森山威男公認HPライブレポートNo.116

2006年4月13日(木)林栄一(as)板橋文夫(p)望月英明(b)板橋森山セッション@ラブリー1日目

いや〜。今日は入場が厳しい厳しい。一人ずつチケットと名前を確認、テーブルを何人かで確保ってのも不可能。チケットナンバーが離れた友達が後から来るから、っていう席の確保もアウト。不評と好評が渦巻いているが、まあ妥当かもね。でもなんとか、努力に見合う席が確保できるといいなあ。今日の私の席は板橋さんの真後ろ、25年前追っかけしていたころと同じ。思わず顔がゆるむ。


20:07。パラパラとピアノを弾く板橋さん。森山さんは椅子に座って、確かめるようにハイハットをパンと踏む。
「え〜、こんばんはお待たせしました」と板さんがマイクを持ってしゃべり始める。「去年に続きまして春の森山威男デイ。皆さん元気ですかあ?」「イエ〜」「年々、年とって行きますねヒヒヒ。今日はどうなりますか、ベース望月英明い〜。ドラム森山威男お〜。そして、去年は猫の傷が悪化して出られませんでした、やっとです林栄一アルトサックス〜。ピアノ板橋でお送りします、一曲目僕の曲でアリゲーターダンス!

ヒャヒャヒャ、と笑う板さん、森山さんがガーンと叩き出し、ベースとピアノでイントロ、林さんがテーマを吹き始める、うわすごい後ノリ、髪の毛をつかまれて後ろに引っ張られてるみたいな感じになる。今日のポジションだと板橋さんの真後ろに座っているからドラムは林さんの陰で全然見えないな〜。マイクの位置を直す林さん。早くも熱気を帯びる。この前豊橋でノブ君と林さんの参加している女性ヴォーカルのグループを聴いた、林さんの音が懐かしく聴こえる。板さんソロ。ジャージにこし餡のような色をしたTシャツ。肘打ちをくらいそうで思わずかぶりつきで見ていた昔を思い出して笑いがこみ上げる。ドラムソロの間に椅子のネジを直す板さん。ん〜、まだ森山さんは本調子ではないな。そういえばさっき会場入りする時に「練習しようと思って」なんて練習台を持っていらしたけれど、練習台を持った森山さんなんて、17年前にレッスンに通っていた頃以来初めて見たような気がする〜。ダン!と入れたところでグズラさんがベースラインを入れてテーマに戻る。しつこいエンディングだ、マッコイエルヴィンのアルバムを思い出す、どちらが終わりまで音を出すか競争しているみたいだ、いいなあ〜。笑い声が観客席から。森山さんはどうも頭を下げてもう帰りそうな雰囲気を出している。

板橋さんが森山さんにカウントを出す、ダンダン!アフロリズムの「ジャンボ」だ。林さんが肩をいからせて少し前のめりになってフリーキーなソロを吹きまくる。4ビートに。ダンダン!のリズム、フレーズが入りベースもそれに合わせる。う〜ん、カメラの調子が今イチだ、フラッシュがオフにならないし赤目防止モードのまま。息子が修学旅行に持って行って設定を変えたようだ。カメラをいじって時間をくう。しかし近すぎでどうせ写真は撮れないか、目の前は板さんの背中だ。だんだん椅子が後ろにずれてくる。エルヴィンのようにウラに入るエッエッという声が板さんから聞こえてくる。立ち上がって髪を振り乱し、片足を大きく上げながら弾きまくる板さん。森山ソロに。一人なのに、今までの板橋ソロのど迫力を上回るかのような地響き。ダンダン!!と森山さんが入れてテーマへ。

板さんがゆったりとしたテンポで弾き始める。この暖かみのあるサウンド。Spring Blues、サックスが吹き始める。ブレイクする時間がまちまち、どこでどう合わせるか阿吽の呼吸。バラードのバッキングなのにこんなグリッサンドを使うピアニストって・・・。でもあたたかい、板橋サウンドだ。林さんが去年ケガをした左手の人差し指の付け根の関節(MP関節といいますが)、サックスを吹くのには小指の方がヤバかったかなあって感じ。知らなければちょっと見にはどこのケガだかわからないだろう、よかった。板さんのソロはベースとのデュオから始まる。優しい気持ちになるね。林さんがテーマを吹こうとしたが、板さんが(多分)目で合図してベースソロに。粘りのあるサウンドで、ちょっと不器用な感じがまたいい。森山さん眠そうな顔。林さん、ウキュキュキュキュ〜、どこまで吹くの?ブレイクがあってドラムが叩く、ちょっと粘ってテーマに戻る。板さんのシャツの色がだんだん濃い色に変わってきた。

「え〜、林栄一!今のSpring Bluesでした、え、次1stセット最後の曲です、僕の曲ですサバンナー

テンポを出す板さん。アフロリズム。Call and responseのような感じのテーマ。サックスとピアノが呼応し合う。板さんこんな仕掛けのある曲を森山さんにやらせちゃ**だよ・・・とヒヤヒヤ。ありゃ〜、よくできました、森山さん練習しましたね。あ、このテーマの終わりの音階サンライズの終わりにそっくりだね。「ワン、ツー、スリー、フォー」と板さんがかけ声をかけて林ソロへ、アフロリズム炸裂。ベースがぐんぐんうなる。サックスソロの終わり、いや〜よくこのキメが合いました!ピアノソロ、森山さんずいぶん調子がでてきたかな?雄叫びを上げる。板さん立ち上がってグリッサンド。板さんの動きに合わせている訳ではないけれど、ついつい体がシンクロして動いてしまう。一生懸命で体を動かさないようにしよう!としているのだが・・・板さんのシャツ、こし餡の粉のような色から、粒餡のような色になってきた。叫ぶ、のけぞる、立ち上がる、カリカリカリ〜とピアノの高音が響けばドラムのシンバルがバシバシと鳴る。手でプレスしながらテーマのサウンドを入れつつ「ウォーウォウォウォーウォー」と板さんがうなる。森山ソロ、爆裂、バシ!と切ってアフロに戻る。
「え〜ありがとうございました、望月英明ベース。森山威男ドラムス。林栄一アルトサックス。ピアノ板橋でした、しばらく休憩します」

メンバー紹介の後、「一曲目は渡良瀬〜歓声が上がる。イントロ、うんうんなつかしい音階。テーマに入り、拍手がわき起こる。ペンタトニックだけなのにどうしてこんなに多彩なメロディーが作れるのかな?板さんの作り出す流れに、望月さんが深みを与える。なんだか思わず笑いがこみ上げてくる。お、手払いが私の膝を直撃しそう、さっとよける、メモだけ見てたら当たるところだった。森山さんの体がスイングしている。板さんの椅子がだんだん後ろにずれてくる、ずれてこないようにちょっと膝で押さえておく。ガリガリゴリゴリゴンゴンガンガン!立ち上がってのけぞる板さんの頭に突きを食らいそうになり、スウェーバック、ほほほ。

林さんのキー!!ッという音から始まる曲(リーパーズ)、さみだれ式にピアノ、ベース、ドラムが付け始めテーマに。林さんと森山さんのデュオになる。ベースとピアノが入りカルテットでのサックスソロへ。わはは、ピアノは立ち上がりのけぞり頭をぶんぶん振りながらのソロ。森山ソロ、ためてからアフロへ、ぴたっと終わるテーマ。

For You.板さんの弾き始めるテーマ、優しくてあたたかいバラード。よくこれだけ弾き方を変えられるものよね〜。マレットで応戦する森山さん。なんだか、テーマだけで終わっちゃったような感じ、って言っては悪いかな?「どうもありがとうございました〜、林栄一!ベイス、望月英明、ドラムス森山威男!サンライズ!」拍手。

いつもよりイントロのドラミング長いね、板さんとやってた頃のように戻した?わくわく、つい身を乗り出してしまう。林さんソロのバックで板さんヒートアップ、汗を腕でぬぐいながらドラムを叩きまくる森山さん。ピアノソロ、サビからグズラさんがストップしてピアノとドラムのデュオになる。曲の頭からまたベースが付ける。獲物を狙うライオンのような森山さんの目。何かをモチーフにしたピアノのフレーズ展開、サウンドは怒濤のようだ。グズラさんのベースがうなる、ピアノの長いソロ。森山ソロ、タオルで汗を拭う板さん、パカン!で少しためてテーマに戻る。フリーキーなサックスの音、全力でドシャガシャ、バンバンドンドンとエンディングへ。歓声と拍手。

「ピアノ板橋文夫!」とマイクを持つ森山さん。「アルトサックス林栄一。ピアノ板橋文夫。ベース望月英明、ドラム森山威男!」

林さんが吹き始めるハッシャバイ。サックスソロから、優しい空気が流れる。ピアノソロ、そろそろ高音域のソロになるかと思って鍵盤を見たら、マイクのコードがピアノの端っこに引っかかっている、このままだと手が当たるな、スキを見て後ろから手を出してコードを除ける。グズラさんソロ、1コーラス終わったところで林さんが入らないのでドラムソロとなり、わかりやすいエンディングで終わりのテーマに持って行く。

グッドバイ。もう少しテンポゆっくりでも良かったかな・・・テーマが終わって、さあ、ここで板橋さんのソロ!と構えたらありゃりゃ、そのまま林さんに終わりにもって行かれてしまった、完全に肩すかしを食らってがくっとつんのめってしまった、残念だわ〜。ちょっと尻切れとんぼの感が否めない、明日は板さんのソロを聴いて浸りたいものだ。

観客席はため息と興奮の渦。期待通り、の演奏でした。明日もあるしあさってもある、楽しみ楽しみ。


この前のレポートへ この次のレポートへ