井上森山セッション@横浜ドルフィー 1日目
(as多田誠司、ts・ss音川英二、ts井上淑彦、acc佐藤芳明、p田中信正、b坂井紅介、ds森山威男)

今日はセッティングのお手伝い、森山さんは5連戦の4戦めとあってお疲れもピークかと思いきや、叩いたことよりも睡眠不足が原因で絶不調。でもきっと叩き始めれば別人になるので、心配しながらも心配しないという矛盾した気持ちで開演を待つ。Okadatoがゲットしてくれたチケットのおかげで最前列。
ピアノはむかって一番左、ベース、ドラムと並んだ前に井上さん、音川さん、多田さん、佐藤君の4人が並んで立つ。や〜、豪華メンバーだなぁ〜。

19:45
Sound River, すごい音の厚みだ。音川tsソロから。森山さんの爆音、わ、多田さん森山さんの前で踊ってるみたいな足取り、うれしそう。音川ソロにかけ声をかけて。紅介さんもうれしそう。佐藤君も笑ってる。多田さんソロ。音川さん、例の白の紐シャツ。森山さん徐々にヒートアップ。井上さんのテナーソロ。今日はみんな普段の長さのソロをしたら、森山さん倒れてしまうわね。アコーディオンがバックをつける、いいサウンドだ。アコーディオンソロ、あ、ベースお休み?一生懸命で森山さんの手を見ながらソロをしている佐藤君。リフを入れノブソロへ。ノブ君一生懸命で森山さんを見て、かなり対決姿勢がありあり。合図して森山ソロへ。あ、音川多田のフロントの二人が座ってくれて、森山さんのソロが見やすくなった、ありがたい。佐藤君、うれしそうな顔で森山さんのソロを見ている。わあ〜、やっぱりすごい。拍手、Wow!と多田さん。この厚み、すごいなぁ〜。タムのロールで地響きがしている。


MCなく淑ちゃんのカウントでワルツ。ざああっというロールが入って
Waltz for forest、ああ、このメロディーラインが優しくていいわね。自然に快く体がスイングする。ノブソロ、ふわあっと気持ちよくなる。多田ソロ、割に長め。紅介さんのソロにバックでホーンセクションがつける。ベースソロ終わりに井上さん合図してテーマのリフを入れる。井上さんの吹くテーマ、サビのところからはアコーディオンで。このサウンドの変化がおもしろい。エンディング、わ〜、サウンドが厚い!めっちゃかっこいいわあ〜、でも最後にみんなで延ばしている音が妙に協和していて逆に変だわ。

「メンバーくらいは紹介しましょうかね・・・ピアノ、田中信正。ベース、坂井紅介。アコーディオン、佐藤・・・芳明。テナーサックス、井上淑彦。テナーサックス、音川英二。アルトサックス、・・・・・多田・・・誠司。」ああよかった、名前が出てきた。「しばらくぶりですもんねえ。ごぶさたしてます(と多田さんに向かって)。家の者もよろしく、って言ってました。え〜、音川さん井上さんがこの日のためにアレンジしてくれた曲で、非常にやり易い曲ばっかりです」「こっちはきついんです」と淑ちゃん。「あ、そうか(笑)。危ないところはドラムがブレイクして、サックスががんばる、と。だいたいアレンジがそうなっています。最初の曲は音川英二の曲で、二曲目が井上淑彦の曲でした。次の曲は何ですか?」Witch-tai-toっていう、Jim Pepperというサックス奏者の曲です」「ああぁ、有名な曲じゃない」淑ちゃんイヒヒと笑い、会場も爆笑。「白々しい、っていうんですよね。・・・アコーディオンの佐藤芳明をフィーチュアして演奏します」

初めて聴く曲だわ。アコーディオンが弾き始めるシンプルなアフリカ民謡みたいなメロディー。そうか、テーマのバックでも管が3人もいると、長い和音がつくんだ。不思議な感じの、温かい、ちょっとゆったりした曲。明るくて、少しノスタルジックな曲。ベースがすごくいい感じ。井上さん、ノブ君に向かって頷き、ノブ君ソロ。気持ちいい。佐藤君ソロ、この雰囲気がアコーディオンって楽器にぴったり。優しくて明るくて・・・なんて思っていたらだんだんヒートアップしてきたぞ、森山さんも!ああ、スゴイ展開、意外にも・・・いや、ただの明るくて優しい曲で終わるようなアレンジのはずがないか!佐藤君必死、蛇腹を引く力と鍵盤を押す力、見ているこっちも力が入る。佐藤君、淑ちゃんの方を見て、何か展開を、という懇願の視線?でも淑ちゃんは無反応、きっとわかっているのにわざとだな・・・次のコーラスになって、淑ちゃんが上を人差し指で指し、アタマの合図、ホーンのアンサンブルが入る。淑ちゃんが指を出して今度は3の合図。おお、すごくヒートアップしてきた佐藤君、出た、肘弾き! 3人のフロントに対抗しようと格闘している、あれ?また3の合図?これ、何の合図だろう。もう終わるのかと思ってもなかなか終わらない、どこまでやらせるんですか淑ちゃん、佐藤君必死だ。こっちも胸がドキドキしてくる、がんばれ佐藤君!合図でやっと終わりのテーマに入らせてもらい、ほぉ〜、とこっちも肩の力が脱ける。終わって、「ねえねえ、どうでした?」って感じの顔を井上さんに向かってする、かわいい〜。もう会場大拍手、手を挙げてそれに応える佐藤君。また拍手。

そのまま、息をもつかせずN.O.Wが始まる。ンタッタ、ンタッタとピアノから入り、アコーディオン、ベース、ドラムでの何度か聴いたことのあるイントロで、おなじみだけれど、テーマが始まると、3管のすごい厚みが!スピーディーでタイトな感じがこの曲も淑ちゃんにも良く合っている。音川さんソロ。森山さん、爆音、すごい!さすが音川さん、ドキドキしちゃうようなソロ。佐藤君のソロ、森山さんつけてばりばりに叩きまくり、アクションが二人ともすごい!ガッガッガッガと弾けばダンダンダンダンと森山さん。タダセイさん森山さんにリムショットで真後ろからあおられまくり。森山さんとデュオになった、多田さん真っ赤っかな顔になって吹きまくる。森山さん、さっきまで旅疲れと睡眠不足で半病人というより重症患者みたいになってたとは想像もつかないようなパワーで叩きまくる。フロントみんなを順番に叩きのめした後まだまだ暴れまくっているといった風情。もう信じられません・・・・・!!パカン!で全員が一丸となってテーマに突入、
メンバー紹介する声も裏返っているが・・・しばらく休憩します。

21:25にメンバー再登場。音川さんがカウントを出し始めた、あせって佐藤君が手っ甲をつけてアコーディオンを背負う、でも間に合いそうもないぞ!私の視線に気づいたか、カウントが止まって「佐藤君まだ?」森山さん「準備のカウントね」笑い。

何?なんか、不気味なサウンドのテーマ。ああ、この前音川バンドで聴いた曲だな、待っている間階段まで漏れ聞こえてきたリハの音からマユミちゃんに曲名を教えてもらった、12-12。アフロリズム、チェイスのようなメロディーライン。音川ソプラノソロ。譜面を見ながら首をかしげるタダセイさん。吹きまくりだが、進行がソロになると少し単調かも。バックでノブ君と淑ちゃんが合わせる。アコーディオンソロ、至上の愛のフレーズか?森山さんあおり始めたぞ。合図してリフを入れる井上さん。う〜ん、なんと言ったらいいのかこのサウンド。ウキュキュキュキュキュキュキュと弾く佐藤君にズダダダダダダダダと応える森山さん。あ、リフからテーマに戻った、ドラムソロないのね?

「今の曲は音川英二の作りました曲で、Twelve-Twelve。12対12。え〜、どういう意味なのか、12音階?」「みたいな」「みたいなもの?」フフフと笑う音川さん「そう聞いてもまだわからない」会場笑い。「難しい曲、だ・そうです」多田さん大笑い。「その通りです・・・え〜、こんどは易しい曲ですか?でも井上さんの曲なんですよね」「易しすぎます、さっきの曲に比べれば」森山さんBirth of Lifeまだ何かおっしゃるのかと思ったが、そのままノブ君が右手でイントロを弾き出す。きれいで優しくベースと静かに始まる。メロディーラインをそっとフロントが吹く、まだドラムは始動しない・・・さあ来るぞ来るぞ、どか〜ん!とアフロリズムが始まる。予測していたとはいえ、このど迫力!のけぞりそうだ。まあ〜、なんてぜいたくな。淑ちゃんソロ、4ビート。ソロを聴きながら頷く音川さん、声を上げる多田さん。う〜ん、シブイ、太い。紅介さんを凝視している佐藤君、そこでナニが起きているのかしら、見えないわ〜。ターターターという3拍フレーズ、ノブ君も森山さんも淑ちゃんにばっちり。あれ、これも至上の愛ですか?森山さん全く多田さんの陰で見えない、多田さんの胴体から腕が余分に生えてスティックが動いているみたいだ。音川ソロ。紅介さん両手で弦をバシバシ叩きまくる、森山さんもそれをみてつける。佐藤君大笑い。音川さんのタタタタタターのフレーズにドカドカドカドカーとあおる森山さん、紅介さんストップ。吹きまくり、あ〜、しかしこれ誰の曲だったっけ?まるで自分の曲のような自由自在のソロ。ソロが終わって、ドラムの前にしゃがむ音川さん、多田さんとお互いを指差し合って笑う。森山さん叩きまくりのソロ、スネアが良く鳴ってるなぁ。少しずつデクレッシェンド、ノブ君を見る。一瞬無音になり、そっとノブ君が弾き始める。佐藤君が口笛を吹く、というか吸うメロディーでつける。爆音のアフロが炸裂する、フロントのアンサンブル、かっこいいー。あ〜、かっこよすぎ、鳥肌ぞくぞく、涙が出そう、う〜。拍手拍手。

アコーディオンとアルトが楽器を降ろす。ベースの弾き始めるGratitude。ピアノとのデュオ、この静けさ。テーマ淑ちゃんが吹き、そっとそっと合わせる音川さん。この、出るかでないかのわずかなサウンド、この繊細さが胸を打つ。息をひそめて聴き入る客席。ベースソロ、ピアノとデュオ。マレットのタムロール。ピアノソロへ。森山さんブラシに持ち替える、美しすぎて気持ちが解放され、一瞬意識が遠のきそうになった、眠いというのではなく・・・。淑ちゃんのソロ、聞きたかったなぁ。テーマのバックで暴れ回る森山さん、多田さん腕組みしながら深く頷いている。また、ベースで締める。ふ〜。このダイナミズム!サウンドの大きさの大小だけでなく、一曲の中でもこれだけ曲想を変えられる振幅、懐の広さ・・脱帽です。

さあ、何が始まるのかな・・・・カウント、きゃあああ、Non checkだわ〜。あまりのかっこよさにぞぞぞぞぞぞ。この曲、いきなり、今日初見の人もいるはずなのにこのサウンド、よくまあこのアップテンポの曲を合わせられるものですねぇ。さあ、誰からソロを?アコーディオン、バックにベースとピアノ。森山さん楽しそうに聴いている。ドラムが戻りヒートアップ、フレーズの切れ目にドラムがビシバシつっこむ。必死の佐藤君、大きく傾いた腕がシンバルに当たる。音川さんに井上さんが何か耳打ち。フロント3人がフリーっぽいソロに突入、佐藤君びっくり、あっけにとられた顔をしたがすぐに乱入、全員でフリーソロか、すげ〜。あまりにも楽しくて、もう目が離せない。紅介さん手を休めたと思ったらうしろから両手のひらを上に向けて振り上げてはおろし、前のみんなをやれ〜やれ〜、とあおる仕草。森山さんもドカドカに叩きまくる、そしてブレイク、淑ちゃんの全くのソロ。誰もバックをつけていないが、インテンポのまま突っ走る、ああこのバックに流れている無音のみんなのサポート、って思ったら後ろの座席の人が膝の上の何かを叩いてテンポを取っている。あの・・・・このテンポ、みんな観客は自分で感じていて、足や手でリズムをとってはいるけれど、他人に音が聞こえるようなテンポを出しちゃ反則だよ・・。森山さんソロ、もうやけくそやけくそ。タン!と切って、一瞬無音に、ノブ君を見た瞬間にぱっと反応してテーマに入る。この絶妙な間、本当に一瞬なんだけれど緊張感の極地。足の裏までひりひりするような感覚・・・、ああ。

森山さん息絶え絶えで「井上淑彦!音川英二!多田誠司!田中信正!坂井紅介!佐藤芳明!・・・声がひっくり返ってしまいました」拍手、笑い。「今日はありがとうございました、あの、名アレンジャーの力を借りて、新しい試みを送ることができました、またきっと良い機会があるに違いありません。今日これだけやっておいたんで、明日の本番は・・・」大爆笑「森山威男!」と井上さん。アンコールの拍手。淑ちゃんの吹きはじめるハッシャバイ、バックの何もない「ターララ、ラーラ」だけで涙が出てきた。テーマが終わったところで音川さんノブ君を指差す、ソロを吹き始めようとした淑ちゃん、マウスピースをくわえようとして開けた口、「あ」のままで止まる(笑い)。ブレイク、ホンの一瞬長く、ノブ君ぎりぎりのタイミングで弾き始める。ノブソロ、もう安心してスイング。淑ちゃんのソロ、渋くて深い。音川ソロ、硬質のシャープなサウンド。音川さんのフレーズを引き継いで柔らかく吹き始める多田さんとソロが回っていく、もう今日のステージは終わってしまうのね、切ない気持ちと胸にわき上がる満足感にひたりながら佐藤君のソロを聴く。ベースソロ、森山ソロ、エンディングわかりやすく、テーマ16小節を井上さん、8小節多田さん、8小節音川さんと吹き分ける。
「佐藤芳明!多田誠司!音川英二!井上淑彦!田中信正!坂井紅介!・・・・モリヤマタケオでございます」爆笑、拍手、手を振って楽屋に消えるメンバー。ああ、楽しかったすごかった、もうみんなどう反応していいやら?しばらく無言状態が皆続く、そしてしばらくしてから「スゴイねぇー」「ほ〜」とあちこちから声があがっていく・・・。

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