怒濤のような毎日を過ごしておりました。レポート作成が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。レポートの中では「井上さん」になったり「トシちゃん」になったり、「坂井さん」になったり「紅介さん」になったりで読みにくいかもしれませんが、メモに取ったのをそのまんま打ってますから、ご勘弁。また写真もなく文字ばっかで面白くないかも。メモだけですから、ところどころが違うかも・・・許してね(2004/5/1)。

さて、就寝3時、起床7時過ぎというハードな朝。起きて、午前中をかけてレポートを書きアップ。「同居人」さん、「Okadato」と一緒に昼食はお決まりの中華街。私は昼過ぎホテルへ帰って休憩、Okadatoと同居人さんは元町散策、元気だなぁ〜。夕食は井上さんおすすめのピザ屋さん。めちゃくちゃおいしかったし、満腹、ワインも飲んでしまった。こんど横浜に行くことがあったらまた行きたいな。

午後8:00 ちょうどにチューニングスタート。今日のメンバーは井上淑彦(ts)田中信正(p)坂井紅介(b)森山威男(ds)。Shidaさんの名前のグループで席を押さえてくださってあったのに、図々しくも一番前に座って、なおかつきちんとお礼も言わず、と・・・全くもって失礼な、Shidaさんどうもありがとうございました、とこの場でお礼を。

ん〜、静かに始まるノブ君のイントロ、きれい。トシちゃんの曲だ。森山さん、左の前の方に置いてある譜面台上の譜面を、目を細めながら見ている。暗いし、遠いし、メガネもないし、そりゃ見えないだろうよ。ベースとサックスが入って、メロディーを奏でるが、バスドラが入った瞬間、どか〜んとアフロリズムの爆風を全身で受ける。トシちゃんソロ。うん、この編成はFUSEのドラムだけ違いだ。そういえば、この前のスターアイズでのトリオ+トシちゃんとも言えるな。この前のラブリーでの、モッキンポットセッションでも聴いたこの曲、全く印象が違う。4ビートに変わった。やっぱり今日もピアノが良く聞こえないなあ。紅介さんとノブ君が2人で顔を見合わせてタイミングを合わせて弾く。トシちゃんの厚い胸板が余計大きく見える。森山さん叩きまくり、ああ、すごい。ノブソロ。ん〜、本当に一曲目?飛ばしにとばしている上に、紅介さんがばんばん拍車をかける。もう書く言葉が見つからないよ、森山さん「かかってこい、やれるものならやってみな」って感じで叩きまくっている。ノブ君と森山さんのバトル、息が止まりそう。タム多用のソロ、うひょひょひょ。バシーン!とシンバルを叩いた後は静寂に。そこへピアノの片手での5度音程の繰り返しパターン、こんな単純な音でどうしてこんなに美しく聞こえるの?この大音響と静寂のコントラスト、そこへ入ってくる美しい音階、織りなす音の見事さ、新鮮さ。

森山さん、大きな息、両腕を井上さんの方に差し向け、全身でマイクを井上さんに持って欲しい!というゼスチャー、井上さん気づかず。どっちがリーダーなんだろう、私は井上セッションと思っていたが、会場内のチラシは森山2DAYSになっている。森山さんがマイクを持って、「皆さんも井上さんの声を聞きたいんでしょ?私も久しぶりに聞きたい」と言って袖に引っ込んだ井上さんに森山さんがMCマイクを渡そうとしたが、コードが短くて届かず。井上さんマイクに寄るが、「今晩は、井上淑彦です。それでは」で引っ込んでしまう。森山さん「それだけ?」とがっかり。「価値あるものはほんの少しだけ、ということです。・・・・緊張しております。見えない目で遠くに何が書いてあるか睨みながら、ダメで元々、と思って始めました。なんとかうまく終わりました。今日の曲はほとんど井上淑彦の曲なんです。私の作った曲は・・・(といって考えるようなフリ)次の機会に。これはね、あ、Birth of Life訳すと『私の城下町』じゃなくて」もう大爆笑、オオウケ。「なんでそうなるか判らないんですけれど、昔私もやったことがあるんですよね?」

井上さんとノブ君が頷く。「だいぶ前ですよね、4年前?忘れました(3ヶ月前でも忘れていそうだが)確か私が25才くらいのことで」と言う森山さんに向かって「じゃあ3年前だ」と井上さん、うまいこと言うようになったな〜。「とにかくだいぶ前に井上さんとグループを組んでいたころやったような気がします。あのピアノのところが印象的で、覚えてました。・・・後は忘れました」もうオオウケである。森山さんのMCを初めて聴く人も多いかも。「このセットは井上さんの曲が多いのです。次の曲はWaltz for forest、今日のためにつくりました、って。本当はForest Mountain(森・山)とつづくらしいのですが、Forestとしておけばまた他の人の時にも使える、という魂胆でしょう。次はワルツ、その次はバラードと。・・・今日はこれで」と立って頭を下げる、また本当に引っ込みそうなくらいに見える演技派、大爆笑。

森山さんのMCはいつも、きわどいことを言っても相手に対する愛情があふれていて、まったくイヤミに聞こえない。そういえば人の悪口を言っているのを聞いたことが、この20年あっただろうか。文字にしてみると笑い物にしているようだったり辛辣に読めたりすることでも、実際森山さんがしゃべっている時は悪意など全くないのがよく分かる。このページを読むだけだと、ひどいことを言っているように思えるかもしれないので、私が文字にしてもいいかどうか、迷うことがある。でも、森山さんがネタにする人は、森山さんが好意を持っている人だけなのだ。森山グループの演奏を聴いて、森山さんの喋りを聴いたことがある人なら誰でもそれは判ることだけれど。

「演ります」一瞬、ワタラセが始まるのかと思った・・・。今日創ったという曲だから、本邦初公開だね。森山さんのために書いたという曲、後半の展開が少し意外性があっていいわ。ノブソロ、すごくパワフルに弾いているけれどメロディアス。もう、ソロ替わって〜っていう顔のノブ君、トシちゃんにやっと笑って入らない、ノブ君やけくそでソロを続ける、ありゃ、まだやる?倍テン風に弾いているノブ君、よく手が動くわ。井上さんの音は正当派、いい音色〜。昨日より涼しいけれど今日もやっぱり暑い。演っているみんなはもっと暑いんだろうなあ〜。森山さん汗が目にしみている、ズボンにも汗が飛び散っている。モーダルな音階の吹きまくりからテーマ、ベースソロへ。まるでギターを弾いているみたいだ。森山さんが譜面台から一枚紙を取った、そんな長い曲なの?終わりのテーマが違うの?最後の展開がゆったりしていて、あと広がりがある感じでいい曲。

バラード、Nancy。ああ、トシちゃんの吹くテーマ、この音、嫌みがなくとてもpure。ノブソロ。水割りの氷の音が響く。なんてまあ、美しい。静かにベースソロへ移行、この融合がなんとも・・・そういえばこのバンドの骨組みは「Fuse」であるな。井上さんカデンツァー。

Flood。なつかしい曲だわ、アップテンポの。あー、すごい曲になりそう。ノブ君完全に首が折れている。うひゃ〜、テンポはいくつぐらいなののだろう。井上森山デュオになった、普通に叩いていてもフリーソロみたいになっちゃう、これ以上速いテンポはないんじゃないかっていうくらい。紅介さんと田中さん一旦退いていたが二人でタイミングを合わせてつけ始めるけれど、こりゃ大変だ、トシちゃんの顔からも汗がしたたり落ちる。テーマにはいり、4人で合わせるが「何じゃこりゃ?」っていうくらいの速さ、ひぇ〜。おゃ、トシちゃんの入れるテーマの瞬間、森山さん合わない、一瞬ハラハラしたがバシーッとブレイクが決まってピアノベースデュオ。森山さんブラシで乱入、あ〜、もう完全にイッちゃってますね、シンバルスタンドがぶっ倒れるんじゃないかしら?ベースの弦が切れそう。ブラシを放り投げてスティックに持ち替える、森山さんの叩きまくりがブレイクした瞬間、ノブ君がテーマを入れる。このままテーマに戻って終わるのかと思ったらこんどはドラムソロへ。はぁー、まだ叩く?叩きまくり叩きまくり、本当にすごい。ブレイクした瞬間にテーマに戻る。おっ、最後決まったぞ、良かった。

拍手拍手拍手。森山さんもスティックで拍手。「やっぱり昨日言ったとおり、軽くあしらわれました、次のセットはお返しできるでしょうか」

恒例のドラムヘッドプレゼント大会。5/28(金)の中津川歌舞伎ホールでのライブの宣伝をする。

森山さん左手に譜面が置いてあるのだが、「ど〜せ見えりゃしないんだから」って、そんな。21:40に二部スタート。芳ヶ平。おお静かな曲からスタート、意外だわ。森山さん、どこがコーラスの終わりなのかな、って感じで叩いている。叩きにくそう〜、予習しておいてもらったら良かったかしら・・・え、するわけない?何か大きい声でカウンターの方から怒鳴っている人がいるけど何かな?ノブ君が井上さんを見上げながら弾いている。あれ?どこで交代?もう1コーラス?森山さんだんだん余裕が出てきた。ノブ君のタッチがキラキラして聞こえる、井上さんソロへ。ベルから出る音にまるで色が付いていて、目に見えるかのような、手で触れることができるんじゃないか、というような、この音色好きだわ〜、のびも艶もある。ずいぶん、森山さん調子が出てきたぞ。テーマに入るところも慣れてきた感じ。思った通りのシンバル音でエンディングもきれいに決まった。

「ふっふっふ〜、何も言わネェ。」

ノブ君と井上さんのデュオ、久しぶりに聞く曲、「道」。ノブソロ、う〜、この左右の手のハーモニー、う、美しい。「スゴイ」と声をあげている人がいる。そうだよ、言われなくたってみんな判ってるよ、頼むからバラードの最中に余計なこと言わないで。さっきから声を出していたのもこの人かな?うなりながらベースソロを弾く紅介さん、拍手。終わりのテーマ、最後一瞬の静寂を楽しみたいところで「ビューティホー」の掛け声、ウルサイ!

「なんだか、恥ずかしいような気がする・・・・やりましょうか」ゆったりした曲が続いたので今度は目の覚めるようなのを(寝ていたわけではないが)期待したいところ。わ〜、アフロだ。エクスチェンジかな、あ、そうだ、なつかしい。もう、森山さんたら、知ってる曲とそうでない曲とのドラミング、本当に違うんだから・・・。トシちゃんソロ。紅介さん、不思議な弾き方をしている、右手の人差し指から小指まで全部で現を押さえるような弾き方をしているんだけど、ちゃんと音が出てる。おっt、アフロから4ビートになった。井上ソロ、どんどんフレージングが飛び出してくる、太い音。音階が変わるところにノブ君がしっかりつけて、森山さんのスティックがしなって見える。ノブ君の方を見ながら紅介さん笑っている、森山さんあおるあおる。左手のパカンパカンとリムショットを連発、ノブ君負けるながんばれ〜。うぉ〜、どこまでやりますか本当に。唖然、もう全員で大爆走。吹きまくりの井上さん、ソロが終わったところでテーマのモチーフを何とか入れ、ノブソロ。アフロリズムで迫力あるソロを弾いていたが、森山さんが仕掛けてガーンガーンとスピーディーな4ビートに。森山さん楽しそう。うゎあ、両腕を大きく広げて鷲のように派手なアクションで、両方のシンバルを叩く大好きなショットも。ガーンガーンと弾くノブ君、森山さんとのバトル、紅介さんもがんばれ!森山さんがスティックを落とした、この隙に反撃だ!ドラムソロ、ドカンバシンと叩きまくっている途中で突然「ドーン、パーン、ドンドンパーン」ってロックのリズムに。流れが全然違うじゃない、と思わずずっこけるが、紅介さん踊ってるし。どこまでやるのさ・・・・タカタドン!でブレイクした瞬間、ぱっと入るところはノブ君さすが鍛えられてますね。しかし、テンポ全然違うんじゃない?森山さん歌いながらテーマのエンディングに突入。弱く、弱くしてコントラストをつける。

「ありがとうございました、田中信正!坂井紅介!井上淑彦! ありがとうございました。ジャズは勝ち負けですから」拍手。「今日はどっちが勝ったか、あとからじっくり話を聞きたいと思います。こういう機会が来年か再来年また開かれるんじゃないでしょうか、ドルフィーのマスターよろしくお願いします」と頭を下げる。

え、演るの、サンライズ?と思ったらマーチのリズムしてるし・・・??あ、やっぱりパカン!で「レ・ド・ラソファソ」の音階モチーフでテーマの導入に。1回目のテーマが終わってノブ君ソロにはいるのかな、テーマをもう一回やるのかな?って顔をして目がきょろきょろ。もう一回テーマ、井上さんのソロから。サビに入る前のロールがまたすぱっと決まってかっこいい。わー、トシちゃんのソロ、本当に本当にイイわぁ。テーマのフレーズが入ったけれどもっと聞きたい。ノブソロへ。森山さん少し音数を減らして、ベースとのデュオへ。面白い音使い。森山さんはバスドラに足を乗せて、肘を膝に乗せデュオを聞いている。ノブ君の靴の音がタップみたいでいいよ。紅介さんの音とからんで。曲の頭からサビまで森山さんがつけて、徐々に盛り上げ、サビですっと退いてを繰り返す。スティックを打ち合わせて楽しそう。あれ、もっとやればいいのにノブ君・・・。森山さんのつけては退いて、の繰り返しのところで終わっちゃった、もっと森山さん盛り上げるつもりだったんじゃない?森山さん、はぁ、これ以上大きい音が出るの?っていう感じがするのにどんどんエスカレート、でももっともっと出るのよ〜。大歓声。

「ありがとうございました。やっぱり、ジャズは聴いているより演る方が楽しいということがよくわかりました。本当に楽しかったです。・・・・・言葉が見つかりません。ありがとうございました」

予想通り、アンコールはGratitude。紅介さんが弾くテーマで。ノブ君の紡ぎ出す音がからんで、なんと美しい世界をつくっているんだろう。やはり言葉で表現できるものではない。森山さんのご自慢の新しいシンバルから、マレットで響き出るサウンドがなんともいえない。ノブソロ・・と思ったら、紅介さんの優しいソロ。ノブソロへ、涙が出そう。そこへ「イャア!」の掛け声、だからウルサイって!もうこっちが浸ってる時にぶちこわし。迷惑だってわかってないんだろうなぁ・・・。井上さんの深い響き、森山さん暴れ出すがいつもよりもおとなしいかな。エンディングは紅介さんが締める。はぁ〜。終わって、メンバー同士で握手。

面白いライブでしたよ、遠くから足を運んでも聴く価値は充分あり。満員のドルフィーにはおなじみの顔に加えてHubtonesさん(井上さんのHP作成者)が福島県から、K枝先生が京都から。お会いできて楽しかった。ドルフィーさん、また企画してくださいね〜。

一日目の森山グループのレポート