10/6(日)二日目・札幌へ
早くに目が覚めて、またひと寝入り。どうもキャスターの音がすると思ったらTOMさんが台車でCDとお皿を運んでいた・・・お疲れさま。さすがに朝日が昇るところは見られなかった。そうか、あそこに見えるのは国後島なのね。

朝食会場に行くと森山さん。TOMさんと、あとから登場した望月さんといただく。さて観光だ!F井先生と、S原さんとTOMさんと納沙布岬へ。「平和の塔」とやらに登って北方領土を眺める、こんなに近いんだ・・・しかし、この塔昔は観光スポットで結構はやっていたのかも知れないけれど、今はなんだかなあ・・・・ミステリーツアーと称してお化け屋敷もどきの真っ暗な中を通るのだけれど、おもちゃのようなハリボテや、埃だらけのジオラマに走る稲光。思わず笑ってしまう。後ろからF井先生に脅かされた方がずっと怖かった。人が通るとセンサーで感知して、巨大な赤い魚(ちょうちんあんこうか?)がなまずをくわえてぬっと現れる。何じゃこりゃ?

原生花園に寄ると、ポニーが何頭か。TVカメラをしょった2人組。「何の取材ですか」「ポニーと、・・・実はそれを見に来た観光客」で、4人でいかにも「ポニーを見に来た」観光客らしく、ポニーをバックに記念写真を撮るなどしてVTRにおさまる。F井先生が「我々はジャズを聴きに内地から来たんですよ」と言うと、「あ、ぼくも昨日聴きに行きました」で、話がはずむ。考えるとますますやらせっぽい。道の駅に寄って、昨日教えていただいたおすすめのおみやげ「おおの貝」を購入。霧多布岬に行く時間はなさそうなので中標津に向かうことに。乳製品で有名な別海町のCOOPに牛乳を買いに行くが、売り切れ。牛乳工場をカーナビで探したがうまくたどり着けず、電話をしてみるが日曜日でお休みのようで誰も出ない。別の車で出ているメンバーたちと携帯電話で連絡を取り、望月船長おすすめのソバ屋さんに入る。みんなざる蕎麦なのに一人だけ天ざるを頼んでひんしゅくものだったがおいしかった。しっかりそば湯もいただいて空港へ。ネムロホットジャズクラブのみなさん、どうもありがとうございました。追っかけの人間にまで本当によくしてくださり、恐縮です。でもまた森山ライブがあるときは来ますのでよろしくお願いします・・・(カニおいしかったです)。

千歳空港に到着。大量の荷物をみんなで並べて運ぶ。名古屋に帰るF井先生とS原さんとはここでお別れ。札幌のライブ会場までは雨の中、音川さんの運転。同乗者はノブ君とTOMさん。森山さんと望月さんは楽器と一緒にジッピーホールのT田さんの車に。先導車のN瀬さんが車を止めたところは、「えっ?どこにホールが?」というような場所。ビルの屋上には「カラオケ」の看板。破れかけのドアには「空室あります・○○水産」という貼り紙がある、昔は商店が集まった雑居ビルだったのだろうが、今は廃墟のよう。すでに暗くなっていて雨降りなのでよけいウラ寂しい・・・よく見るとライブの案内ポスターがべたべたと、1階のほこりをかぶった階段には紙に書いた「↑ジッピーホール」の貼り紙。この雑然さは西荻窪の「ア○タの店」を軽く上回るなあ。ホールというよりライブハウスのサイズ、昔学生時代に出演した金沢の「地下広場」を思い出した。森山さんのドラムセッティングのお手伝いをして、サウンドチェック。今日は新品のシンバルに替えて、トップシンバルは以前使っていた欠けシンバル。ちょっと穴が大きくなって偏芯してしまい、鳴りが悪かったのだが森山さんが修繕なさったようだ。微妙な芯棒の位置の違いで、鳴りが大きく変わるようで、難しいものだなと思う。修繕したシンバル、以前の鳴りを取り戻している。うん、やっぱりこっちのシンバルの方が好きだわ。レガートの当たりも、カツンカツンとよく聞こえるし、鳴り続けているときの音もきれいでこもらない。しかし、サウンドチェックでここまでリキを入れて叩かなくてもいいのにというほど叩きまくる森山さん。タートルネックのセーターでは暑くなってきて、脱いで白いU首シャツの下着姿となっている。きのうそろって演奏しているからリハは不要、サウンドチェックのみであっという間にセッティングは済んでしまう。

ホテルへ向かうが、今日から追っかけに参戦するオットは先にチェックインしていた。またここが何というか、ベッドは二つあるが横に畳が敷いてあって、ふとんまで置いてある。座敷机にテレビ、冷蔵庫と、なんだか民宿に来たみたいで笑える・・・・。ここが打ち上げ後の宴会場になるのは確実だな。

6時半スタート。Marching of seventh。ノブ君を挑発するかのように森山さん叩く。ノブ君苦しげな表情、森山さんが「信正をいじめたくて」といった気持ちがよくわかる。音川ソロおお迫力だあ、ああすごい。やっぱりステージと距離が近いのがいいわ。音川さん足蹴り回し蹴り、キック連発。森山さんすごい、絶好調。ああ、ほれぼれしちゃう。キャーとじたばた喜んでいたらグズラさんと目が合ってしまった。大きく腕を振り上げるロールもかっこいい、拍手!

森山さんメンバー紹介と、CDの宣伝。「このグループになってから半年に一枚のペースでCDを出してきました。「明日があるさ」タイプで、売れなくてもそんなに私が困るわけじゃないんで。「森」のほうがスローなタイプ、「山」のほうがアップテンポという構成になっています。このCDに参加したGeorge Garzoneというサックス奏者は日本ではあまり名前が売れていないんですが、ニューヨークでは有名なんですって?(と音川さんに同意を求める)音川がバークリーで勉強していたときに先生をしていたんだよね、ウィントン・マルサリスとかと。」音川さん「そうだと思います」「そのGeorge Garzoneという人は故あってあまりライブ活動をしていなかったのが私とよく似ていまして、たまにしか演奏をしないので惹かれ合ったようなものです。思い入れたっぷりのレコード、今日持ってきていますのでお買い求め下さい。ここで何を喋ろうかと考えていたんですが、昔話は2部の方に少ししようと思います。次の曲なんだったっけ・・・・ああ、やっぱり昔話をしましょうか、忘れもしない・・・・」と退学届けを出した日のことの話になる。以前にも書いたので省略します、すみません。

Danny boy。あれ、今日は曲順が違う。音川田中デュオのテーマ、サビで森山望月が入る。マレットで叩くシンバル、シズルが良く鳴っている。4人でテーマを終わると、ドラムとピアノのデュオバトルに突入、ノブ君髪振り乱して鍵盤連打。ネズミがちょろちょろと走り回っているようなイメージのリズムと音階。おーおー、ノブ君が森山さんにしかけたぞ。森山さん受けてたつ。二人でブレイクしてもテーマに戻らず、またにらみ合いが続く、大バトル。ノブ君退いてソロ終わる、森山ソロに突入。グズラさんが冷静な目で客席を見ている、何を考えてるのかなー。森山さん静かになって音川さんがサックスで入る。3人の、リズムがあまりないような感じのテーマ、森山さんマレットに持ち替えサビから望月さん入る。テーマ終了、拍手!

そのままSound riverに突入。テーマから音川ソロへ、音川さんマイクの位置を少し直しながら吹き続ける。アフロリズムがかっこいい。ノブ君ソロ、4ビートへ変わる。だんだん盛り上げて森山さんをリードするかのよう。森山さんもノブ君の方を見ながら、わーわーすごい、二人の間の視線に火花が散る、その真ん中でグズラさんが冷静に、かつ熱く弦をはじく。森山さん渾身の力でバスドラを踏み抜かんばかり、拍手〜!!

休憩時間の間にCDを売る、トイレに行って来る間にああ始まっちゃう。MDが交換してない、あせるが間に合わず(トイレじゃないよ)録音の最初が切れてしまった。Departure from the Mysterious Flash。いつもよりテンポが早いかも。うーん、すごい、音川さんの紡ぐ音。中はだいぶ気温が上がっている、音川さん上着を着たままで暑くないのかな。あ、ソロが終わって上着を脱いだ。ノブ君ソロ、飛ばすとばす。ノブ君のリズムに合わせて森山さんがリズムを決めていく。森山ソロ大きく両手を広げてシンバルワーク、かっこいいなあ。腕を振り上げていきなりテーマに入る、ドラムソロがみんなに見えるようにと少しステージの端に立っていた音川さん文字通り横っ飛びに飛んで吹きながら定位置に戻る。うっーわ〜すごい!以前はテーマに戻るときは「戻るぞ、戻るぞ」って判るフレーズやリズムの決めがあったのだけれど今やほとんどない。音すら決めていなくて、腕を振り上げておろすこの動作だけで瞬時に判断しないといけない。すごい緊張感、一瞬も気が抜けない。

森山さんMC今日は長い・・・・・でもネタは以前に書いたものとほとんど同じだから省略、許してね。でも、何度聞いても音川さん田中さんステージで笑っている。喋りの「間」が良いんだね。

Grat**e。テーマから田中ソロは望月さんとのデュオに。しんみりと聞き入ってしまう。音川ソロ、テーマに戻るが森山さん暴れ出すのが今日は少し早いな。最後、ブラシとマレットの持ち替えが間に合うかとはらはらしたが大丈夫だった、当然だ、取り越し苦労というやつだ。シンバルの叩き方、音の大小のつけかた、とても繊細でテクニカル。

「今日最後の曲になります」と森山さん。え、一曲少ない?でも「朝日の*たる家」はあんまり好きじゃないのでなくてもいいや。Sunriseが始まる。ぁ、この曲はどうしてもじっと聴いていられない。音川さん爆走。森山さんノブ君に目で合図してブレイク。音川望月デュオへ。曲のトップからターンターンタッタッタッタとピアノとドラム二人でリフを入れ、サビでまた退いてサックスとベースのデュオに戻る。3回目でそのままサビへ入り、音川ソロ終了。田中ソロ始まり連打、ソロ絶頂!ってところで音川さんもリフをつけ、望月さんがバックアップ。全体のサウンドがすごく厚い。ここで森山さんブレイクしてピアノベースデュオへ。森山さんスティックを打ち合わせてリズムをつける、歌う。森山さん戻る、大音響で鳴り響くドラムに向かって弾きまくるノブ君すごいぞ、手、切れてない?ドラムソロへ。おなじみの欠けたトップシンバル、鳴っていたようだが急に響きが悪くなったように聞こえる、やっぱりだめかな。すぱっと終わってテーマに戻る。最近よくやる森山さんがリズムリフを入れて音川さん田中さんにつけさせて、テーマに戻るか戻らないかをおちょくる手段は今日はやらず。

「アンコール!!!!」でハッシャバイが始まる。少しピアノの調律狂ってきたか、・・・・・当たり前だな、この弾き方じゃ。田中ソロから音川ソロへ。音川さんのフレーズがとても心地よい。ああ気持ちいい。でももう終わっちゃうんだ、寂しいな。ベース1コーラスソロ、ドラムソロはなくテーマに戻る。

グッドバイ。イントロ、日本的な音階を使って・・・・浸るなあ。本当にいい曲。心の底から、何か満たされていくような。何かなくしたものを見つけたような気分に。なんて余韻に浸る暇もなく、CDとお皿販売に走る。TOMさん頑張ってくれてます。明日は彼女は帰ってしまうので、オットに販売見習いをしてもらう。私はサインペンを持ってサイン会場の設定、メンバーがサインを始めたのを見てドラムのばらしに入る。CD販売の手が空いたのでオットにもドラムの撤収を手伝ってもらう。

打ち上げはライブ会場にしつらえたテーブルで、ビールで乾杯。つまみがなくて少々寂しい。メンバーは先に「つ○八」に出かけ、席が空くまで私たちは待機。あれこれ料理を頼んで食すが、しばらくして夜に弱い森山さんがダウンしそうになり、ホテルへ戻る。その後二次会。延々とビール、シャンペン、つまみで話が弾む。すでに夜中の二時・・・おやすみなさい。

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