2005年北海道ツアー 札幌ジッピーホール(音川英二・佐藤芳明・田中信正・望月英明)


中部国際空港に着いた時点で財布の中に1000円しかないのに気づいたが、ATMを探すヒマがなく、千歳空港ではるかかなたのATMでお金を下ろす、札幌駅についてホテルに向かって歩いているときにはたと気付いた、「明日の飛行機の予約がしてない!」もし満席だったら、深夜バスでOkadatoと一緒に根室まで移動しなくちゃ!あわててホテルにチェックインしてからネットでチケットを押さえる、ああ気付いてよかった。ゆっくり時間があるはずがぎりぎりだ、タクシーでジッピーホールへ急ぐ、ほぼ7時に到着。店の外、階段の所にメンバー勢揃い、「待ってたんだよ」冗談でもありがたいお言葉です。佐藤君は壁に向かって精神統一のヨガ。ノブ君も隣でちょっと型をなぞるが、真剣みが違うな。最前列に確保して下さってあった席に着く、周りの顔をみるとN藤ご夫妻、Awkwardさん、Kasumiさんと「ここはピットインか?」という面子。今日はスケジュール表を作ってこなかったが、「本日はホール内禁煙」と貼り紙がしてある、ありがたい。

19:07スタート、アフロリズムから、Sound river。今日は思い思いの恰好だね、ノブ君迷彩色のだぶっとしたズボン、また服の趣味が変わった?すっかりクインテットが定着している。佐藤君この前のアーラの時のシャツかな、パンツは膝当て付きみたい。佐藤君のソロ盛り上がる、手も肘も、しかめっ面した顔で口も脚も動きまくり、合図して音川ソロへ、4ビートに切り替わる。あれ、サックス変えた?森山さんの叩きまくり、わ〜、すごい!望月さんあおるあおる、すごいぞ!森山さんと佐藤君が目を見交わして合わせてつける。ぐゎ〜、かっこいい〜、足の先から毛が逆立ってきた。ノブ君ソロピアノの音がこもってしまって今ひとつよく聞こえない。ベースの音の方がずっとよく聞こえる。フロント二人が座る、ノブ君と森山さんのバトル、視覚的にはすごいが音があまりよく聞こえなくて残念。ノブ君の上下する頭と森山さんの振り下ろす右腕の動きがシンクロしている。すげードラムソロ、うひ〜。頭の毛が逆立っちゃう、すごすぎ!長いソロ、パカン!でテーマに戻る。


「ありがとうございます、は〜・・・」場内から笑いが。「一曲終わると10くらい若返ったような気がします。メンバー紹介します、ピアノ田中信正。アコーディオン佐藤芳明。テナーサックスソプラノサックス音川英二。ベース、望月英明です。この前にこのグループでやった仕事は私の住んでる可児市というところで、このメンバーに井上淑彦、本多俊之、向井滋春の3人が加わって演奏したんです。曲目は、人が変わっても同じ曲でかわりばえしないんですけれど、アレンジをうまくやってくれたおかげで聴き映えがしましたね(笑)。佐藤さんは皆さん初めてですよね。珍しいですよね、アコーディオンって楽器自体が少ない上にジャズをやろうって人はあんまりいないんじゃないですか」佐藤君考えて「いない・・こともないです」「ほお、あなたほど有名じゃない」「そんなことボク一言も言ってませんよ!」爆笑、佐藤君「よろしくお願いします」と頭を下げる。「今日は楽しんでやろうと思っています。一曲目はサウンド・リバー、音川英二の作りました曲です。次の曲は板橋文夫の作りました曲で川つながり、渡良瀬川です」渡良瀬川って、そりゃ森高*里の曲じゃないかい?あ、あれは渡良瀬橋か。

森山さんが合図をしてスティックを振り下ろす、ガーンガーンガーン、とワルツのリズム、ベースがつけてトリオで始まる。音川さんのソプラノソロ。よどみなく出てくるフレーズに心奪われているうちに終わってしまった。サックスを振り上げてノブ君にソロを渡す。ピアノを覗き込むようにして伴奏している佐藤君、サックスを抱えて目をつぶり身体を揺らしている音川さん。佐藤君ソロ、見ているだけでも楽しい、音川さんがつけ、サビからテーマに戻る。ああ、ゆったりした気分になって浸れたわ〜、メモ取らずに聴き入っちゃったわ〜、幸せだわ〜。森山さんがノブ君に合図を出し、「ンタッタ、ンタッタ」とN.O.W.が始まる。ノブ君の弾き始めたフレーズを聴いて佐藤君がにやっと笑う。スピーディーなソロ、森山さん楽しそうな笑顔。フロント二人の表情を見ているだけで、十分楽しんでいるのがわかり、こちらも楽しくなってくる。やっぱりやってる本人たちが楽しくなくちゃね。ノブ君のソロが終わって音川さんが佐藤君に振る。おっ、アコーディオンとドラムのデュオになった、まずお互いの様子伺いから、アコーディオン小刻み揺らし攻撃でジャブを佐藤君からかます、森山さん余裕で受けて立つ、ハードパンチの応酬、ああ、あまりにも楽しくてヨダレが出てきた。音川ソロカルテットで疾走、浮遊して空を飛んでいるみたい、佐藤君がつける、森山さん地響きのようなドラミング。こんなに叩いていいのぉ〜?最近、ドラムソロ以前に比べて長いよ!全員でテーマ、決まった!
「音川英二!佐藤芳明!田中信正!望月英明!ありがとうございました、少し休憩します!」
観客のみんなため息をついている。

アラ?不思議な音階のアコーディオン弾きまくりソロ。んんん?Witch-tai-toではないだろうし、おもしろい、不況っぽい和音とフレーズを弾き続けている。森山さんがノブ君を見て合図、テンポを出す。「ガーン、ガーンガーン」とアリゲーターダンスのリズムが始まる、何人かこの曲を知っている人がいるのだろう、歓声が上がる。音川さんがメロディーを吹きだしても佐藤君は引き続け、サビになって合わせる。そうか、こういう趣向か。音川さんはマイクの先を見つめつつ吹きまくる。視界の端に入る人が妙な拍数でリズムを取っているのが気になる・・・。Softlyのフレーズがもろにはいる。テーマのフレーズを入れ、ピアノソロへ。少しピアノの音がよく聞こえるようになった。佐藤君ソロ、あれ、これ何のフレーズ?片脚あげてバランスを取って膝下がスイングする。う〜ん、楽しい。ドラムソロ、どれだけ叩いても崩れない、すごいなぁ、脱帽です。合図してテーマに戻る。
ノブ君と佐藤君がお見合いして笑っている、さて次の曲はどう入るか?佐藤君の口笛、
Gratitudeのイントロ。アコーディオンの音とぴったりユニゾン、これ、難しいだろうなあ。望月さんが弦を指で押さえたり離したりしてかすかな音をつける。テーマ、音川さんがテナーで。いい音だなぁ。佐藤君のソロ、ちょっと哀愁を帯びて。ノブ君ソロ、鼻の奥がつ〜んとしてきた。森山さんのブラシが情景を作り出す。音川ソロ、迷いがなくストレートなソロ・・・に聞こえた。そのままテーマに。ブラシで叩きまくる森山さん。エンディング、ああステキだなぁ。誰かが鼻をすする音がする。


パカン!と
サンライズが始まる。拍手が会場から湧き起こる。音川ソロから。何と心地よい、思わず目をつぶってスイングしてしまう。グズラさんの存在感。この一体となった音、なんとすばらしい。吹きまくりの音川さん、ああ北海道に来て良かった。アコーディオンソロ、もう頭から盛り上がる、森山さん楽しそう。膝蹴りが出た、ノブ君も楽しそう、会場盛り上がる、大歓声。森山さんトーンを落としておちゃらけドラム、笑っている音川さんと目が合った。グズラさんとノブ君のデュオ、森山さんが入ってブラシで暴れまくる。森山さん、ノブ君と目と目を見合わせてバシッ!とブレイク、しかしグズラさんは黙々と一人でベースを弾き続ける、「これが俺の仕事だ」って雰囲気。笑って森山さんノブ君とやりとりを続ける。森山さんスティックに持ち替える、暴れまくり、ぱっと合図して音川さんと佐藤君にリフを入れさせ、ノブ君のソロ終了。ドラムソロ、迫力がありながら「丁寧に」叩いているな、っていう感じがする。あれ、ハイハットが傾いている・・・いかにも踏みにくそうだ。気になって仕方ない。森山さんが踏みにくかったらご自分で直されるとは思うのだけれど。奥の脚、こっちから見ると手前の方が浮いている、気になる・・・。迫力のテーマ、もうかっこいいわぁ〜!


「ありがとうございます。このところ、日頃の努力不足がたたって、演奏直前になって「スティックってどう持つんだったっけ?」なんて思ったりします。ジャズという音楽をするには日々これ精進で毎日毎日練習をして、・・・どうもそういう気になれなくて。練習なんて考えても見ないんです。ちょっと不安になったりして。終わってみるとああうまくできたな、なんて思ったりするんですけれど、別に不真面目にやっているわけじゃないんですけれど。やるときはやりますよ!やらんときはやりません」爆笑。「終わってしまうと何か少し寂しい気がしてしまって。でも今日は初日ですからね。明日はすばらしいですよ、今日これだけリハーサルをやってるんですから。根室までいらっしゃいますか?田中信正!佐藤芳明!音川英二!望月英明!」

音川さんに合図を出してハッシャバイが始まる。ハイハットがますます傾いてきた・・・心配だ。出ていって直そうかどうか迷ってしまう。音川さんソロ、いいな・・・と浸ろうと思ったら、手拍子を打っている人がいる。それが2拍4拍(ウラ)ではなく、1拍3拍(オモテ)にずれたり、また戻ったり、まったくテンポに合っていなくてどういうカウントをしているのか、非常に聴きづらく気になって仕方がない。ハイハットの傾きも気になるし、まったく曲に集中できない。たとえカウントが合っていたとしても、基本的にはミュージシャンの出す音以外はライブ中に聴きたくないのである。どういう順番でソロをとったかもメモしてないくらい、演奏を聴くことができず・・・。グズラさんソロ。ドラムソロをするかどうか?という感じで音川さんが振り返ったが、そのままテーマに戻る。サビは佐藤君が弾く。


拍手が鳴りやむ前にもう森山さんはノブ君をスティックで指す。
グッドバイ、イントロたいそう美しい。童謡っぽかったり、教会音楽風だったり、現代音楽風だったり、もういろいろな輝きを放つ。ふ〜。もうじっくり聴かせて頂きました・・・メンバー紹介して「ありがとうございました!」で退場。
あや〜、拍手が鳴り止まないよ。最後の2曲がアンコールなのだけれど、観客のみんな、もっと聴きたい気持ちで一杯なのだろうな。森山さんが出てこられた。


「少し新しい曲でもやろうか、なんていって少し練習したんですが、練習をお聴かせするのも何だし、このツアー中挑戦して、来年お目にかかるときになんぼでもアンコールをさせていただきます。ありがとうございました!」

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