森山威男公認HPライブレポートNo.112

2005年12月28日(水)音川英二(ss,ts)佐藤芳明(acc)田中信正(p)望月英明(b)@名古屋ラブリー1日目

開場とともに立ち見でいっぱい!今日は一日目だよね、毎年初日はこれほど多くの人はいないんだけど・・・明日どうなっちゃうんだろう。今日は新しく就任した名*屋大学の手*外科の教授ご夫妻をお招きしているので少々(これでも)緊張しているのであった。


20:10からスタート、
Sound Riverから。ノブ君かわいい編み方のニットの上着。音川さん、佐藤君、ノブ君の3人は上下黒、グズラさんはグレーっぽい長袖Tシャツに黒のズボン、森山さんはアイボリーのマオカラーのスーツ。佐藤君ソロから。今日は森山さんが佐藤君と音川さんのすき間からよく見える。アコーディオンの生音がよく聞こえる。だんだん盛り上がっていくけど良く聞くとかわいらしい音符の並び方だったりする。しかめ面で歌いながら弾く佐藤君。ソロが終わって暑いのかな、黒のてろっとした光沢のあるシャツを脱いで足下に置くと下はグレーの長袖のシャツ。音川さんのサックスソロ、足踏みしながら。佐藤君アコーディオンを背負い直してバッキングに入る。一曲目からかなりの飛ばしっぷり。あおる森山さん、すごい形相になっている。タムを低音まで叩き尽くして、シンバルを思いっきり「これでもか!」というように叩きつける。ノブソロ、入り口はちょっと崩して、と思ったらどんどん崩れていってあらららら、すごいアウトなソロに。佐藤君床に置いてあるシャツを譜面立てにどうやってかけようか思案中。3人のフリーっぽい演奏、またこうなるとグズラさんがよく目立つ。ノブ君のソックスのオレンジのラインもまた良く目立ってるけど・・・。森山さんと見合ってテンポのあるソロに戻していく。ノブ君の茶髪がライトによく映える。リズムリフをフロントが入れる、と思ったら、あらそのままドラムソロに。ノブ君が自分のモニターの返し音を上げてくれるように振り返ってサイン。森山さん叩きまくりだけれど暑くないのかな・・・いつの間にか腕まくりをしている。タンッタタッタ、でテーマへ戻る。


「はぁ。人ごととは思えません(何のこっちゃ)。さっきまではやさしいおじさんだったのに・・・(爆笑)。ピアノ、田中・・・」で一瞬止まった、忘れたんじゃないよね、ってドキッとする。「信正。ベース、望月英明。アコーディオン、佐藤芳明。サックスは音川英二です。最近物忘れがひどくなって・・。さっきやる前に久しぶりの演奏だから少しは緊張するかしらんと思ったんですけど緊張なんかするわけないんです。だって同じ曲しかしないんですから。何とか緊張しようとして、昔失敗したことなんかを思い出そうとしてたんですけれど。僕らはまだいいんです(ジャズだから)、オーケストラの演奏で失敗したらしゃれになりませんよね、じゃあ最初からってわけにはいかないんですから。音川なんかよく間違えてるらしいじゃないですか(笑)音川さん笑って「ハイ」と頷く。「私なんか間違えても誰も判りゃしない。・・・田中さんのファッションをお見せして下さい、靴下もあんなだし」拍手、「見せて〜」の声がかかるがノブ君は首をぶんぶん振っている。「なんか泣きそうな顔ですね、誰もが一度はそういう恰好をしてみたくなるんでしょう。私たちの若い頃はそういうことはなかったですね、作業着のおじさんたちが買うような店で、汗になってもすぐ洗って次の演奏ができるような服ばっかりで。・・・・田中さんのことを紹介すると落ち着くんです。心から親しみを感じているというのか。望月さんとは一番長いんですけどね、すみませんね」グズラさんが自分のズボンをちょっとつまんでみせる、笑いが客席から起きる。「あ、ダイエーブランドですね(笑)。一曲目は音川英二の作りました曲でSoundRiver。次の曲はまたおなじみなんですけれど板橋文夫の作りました曲、渡良瀬です」拍手。
音川さんがカーブドソプラノで吹き始めるテーマ。この前のRAGでも思ったんだけれど、このソプラノとアコーディオンの音がすごくよく合う。始まる前になつきちゃんが「おもちゃ?」って言ってたけど、本当にかわいいわあ。ベルの所にちょうどマイクがある。吹きながら横目で佐藤君を見る、佐藤君からは見えてないんじゃないかと思うんだけれど・・でも佐藤君にちゃんとソロが移る。何かヨーロッパの川が見えたような気が。私の知ってる川はライン川しかないけれど。10年前に森山さんを追っかけて行ったドイツツアーを思い出した。音川さんがリフをつける。佐藤君がノブ君を覗き込んでソロを終わる。また、う〜ん、くるくると表情を変える川だわね、森山さんが少しトーンを落とす。コーラスの頭から何だこりゃ?って感じのフレーズ連発、佐藤君と音川さん大笑い。森山さんシンバルのシズルを効果的に使うバッキング。音川さんがリフを入れてそのままテーマに。ノブ君の左手、澄んだ湧き水に細かい気泡が混じるようなサウンド。ああ、やっぱりラブリーはいいなあ。


「行きまっせ!」のかけ声で始まる、ノブ君が弾き始める、あら、N.O.W.だ。あ〜、この曲のスピード感、幸せ!森山さんのショットが決まる。佐藤君のソロから。ノブ君、手を膝の上でパタパタ、弾いてない。アコーディオンとベース、ドラムのトリオ演奏。ブルース進行とは思えないソロ、おお、出た前腕弾き!森山さん楽しそうに叩きまくる。アコーディオンの左手の伴奏も効果的!音川さんのソロはウキュキュキュキューという音から入る、佐藤君メガネを外して拭く。おや、いきなりブルースっぽく。森山さん少しお休み、ベースとサックスのデュオに。ぐんぐんとうなる弦の音。小さい音で佐藤君がつけていくと森山さんも入る。音川さん、ソロの起伏がうまい!ノブ君弾いてる?音があまり聞こえないけれど、それでも全身でバッキングしているのが判る。森山さんが細かい音符で叩きまくり、ノブ君も音をちりばめる。佐藤君森山さんを振り返りながら弾く。お、いきなり森山田中デュオになった。佐藤君笑いながら座る。今回ノブ君の写真も撮れないな〜、10cmくらいしか離れてないんだもん。う〜ん、私が一番ミュージシャンに近い位置に座ってるかな?じゃまですね、私の後ろに座ってる人達、ごめんなさい。すごいデュオだわ、森山さんの表情も楽しそうになったり苦しそうになったりちょっとお茶目な顔をしてみたりとくるくる変わる。すごくしーんとなってお互い様子を窺うかのような睨み合い、どうやって戻るの?って緊迫感。すごいタイミングでぱっとグズラさんが合わせて全力疾走のトリオへ。佐藤君が座ったままバッキングを始める、おお、もう1コーラス行くか!4小節をフロント二人がぱっと立ち上がりながらつける、ああ、手が・・・拍手で痛くなってきた。ドラムソロを佐藤君がアコーディオンに顔を埋めて聴いている、と思ったらニヤ〜っと笑っている。タンタン!で音川さんがぱっと吹きながら立ち上がる、佐藤君一瞬出遅れる。
「ありがとうございます、田中信正!音川英二!佐藤芳明!望月英明!毎年9月第3週にalaでの演奏があるんですが、今年も無事終わりました。本多俊之、向井滋春、井上淑彦にアンサンブルに入ってもらって。来年も9月の第3週にやろうと思ってます。アイディアが欲しいんです、タネが尽きてしまって。曲も同じ曲ばかりで。毎年何か考えようと思ってるんですけれど、終わるとまあいいか、ってなってしまうんです。その時に作ったTシャツなんですが、何か判らないでしょ?」と脱いでみせる。「去年は皆さんにお売りできるようにたくさん作ったんですが、今年はスタッフとミュージシャンの分しかないんです。あと2枚ありますので、今日と明日と休憩時間にじゃんけん大会で差し上げましょう。練習しておいて下さい(笑い)。しばらく休憩します」

じゃんけん大会、なんとKasumiちゃんが勝ち抜いてドラムヘッドをゲット!そしてスティックは前の方に座っていた男性がゲット。

休憩短く、9時30分にもうスタート。トイレに行きそびれてしまった、まあなんとか保つでしょう。佐藤君のソロからスタート、アリゲーターダンス、ですね。奇声を上げてもいいくらい、ぶっとんだソロ。アコーディオンの音ってこんなに大きいの?今回生音でもものすごい音が聞こえてくる、迫力がある。森山さんが予想もしていないタイミングで叩き始めた。音川さんがカーブドソプラノでテーマを吹き始める。音川さん一歩下がって佐藤君ソロ、そして音川さんに。地団駄踏むような吹きまくりのソロ。ノブ君は折り畳み状態、頭をピアノに埋めるようにしてバッキングをする。ぱっとサックスソロ終わり、ノブソロに。鍵盤の連打に森山さんが応えて叩きまくる。ノブ君がフロント二人を見上げてリフを入れるように合図、そしてドラムソロへ。緩急取り混ぜたソロ。リズムリフを入れてぱっとドラムにベースとピアノが合わせるタイミングはばっちり、さすが。

「こんどは新しい曲をやるんですよね、はて何て曲でしたっけ」911「いやな数字ですね、意味があるんですよね、ちょっと説明してください」音川さんマイクを持って「この曲のコードがFmの9thと11thで始まるので、あ、911じゃないって。話が重くなるんで・・そういうことです」「もうちょっと何かいろいろつけて・・でも思想的なことはないんですね。・・・たかがジャズですから」・・・何か話を引き延ばそうとしているなぁ、という雰囲気が微妙に漂う。笑いながら「どんな曲だったか思い出せないって言うのは困ったもんです。譜面を見ても見えやしないし、メガネかけて見るのも何だし」爆笑。「始まれば何とかなりますか」と音川さんに訊く、音川さん「はい」と頷く。「始まれば終わるそうです」「ふな」さんが大笑いしている。

マレットで叩き始めるドラム、ノブ君が弾き始めてテンポを呈示する。アップテンポのグズラさんのベースが緊張感を高める。ああ鋭い曲だ。フィルインがまた、いい。テーマが終わったときについ拍手しそうになってしまった、後ろから拍手が聞こえてきた。すごいなぁ、音のエネルギーが爆発している、わき上がるマグマのようなパワー、身をゆだねていたい、リムショットが響く!かっこいい森山さんのショット、佐藤君しかめ面で弾きまくる、蛇腹がちぎれそう。佐藤君のフレーズを森山さんが追い立てるように叩きまくる。のぼせてしまいそうだ、思わず口を開けて見とれてしまう。ミュージシャンから見たら相当アホ面だろうなぁ。佐藤君、ベルトの調整をする、音川ソロ疾走、すごい存在感。手を膝に置いて正面を向いて(正座して)聞きたくなる。森山さんもすごいがグズラさんの音もまた!音川さんのベルに引き込まれそうになる。ぱっとノブ君の方を見て音川さんがリフを入れる、ピアノとベースとドラムのトリオでの演奏、森山さん一瞬だけおちゃらけを入れる。アップテンポだけれど余裕のソロ、あらら、パーンとドラムが退いてベースとピアノのデュオ。ベースの力強い存在感。はぁ、ベースのフリーソロになったけれど、やっぱりすごい。この前のピットインで初めて聴いて、これで3回目かな?いいな、これ。ノブ君が手を膝に置いて頭を上下に振りながらすごくノッてる。森山さん、マレットを持って音川さんに頷く。ベースソロの上に吹き始めて、ゆったりしたテーマの入り口に持っていく。この曲はいい曲だ。だんだん緊張感が増してきて、音川さんが目でノブ君の方を見て合図、ピアノが弾き始めて疾走を始める。全員で作り上げるテーマ、終わった時は会場に歓声と拍手がわき上がる、ため息を大きくつく人も。

「何とか終わりました」笑い。「次はGratitudeという曲です。感謝、という意味です。以前このグループで演奏していた井上淑彦が見事書き上げたきれいな曲です。彼のグループはピアノが結構良いらしいですね、ネエ田中さん!(笑)Gratitudeです」

口笛とアコーディオンのイントロ。ノブ君がイントロを引き継ぐ。テーマは音川さんが。しかし、本当に素晴らしく聞こえるよ、あ、でもテンポが少し合わないか?少し速い?森山さんがハイハットの2拍4拍でテンポを決める。マレットで深みのあるドラミング。佐藤君のソロに思わず聴き入ってしまう、ノブ君のソロ、小さく後半に音川さんがつける。音川さんソロやって欲しいなぁ、あ、構えからしてテーマに戻ってしまうな、残念。ブラシで暴れる森山さん。口笛とアコーディオンのメロディー、ノブ君のバッキングがまたいいねぇ、うっとり。隣に座っている教授が「いいですねぇ」と言って下さったその瞬間にバカン!とサンライズ

これだけ激しく叩いているのに森山さん、まったく何事もないような平然とした顔つき。ああ、この場にいられて幸せだ。音川ソロに、ベルから立ち上る音の力強さ、ぱっとリズムリフをつけるドラムとピアノ。佐藤君がじっと冬眠していた状態から覚めたようにバッキングをつける。ノブソロへ、小さい音、後ろまで聞こえるかな?やっぱりモニター音が少し弱いな。佐藤君がカウンターの中のナガオ君に音量を上げるように指示。ノブ君縦横無尽の弾きまくり、森山さん余裕で対応。森山ソロ、ぱっと向き直る瞬間の森山さんをファインダーに収めることができた、やった。テーマ終わり、「音川英二!佐藤芳明!田中信正!望月英明!・・・あと2曲」なんて言って良いの?

Hush-a-bye、ソロは佐藤君から。自分もこんなサウンドを作り出すことができたらなぁ。すごくストレートに伝わってくる、いいなぁ。でもちょっとアウトなサウンドも一瞬入り、静かに去るソロ。おお、また正攻法で息づかいがダイレクトに伝わってくるサックスソロ。森山さん歌う。ノブソロの成り行きを伺うように佐藤君がバッキングをつける。ノブソロ短い、2コーラスくらい?ベースソロにアコーディオンがつける、サビでは音川さんが小さく、森山さんも。ありゃ、「テーマに戻って!」って顔を森山さんがしているのに成り行きでドラムソロになっちゃった、あれ?私のカウント違いかな、サビかと思ったのにテーマに戻っちゃった、さては早くソロを終わらせようとした?拍手し損ねてしまった。

「今年のAlaは母親を迎えに行かなかったんです、ついこの間お見舞いに行ったんです、まあ元気でした。私の顔も忘れてるかとおもったら「あれ、いつ来たの?」って喜んでくれて安心しました。部屋へ入っていろいろ話をしたんですが「今何をしているの」「ドラムを叩いていますよ、去年聴いたでしょう大きいホールで。あのときお前はいい仲間に恵まれてよかったねって言ってくれたじゃない、それで仕事は何をしてるのなんて」「あれそんな馬鹿なこと聴いたのあはははは、それで仕事は何をしてるの」笑。「幽霊に追いかけてられて助けを求めたら幽霊だった、みたいな感じで。年をとると・・・私もぼけたフリから始めようかと思っています。また明日までに考えておきます」

拍手が始まると同時くらい、いつもより早いタイミングでノブ君がグッドバイを弾き始める。まったくきれいな所から不協な音が増えたり減ったり、不思議な和音でテーマに入る。9小節目から森山さんが付け、あ、ちょっとテンポ早いかも。サビからみんな構える、そして全員でテーマに入る。アコーディオンソロへ。今この場所で、このもの悲しさ、力強さ、そして切なくてなんと表情豊かな音を聴くことができる幸せ。フラメンコ、スペインの闘牛士の姿が目に浮かぶ。サビから歌い上げる音川さんにつける佐藤君。テーマの終わり、ブラシのお尻でで叩きつけるように叩きまくる森山さん、蛇腹を一杯に引き延ばす佐藤君。全員で最後の一音を紡ぎ終わり、森山さんが「どうもありがとうございました」と頭を下げ、終了。

舞台の途中で森山さんが言っていたノブ君の服装、そうかまるでスカートをはいているような・・・そりゃ森山さんにはできない服装だわ。

ああ、楽しかったなぁ。一日目とは思えないような演奏だった・・・明日も楽しみだ!森山掲示板10万アクセスを踏んで下さった「ぱんだ」さんに記念品贈呈。私が5月の春一番コンサートでゲットしたスティックに、alaの出演者にサインしていただいたものです。

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