森山威男公認HPライブレポートNo.119

お昼に森山さんとOkadatoと名古屋空港で待ち合わせ(本当は前日の池袋でのTORIONを聴いてそのまま新潟入りのつもりだったので、私が空港にいると思わなかったお二人と森山さんの奥様はびっくり!まちあわせというより待ち伏せ)、かわいい飛行機で新潟へ向かう。前日までの学会疲れで、気がついたら既に飛行機は空中、富士山やアルプスがきれいに見えたが後は爆睡。空港へお迎えに来てくださったマスターとベーシストの内科ドクターの車でジャズフラッシュへ。車の中でできたて笹団子をいただく、ふだんあまり甘いものは食べないのだがとてもおいしかった。着いてまず、ドラムセッティング。森山さんはその後ホテルへ行かれたが、私とオカダトはジャズフラッシュに居残る。電源を借りてパソコンでこの前までの板橋3連戦のレポートを書きまくる。夕方にまずグズラさん、佐藤君、それから音川さんとノブ君登場。午後5時からリハーサル。リハから同席することはいつもは避けているのだが、今日はホテルも取っていないし行き先もなく、ちょっと申し訳ないがリハから聴かせていただく。新曲の練習、意外だったが森山さんは決して感覚だけでなく曲を頭で理解してから叩くドラマーなのであった。繰り返して練習、そしてこのバンドらしいサウンドができあがっていく。

19:35スタート。佐藤君の新曲、Catch up with himから、アップテンポのかっこいい曲。テーマ、キメの切るところばっちり合って、Okadatoとほっと胸をなでおろす。森山さんを見たら、にやっと笑って目が合った。佐藤君のソロから。カラフルな縦のストライプのシャツ。なんか、靴が音川さんとお揃いみたい。暗くて写真がうまくとれず。左手が柱に当たらないか心配。ああ、たのしい。音川ソロへ。しかしこの店はステージの奥行きが広いなあ〜。ステージと客席が同じくらいあるんじゃないかしら?グズラさんがすごく遠くに見える。ノブ君が鍵盤を連打。音川さんのキュキュキュー、のタイミングとリムショットがばっちり合って、すごくスリリングな演奏。うひ〜、かっこいい!ゾクゾクゾクッ!森山さんハイハットをバシバシ踏んでノブ君をあおる。ノブ君細かい音符がキラキラ並ぶ。ノブ君の手の動きに合わせて森山さんがアフロリズムを入れる。森山さん楽しそうだ。ノブ君の足許にあるキノコ型のライトが、ノブ君の足踏みと同じタイミングでついたり消えたり、ついに消えてしまった。ノブソロからどうやって戻るんだろうってくらい白熱している。ドラムソロ、う〜、先週いっぱい叩いたおかげか腕は完全にこなれてますね。うんうん、最後のテーマもばっちり、あれだけリハで苦労したのが嘘のように決まった〜、ほっ。

「ありがとうございます、テナーサックス音川英二。アコーディオン佐藤芳明。ピアノ田中信正。ベース望月英明。え〜、前にも似たようなグループで来させていただいたんですが、あれは音川英二バンド、でした。今日は佐藤芳明バンドです」(笑)佐藤君が「ありがとうございます」と頭を下げる。「おめでとう」と客席から。「実を言いますとね、裏話を言うと大変だったんですよ」佐藤君は何を言いだすの?って警戒した顔をしている。「本番では自分なりに決まったと思うんですが、佐藤芳明の作ってくれた最初の今の曲は、ええと・・・・」と曲名が出てこない。「キャッチ・ザ・・・・あ?名前なんでしたっけ」「キャッチアップ」と音川さんが助け舟。「Catch up with himというタイトルをつけました」と佐藤君が答える。「春よ、来い」爆笑。「というタイトルらしいです。本当にうまく奇跡的に合いました。練習のときは何度やってもあわなかったんですけれど。皆さんのおかげです。どうもありがとうございます」と頭を下げる森山さん。「え〜、今日はそういうわけで、佐藤芳明デー。あとからスローの曲もご披露いたします。次の曲は、もうレコードにも入ってるんですよね、Hole in the world。そうですね?」音川さん「そうです」「訳すと?」音川さん「世界の穴、です」笑い。「やまのあな、ってのは落語で出てきたのを聞いたことがあるんですが。世界の穴。やります」

ワルツのような感じだけれど、3-3-2のリズムで結局8拍で2小節になっている、ゆったりした流れの曲。ノブ君のソロが8小節入ってまたテーマが続く。音川さんソロから佐藤君のソロに。タイミング、バランスをとるのが大変な楽器だなあ〜。あれ、isn't she lovely のようなメロディーが出た。だんだんヒートアップしてきて、佐藤君の右足が空中をスイングしている。のけぞって弾く佐藤君、腹筋も背筋も要るだろうな〜。爆裂状態だけれどこの曲だともうすこし抑えめのソロでもいいかも。ノブ君、何だ今のフレーズ、音川さんと佐藤君が大笑いしている。短めのソロでテーマに戻る。サックスを振り上げてエンディングへ。

ふ〜、2曲でもう30分以上演奏してるよ?音川さんが譜面台を低くしてくれたのでステージが見えやすくなった、ありがたい。ノブ君が弾き始める。う?このバラードはなんていう曲だろう。サビは佐藤君。セピア色がかかった写真のような、なんだか懐かしい感じの曲。すてきな音川ソロ。ふうっと心が軽くなる感じ。ノブ君とグズラさんのデュオ、聴きごたえがある。グズラさんのサウンドが力強く感じる。ノブ君ソロのエンディング、「どうするの?」って顔で佐藤君を見る。佐藤くんが合図してテーマに戻る。この曲は初めての曲だ。あとで聞いたら、佐藤君の作った曲でまだタイトルもついていないとのこと。

おっ、NOWだ。このバンドのメンバーが作った曲が増えるのはいいことだ。縦縞のシャツを佐藤君が脱いだらこんどは横縞のシャツ。おかしいの・・・。ノブソロ。森山さん笑いながらノブ君をあおる。今のはなに、「メリーさんのひつじ?」ぱっとノブ君は音川さんを見てリフをいれてもらう。佐藤君ソロへ、佐藤君一歩前へ出て弾き始める、出た前腕弾き、足踏み。蛇腹の風が直接当たるような気がするくらいの迫力。おお、ピックアップマイク大丈夫かしら?音川ソロ、う〜ん、太い音が直接ばりばり出てくる、すごいや。森山さんもすてき〜。グズラさんぐいぐいと。音川さんソロ、うは〜、サックスとトリオでの4人大爆走、あれ?佐藤君参加しないの?ドラムソロ、本当に一人で出してる音じゃないよね、一人なら腕も脚も4本ずつありそう。ドラムソロもすばらしくて、すごいフィルイン。ぱっと止まって。腕を振り上げたら即テーマ。エンディングもばっちり。

「テナーサックス、音川英二。アコーディオン佐藤芳明。ピアノ田中信正。ベース、望月英明。しばらく休憩します」

短い休憩の後、ステージにメンバーが登場。さて、何の曲?という感じ・・・森山さんが「どんな曲だったっけ?」という感じで音川さんに聞く。音川さんが吹き始め、アップテンポの911が始まる。佐藤ソロから、いやはやなんともよくこんなに弾きまくれるね。音川ソロのバックで森山さんのタイトなスティックワーク、もう何とも形容できない。音川さんも疾走する。思わず口をぽかんと開けて見とれてしまう、息をするのも忘れてしまいそうだ。ノブソロはドラムとのデュオから始まる。そういえばこの前「世界で一番難しいピアノ曲」というのをロシアの女性ピアニストが弾いているのをテレビで見たが、ノブ君のことを思い出してしまった(譜面と演奏がネットに出てたので紹介。 http://homepage1.nifty.com/iberia/score_finnissy.htm
でもこれって逆にノブ君の弾いてるのを譜面にしたらこうなるっていうようなものなのでは・・・)。
クラシックっぽい変則奏法、森山さんが真剣なドラミングでしかけて2人でブレイク。あ、止まっちゃったどうしよう、と思ったらそのままドラムソロへ。はあ、圧倒的なパワー!テーマに入るところをノブ君に指示して始まる。テンション高いまま突入、そしてエンディングへ。う〜む。

「ありがとうございます、最初の曲も音川英二の作りました曲です。「も」というのは、ファーストセットめにもあって、みんな難しい名前ばかりなんですけれど、これはね、おぼえやすいんですよ」音川さんが頷く。「911。事件のことじゃないらしんですが、911に関係したことは・・・」「コードネーム」と音川さん。「9thと、11th」と森山さんが。音川さん「おっ」と驚く。「ドラムにもよくあるんですが」嘘だあ。「え〜、じゃあ次の曲はテナーサックスの井上淑彦が作りました曲で、Gratitude

し〜んと静かになると、アンプの音が「ジー」と聞こえる。佐藤君の口笛とアコーディオンのハーモニー。後ろの方から「ほおっ」と感心したような声が聞こえる。信君に引き渡す。音川さんがテーマを吹き始める。佐藤君はアコーディオンに耳を寄せて首を傾げるようにして弾いている。佐藤君のソロ、う〜。うっとり。音川さんを見上げるノブ君、音川さんは頷いてノブ君にソロを取らせる。ノブ君ソロ後半から音川さんが少し小さくつけて、そしてソロへ。低くて渋い音が。ううかっこいい。そう、音川さんいつもこの曲でもソロを聴かせてよ・・・。サックスとドラムは生音。佐藤君が小さく音をのばしてつけている。森山さんブラシで大暴れ、う〜ん。そして口笛とアコーディオンのエンディング、マレットでシンバルを鳴らす。

サンライズ。今日はなんだか浸ってしまって、なかなかメモが進まない。テンション高い演奏だなあ。緊張感の強い糸が張り巡らされているようだ。音川さんの太いのどに静脈が浮いて見える。ロールを回してリズムリフを入れるタイミング、ノブ君と森山さんがばっちりあう。音川さんの吹きまくりに合わせて森山さんもしっかり盛り上げ、佐藤君も付ける。ベースとサックスのデュオになる。森山さん頭からつけ始め、サビから本格的なドラミングに戻る。リズムリフを全員で合わせて付ける。信君平手で鍵盤叩きまくり。ソロを終わって鍵盤カバーのフェルトを手で持ってぱたぱた。佐藤君のソロ、う〜ん、これマイルストーンのフレーズ?いや〜、見栄えがするわ。ノブ君に大受けしている、森山さんも楽しそう。こちらから見ると森山さんが佐藤君をスティックでひっぱたいているみたい。うひ〜、スティックが飛んで望月さんの方に飛んだ。グズラさんドラムソロの最中、それを拾い上げる、どうするのかと思ったら背中を掻くまね、もう大受けしてしまった。パカン!でテーマへ。

メンバー紹介。「今日はジャズフラッシュ60周年記念と伺っています(笑)。ここへ来させていただいて何回くらいになるんでしょうか」佐藤マスター「10回くらい?」「毎回メンバーが違うんでしょうか。そういえば昔森山グループの森山なしってのがありましたよ」客席から「え〜っ」の声。「昔山下トリオの山下なしなんてこともあったんですよ。まあそんなことはないように気をつけて、また来年もお会いしたいと思います」と頭を下げる。拍手。あっと気がついたように笑いながら「あ、来年じゃないんですよ、また明日お会いしましょう、また明日ぜひお越し下さい。私も必ず参ります」
爆笑。

ハッシャバイ。佐藤君ソロ、コピーしたくなるフレーズ満載。音川ソロ、おお早いパッセージ。あ、このマウスピースこの前と違うなあ(後で聞いたらマウスピースは一緒だけれど、リードを止める金具のリガチャーがちがうということらしい)?ノブ君ソロ、面白いフレーズ、佐藤君がにや〜っと笑って見ている。グズラさんソロ、音川さんがノブ君を見て、ドラムソロに入らずにテーマに持って行く。音川さんの吹くテーマに佐藤君が絡む、逆にサビは佐藤君に音川さんが。

拍手、アンコール。「どうもありがとうございました。明日必ず参ります」
イントロから、ノブ君が多彩な音で
Goodbyeを始める。音もきらきらしてフレーズがいっぱい、テーマを知らない人だったら全然何の曲を弾いているかわからないのでは、という冒頭部分、すこし異常な8小節。サビからは音川さんが吹く。テーマが終わったところで「うっ、どっちがソロを取るの?」って感じで佐藤君が大っきく目を見開いてノブ君を見る。音だけ聞いていたらそんなやりとりがあったとはわからないようなゆったりしたタイミングで佐藤ソロスタート。う〜ん味のあるソロ。サビから音川さんが入って思いっきり佐藤くんが絡む。そして最後のエンディングへ、森山さん叩きまくり。

もうもう、本当に来てよかった!
本当に幸せ。


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