2005年9月3日 新宿ピットイン (tb向井滋春 ts音川英二 p田中信正 b望月英明)

昼間はウェブ制作ソフトの更新に時間がかかった上失敗し、ものすごく時間を食って損した気分。クリコちゃんと夕方レバノン料理をたらふく食べて、ピットインに到着。今日は最前列一番端の森山さん側。さあて、と始まる前にトイレに行ったら、拍手が聞こえてきて、わ〜始まっちゃう!と慌てて席につく。

19:55、うん、このアフロはExchangeか?やっぱりそうだ。今日は森山さんの真ん前、白いシャツ。グズラさんは去年のalaの黒Tシャツ。向井さんはちょっとだぶっとしたベージュのシャツ。書くのはちょっとためらったが、いつもダンディーに決めてぴしっとしている向井さんなのに、ちょっとヘアスタイルも無防備で、お疲れかも?って感じで少し心配。音川さんのフレーズが絶え間なく繰り出される。向井さんも頷きながら訊いている。音川さんサックスを振り上げて向井ソロへ。トロンボーンのハンドピースが行ったり来たり、クリコちゃんのビールやテーブルに置いてあるH条さんのマイクを直撃しそうで心配・・・クリコちゃんがビールを下げる。音川さんはサックスを抱きかかえて目をつぶって頷きながら聴いている。ノブソロ、今日はよく聞こえるな。森山さんはノブ君を見てたたきまくり、ノブ君は必死の形相。ドシャメシャに叩く森山さん、ノブ君の応戦。リフにはいるところ、少し合わないか・・・でも森山さんがフロントにつけてなんとかつじつまが合う。ドラムソロ、なんとパワフルな。凄くタイトでしまった感じ。う〜、シンバルが大きく揺れる。エンディングのフロント二人のハーモニーがすばらしい。


終わったところで凄い歓声、口笛、拍手!
「トロンボーン向井滋春!久しぶりですねぇ・・・何年ぶりでしょうか?」向井さんが考える。「僕がまだジャズを始めた頃だから」向井さんが「よく言うよ」爆笑。
「テナーサックス、ソプラノサックス音川英二。ベース、望月英明、ピアノ田中信正。今日も知ってる曲ばかりです、私が知ってる曲ということなんですけれど。今日はマウスピースを入れてましてね、思い切り叩いても舌をかまないようにと。でもしゃべりづらくて・・・聞きづらいでしょ?」といって半分口から出そうとする、「あ、見たくないですよね。新しいものがあると人に見せたくなってしまって。舌ガンの手術を受けた後も、お見舞いに来る人にあ〜って大きな口を開けて来る人来る人に見せて」拝見しました。「家族からは大不評で怒られました・・・・ね、田中さん」また振る。


じゃあ次の曲は、あ、これだこれだ・・・テンポを森山さんが「ん、ん」と出す。
アリゲーターダンスだ。テーマのバックのドラミングが少しずれた、と思って森山さんを見たら目があってにやっと笑った。トロンボーンのソロ、アクション大きい、森山さんはバックで叫んでいる。ソプラノソロで吹きまくる音川さん、ノンブレスのフレーズ。森山さんが歌う、向井さんが笑いながら見つめている。ノブ君細かい音のフレーズが並ぶ、森山さん楽しそう、グズラさん黙々と。ノブ君のバックで森山さんコミカルなおちゃらけドラミング、大きく左右に素早く両腕を動かしてスティックを飛ばす。ソロでは縦横無尽に叩いているようだが、シンバルは「ダーンダーンダーン」のリズムがずっと基盤に鳴っている。


「始まる前に向井さん言いましたよね、力を抜いて軽くやろう、って」爆笑。「いつまで経っても気が若いね」「板橋文夫も同じ事言ってましたよ、今日はクールにやろうって」「敵を欺く行為ですね。今度はたっぷり向井さんに聴かせてもらいましょう、中年男の哀愁を」ノブ君に向かって合図、「どうぞ」


ノブ君が弾き始める
Gratitudeのイントロ。向井さんのソロストレートに、シンプルにサウンドが伝わってくる。ノブ君に向かって頷く音川さん、ノブ君のソロへ。ああ、引き込まれていく。音川さんがバックにつける。うっとりとゆったりとした気分になれる。ちょっとテンポが遅め?森山さんの暴れまくりは一段と凄い。


お、
N.O.W.だ。森山さんテーマがちょっと怪しかった、また目が合ってしまった。トロンボーンがテーマにはいるとまたサウンドが面白い。スピーディーな音川さんソロ、吹いている音川さんの頬に少し影ができる。森山さんのリムショットが冴え渡る。向井さんのソロのフレーズに反応してしっかり合わせてリズムをつける森山さん。向井さん、本当によくまあこんなアップテンポの曲でフレーズが吹けるものよ・・・・。ノブ君が森山さんを見てソロに入る。森山さん少し手を止め挑発したりして。グズラさんがどうしようかという顔をしていたが、ぴたりと手を止めた。ノブ君と森山さんのデュオバトル、またコミカルなドラミングを挟む。ドラムソロでタムの回し打ち、バスドラの地響きが鳴り響く。ぱっと手を止めてソロ終了、テーマになだれ込む。
「音川英二!向井滋春!望月英明!田中信正!しばらく休憩します!」

またじゃんけん大会だ。Awkwardさんはいいところまで行くが、準決勝敗退。ドラムヘッドは福島、スティックは秋田の方(だったと思う)がゲット。


21:20、タンッタタッタとドラムがリズムを始め、
Sound Riverが始まる。なかなか良いアンサンブル。音川さんがノブ君を見てソロに。ピアノの音が昨日と違ってちょっと大きいか、少し割れ気味。アフロリズムのまま向井ソロに突入。トロンボーンのベルの中にマイクが入り、凄い響き、サウンドが床にまで伝わり足の裏やお尻に響いてくる。ノブ君苦しそうな顔でバッキング。音川ソロ、今日は珍しく4ビートに変わらずずっとアフロのままだ。げ、ベースのフリーソロ!こんなの初めてじゃない?重低音の和音、すごい存在感、おもしろい。渋くていいじゃない!森山さんが合図してノブ君に入れさせ、ノブソロを。スピーディーにスイングする。森山さん叩きまくり音川さんがつけ、だんだんヒートアップ。向井さんが譜面台の譜面を取り、ベルに当てたり離したりして音に変化をつけ破裂音のようにする。一気にバンド全体の緊張感が増す。全員がソロを取っているかのような感じ!凄い緊迫感!!音川さんが振りかざしてテーマに戻る、一気になだれ込む感じで濃密なサウンド、おおすごい。


一息ついて、森山さんがノブ君に
「どうぞ」ピアノのイントロでワタラセ。逆立っていた髪の毛がふっと元に戻っていく。ゆったりとして、トロンボーンの音がこの曲によく似合う。ソプラノのソロ、ああ心地よい。うっとりとしてしまう。フレージングも優しく、今日は本当にたっぷりとゆったりとソロが聴ける、堪能。ノブソロ、心が洗われるようだわ。


タタン!で
サンライズへ。音川さんの膝蹴りが入る。正攻法のストレートなソロ。森山さんシャツが汗でびしょぬれ、早く着替えさせてあげたい・・・。おお音川さんの音太い。バックで頭から森山さんがリフをノブ君とつける。向井さんソロ、おや、ドラムとデュオになったぞ、デュオで延々と!すごいわ。リフを入れたらそのままドラムソロになってしまった、あれ、ノブソロがない!ノブ君どうしようかなという顔をしていたけれど、手を止める。何て無駄のないスティック捌きなんでしょう。ちょっと変則的なリフをみんなに入れさせる。
「ありがとうございました、向井滋春!音川英二!田中信正!望月英明!」拍手、歓声。
「まだまだやれそう」という森山さんの言葉を聞いて向井さんが「がくっ」と膝を折る。「何で?楽しいじゃない」もう、まだまだやれるって感じ、すごいなぁ。「何年か前に亡くなった親父が『そんなに叩かなければ飯が食えないのか』って言いましたけど」爆笑「そんなわけじゃないんですが。・・・泣き言言わずにやりまひょ〜」


ハッシャバイが始まる。音川さんがテーマを吹き始める。サビの所は向井さん、メロディーがアドリブ風というかフェイク風というか。テーマが終わったところでブレイク、さて誰がソロを?ノブ君が弾き始めたところで向井さんが吹き始め、お互いどっちがどっちという感じで出たりとまったり、ありゃグズラさんまで止まってしまった・・・大丈夫?で結局向井さんのソロから、こういう曲だとソロがまた一段と冴えますね。ノブソロ軽快に。フレージングがめちゃくちゃ面白い、一体何ぞや?爆走していろんなフレーズが飛び出す、すごくいろんな多彩なメロディーがどんどん出てくる、引き出しの中から次から次へと思ってもみないようなおもちゃが出てくるみたい。音川さんも向井さんと顔を見合わせて笑っている。音川ソロ、う〜ん、軽やかに、しかしパワフルに。グズラさんソロ。1コーラスで音川さん森山さんの方を見て確認してテーマに戻る。サビは向井さんが、テーマの終わりは音川さんが。さあエンディングのドラミングと思ったら、あれれ?森山さんがまた一人で延々叩いている!どうするつもり?ドラムソロになってしまった・・・何でだろう、叩き足りないのかな?タタン、タン!と切って、おや、もう一回テーマだ。


「ありがとうございました!音川英二!田中信正!望月英明!向井滋春!ありがとうございました!終わりたくなかったけれど、とうとう終わりが来てしまいました。明日のために今日は5杯でやめておきます。明日またお会いしましょう。私も必ず参ります」でメンバーが退場したが、拍手が鳴りやまない。どうなるものか・・・と思っていたが、再度カルテットの登場。森山さん、ものすごいテンポの指示、何が始まるの?ノブ君大笑いしてのけぞりながらそっとグッドバイのイントロを弾き出す。マレットからブラシに持ち替えて。う〜ん、自分もメモ書きで周りの人に迷惑をかけているかもしれないので書こうかどうか迷ったけれど、アンコールになって、隣にカメラを持った人が出てきて気になって仕方ない。だんだん前ににじり出てきて、置いたバッグが私の足下にあり、脚を組み直したら踏んでしまいそうだ。カメラを持ち替えたり、構え直したりする。シャッター音も気になるし。目をつぶって聴き入ろうとしたけれど、目を閉じるのももったいない、片目を開けてステージを見ているが・・・ちょっと集中できない幕切れだった。私も気をつけよう。

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