風邪でゲホゲホと咳き込み、隣の人に嫌な顔をされながら「しなの」で中津川駅へ。オットは今日は休みを取って午前中から岐阜県の温泉で立ち寄り湯、高原を通ってドライブ。中津川駅まで迎えに来てもらった。会場に着いたのは5時前だったが、トップには東京のBlue in Greenさんが。なんでも4時頃から並んでいると、あっぱれ。ふれあいセンターは新しくてきれいな会館。

会場でサービスのおいしいコーヒーなどいただきながら時間をつぶす。会場入り口の外に見慣れた姿が。4時にリハーサルが済んでしまって暇なのだとか。することないものねぇ。

開場時間近くになってもあまり観客の列はできない、少々心配だが五月雨式に人が増えてきた。会場の入り口には歌舞伎の隈取り、ホールを見渡すと提灯が並んでいる。ここでジャズを演るのかと思うとなんだかおかしい。今日は撮影録音共に禁止。撮影だけはフラッシュを焚かず、ホームページ用ということで許可を得た。ありがとうございます。録音していないので、MCは正確じゃありません、ご容赦のほど。

Impressionsから。あれ〜?ピアノ全然聞こえない。ベースアンプとミュージシャンの返しアンプしか入ってないんじゃないの?サックスも生音だけしか聞こえない感じ。これはちょっとなぁ〜。すぐにPAさんのところに飛んでいこうかと思ったが、最前列だから聞こえないのだろうか、両脇にスピーカーがあって後ろの方は聞こえるのだろうか?と考えて思い直した。ピアノソロになったら音をあげるつもりかしら、と思ったら森山さんがピアノソロになってすぐ「???」という顔をして音川さんに声カケをし、ピアノをあげるようにPAさんに伝えて欲しいと身振りで伝える。う〜ん、後ろの方は聞こえてるのかなぁ、一曲目からノブ君飛ばしているけど、鍵盤のタッチに見合う音が出ていない、すごくもったいないし残念。気になって演奏を聴くどころじゃない。

「どうもありがとうございました。中津川では初めてグループで演奏します(この上のユーグりーン中津川というゴルフ場で以前やっているがこれはクローズドの会だった)。昔山下洋輔トリオ時代には、その頃はジャズのグループと認められていなくて、中津川のフォークジャンボリーというところで演奏しました。唄は歌いませんでしたが。フォークの方たちと仲良しだったんです。今日はジャズの方たちとお友達です。テナーサックス、音川英二!ベース、望月英明!ピアノ、田中信正です。・・・・あの、雑誌にも新聞にもテレビにもラジオにも出ていないのにようこそお越し下さいました。滅多にグループで演奏しないものですから、といっても最近は1ヶ月に1回くらいのペースで演奏するようになったんですかね。皆さん自分のグループをお持ちで、その合間を縫って私と演奏してくれるんです。・・・望月さんだけは自分のグループを持ってないんですが・・・(笑)そのうち持つかも知れません。このセットはコルトレーンの曲を全曲やろうと思っています、一曲目はImpressions。・・なんていう意味でしたっけ?」音川さん「印象」「印象深いんでしょうか、演っていながら全然意味を知らないんです。ジャズは曲名なんかで何かを伝えようって音楽じゃないと思っていますので。こんなことを言うとコルトレーンに怒られるでしょうか。私はジャズという音楽は、やり合うことに意味があると思っています、スポーツにも共通するんですが、相手の出方を見てどう行くか、やり合うのが楽しみだと思っています。次の曲もコルトレーンが何度も演奏していた曲です。アフロブルー

あ、すこしピアノ聞こえるかな。音川さんのソプラノ、今日はGold?少しスモークがふわふわと漂ってくる。まぁ、あんまり派手にスモークが出るとホーン奏者は呼吸しにくいから、この程度の方がいいね。あ、やっぱりピアノ良く聞こえない。ベースの方が大きいくらいだ。ベースアンプの正面に座っているので良く聞こえるだけかなぁ・・・気になっちゃってダメだー。雰囲気は伝わってくるけれど、ピアノが何を弾いているか音が判らない。音川ソロ、クリアなサウンドでよくフレーズがつながっている。森山さんの額に汗が。

音川さんテナーに持ち替える。I want to talk about you。いい音色だ。ノブソロ。グズラさんとデュオ。あ、初めて音がクリアに聞こえた、ドラムもサックスもいないと音が聞こえるんだ、初めからレベルがこれに合わせてあるんじゃないかと思うくらい。さびからブラシが入る、美しい。ピアノソロ終わる合図をノブ君が音川さんに出し、音川さんが構える。森山さんノブ君にもっとやれ、って顔、ノブ君苦笑い、だってもう合図しちゃったんだもん、って感じ。なんとなくうっとりと聴いてしまっていた、テーマ、エンディング、カデンツァー。

「コルトレーンの曲ばかり演ると言っていて、最後の曲は音川英二の作りました曲で、サウンド・リバーくすくす笑いが広がる。「訳すと『音・川』で・・・曲名なんったって、こんなことくらいしか考えつかないんです」

やっぱりシンバルの音にピアノが負けちゃうのかな。ホールが高い分、音がデッドになっちゃうのかな。音が吸収されちゃうような感じ。う〜ん、でも考えてみればこの前聴いていた会場がアケタにドルフィーじゃねぇ、あんまりにも会場のでかさの差がありすぎるか。アフロから4ビートへ。ノブ君のパワーショベル奏法がよく見える。ガシガシガンガンにグズラさんがばっちり反応している。ドラムソロに入る瞬間、森山さんスティックを落としてしまった。タム多用のソロ、スネアの響き線がはずしてあるようだけれど、ホールの響きがない分、はめてあった方がいい感じだなぁ。

「ありがとうございました!」とメンバー紹介。「少し休憩して、またお会いします」と退場。

休憩の間、何人かばらばらの席に座っている顔見知りに訊いて回ったが、やはり「ピアノ全然聞こえない、サックスもイマイチ、ベースは良く聞こえた」という。会場の方に、PAさんに伝えてもらうようお願いした。

8:10二部スタート。いつもなら1st setがスタートする時間だよね。Blue Indigo。お、ピアノソロ、やっと音が聞こえるぞ。ノブソロ、短め?音川ソロ。スマートでいい曲だが流れるように終わってしまってインパクトに欠けるかなぁ・・・。

「このセットの最初も音川の作りました曲です。なんて言う曲なんですか」「Blue Indigo」「Blueも青、Indigoも藍色、って色の意味ですよね?」「ブルースで、DのコードなんでBlues in D・・・」「最初からBlues in Dと言えばいいのに(それじゃ曲名にならないよ)。なんて、くやしいもんだからこういうことを言うんです、私も曲を書きたい!・・・・もう10年以上もやり続けていて、数少ないレパートリーの中からとっかえひっかえ曲をやっています・・・あ、次の曲は違った、音川の作りました新しい曲です、なんて言う曲ですか」「ナウ」ナウ、でいいんですって、演ります」

音川ソロから。こっちはすなおなブルースだよね。ノブ君手を止め音川森山デュオに。おお、音川さん吹きまくり、のけぞったところでピタ!と止め、ピアノソロに替わる。ドラムも止まり、グズラさんとノブ君のデュオに。今日はベースが良く聞こえてくるのですごい迫力だ、いい響き。音川ソロ、ドラムもすごいぞおおお、音川さんフレーズ出まくり。ドラムリムショット炸裂。この曲、「短い短い短い長い」のフレーズは森山さん完璧に覚えました、あと心配は最後のテーマに入る「ンタッタ」の入り口だけ。よ〜し、決まった!目の前舞台には、折れたスティックの先が転がっている、ひぇ〜。

メンバー紹介。グラティテュードだ。し〜〜〜ん、としている。息をするのもはばかられるような、静けさ。美しい。咳が出そうだが必死で我慢。音川さんのソロなし、う〜ん、残念だけれどケツカッチンの公共機関のホールでの演奏では仕方ないかも。ピアノの音、良くなった、違和感なし。よかった。一部のままだったら演奏どころじゃなかった。ライティングもさりげないが、イヤミや奇をてらうところがなくて好感が持てる。咳をするのは最後に森山さんが暴れまくるところまでなんとか我慢。

森山さん体を揺すっているが・・・んんんテンポが・・・?サンライズのはずだけれど?うん、そうだ。もうこの辺になってくると、安心感とスピード感とワクワク感がウレシイ。音川ソロ、わおかっこいい。森山さんノブ君を見つめて、目を見合わせてブレイク。グズラさんと音川さんのデュオ。あの、ベースがすごく良く聞こえた前々回(2000年9月)の北海道ツアー鷲別公民館でのライブを思い出した。あとでノブ君や音川さんと「望月さんのベースってあんなに音が出てるんだ」って感心して話し合ったんだった。細かく小手先でいっぱい弾く音じゃなくて、左手で弦を押さえる時の音、スライドさせる時の音なんかが一体になって、固まりで聞こえてくるの。そう、普段ももうすこしベースの音がクリアに聞こえる方がいいかも。森山さん合図してこんどはベースとピアノデュオに。森山さんが控えめにつけては退き、つけては退いて。重低音の和音ベースが迫ってくるよ。そしてトリオに。今日はもっとベースとピアノデュオを聴きたかったなぁ。ノブ君の音良く聞こえてくる。ノブ君のリズムに森山さんが合わせようとしている、森山さんが声をあげて音川さんにリフを入れさせる、おもしろいおもしろい。ああ、あまりに楽しくてノブソロの終わったところで拍手を入れ忘れた、ドラムソロ。頼むからロックリズムはいれないでね。渾身の力を込めてタムを叩いているが、動きがパターン化している、もう少しタムやシンバルを回すアクションが派手な方が受けるかも、なんてちょいとナマイキ?

「ありがとうございました!音川英二!望月英明!田中信正!」おお、もう9時だよ、ハッシャバイやったら終わりかな?そう、ハッシャバイ始まる。音川さん笑いながらノブ君のソロを聴いている。音川ソロ、サビで森山さん唄う。望月さんの写真を撮ろうと狙うが、音川さんの陰で結局撮れず。

「ありがとうございました!」とメンバー紹介。「今日は中津川市の方だけでなく、遠方からいらしてくださってます、京都、大阪、東京、名古屋・・・・また機会があればお会いしたいと思います。ありがとうございました!」

あ、グッドバイやってくれる。ノブ君不思議な弾き方、ピアノのペダルを踏んだり踏まなかったり?ノブ君の椅子がきしむ音までホールの中に響くくらい、静か。音川さんのサックスの金具がたてる音まで響いちゃう。ああ、切ないサウンド。涙が出る。

ふぅ。満足した。後半は音もよくなったし。皆さん、満足なさってくださったことでしょう。ほぉ〜。風邪で体力不足、ドラム片づけした後は打ち上げ参加できず夫に連れられて帰宅、ダウンでした。