森山威男公認HPライブレポートNo.125

2006年6月3日(土)パールドラムス60周年記念Super Live 5-DAYS at SHIBUYA-AX
プリズム(木村万作(ds)和田アキラ(g)岡田治郎(b))
ナニワエキスプレス(清水興(b)東原力哉(ds)岩月和彦(g)中村健治(key))
森山威男クインテット(森山威男(ds)音川英二(ts)佐藤芳明(acc)田中信正(pf)高瀬裕(b))
Pearl Giants Super Jam(つのだ★ひろ(vo)村上“ポンタ”秀一(ds)他)

名古屋からS石君と一緒にどんな曲をやるのかなあ、楽しみだね・・・なんて話しながら上京、会場の入り口についたらなんと佐藤君がコンビニ袋を持ったままプラプラと歩いてくる、まるで一般客。「どんな曲をやるんですか?」と訊いたら、「まあ、いつもの」とのこと。私の予想は、N.O.W、Gratitude、Sunriseの3曲。入り口で持ち物チェック、「カメラや録音機はありませんか」預かられては後が面倒、一応デジカメ持ってたけど見つからず、ラッキー。残念ながら今日は録音も撮影もだめだろう。中に入ると、パールのスティックやドラム雑誌、CDの販売などしている。でも森山モデルは売ってない、残念。CDも「森」「山」「犬」があったけど、今日のメンバーの「鳥」はなし、残念。会場は2階席まであり、キャパは400とのこと、小ぶりの体育館みたい。スモークが焚いてあるのか、ちょっと中は煙って見える。チケット申し込んだタイミングが良かったか、最前列だった、ラッキー。もうちょっと中央寄りだと良かったな、なんてぜいたくは言わないほうがいいな。音楽はジャコパスのベースがガンガンに響いている、昔よく聴いたんだけどこのCDのタイトルなんだったかな。
(Weather reportのHeavy Weather, Teen townという曲でした)


つのだ★ひろが司会に出てくる、開襟シャツに短パンの上下、パジャマみたいと言っては悪いかな。「今日はパール60周年5Daysのうち4日目、僕は1日目にも出させてもらったんですけれど。今日はMastersという日ですが、Mastersというのはゴルフなんかでもわかるようにある程度年齢が上目の・・・まあじいさんドラマーということですね」笑い。「PRISMです」客席から女性の「キャー」という歓声が上がる。「木村さんはじいさんと言うのはかわいそうですが」


低音が響きすぎー!ベースとバスドラが左のスピーカーからガンガン耳に突き刺さる。変拍子?ギターとベース、ドラムの3人組。目の前を録画のカメラが行ったり来たり。撮ってる人は椅子に座っているからいいけれど、台車を動かしている人は大変だなあ。客席からじゃまにならないように中腰で、台車を舞台の端から端まで動かし続けている。ギターソロ、舞台上も女性がカメラを持って移動している。あ、ドラムの前にも固定カメラが1台。森山さんのドラミングがDVDで見られるようになるのかな?ベースソロ、そして短めのドラムソロ。バスドラのペダルがめちゃくちゃ早い、これは両足で交互に踏んでいるとしか思えない、バスドラは1つしか見えないけどツインペダルなんだろう。2曲目で舞台が少し明るくなる、ベーシストの人が一番若いかな?楽しそうににこにこしながら弾いている表情がいいわ。しかし、もう少し下調べでもしておけばよかった、このバンドのこと全然知らないもの。でもやっぱり8ビートのエレクトリックサウンドは苦手だわ、ベースソロはともかくギターの高音ギュルギュルは参っちゃう。頭がぼーっとしてきた。あら台の上で撮っている人も舞台の端の方に行くと体をねじる角度が大変そう。あ、椅子はある程度回るのね。移動させている人は中腰でモニターを見ながら行ったり来たり、絶対腰に悪そう、乗ってる人も軽くはなさそうだし・・・電動にできないのかな。ドラムのテンポが速くなるとカートの行き来もスピードアップ、舞台右端の下でカメラのケーブルを繰り出したりたぐり寄せたりしている女性もこれは重労働だ、ケーブル太いし腱鞘炎になりそうだ、などと整形外科医として余計な心配をする。ハイハットを除いて何枚シンバルがあるんだろう、ここから見えるだけでも8枚もある。ドラムの前に枠が組んであってそこからスタンドが何本か出ている。こんなセットじゃ絶対ボーヤできないな。わ、気がついたら2曲目が終わってカメラが客席を写している、アホ面してなかっただろうか。舞台が明るくなって3曲目はすこしゆっくり目の曲だ、でも最後はスピードアップ。


「どうもありがとうございました、和田アキラ、木村万作、岡田治郎、PRISMでした〜」と司会のつのださん。ドラムの木村さんもマイクを持って二人でトーク。「お疲れ様でした、2拍4拍がはっきりしない音楽ですね。あれは何拍子なんですか」「一曲目が9拍子、3曲目が7拍子で」「PRISMがデビューしてからドラムは何代目なの?」「三代目で」「ドラムはずっとパールだよね」「リズムを始めて20何年、ずっとパールです」「人間誰でも36くらいまでは派手な音楽をやるけど、次第に落ち着いてくるものなんだけど」「いやあ、好きなんですね。ベースの岡田君が若いので合わせてるんです」「今日のお客の年齢層は高いのかな」「大体こんな感じで」と客席が明るくなる。「意外に行ってるね」「そりゃ類は友を呼ぶんで」「今日やる中に俺よりも先輩がいるんだよ」「芸歴はつのださんが一番長いんじゃない?」「ゲイ歴?」などという会話が続く。「演奏中、わ〜って音が大きいと寝ちゃうヒトがいるんだよね」(さっき一瞬気が遠くなるところだった・・・ドキッ)「大きな音だともわっと膜に包まれているような感じで、子供なんか寝ちゃうんだよ、よく寝られるなあと思うんだけど」

後ろではセッティングのヒトが行ったり来たり、忙しく動き回っている。この間は休憩になるのかと思ったら、ずっとトークなのね。
隣に座っている人の靴がおもしろい!黒スニーカーの上に、足の骨格がプリントしてある!思わず目が釘付けに。なんて、話を聞けよ、って。あ、舞台の左側からリキヤさんが出たり引っ込んだりしてる。「だいぶ音楽がプリズムっていうくらいだから屈折してるんじゃ・・・あっちでさっきからリキヤがうろうろしてるんですよ」ここで木村さんが手を振って引っ込む。


つのださんのトークが続く、「僕は8月1日で57才、デビューが早かったのでもう40周年になります。僕は全然練習しないんですが、この数日毎日練習してるんです。お茶の水近辺の床屋の生まれで、近くに日野元彦、日野家があって・・・準備良かったら声かけてね」と裏方さんに。「それまで喋ってるから。床屋の2階でドラムを叩くとうるさいってしょっちゅう怒られてました、いきなりバン!とやるとお客さんのひげ剃ってる親父がドキッとなってあぶないから、って先にシンバルとかでドロロロ、って盛り上げておいてからバシーっと、え?もういいの?まだ途中なのに!じゃあ、続きは後で」笑い。「ナニワエキスプレスです!」

力哉さんといえば黄色いドラム、まっ黄色のドラム〜。ドラムの前に立って手拍子を要求する、一人一人が順番に舞台へ登場。6弦(?)のエレクトリックベース、そしてギター、キーボードの4人。スーツ姿の力哉さんが叩き始めて、かけ声をかけて曲のテーマに入る。ショルダーキーボード、何て言ったらいいんだろう?そういえば昔ハンコックも弾いてたな。キーボードを抱えた中村さんが踊りながら前に出てくる。舞台に設置してあるのはローランドの赤いキーボード二台、派手だなあ。う〜ん、ノブ君には似合わないだろうな〜。うぉ、ウェスタンブーツ履いてる。久しぶりにリキヤさんを見たなあ、そういえば20年以上前、大学生の時にうちの大学祭に実行委員会がナニワエキスプレスを呼んだんだ。うちのバンドがジャズのライブハウスの模擬店で演奏してるときにいきなりリキヤさんが店に入ってきてあせったことを思い出した。そういえば打ち上げ、いっしょに行ったような気が・・・。舞台の上はちょいワル親父どもの集合体、って感じだね。ギターとキーボードがふたりで中腰で背中を寄せ合って、ソロの応酬。スピーカーに足を乗せて・・。リキヤさんはずっと延々リズムをキープ、ぱっと合わせてテーマに。ベースの清水さんはタイガースのシャツ姿。マイクを持って「どうもみなさんこんばんは!60周年心からおめでとうございます。思い起こせば最初に会った頃のリキヤはサテンゴールドのドラムで、それからリキヤイエローになったんだよね。来年はいよいよ結成30周年です。次は新しい曲をやります、Vacuum box」

リキヤさんジャケットを脱いで何かごそごそ・・・あ、そうかマイクを探していたのか。なんか大きな声で・・・「コマンタレブー」とか叫びながら左側のメタルのドラムでラテン風のリズムを叩き始める。あとからS石君に確認したらティンバレスっていう楽器だそうだ。ドラムソロから。ギターソロ。ありゃ、目の前の行ったり来たりの台車、車止めに衝突して脱線。カメラマンさん、撮影できなくなってる・・台から降りなきゃ脱線戻らないんじゃないかと思ったけど、乗ったまま力業で直しちゃった、すごい!大変だよこの人はほんとに。テレビ朝日のカメラなのね。何だっけこの曲・・・昔聴いた気がするけど。ドラムソロ、舞台が暗くなり中央の力哉さんにスポットが当たる、後ろのPearl 60th Anniversaryのライトが点滅する。ドラムソロブレイクして拍手。ワン、ツー、スリー、フォーのかけ声でテーマに戻ると思ったら、あら懐かしい曲だわ。やっぱり時間がだいぶ押している・・・予定ではもう森山バンドが出る時間だもの。懐かしい曲を聴くと気分はその時代にトリップ、たしかこのアルバムは1982年あたりの・・。うぉ、ジャンプしながらキーボードとベースを弾いている、若いな。力哉さんも立ち上がってる。最後にまた何事か叫ぶ、「日本の皆さんありがとう〜!」
「お疲れ様でした。このバンドは4人とももうケダモノですね」「何言ってるんですか、海辺のさわやかな風にぴったりじゃないですか、ブリーズブリーズ、フォー!!」と腰を振る・・・。あ、今のうちにトイレに行っておこう、森山バンドが終わったら森山さんとつのださんのトークだものね。


戻ってきたら「まあビデオを流させてやろう」とつのださん。パールドラムを叩いているドラマーさんのビデオ、オマーハキム、デニスチェンバース、ポンタさんたちのドラミング、ドラムの宣伝等々。BGMがジャズに変わった。ピアノはちゃんとグランドが出てきた、よかった。舞台のセッティングは終わったみたいなのに、まだビデオが延々流れている。やっぱりエレクトリックの楽器が少ないだけあって、セットアップもあっという間に終わったわ。メンバーが拍手と共に登場、まだ薄暗いままの席につく。
つのださん「えー、僕が高校生ドラマーだったころ、池袋のジャズ喫茶に土日に出ておりました。制服を普段着に着替えて毎週行ってたんですけど、ある日マスターが『もう来週から来なくていいよ』って、クビになってしまったんです。それで次の週に『どんなやつが叩いてるんだろう』と思って見に行ったら、僕を除いたメンバーはみんな一緒でドラマーだけ別のヒトで」会場から「ええーっ」の声。「それがこの森山さんだったんです」森山さんびっくりしたような顔、ご存じなかったんだね。「それでは恨みを込めて(笑)、森山威男クインテットです」

やっぱりNOWだ。わ〜、かっこいい、うれしい!思わず一列後ろで真ん中よりに座っているKasumiちゃんとKurikoちゃんの顔を見てしまう。音響が全体に押さえてあるみたい、ベースの音量なんかさっきまでと全然違うよ、手抜きじゃない?って思ってしまうほど。高瀬君楽しそうににこにこしながらベースを弾いている。ノブ君横縞のピンクを基調にした長袖のトレーナー?にジーンズ。ずいぶん最近ラフだね、けっこうモード系のを着てたけど・・その前はエスニックだったか。高瀬君は赤いTシャツ。音川さんは黒ベースの曲線のストライプのシャツに黒パンツ。佐藤君は黒シャツにベージュのチェックのパンツ。森山さんはいつものマオカラースーツ。ノブソロいきなり全開。おもわず笑いがこみ上げる、きゃはは。音川さんソロへ。テナーがきらきら光る、でもやっぱり音量はさっきまでのバンドとずいぶん違うなあ。ドラムまで小さく聞こえてしまうような・・・。あれ〜、アコーディオンソロないんだ、残念。でも30分だから仕方ないか。ドラムソロ、わー、タイトだ!なだれ込むようにしてテーマへ、森山さんも全開!


曲が終わって、会場が明るくなる。後ろの方からほおーっ、というどよめきや、ざわざわざわ、という声が聞こえる、ふふふふ。いつもの森山ファンはあまり来ていないようで、森山グループを初めて聴いたような人が多いのだろう、してやったり。また聴きたい、と思う人がいるだろうと、この日に折り込んでもらうチラシ、あわてて印刷して送って間に合ってよかった(でもちょっとalaのメンバーが間違ってた、ごめんなさい)。
すうっと静かになって佐藤君の口笛から
Gratitudeが始まる、今日のベースは高瀬君、ベースが変わるとまた雰囲気が違うなあ(グズラさんは渋谷さんとパリに演奏旅行に行っているのでした)。今までこういう静かな曲が一曲もなかったのでぐっと一際シブイ。みんな息をひそめて聴いている感じ。ブラシからマレットに持ち替え、テーマの途中でがーっと盛り上げた後、またブラシで抑えめに叩く。ベースの音がボワボワしていてイマイチだなあ、残念。アコーディオンソロ。音川さんは目をつぶって首を左右に振りながら聴いている。うう、しびれる、いいわあ。ありゃもうテーマに行っちゃうの?寂しいけど仕方ないわね。森山さんの大暴れが始まった、すごいリキ入ってる。口笛、アコーディオン、ピアノだけでそっとエンディングへ、そして最後の最後に高瀬君が弓に持ち替えてボウイング、森山さんはシンバルのトップをチリチリと小さく叩いて締める。


サンライズ。明るくなって、バックはイエロー、赤とまさにサンライズのイメージ。いいぞいいぞ、音川ソロ、佐藤君が大きな目で森山さんを見つめながら膝でリズムを取って聴いている。音量もさっきのGratitudeで慣れたせいか、気にならなくなってきた。森山さんがロールであおる。高瀬君がんばれ〜。音川ソロの途中、コーラスの頭からダーンダーンダッダッダッダとリズムをみんなでつける、ノブ君が楽しそうに森山さんを見ている。音川さんソロが終わって拍手、今までどのバンドもソロイストのアドリブが終わっても拍手はなかったけどこのバンドは別!佐藤君ソロ、音川さんは客席から森山さんが見えやすいように舞台の上手に下がる。さて森山佐藤の対決は楽しみ。ノブ君は手を膝の上に置いて二人の対決を見守っている、さあ出るか、まず膝蹴り、前腕弾き、そして大きく蛇腹を引ききったあとは抱えてわしわしと鳴らす、すごいぞ!終わって大きな拍手、高瀬君いったん止まって汗を拭く、ノブ君と森山さんのデュオ、ふっと雰囲気がまた変わる。ノブ君はまた不思議な音階だ、コピーなんか絶対できないような旋律。ノブ君の指が鍵盤を往復、しかめっ面がピアノのふたに映ってよく見える。頭からサビまでまたリズムが入る、森山さんすごい大暴れ、ノブ君必死で応戦、舞台上では音川さんと佐藤君が大笑い、高瀬君も楽しそうだけど笑う余裕はなさそう。ドラムソロ、うほほ。バックの照明はピンクだ。思わず見とれる、あきれるほどの爆裂ドラミング。やったあ、森山さんすごい、かっこいい〜、ドキドキして来ちゃった。そしてエンディング、森山さんは大音量でシンバルを叩き、バスドラも踏み抜かんばかりの勢い、やったね!


会場からはもう大歓声がおきた、ピューピューと口笛、なかなか拍手が鳴りやまない。つのださんが出てきた、森山さん引っ込みそうになったので舞台の人があわててマイクを持って走る。
「私のことさっき褒めてくれました?」「褒めましたとも。もう〜、大人げないんだからぁ。もうオジサンなんだから体のこと考えなくっちゃ。いったいいくつまでやるつもりなの?一時いなくなってましたよね、何やってたんですか」「ああ、岐阜の山奥で子育てをしてました」会場からおおお、という驚きの声が上がる。「いまおいくつで?」と言ったところでポンタさんが舞台に登場、「すばらしい!」と言ったきり、森山さんに抱きついて肩に顔を埋めている、もしかして泣いてるんじゃないでしょうね。「みなさん体育会系ですね、先輩を立ててくださってありがとうございます」ポンタさん離れない。つのださんポンタさんに向かって「何してるんだよ、着替えるんだろ!」と言ってポンタさんを引き離す。
「デビューしてどれくらいですか」
「40年くらい?でもあなたの方がデビューが早いでしょう、あなたが渡辺貞夫さんのところで叩いていたころだから」「そういえば浅川マキの時も、山下洋輔でもお互いけっこうかぶってるんだよね」けっこうおもしろいトークがいろいろあったのに、笑っていてメモが取れてない・・・残念。「この人はね、お酒のませちゃいけません、おもしろい話が死ぬほどあるんですよ」是非つのださんお聞かせください、きっと森山さんがお忘れになっていることがいっぱいあると思いますので。ここで森山さんは手を振って去っていく。ああ、あっという間に終わっちゃった。残念だけど、でも格好良かった!

森山さんは1945年生まれだから、パールの1946年より先なのよね。この5Daysに出たドラマーで、パールより年が上なのは森山さんだけでしょう。それがこのドラミングなのだから、まあなんてこと!すばらしいわね。


さて、最後のステージだ、左からキーボード、白人のエレクトリックのベース、そしてポンタさんのドラムセットと並んで右側にはつのださんのドラムセットでつのださんがあがる、その右側にはギター、ベアトップの白いドレスを着たきれいなお姉さんとキーボード。右の前の方にはサックスとトランペットのお兄さん(基本的につのださんのバンド、らしいんだけどチラシにも名前がないし、いろいろネットで調べても情報がない・・・お名前全然ご紹介できなくてごめんなさい)。つのださんが叩いて、バンドの演奏。トランペットソロ、そしてドラムソロ。ファンクっぽい曲、だけどこの状況を書いているうちに演奏が終わってしまって内容がメモしきれてないわ。


「ポンタポンタ!」と段の上からポンタさんを呼ぶ、ポンタさんが左の袖から出てくる、キーボードとベースの人とそれぞれ握手をしてドラムセットの前に座る。叩き始めるが何の楽器を使ってるんだろう、なんか叩くと「ボン!」とベースの低い音が出るような?意外にも静かめの曲、ブラシを使ってソロから。つのださん舞台を降りる。長めのソロ、いろいろな叩き方を交えてビートも変えていく。タムの枠の下の方を叩いてみたり。頭を叩いて見せたりしてウケをとる。だんだんバンドのメンバーが参加していく、そしてキャラバンのテーマ。思わせぶりな叩き方だな。きれいなお姉さん二人と茶髪の清水圭みたいな男性一人のコーラスが出てきた。振りを付けておどっている。つのださんが牧師風の黒い長い服に着替えて出てくる、踊りながら歌うつのださん、こっちの方が「大人げない」んじゃ?何ていうジャンルの音楽だろう、70年代のブラックファンク?それともソウル?ああ、「stand by me」だ。


「実はポンタさんとはライブは初共演なんだよね、レコーディングは一緒にやったことがあるんだけれど。60周年記念に来てくださってどうもありがとう。音楽界からは疎外されがちなドラマーを皆さん見守ってやってください。どうもありがとう!」と繰り返している、エンディングに向かって盛り上がっていく。左端のニットのアンサンブルを着ているお姉さん、脇のところは素肌が見えて色っぽい、みんな楽しそう。明るく華やかな舞台だ〜。
さて、おしまいはやっぱりお決まりの「メリージェーン」だ。ホーンとシンガーが去っていく。もうつのださんはドラムを叩かないのかな?そういえば舞台で最初、「もっとドラムを叩いてもいいんだけど1日目も出してもらってるから」って言ってたね。パンフレットも今日はつのだ★ひろ(vo)と書いてあるわ。カメラはずっと延々目の前を行ったり来たりしている、休憩もなくよくやるわ、あら、よく見たらカメラさんは動かす人に引け、とか押せ、とか指で指示を出しているんだね。椅子が堅くておしりが痛くなってきた。つのださんとても楽しそう、頭を下げているつのださんの後ろでポンタさんが叩きまくっている。

ポンタさんとつのださんのトーク。「一回でいいから歌伴やらせて、ってポンタが言ってたんですけど、ギャラ高いし本気にしてなかったんです・・・」とつのださん。ポンタさん泣いてるみたいに見えるけど、と思ったら「涙腺来てるんですけど。青春の曲なんです」と本当に泣いてる。おおお、後ろからするすると黄色いドラムが出てきた、もしかしてドラムがあと2台出てきて5人でバトル?と期待してS石くんと顔を見合わせる、でも森山さんのドラムは出てこない。


「もっと静かにやりたかったのに」「また何かの機会があったらやろうよ」なんて話しているところに力哉さんがマイクを持って「保釈でシャブを打つ〜、再逮捕〜、再逮捕〜」と「与作」の替え歌を歌いながら登場、「まずいだろ、それ」とつっこまれる。「力哉がどうしてもみんなで叩きたいって」ということで、ドラム合戦となるようだ、森山さん出てこないのかなと思ったらポンタさんが「森山さ〜ん」と呼びかける。「どうしても叩いて欲しいんだよね、ロック下手ですよ、ドラムの神様みたいな人ですけど。昔八ヶ岳のジャズフェスティバルで一緒になったときロック叩かせたんだけどドーンパーン、ってひっくり返りそうになっちゃった、ロック下手ですよー!森山さーん!」つのださんが「いやもうそのつもりじゃないでしょう」できないできない、って手を横に振りながら森山さん笑いながら出てくる。60周年の黒いTシャツ、胸に60と大きく書いてある。森山さんが着たら60才?って感じ、でも61だった。ポンタさん「できないのをやるのがいいのよ!」と無理矢理自分のドラムセットに座らせてスティックを持たせる。そしてテンポを出した!すごいものを見てしまった、森山さんの8ビートだ。うひゃひゃ、もう絶対こんなこと見られない。ポンタさん床に座り込んだと思ったら森山さんの前で土下座してるし!キーボードのお姉さん活躍してる、音川さんも出てきた。森山さん結構楽しそう、そして力哉さんとドラム合戦になった。森山さん叩いてるふりだけする例のおちゃらけドラム、会場から笑いがおきる。ポンタさん床に座り込んで聴いていると思ったら、どこかに引っ込んじゃった、森山さんのドラムも出してきて4台にすればポンタさんも叩けるのになあ。森山さん右手のスティックをとばしちゃった。いつもなら自分のセットのところに予備がいっぱいあるんだけど、ないからそこにあるマレットを逆に持って叩いている、ベースの人が気がついて渡そうとするけれど森山さんはそのまま叩いている。心配したけどそれなりに迫力のあるロックリズムを叩いているわ、ほっとした。会場の雰囲気で、観客の多くが森山さんに驚嘆しているのが分かる。ポンタさんチューハイの缶を持って戻ってきた。


叩き終わって去っていこうとする森山さんを、みんなが押しとどめる、「60周年のために用意したのは4ビートだから!」とつのださん。Pearl's wingという曲を作りました(Pearl swingとかけているらしい)、と楽譜を見てA-A-B-Aで、12小節と、14小節と・・・と曲の説明が始まる。森山さんいつもの新譜を見た時のように、目を細めて楽譜を眺める、でも見えないんだよね。まあ始まってしまえばなんとかなるもので。音川さんのソロ、シルバーのサックスがかっこいい。3人のドラマーが4バースを始める、すごいすごい。そして2バースになる、それぞれが「俺が一番!」ってテクの見せ合い、もう圧倒されそう。森山さん、座ったばかりの他人のセットでよくここまで叩けるんですね!


「ポンタ、いつのまにかそんなところに行っちゃって!」ポンタさんは一階席の後ろの方の客席に座っている。ポンタさんを呼び寄せて、「大変なんだから!メンバー全員に入ってもらってできる人は一緒にやりましょう!ドラマーが入ってないじゃない」ポンタさん、力哉さんの黄色いドラムに座って、ちょっと叩いてみる、そして力哉さんに自分の青いドラムに座るように指示。「これは叩きづらいなあ〜。よく叩けるなあ〜」力哉さん「怒らなくったっていいじゃない」ポンタさん「やっぱ、替わるわ」とそれぞれの自分のドラムにおちつく。それを考えると、さっきの森山さんのすごさがよく分かるわ〜、だっていきなり他人のドラムでしょ?力哉さん手拍子を会場からつのる、ハレルヤ〜のメロディーをいろいろ変えて会場とコール・アンド・レスポンス。ポンタさんマイクで「今日は曇りです」うう。会場が皆歌い、そしてエンディングへ。最後にポンタさんがマイクを持って一人で舞台に立つ。「パール60周年、本当におめでとう。感謝してます」と挨拶。


ああ〜、おもしろかった、森山さんのロック叩きまくりなんて、絶対にもう見られない!ドラムバトルも、そんなチャンスそう簡単にはないもの。森山バンドの出番が短いから来ようかどうしようかと思ったけど、絶対普段じゃありえないものを見た、楽しかったね!とS石くんとぷらぷら歩きながら出口の方へ向かったら、「話には聞いたことあったけどなあ」「すごいよなあ」「伝説のドラマーだよね」などと立ち止まって話している人たち。森山さんのことだ!と思わずS石君と顔を見合わせる、耳ダンボ。しかし立ち止まるわけに行かず、二人でにんまりしながら「やったね!」「きっと初めて聴いたんだね!」とガッツポーズ。ふっふっふ。
さて、来週はピットイン。これで4連チャンの仕上げ、になりますな!

終わってから、S石君と三軒茶屋の「ラブルダイニング」へ。ここは以前ラブリーのマネージャーだったポールが出しているお店。久しぶりに行ったら、すぐ向かいに久富と全く同じメニューの支店が出ていてびっくり!ラブルダイニングは満席大繁盛。まず串カツで一杯、そしてラブルでおいしい料理をたらふくいただきました。

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