森山威男公認HPライブレポートNo.117

2006年4月14日(金)林栄一(as)板橋文夫(p)望月英明(b)板橋森山セッション@ラブリー2日目

「こんばんは、元気ですかっ?二日目になります、ガンバッて行きたいと思います。ベース、望月英明。ドラム、森山威男。アルトサックス林栄一〜。ピアノ板橋文夫〜!では一曲目、僕の曲で「みんなでジャンボ!」ジャンボって言ってくださいね」
森山さんが叩き始め、板さんが立ち上がって「ドンドン!」とバスドラが入るタイミングで
「ジャンボ!」と拍手をして観客に拍手を促す。ああ、今日は真ん前で見やすい席。あ、この林さんのフレーズなんだったっけ・・森山さんの腕の振りのしなやかさ!うれしいなあ〜と思って森山さんの顔を見たら、森山さんはにっこり笑っている、いい感じ。板さんソロ。あ〜、どこで拳が出てくるかわかる。うんうん、楽しい。林さんが付けてソロ終わり、タム多用の森山ソロ、アフリカンの雰囲気。ダンダン!とテーマに戻り、客席から手拍子も。意外にあっさりすぱっと終わる。

板さんかがんでモニターを直す。森山さん何かひとこと隣の聖子先生のテーブルの方にぼやく。

「え〜、次は続いてアリゲーターダンスとスプリングブルース」
カウントを出す板さん、ダーンダーンダーン、森山さんとベースで始まるイントロ。本当に林さんは後ノリの人だねえ、よくぞテーマのリズムをここまで引っ張れるものだ。森山さん林さんのバックで叩きまくる。林さんの顔がどうも猫に見えて仕方ない・・・林さんが猫好きなのは知っていたが、昨日打ち上げの席できいたのが、内猫10匹に外猫10匹、という話!マネージャーの鈴木さんを含め猫自慢になっていたのだ。絵心はないのだけれどなんだか猫顔の林さん似顔絵を描きたくなってきた。板さんソロ、奇声をあげる森山さん、なんだか苦しそうな表情。いつも思うが板橋さんの手はあんなに無造作に動いているように見えてちゃんと和音とメロディーになっているのが不思議。ライブで聴いていると、かなりぐちゃぐちゃに聞こえるのは視覚的なイメージがあるからだろうが、録音で聞き直してみるとちゃんとしたフレーズになっているのだ。すごいぞ森山さんがぶちのめそうとしているかのようだ。ソロのエンディングに向けて森山さんがウォーウォーウォーと叫ぶ。ガーンガーンと板さんがつけ、額に汗をしながらの森山ソロ。ドカタタカタと叩きまくる。う〜、録音機のレベルメーターが振り切れる、本当にドラムソロの時って大きい音が出てるんだなあ。きっちりとソロの終わりを決め、テーマに戻る。

スプリングブルース、板さんがイントロを弾いているのに森山さんたら汗を拭いながら「拭きすぎて顔の皮が痛くなってきちゃった」なんてぽそっと言うものだから森山さんの側の観客が笑う。深みのあるイントロの和音。林さんが吹き始める。テーマの最中にブレイク、どこまでひっぱるか、お互いタイミングを見計らってどう出るかを窺いながらテーマがゆったり進んで行く。林さんの後ろで森山さんブラシを振り回しておちゃらけドラム、吹き出しそうになるのをこらえる。森山さんスティックに持ち替える。林さんソロ、明るい音色が少し哀愁を帯びる。いろいろなフレーズがちりばめられる。板さんソロになって再度ブラシを持つ森山さん。リズムを倍テン(?)にして細かく刻んで行くがだんだんゆったりとした感じに戻して行く、この遊びが面白い。う〜う〜とうなりながら弾く板さん。グズラさんの方を見ながら立ち上がってのけぞり、単純な音階を繰り返すがパワフルにアピールしてくる、それに森山さんが返す。明るいんだけどちょっと物悲しい感じが心の底の何かをつついてくるソロ。おお、ど迫力からうまくフェードアウトっぽく終わる板さん、ベースソロに。床に置いてある林さんのグラスが空になったので水を入れて上げたのだが、そのとき逆にペンを落として拾ってもらってしまった・・・ご迷惑おかけしました。ぎゃ、ペン先がダメになってしまってうまくメモが取れない。ベースソロからそっとテーマに戻る、拍手をするタイミングが難しいところだけれど観客席からは思わず拍手が沸く。テーマで林さんの吹いているところ、ブレイク、森山さんどうしようかという感じだったが、スネアでフィルイン。エンディング、板さん叫ぶ、あら〜、汗だくだ。このしつこいエンディング、板さんがが〜っとグリッサンドを繰りだす。

「林栄一〜!」と言ってげほげほ、と咳込む板さん。曲がどんなんだったかな、って感じで森山さん譜面を出して細めで眺めるが「見えない」板さんに向かってテンポを出しても板さん全然こっちを見ていない、森山さんがっくり。ひとりで納得したようにアフロリズムを叩き始め、グズラさんがつける。サバンナ、だね。板さん吠える。森山さん開き直ってタムの右側に譜面を乗っけて叩く、テーマの終わり、決まった〜、よかったね。タム右側には譜面が乗ったまま、林さんソロでずっと曲は進行していく。しかし右側のタムはないものとして森山さん叩きまくっているが、見もせずによく避けられるものだ。林さんのソロの間にお水を取り替えておきましょう。アフロからアップテンポの4ビートに。板さんスイング。林さん合図してテーマのサウンドを入れる、板さんすごい弾き方。いや〜、余計なことだけど板さんこのヘアスタイルはどうやって美容院でリクエストするんだろう、カーラ・ブレイみたいな。奇声を上げながら立ち上がりプレス、グリッサンド、やれやれ〜!カリカリカリカリ〜ゴリゴリゴリゴリ〜、にドカドカドカドカ!とつける、ピアノソロの終わり、短くフレーズが入ったと思ったらビシ!といさぎよく曲が終わる。

「森山威男〜、望月英明〜、林栄一〜!」と叫ぶ板さん、「板橋文夫〜」と裏返った声で森山さんが叫ぶ。
「休憩します〜」と板さん。ふう、とため息をみんながつき、その後は会場からは思わずあちこちで笑い声が上がる。

短い休憩の後、メンバー登場。森山さんが板さんの方に向かって「年上をいたわれ」なんて言ってる、ははは。「お待たせしました二部始めます、ベース望月英明、ドラム森山威男、アルトサックス林栄一、ピアノ板橋ですよろしく〜。一曲目は渡良瀬です」拍手。

イントロ、ゆったりとした流れ。テーマを吹く林さん、イヤほんと、川の流れも逆流しそうな後ノリ。ソロになり、顔を真っ赤にして吹きまくる。板さんソロ、森山さんは板さんの方を窺いながら叩く。グズラさんのベースがうなる、ちょっとテンポが遅いかな・・・。川の流れが止まっちゃいそう。ここで森山さんが水面に荒波を立て始める、堤防が決壊するんじゃ?エンディングしつこい。

咳き込む板さん、リーパーズが始まる。あ、この曲の感じグズラさんの良さがとても良く出る。なんか楽しそう。板さんはお休みしてサックスとベース、ドラムスのトリオでのインプロ。あ、チュニジアのフレーズがはいった。板さん参戦。こんどは板さん森山さんデュオ、さあどうなっていくか楽しみだ。ワシワシ、ガシガシと直線で攻めて行く。森山さんかわしておいてからドカンと応戦。板さんブレイクからテーマ。リムショットが響き渡る、アフロリズム、板さん腕で鍵盤を押さえる。

「林栄一!リーパーズでした。え〜、次は皆さんご存知」といってタイトルを言わずにスタートする板さん、For Youだね。きれいな心和むピアノのサウンド。はじめのテンポはみんなが少し合わなくて、マレットでシンバルを叩く森山さん。ふわ〜んとトップシンバルがなり始め徐々に大きくなって行く。サックスのテーマから板さん、だんだんテンポが速くなる。グリッサンドが出る。細く、キュキュキュ〜と吹き終わり、ガシ!とピアノを叩いて終わる。

マイクを持つように促されて森山さん、「一曲目が始まったとたんどうなるかと思いましたが、なんとか終わりまでこぎつけました」ちょっと舌足らずなしゃべり方。「今日は奥歯に物が挟まったようなしゃべり方ですが、(治療のために)本当に挟まってるんです。板橋とやってた頃が、なつかしい。名曲の数々がたくさん増えていて今回一緒にやるのが楽しみでした。でも苦しみでもあります。あの、このコンサートでたくさんのダメになったものがあるんですが、ドラムやってる人、これは折れてますが折れてないのもありますからお持ち帰りください。こんなのもあるんですが」とドラムヘッドを見せる、欲しい〜という声が。「今日は自分のグループではありませんので慎んで多くを語ることはやめようと思います。今日は先輩を立ててくださってありがとうございました」と板橋さんに向かって頭を下げる。「ピアノ板橋文夫ですアルトサックス林栄一、ベース望月英明!」座って「やりましょう!」

サンライズが始まる、大歓声。2回めテーマの間に林さんが8小節のインターバルをいれ、森山さんはソロのバッキングに入りそうになり照れ笑い。きのうはうまく行ったのにね。林ソロ、森山さんにっこり笑いながらドラミング、ああ〜、かっこいい〜。ああ、どたばたしてしまうよ。歯を食いしばって弾く板さん。録音機の、森山さんがいる側のメーターが振り切れる。プレス、グリッサンド、ピアノと格闘。森山さんうなる。エ〜、と声をかけサビから林さんがリフを入れるドカタタカタ、ドラムソロ、バシ!でテーマへ。

「どうもありがとう!林栄一アルトサックス!望月英明ベース、森山威男ドラムス、板橋文夫オンピアノ!」歓声と拍手が鳴り止まない、板さん「まず水!」後ろから水が出てくる。拍手、拍手。ハッシャバイが始まる。けっこう熱が入ったまま曲が進んで行く。ピアノのなつかしいフレーズ。ベースソロ。林さんテーマを吹く気配がない、私が頭出しの指示をするわけにはいかないし、ああ、やっぱりドラムソロになっちゃうのね、なくていいのだけど。テーマを感じさせるドラミングをし、林さんがおもむろにテーマに入る。

すかさずグッドバイに入る。美しいピアノのイントロからテーマ、あちこちから鼻をすする音が聞こえる。かくいう私の鼻の奥も痛く、目の奥が熱い。林さんがサビからテーマに入る。レガートシンバルのサウンドが響く。ピアノソロになり、スティックを両手で放り投げ、ブラシに持ち替える森山さん。うなる板さん。ベースが響く。エンディング。拍手と歓声。

板橋さんが何か弾き始める、いったい何なの?森山さんもグズラさんもつけて、まったく即興のミディアムテンポの演奏が始まる。前のピットインの時は森山さんが立ち上がってお辞儀をしたので曲にならなかったんだけどね。う〜ん、板橋さんなにかしゃべって「今日はありがとうございました」とクロージングテーマっぽくすればいいのに、「どうなるの?」って感じのまま曲が進む。ウキュー、と林さんが吹く。板さんピアノ弾かずにおもちゃの太鼓を叩く。なんだか、グッドバイで物語が完了したのに最後に気が抜けちゃった。もったいないな〜。まあ、余分に聴けてよかった、と楽しんでいる人もいるんだろうけどね。

「ありがとうございました」と板さん。「ピアノ板橋文夫、ベース望月英明、アルトサックス林栄一、ありがとうございました」と森山さんがマイクを持ってあいさつ。なんと、「森山さん、ドラムヘッド下さい」と近寄ってきた人があっさりもらって行ってしまった!
さあ、明日の演奏はどんなになるかな?

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