森山威男公認HPライブレポートNo.113

2005年12月29日(木)音川英二(ss,ts)佐藤芳明(acc)田中信正(p)望月英明(b)@名古屋ラブリー2日目

今日で今年の仕事が終わった〜。今日はものすごいたくさんの人、6時半に入場が始まったらあっという間に満席の立ち見!久しぶりに見た、こんな満杯状態。ふだんだと開演間近にいっぱい、ということはあったけれど・・・7時近くにはもう身動きとれない状態。今朝の中日新聞に私の本の書評が載った話をオットとしていたら、ステージに登場するために横を通ったグズラさんがぽんと机の上にその切り抜きを置いていった、目ざといというかよく見付けて下さいました!嬉しゅうございます。今日はデジカメを忘れてきてしまった、画像はなしです。

サウンドリバーから。ノブ君は黒とグレーの横縞シャツ。音川さん胸当て付きのシャツ。佐藤君は赤の縦縞ストライプ。グズラさんは黒の半袖Tシャツ。佐藤君ソロ。顔にライトが当たらなくて暗いなぁ。もう一歩下がった方がいいかも知れない。アフロリズムのままリズムキープ、徐々におお白熱、合図してリフに。音川ソロへ。ライトの羽根の位置を調節する佐藤君、そうそうその通り、と頷いたら佐藤君と目があった。佐藤君森山さんを見ながらバッキング、リムショットが炸裂。佐藤君の前に出るバッキングと、ノブ君の下支えするバッキング。ハンコックがショルダーキーボードでフロントに出ていった気持ちがよくわかるなぁ。S石君が今晩は彼女を連れて来た、どういう反応を示すかなと思ったら目をまん丸にして驚きの表情で前の脚の肩越しに森山さんを見ている。サックスのリガチャーがおもしろいかっこうの渦巻き。これでリードがちゃんととまるのかしらん。ノブソロはまた違ったアプローチ、このトリオはまた、あらまあ、うわー、なんと表現すればいいのか、力が入っているけれど力任せではなく・・・ありゃ〜、ドラムとピアノの睨みあい、思わず口をぽかんとあけて見てしまう。森山さんソロに。両手で同じリズムを叩き出す、このスピード。シンバルで、リズムだけではなくメロディーまで聴かせてしまう。今までタムの音階の違いでメロディーを感じたことはあったのだけれど、また違うテクニックを見てしまった、すごい!ほれぼれ〜。

「はぁ〜。最初の一曲が大変!ってのは〜〜〜〜(聴き取れず)。はぁ〜。今のはSound Riverでした。森山威男です。と挨拶。ようこそいらっしゃいました。外でお立ちになって並んでいらっしゃる方に何て申し訳ないんだろうと思っていました。何十年か前のことを思い出していました、久しぶりに復帰して板橋とピットインに出た時のことです、4列ぐらいの行列が伊勢丹の前までず〜っとつながっていたんです。今日もちょっとそういう雰囲気がありましたよね、行列を見るとついその後ろに並びたくなってしまうんですが、その時若い女性に『今日は何で並んでいるんですか』、って聴いたら『森山さんっていう人が出るんです』って言われたんですよ」そう、その時私は開場6時間前から並びました。あの時の行列はピットイン始まって以来、フォーカスが取材に来るところを断ったとかいう話がありましたよね・・・。「何だ俺か、って。他人事のようですね」「アコーディオンは佐藤芳明です。ラブリーに今までいらっしゃったことがないひとが、このグループで佐藤さんが出るのでジャズを聴くようになった方がいらっしゃるんですよね。昨日も佐藤さんを聴きに、ジャズを初めて聴いた人が、『田中さんってステキですね』」爆笑。「仲間割れするようなことはここで止めておきましょうか、そういった危険がないのが望月英明です」大爆笑、もうおかしくておかしくて。全然メモがとれてない、録音が手には入ったらまたアップしましょう。「もう何も言わないよ」とノブ君をスティックで指す。

う〜ん、ぱっと場の雰囲気が変わる。森山さんシンバル変えた?フレーズ、イントロの切れ目でざぁっとロールが入る、いいハーモニーのソロ。つい聴き入ってしまっていた、どう表現しよう・・・。この佐藤君の生音の力強さよ。こんなにスゴイじゃないの、って、だいぶ忘れていたのに、あの掲示板での論争を思い出してしまって嫌な気分になる、あ〜損した。音川さんのつけるフレーズ、佐藤君がソロを受け渡すように大きな目でノブ君を見つめる。森山さんトーンを落としてリズムパターンをつける。ノブ君???のフレーズ、音川さん声をたてて笑う、細かい音の羅列、森山さんがつける、フロント二人が笑いながら見ている。2拍、4拍、6拍と森山さんが叩くリズムに森山さんがガシガシとつけ、フロントに大受け。テーマに、う〜、聞き惚れていたわ。

N.O.Wだ。マイクの位置を直す音川さん。佐藤君ソロ、ちょっと面白いリズムのソロを、するとすぐ森山さんが反応する。森山さん後ろから佐藤君を見つめながら楽しそうな顔、掛け声をかける。白熱したスピード。リードを真剣に直している音川さん、もうコーラスがおわるかどうかというところ、音川さんが入るかどうかかまえたが結局入らず、ベースもドラムも止まってしまった、うゎ〜、スゴイ展開、佐藤君たった一人のソロ!うひゃ〜!どこまでやらせるんだ〜、あっけに取られてしまう、音川さんが頭を入れる、フレーズごとの展開、森山さんがグズラさんを見つめてデュオ?ソロ?もうばりばりの緊張感。リズムを合わせ、ぱっとリズムを切り音川望月デュオになる。こんなに展開が読めない緊張感の高いグループ、観客も息を呑んで展開を見守る。森山さんがハイハットでちょっとだけリズムを付け、そこに佐藤君も合わせる。ベースとの絡みとリズムを巧みに操る音川さん、森山さんさあこのデュオをどう変えるか。森山さんのつけるリズムにノブ君と佐藤君が反応して。森山さんが叩き始めると同時にノブ君と佐藤君がつける、5人での演奏になる。この切り替えの緊張が見事、思わず見上げて口をぽかんと開けてしまう。お、ベースも止まる、ノブソロか?森山さんとデュオ、ノブ君の妖しい腕の動き。あちゃ〜、だんだん森山山王での動きが激しくなり、スティックを飛ばす。曲のモチーフを入れるノブ君、何だ何だこれはクラシックの運指ですか?破壊的だね、パカン!でグズラさんがリズムを入れる。わ〜、来た来た来た〜、全く曲想を変えたドラムソロからドンドン!ガンガン!バンバン!とバスドラを踏み抜くかというようなパワー、ノブ君スカートで顔を扇ぐ。森山さんフェイント!ベースとピアノはかろうじて入る、今日は音川さんより佐藤君の方が一歩早かった。なんちゅうバンドだ〜、なんていう緊張感だ〜〜〜!!。

ありがとうございます、テナーサックスソプラノサックス、音川英二!アコーディオン佐藤芳明!ピアノ田中信正!ベース望月英明!・・・ジャズもオリンピックがあればよかったのに。真央ちゃんのような勝利を味わえたでしょうに(マオちゃん出られないんじゃ・・・)しばらく休憩します!

じゃんけん大会で、森山威男モデルのスティックが出てきた。「パールの厚意で出させてもらったんですが、市販はしないんです、なので新品を差し上げるわけには行かなくて・・。カタログ見ると多くの人がだしてるんですね、ジョージ川口さんとか、もういらっしゃらない方のもあって。まあそのうち私にも何かあったら市販できるかも知れません、なんてまた淋しい話になってしまいました」

21:30。全然思っていなかったような入り方のアリゲーターダンス、と思ったらなんと「スノー・タイガー」!!!メジャーのブルース。昨日、たまには森山さんの曲でも、と言ったら本当になっちゃった、本当にブルースブルースしてる、もう爆笑してしまった。一気に緊張感がゆるむ、この中で何人この曲を知ってる人がいるかしら・・・と思ったらOkadatoにも大受けしている。佐藤君も料理の仕方がうまい、ストレート・ノー・チェイサーのフレーズ。譜面台にアコーディオンが当たって譜面が落ちそうになっているのを戻す。譜面の五線も手で引いてあるな〜、急ごしらえに違いない。ブルースなのでさらっとみんな流すかと思ったらけっこう真剣。今度は音川さん。ノブ君のブルースのフレーズをアツヤ君が一生懸命覗き込んでいるわ。思いっきりアウトにはずしているソロなのに、ところどころブルースらしいフレーズも入って、何じゃこりゃ。お腹の皮がよじれるくらい面白いノブソロ。あ、あまりに乗り出していたってことかな、ノブ君に足を踏まれた。音川さんが今度はしっかり構えてぱっと入った、佐藤君が出遅れた。

「ありがとうございました。この曲の作曲は誰ですか?(ととぼけたように)私なんです〜。だからドラムが一番うまく叩けてたでしょ、みんなとまどってませんでした?タイトルはテイチクの方がおつけになったんです、帝国蓄音機、っていうんですよね。なつかしい曲でした。ちゃんとした曲を書いたのはこれくらいですかね。後は山下トリオでさてやろう、はてやろう、なんてドンとやったらドン、っていうくらいで、それでも著作権があるので年間12-3円は入ってくるんです(笑)、そんな振り込みの通知をくれるくらいだったら切手代をくれた方がいいと思うんですけれど。(あわてて)帝国蓄音機の方いらっしゃってませんよね?先ほどパールのシンバルを下げたとたんにパールの方がいらっしゃいまして(爆笑)。スノータイガーでした。次の曲の名前は911、音川英二の作曲ですが、そんな難しいことを考える方じゃないんですよ。9thと11thが関係しているらしいんですけれど。それは私にとっては難しくて。まあどうでもいいことなんですが。佐藤さんは曲のタイトルはどうやってつけるんですか?」「東洋系の音階だとイースト、とか、ね?」とか音川さん。「じゃあ名古屋の・雨とか。いえ、私が考えるとそういう曲になってしまうんですよ。田中さんにも『雨』って曲がありましたよね。タイトルをつけられなくて、つけてやろうって言ったんですが、一回持ってきてやったきりでやめてしまって、日の目を見ないですみませんでした。まあ時代が変われば趣味も変わりますからそのうちまたやりましょうね。私は譜面がないので、うまくできるかどうかよくわかりません、今日初めてなんです」フロント二人が「え?」だって今日は3回目じゃ?「だって譜面ないの初めてですから」そこへ佐藤君が「昨日もそうだったじゃないですか」とたまらず突っ込む、森山さん「それを言っちゃいけないんです。昨日はリハーサル、本番は今日が初めてですから」もうおかしくてメモがとれないよ〜。

緊張感が走る。しかし、よくできるなぁ、この爆笑でお腹の皮がよじれそうなのに・・・。インタールード(でいいのかな)の音川さんのカデンツァ(?)が聴かせるねぇ。アコーディオンソロから。あ〜、まだMCの余韻が残っていてニヤリとしてしまう。佐藤君の弾きまくり、森山さんが後ろから射るような視線で見つめている。音川ソロ、何かのメッセージだろうか。ノブ君がずっと入れる和音、自由自在だわ。ぱっと後ろを見て合図するが何だろう。ノブ君鍵盤を叩きまくり佐藤君が蛇腹を揺らしてつけていく。グズラさんの延々とした乱れのないベースワーク。こんなに盛り上がった後、どうするんだ?スティックが佐藤君の足下へ飛ぶ。トリオになると思ったらベースとピアノのデュオ。最近またグズラさんが目立つんだよね、うまくなった、なんていう表現は失礼だけど、何ていったらいいのかな・・・表現力がすごい。ノブソロなのにグズラさんに見とれていた。森山さんが入る、トリオに変わる。ノブ君民謡っぽい音階だね。トーンダウンしてドラムソロへ、ノブ君頭をポカポカ叩いてる、何してんの?抑えめのドラムソロからスネアとハイハットで合図、サックスが吹きながら立ち上がる。カデンツァーからテーマが始まる、ああ、緊張感のあるテーマだ、う〜ん、スゴイ曲だわ。

森山さんが口笛を吹く真似をしてGratitudeが始まる。イントロの前半を佐藤君、後半をノブ君が。テーマ、音川さんのテナー。ノブソロから?譲り合い?このタッチから紡ぎ出される澄んだ音がすばらしい。わー、今日は音川ソロが聴ける。この音色にぞくっとして鳥肌が立ってしまった。そのままテーマに。もううっとりとして聴き入ってしまう。もっとゆったり吹いてもいいんだよ・・・そんなに吹きまくらなくても。といってる後ろから叩きまくりの人がいるもんね、う〜ん、泣けた。はー。「イェー」の掛け声、ため息に拍手!!

拍手で腕が痛いわ。サンライズ。誰からソロ?佐藤君がバッキングしながらノブ君を見つめる。ノブソロに反応してフレーズを入れる佐藤君、Cジャムのフレーズに聞こえるんだけど。ノブ君のしなやかな腕が鍵盤を行き来する。拳でリフを入れる。左手で鍵盤をこそげ取るような動き。音川ソロ、ありゃベース一旦止まり、ドラムとのデュオに。ノブ君頭をポカポカ、胸をドシドシ、体調悪いの?暑くてのぼせそうだ、合図でベース、ピアノとアコーディオンを入れさせてクインテットでの演奏に。いいねぇ、気持ちのいい演奏だ。森山さんの、まるでドラムソロのようなバッキング。アコーディオンソロへ、おやベースとのデュオだ。森山さんさぼり気味?ベースとのデュオタイミングを合わせて森山さんとノブ君がつけていった、蛇腹を引っ張り顔をしかめて弾きまくる佐藤君。なんと力強いソロだろう。森山さん大笑い、まだやるの?限界ってものがないのかあなたは、まだやるの?森山さんのドラムソロ、展開がくるくる変わり息もつかせぬ緊張感。テーマに戻り、ラソミレドファミ♭ラ♭シ♭ー、さあエンディングのドラム叩きまくり、と思ったらそのまま森山さん叩き続けてまたパカン!で「ダーンダーンダダダッダ」とテーマが始まってしまう、そして森山さん大おちゃらけドラミング、これじゃいつまで経っても終わらないよ、こんなサンライズ初めて聴いたわ、大傑作!おかしくておかしくてメモ取るどころじゃない・・・。

「ベース、望月英明!アコーディオン佐藤芳明!テナーサックスソプラノサックス音川英二!ピアノ田中信正!あ〜、え〜、いつもと同じことをやってるんですが、やってる時はやらなきゃ終わらないからってむりやりやってるんですけれど、終わる時は淋しいんです。大切に使わないともう61になるんですから。ドラムなんか、昔60の人が叩いているのを見たらいい年してあんなことして、と思っていたんですけれどね。『むかし60のおじいさん〜』、って唄がありましたよね」グズラさんが「今年60っていうんだよ」と突っ込む、爆笑。「同じことばっかり続けてますけれど、ジャズなんてものはね、曲目を聞かせてる訳じゃないんですから。1回1回内容で勝負してるんです。止まってる時も考えてるんです、流れが同じだな、今度は何を仕掛けようかって。勝負をかけてるんです、そういうの考えてないのはこの人だけなんです」とグズラさんを指す。グズラさん吹き出す。

音川さんがハッシャバイを吹き始める、よく吹けるね、こっちは脱力だわ。佐藤君のメロディアスなソロ。う〜ん、イイネェ。今のは何のフレーズだったかな?充足感が私を包んでいく、森山さんが楽しそうに歌う。素晴らしいなぁ、音川ソロもスイングして。ノブ君、今のは5spot after dark?音川さんも佐藤君も笑っている、ノブ君の反復フレーズに森山さんも頭を振って応えてる。ベースソロにはいるかどうか微妙なところ、音川さんが自分の頭を指して曲の頭に戻る。

「立ち見で長時間聴いてくださった方ありがとうございました。座ってる方もよくも長時間座っていて下さいました。客席も回転寿司みたいに回ればいいのにねぇ・・・。元気だったらまた来年お会いしましょう、ありがとうございました!」

また聴いたことのないアプローチだわ、長いイントロ。誰も息をひそめて聴き入っている。音川さんが吹くテーマ。佐藤君のソロ、しみじみ。サビから音川さん。ノブ君の宝石のような音。終わっちゃう・・・でも今年はこんなにたくさんライブが聴けた。来年ももういくつかライブが決まっているし。

マイクも持たず、「ありがとうございました〜」と森山さんが挨拶、今年のライブはこれでおしまい。

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