを見つめる、おちゃらけドラムをここでも!会場がどっと沸く。うゎあ〜、ソロの最中に拍手、歓声!立ち上がっている人も。テーマに戻って、全員で音を延ばし、森山さんも叩きまくる、会場は興奮のるつぼ。板橋さん「森山威男!望月英明!音川英二!井上淑彦!林英一!」と立ち上がってメンバー紹介、その度にすごい拍手。。「ありがとうございました!*@#¥%&!(スゴイデス、って言ったのだろうか、よく聞こえなかった・・・)」森山さんは今日はMCないのかと思ったらマイクを持って「ピアノ、板橋文夫!ピットイン40周年おめでとうございます。みんな知らない間に年を取りました。この前、山梨に独りで住んでいる母を見舞いに行きました。『お前はまだ若いからいいねぇ』って、いくつだと思っているんでしょうか。お母ちゃんが私のことを『お前はいい友達に巡り会えていいねぇ。それで仕事は何をやってんの?』なんていうんです」爆笑。「ありがとうございました。ピアノ板橋文夫の名曲グッドバイです」


はぁ〜、この叩きまくり!そしてMCで受けを獲り、その後のこの静寂・・・この落差がたまらない。板さんのイントロから始まる、きらめく音の流れ。あちこちから鼻をすする音が聞こえてくる。林さんが吹くテーマ、あと4小節は淑ちゃんが。ああ、いい音だ、引き込まれていく。板さんソロ、どうして、どうしてこんなに美しい独自の世界を作ることができるの・・・。バックはピットインの店内の画像が写っている。グッドバイのホーンアンサンブル、厚みがあって胸に迫る。ああ、エンディング・・終わっちゃうんだ、本当に短いステージだった。でも、森山・板橋グループが本当に大受けでとってもとっても嬉しい。二日間ほぼ全部通して聴いて森山さんのすばらしさを再認識できたことが最大の収穫。
「井上さんの曲も聴きたかった」って声もあったけれど、今日は「森山・板橋」グループなのだから、仕方ないよね・・・。それぞれのメンバーが奏でる音をせっせとまた聴きに行きたいな、と余韻をかみしめながら思った管理人でした。

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