2005根室ホットジャズクラブ40周年記念コンサート(音川英二・佐藤芳明・田中信正・望月英明)


根室中標津空港を降りると、昨夜のうちに札幌を出てきたOkadatoと、ホットジャズクラブのお二人がお出迎え。車でサーモンパークへ寄って昼ご飯。ウニいくら丼、氷頭(ひず・鮭の鼻の軟骨)ナマス、焼き鮭などをばりばり食べる。一番おいしかったのは焼き鮭かな〜。その後、大きな水槽ででっかい「イトウ」が悠々と泳いでいる様や、チョウザメが泳いでいるところを見学。小さな魚は即、食べられてしまうそうだ。ちょうど鮭の遡上時期、その模様が見学できるようになっている。水車で鮭が捕獲される様子も見させてもらう。ツアー中観光は普段できないのだけれど、しっかり観光客気分だ。
根室の会場についたら、結構いい時間になっていた。セッティング、リハ。しっかりリハにも時間をかける。森山さんがいくつか指示を出す。その通りにすぐ修正するメンバーたち。一旦ホテルに荷物を置いたら、もうすぐとんぼ返り。OkadatoはCD販売の準備、私はalaレポートアップの準備。


19:00ぴったりに開演のブザーが鳴り、BERONさんが舞台に登場、40周年の挨拶。メンバー登場、
Sound riverから。出だし、少しテンポが合っていないように聞こえたが・・。佐藤君の蛇腹にライトが当たってあっちこっちがぴかぴか光る。佐藤君ソロにはいるが音が出てない!?一瞬どうなることかとあせったが、4小節過ぎた頃からしっかりメロディーが聞こえてきた。ピアノの音が聞こえない・・・リハの時はあんなにしっかり聞こえていたのに?佐藤君熱演、会場から拍手。音川さんソロ、少しピアノが聞こえるようになったかな?誰かがフラッシュをたいて撮影しているいるわ。ベースよく聞こえるけれど、ピアノは全然。ミュージシャンのモニターには入ってるのかな?低めの音で吹きまくる音川さん、渋いわ。いいソロだけれどベースの音が大きすぎるようにも感じる。佐藤君がリズムパターンを入れてつける。ノブ君右足だけ靴を脱いでいる。わお、掛け合いがすごい。森山さん楽しそうだ。ノブ君との果たし合い状態が続く。ドラムソロ、スティックが飛ぶ、奇声をあげる、白いシャツが舞台で生える。長いソロ、スティックが弧を描いて美しい。エンディングが終わる前から大きな拍手!


「はー、はー」客席からくすくす笑いと、疲れたかな?という声が。「ありがとうございました。40周年なんていうと、私がジャズを始めてからちょうど40年。ずいぶん長くジャズの会が続いているんですね。もう何回来させて頂いているでしょうか」さっきBERONさんが10回め、とご報告して下さった。「今日初めての人もいるんですよね、オルガン・・じゃないよね、まちがえちゃった、アコーディオン佐藤芳明!」佐藤君頭を下げる。場内から拍手。「珍しいですよね、音楽大学でアコーディオン科ってあるんですか」「ないです」「ハープでさえあるのに。アコーディオンでジャズをやるっていう人は少ないですよね、競争が激しくなくて良いですね」会場笑い。「音楽大学にいるときに無性にアコーディオンがやりたくなって、フランスのジャズの巨匠に弟子入りしにいって、帰国してからはあろうことか森山威男グループに入ってくださって、ありがとうございます」佐藤君直立不動から頭を下げて「こちらこそでございます」「ピアノの田中さんも同じ大学なんですよね、ピアノ科ですか?」「いえ、作曲科です」「作曲科!作曲もなさるんですか・・・いい曲作りますよね(笑)でも今日一曲もやらなくてすみません、私に理解する能力がなくて。そのうちご披露する機会があると思います。この中で一番ジャズの演奏をしているのは田中さんじゃないですかね?1ヶ月30日のうち2/3くらいは演奏しているんじゃないですか?」田中さん頷く。「先月不注意から脚を折りまして、今日も不便なんですよね」「もう大丈夫です」「不幸中の幸い、ギプスも取れてここに来ることができました。ベースの望月さん、この人はずっと一緒でして、根室にも何度も来ています。寡黙な感じがするんですけれど終わると元気になるんです。根はストイックな感じがするんですが実は全然正反対、っていう人です。なぜこんなに森山さんは長く望月さんとグループをやっているのか、ってあるベーシストの人に聴かれたことがあるんです。『辞めてもらう理由がないから』って答えたんですが、望月さんは『辞める理由がないから』。そんなようなことで長く続いています。望月英明です。テナーサックス、ソプラノサックスは音川英二です。最近変わったことありました?」事情を知っている前列の人間とメンバーたちがくすくす笑って内輪ウケ。「様々な理由で、みんな独身なんですよ」会場ざわめく。「私は違いますけど、ね、音川さん(笑)曲作りがすばらしいんですよ。今日の一曲目はサウンド・リバー、です、まさに音・川、です。今日の曲では、何曲か彼の曲を演奏します。次の曲は、かつての私の良きパートナーだった板橋文夫の作りました曲、渡良瀬です」


会場内から拍手がわき起こる。ざああっ、というロールで始まる。音川さんがソプラノに持ち替える。テーマの途中にバリバリバリッ!という音が!佐藤君のアコーディオンの音を拾うマイクがどうも接触が悪いのか、音を立てるらしい。音川さんのソロ、森山さんのタムの回し打ち。何か情景が見えそうなんだけど・・・ノブ君と佐藤君が目を見交わして譲り合う?ノブ君ソロ。ノブ君ジャージみたいな服・・・ちょっと前までもっとおしゃれしてたのに、飽きたのかな。ゆったりしたフレーズ、佐藤君楽しそうにバッキングしている。グズラさんのベースがうなる。佐藤君ソロ、バリバリッという音がまた入る、演奏がいいだけに残念だわ。音川さんがメロディーラインをつける。そしてテーマに。う〜ん、しみじみいい曲だ。

佐藤君がケーブルをチェックする。森山さんがノブ君に向かって頷く、N.O.W.だ。ドラムの、タムの回し打ちが響きわたる。佐藤君のソロから、うん、いいぞ〜。どんどん行け〜!佐藤君森山さんの方を向いて弾きまくる、音川さん一歩退いて、アコーディオンとドラムの一騎打ち!いや〜すごいすごいバトル、もう大笑いして見てしまった。蛇腹もちぎれんばかりの大アクション、1コーラステーマを弾いてソロ終わり、アコーディオンを吊っている肩のところのベルトが切れそうだ、っていリハの時言っていたけれど大丈夫かな、って心配してしまう。音川さんのソロもすごいスピーディー。森山さん、汗が目に入ってしまって痛そうだ。すごい、音川さん音が太い!かっこいい〜、バッキングもみんなすごくいい。森山さんすごい形相で叩きまくっている。リフを入れて、ピアノソロに。突然ベースとピアノのデュオになった。グズラさんのベース、すごい!迫力!!佐藤君と音川さんがしゃがむ、よくベースの音が通ってぐんぐんうなる。森山さんがつけ始めて、ドラムソロに移る。メリハリの利いたドラミング、マーチングっぽいのもいれて、う〜ん、格好良すぎ!そしてテーマになだれ込む。音川さんがサックスを振り上げて、森山さんが高く腕を上げ、佐藤君がアコーディオンを抱え込んでエンディング。わ〜い、決まった〜!
メンバー紹介、
「ありがとうございました、しばらく休憩します!」でメンバー退場。

振り向くと、とてもたくさんの観客。200人くらいいそうだわ、これで根室で聴くのは4回目だけれど、一番の入りではないかしら。BERONさんにCD販売の紹介をして頂く。しまった、開演ブザーが鳴るかと思って根室ホットジャズクラブの長老、望月さんとロビーでお話ししていたら2部のスタートを聞き逃してしまった。入ったら佐藤君が舞台で1人でソロを熱演している・・・この前のalaの時のようにもしかして客席から登場したのかしら、ああ残念。ソロを聴きながらメンバーが登場し、ポジションに着く。森山さんがノブ君に合図してアリゲーターダンスが始まる。不協なメロディー、テンポもキーも全然合わない、不思議な世界だけれど、サビ前の「タタッタッター」から合わせる。う〜ん、板橋さんがこの演奏を聴いたらどんな顔をするだろう?音川さんのソプラノソロから。あ、森山さん2005ala森山ジャズナイトのTシャツだ。実は私も今日着てきてるんだもん!なんて、ちょっと嬉しかったりして。すごいスピーディーなソプラノソロ。森山さんのスピーディーさと相まってすごいサウンドだ。佐藤君のソロ、フレーズが短いパターンの繰り返し、モチーフにして展開していく。ノブ君も何だか幾何学的な感じのソロ。佐藤君笑いながら聴いている。テーマのフレーズを入れてソロ終わり。森山さん、短めのソロ、すごくきっちりした感じ。いいぞ〜!


「ありがとうございます。・・・この曲はもう30年も前になるんですよ!(と初めて気がついたように)板橋文夫が、最初に板橋とグループを作った時に書いてくれた曲なんです。いろいろまた昔のものを引っ張り出してきて、といってもそういくつもあるわけじゃないんですが。私はジャズミュージシャンとして、生涯10曲ぐらいをいつもとっかえひっかえしてやってるようなものです。曲目も新しいものを入れる必然性をあまり感じないんですね。中身でもって勝負でしているところをご覧いただいているというか、心地よい音楽を聴いて頂くのではなく、やり合う様を聴いて頂くということなので。さっきのピアノとベースのデュオなんて私は非常に面白く聴かせて頂きました、ねえ田中さん」会場から拍手。でも美しいメロディーも好きなんです。Gratitudeです」


口笛とアコーディオンのユニゾンで始まるイントロ。途中でノブ君に引き継ぎ、テーマは音川さんが吹く。佐藤君ソロ、アコーディオンという楽器でこんなに多彩な表現ができるんだ・・・すばらしい。いいなあ、美しいなあ。佐藤君のソロから、音川さんが目で合図してノブ君ソロへ。佐藤君と音川さんがバックをつける。ノブ君のソロきれいすぎ、のけぞってしまうほど。おお、音川さんソロだ。最近あまり音川さんこの曲ではソロしていなかったような気がするんだけれどな・・・フウ〜、太い音と渋くメロディアスなソロ、・・・音川さん、いいわあ〜。げー、バックではまたすごい暴れっぷりの森山さん、終わりのテーマ、そして最後はそっとまた口笛とアコーディオンの音で。さっきまでのあの激しい音の洪水のような曲と、こんなに研ぎ澄まされた美しい曲と、同じメンバーがぱっと切り替えて出せるんだものね、本当にプロだなあと感心する。


森山さん、ノブ君にフェイントをかける。
サンライズ!!音川ソロから。う〜ん、もっともっともっと聴きたいのに、どんどん終わりに近づいていくのが切ないよ〜。ああ、もう言葉がない。ノブ君、佐藤君がソロするのかな?って顔をしてみているけれど、森山さんはノブ君の方を見ている。佐藤君、ノブ君と森山さんのやりとりが見えるように座るが、ハウリングが起きてしまいまた立つ。さて、何か仕掛けるかな?グズラさんのベースがよく鳴っている。森山さん楽しそう、かけ声をかけながらにこにこ笑って、ノブ君も弾きまくり。森山さんの表情がしかめ面になったりしてくるくる変わる。やれ〜やれやれ〜!アコーディオンとベースのデュオだ!ベースがつけたり退いたりを繰り返す。Okadato〜、目つぶって聴いてるけど見てないともったいないよ、佐藤君のアクション、すごく見応え聴き応え!みんなでバックをつけて入る。来た〜、もう迫力叩きまくりのドラムソロ、正確なショットが決まりまくりでかっこいい!最後のテーマ、エンディング、もうみんなかっこいい、みんな愛してるわ〜!!


「音川英二!佐藤芳明!田中信正!望月英明!ありがとうございました!」
Hush-a-bye。音川さんが吹き始め、拍手!!サビは佐藤君。アコーディオンソロから。心地よいテンポにスイングし、気持ちよく浸れる。音川さんソロ、すごくメロディアス、すばらしい。ノブソロ、何だ今のフレーズ?佐藤君と音川さんが目を見交わして笑う。森山さんがちょっとちょっかいを出す。ベースソロ、さびで音川さんが小さくつける、森山さんも歌う。エンディング、サックスのメロディーに佐藤君がからむ。


「ありがとうございます」拍手。「40周年おめでとうございます。今まで何回も来させて頂きましたが、来年も、また再来年も来られたらいいなと思っています。こうやって長く音楽を続けるのには、いい友を持つことが絶対条件だと思います。今日のような仲間がこのように集まって、楽しく語らうことができて嬉しく思っています。私の住む岐阜県の可児市のalaという会場では毎年コンサートを開いてくれるんですが、楽しいイベントになっています。私の85才になる母親を山梨まで迎えに行って聴いてもらったんですが、『お前はいい友に恵まれてよかったね』と言っていました。『お前はそれで仕事は何をやっているの?』(これ何度聞いてもおかしい)これからも長くいい友でいていただきたいと思います。望月英明!田中信正!佐藤芳明!音川英二!ありがとうございました!」


Okadatoはもう浸る準備に入っている。ノブ君のソロで
グッドバイが始まる。ああ、すばらしい。いろいろなきらめきが見える、美しいイントロ。音川さんがテーマのサビからメロディーを吹き出す、すると客席から拍手が、ちょっと違うんだけどなぁ。佐藤君のソロ、バリバリっという音が!残念だなぁ。ブラシで叩きまくる森山さん。エンディング、私も浸ってしまった、ふう〜。終わってしまうと本当になんと短いこと。OkadatoはCD販売の準備にすっとんで行く。


N藤さんと、「何度聞いても、どうしてこう感動するんでしょう」と語らう。本当に、毎回感動をありがとうございます。どこまで遠くまで出かけて行って聴いても、その価値があるというものです。明日は東京で発表をしないといけない、釧路で聴けないのが残念だ。


打ち上げの様子、サンマの刺身に花咲蟹!

1日目札幌へ 4日目室蘭へ