森山威男公認HPライブレポートNo.126

2006年6月10日(土)新宿ピットイン 林栄一(as)板橋文夫(p)望月英明(b)

ピットインに着くと、たくさんの人が並んでいる。いつもの顔ぶれとやはり少々違うようだ。今回はスケジュールチラシはパンフレットに折り込んで渡してもらえるように事前に送ってある。入るとピアノが左側、ドラムが右側。ピアノ側に席を取る。8時スタートと聞いていたが少し早く7時55分くらいに「もう始めるって」というのであわてて席に着く。

予想通りアリゲーターダンスから。森山さんを除く3人ともTシャツ姿、板さんは赤茶のTシャツに黒のジャージ。グズラさんは黒、林さんは黄色。テンポやや遅いかな?アルトのソロから。ウニョニョー、と肩をいからせて吹きまくる。黄色いTシャツの柄がなかなかかわいくて、一番下の絵は猫だろうか。林さんの猫好きは有名だが、この前行った、ジャズメンがよく訪れる豊橋のカレーハウス(井上さんも大好き、淑ちゃんスペシャルという裏メニューがある)で「あまり人なつこくないのに林さんにはべったりなのよ」という猫ちゃんがいた。ちょいとソロの終わり、テーマが怪しかったような気が。熱のこもった拍手。板さんのソロ、舞台は真っ赤なライティング。三拍フレーズ、森山さんのバスドラがばっちり合う。床がカーペットになっているので板さんが立ち上がろうと中腰になろうと椅子があまり後ろにうごかない、なので舞台の端と椅子が近くても安心。ドラムのバスドラと椅子を固定するマットのようなものを板張りの床の時は使った方がいいかも?ガンガンと盛り上がっていくところのタイミングで森山さんは両腕を広げてバシーっと派手にシンバルを叩くショットで決まり、場内がうわあ〜っと沸く。ドラムソロへ。写真が撮りたくても暗いし、森山さんはちょうど譜面台との延長線だ。森山さん、上半身はほとんどぶれていないのに腕だけが振れ、ハイハット、シンバルが大きく揺れ、タムやバスドラががんがん響いてくるのが不思議なくらい。ドラムソロの終わり、ダーンダーンダーン、のリズムを小さな小さな音で入れ、そこにグズラさんと板さんが加わりテーマに戻っていく。テーマの途中でいきなり大音量に。エンディングしつこい〜、笑っちゃう。


板さんが立ち上がってテンポを出す、森山さんちょっと眉間にしわを寄せる。ダンダン!
ナイロビの夜、だね。ピアノソロのバックで「イェイイェイイェイイェイ」と声をあげ続け、板さんをあおる森山さん。やっぱり板さんを聴いていると体が左右に揺れてくるなあ。それも振幅が倍、テンポは1/2。デジカメを新しくしたので操作がイマイチよくわからない。今日は特にステージが暗く、どうやったらきれいに取れるかと四苦八苦しているうちに板さんのソロが終わってしまった。使い慣れている方を持ってくるべきだった、いや両方持ってくるつもりだったのだが忘れてしまったという方が正しい。森山さんのドラムソロ、ハイハットが倒れそうなくらい左右に揺れている、見ていて心配になるくらい。そういえばこの前の清瀬のデュオの時はおちょこになったんだった、それも心配。ドラムソロからリズムを戻したら瞬時にグズラさんがつける、そのままテーマに戻ったのでドラムソロの拍手をしそびれた。


「えーどうもこんばんは。今日はおいでいただいてありがとうございました。2曲続けて力のある限りやりました、皆さん若いですね」と言ってげほげほと咳き込む。「えーグズラ」と思わず言ってしまってから(笑い)「ベース望月英明!」拍手。「アルトサックス林栄一。森山威男ドラム。ピアノ板橋です」拍手「いやあホント、スゴイですね皆さん。大丈夫ですか?一曲目は僕のアリゲーターダンス、二曲目はナイロビの夜。次はまた僕の曲でバラードです、遠くの空。それから新曲と続けてお送りします」


やさしく、せつないピアノのイントロ。静かなのでビール缶を開けようかと思ったけどちょっと控える。テーマを林さんが吹く、いい曲だ。板さんソロ。この板さんワールドは不思議だなあ。ただ優しいだけじゃなくて、心をあっちにもこっちにも揺さぶられるような感じになる。ベースの音が心地よく響く。ところで板さん、この前のインテルサットの時よりちょっと太ったりしてない?人のことはいえないが。林さん長めのソロ、リズムがちょっと変わった、8beatっぽく。後ろに合図してテーマに戻っていく、あ、今のフレーズ何かに似ている。エンディングに向けて、寄せては返す波のようなフレーズが続く。終わるかと思ったら結構これが長い。終わりのテーマ、小さくフェイドアウト板さんが指揮して終わる。妙なタイミングで拍手をする人がいなくてうれしい、すうっと音が退く、静寂まで余韻を楽しんだ。
拍手、
「はやしえいいちぃ〜」と板さん、拍手。げほげほと咳き込む板さん。


テンポ、カウントを出す森山さん。林さんメガネをかける。森山さんは板橋さんの方を見ながらリズムを合わせて叩く、ドラムのフィルインが入る。リズムをピアノ、ベース、ドラムとも合わせて。だんだん慣れてきたね。アルトソロのバックでもリズムをキープしていたがだんだん崩れてきた。だんだん白熱していく、森山さん4ビート、板さんも鍵盤をプレスしまくる。ピアノソロ、おおー、板橋節全開。ほお、あのトレモロみたいなフレーズは拳固を転がして弾いているのか〜。リズムを合わせるところぴったりだ。板さん立ち上がって指揮。舞台はどか〜んと大爆発して板橋vs.森山、レフェリーがグズラさんという雰囲気。ピアノソロの終わり、テーマを入れるがなんだか合ってない?このまま曲が終わるのかと思ったがドラムソロへ、え、まだやるの?うひ〜、大音響だ。板さんが林さんに曲の説明をしに(?)舞台に出てくる。目をつぶったまま叩き続ける森山さん、板さんは椅子に座って、メガネを外して赤いタオルで汗を拭く。森山さん腕の動きがしなやかで柔らかい。叩きながらちょっと顔の表情であそんでみたりして、余裕があるというのがわかる。マーチっぽいフレーズも入れてみたりして。あ、本当にマーチになった、正確なマーチング。きっと高校生くらいの時にすごくしっかり練習したんだろうなあ。マーチをばしっと切ってテーマのリズムに持って行った。ちょっと「てんてんてんまり、てん手鞠・・・」のフレーズに似て、日本の童謡のような感じ。最後は指揮してバシっと決まる。大歓声、森山さんはスティックで拍手している。
「ありがとうございました、ベース望月英明。ドラムス森山威男〜。アルトサックス林栄一。ピアノ板橋です、しばらく休憩します」拍手、ため息が会場を覆う。

2部は9:25にスタート出てきたときに一瞬ピアノに座ってみる森山さん。
板さんのピアノのカデンツァ。
ワタラセかな?だね。はー、う〜ん、ステキなサウンド、にこ〜っと隣のクリコちゃんと顔を見合わせる。テーマのリズムに入ったところで拍手がおきる。すごく後ノリのテーマ、おもわず後に一瞬引っ張られたような感じになる。うわ!デジカメが光っちゃった、あわててストロボを押さえる。設定を変えようとしたのが強制発光だった!今回からチラシに「演奏中の禁煙にご協力を」だけでなく「フラッシュ撮影、写メールはご遠慮ください」と付け加えたというのに、そのチラシを作った本人がやってはいけないことをしてしまった、顔から火が出そうだ。そうこうしているうちに林さんのソロから板さんのソロへ。うっとり、ゆったり。今日はなんだか、渡良瀬川ではなくて大海原を連想してしまった。立ち上がり、のけぞり、膝蹴り、回し蹴り、プレス、グリッサンド!そしてテーマに。もう一回テーマをしてくれてもいいかなあ。ああ、エンディング引っぱる引っぱる。森山さんドラムに倒れ込む、役者やの〜。思わず笑ってしまう。


「キー」というアルトの音から始まる、あ、
リーパーズだ。そうか、2ND SETにはワタラセ、サンライズ、ハッシャバイ、グッドバイの他もう一曲あるかな、と思っていたのは林さんの曲だ、そりゃ当然だ。ベースはおやすみしてサックスドラムデュオ、っぽくなる。板さんがフレーズに合わせたいたずらっぽいバッキング。さすが自分の曲だけあって本当にぴったりのサウンド。フリーな感じで吹きまくる、楽しい。ビシバシ、キューキュー、ガシガシ、ドンドン、ウキュキューという音が一体化して炸裂している。グズラさんがつけてきた。板さん手のひらと腕を多用したバッキング。テーマにフレーズが入りアルトソロ終了。板さんソロ、いきなり全開だし。森山さん楽しそうな顔、アフロリズムのトップシンバルが鳴り響く、余裕余裕。板さんがガシガシ弾くのに合わせてグズラさんもすごくアップテンポにつけていく。あ、板さんマイクのコード踏んでる、大丈夫かな?森山さん叩きまくる、うひょ〜すごいわ。めちゃくちゃ楽しい。森山さんにこにこしながら叩いている、「キェー」と声をかけて板さんをあおる。すごいわ、すごいわ、しかボキャブラリー貧困で言葉が出てこない。す〜っと音を切ってドラムソロに入る、ピアノソロの拍手をしそびれる。板さん汗を拭く、森山さん叩きまくる。
大歓声。
「林栄一!望月英明!森山威男!え〜一曲目僕の曲でワタラセ。今のは林君のリーパーズ、続けて」お送りしました、というのかと思ったら「ええ、疲れましたねえ」笑い。「ひょっとして、次は昔懐かしい曲です、あの、僕がジャズを始めた頃の曲で。森山さんもその頃は・・・もうラリってこう」森山さんいやいやと手を振る。板さん「ウヒヒ」と笑う、会場も笑い。「ええ、Mercy, Mercyウヒョーと声が上がる。先日亡くなられた本田さんのお好きだった曲、追悼の意味もあるんだろう。

休憩時間にマネージャーさんから「やるかも」と聞いていたのでそれほど驚かなかったが、さっきのリーパーズになったのかと思っていた。多分サンライズ、ハッシャバイ、グッドバイもやるだろうから、そうすると今日は一曲多い?森山さんのマーシー、マーシーだなんて!一回目のテーマが終わって、音が切れたところで森山さんが「アー」と声を上げる、びっくり!森山さんがちょっと照れくさそうな顔をする。アルトのソロ、8beatで叩きまくる森山さん、もうおかしくておかしくて涙が出てきた。でもかっこいい〜。「ロック下手ですよ〜」とポンタさんに言われながら先週8beat叩かされていい練習になったかもね?楽しそうに叩きまくっている。こちらも思わず顔がにんまり、笑顔のまま固まってしまう。板さんもすごいわ。板橋節の炸裂したMercy, Mercy。グズラさんもバッチリのフレーズ。めっちゃくちゃ楽しい。森山さん叩きまくり、だんだん板さんも暴走を始めて、一瞬8beatをキープしているのがグズラさんだけという雰囲気になったがちゃんと戻ってテーマに。ここで終わりかと思ったら林さんが退いてしまった、森山さんぎょっとした顔でグズラさんを見るが、グズラさんもすました顔でストップ、うゎ、ドラムソロになってしまった。すごいことをやらせてますねえ!びっくり!ありえな〜い!圧巻!うぉー、叩きまくりから8beatに戻る、板さんがつけてぱっとテーマに行くかと思ったが少しタイミング合わず、森山さんと板さんの8beat対決みたいになった、そこへ林さんが入ってテーマに戻る。うん、森山さんが知ってる曲だからできたんだろうねえ。拍手!


「パカン!」で
サンライズに入る、いつもの森山組と同じ入り方だ、今まで板さんとやるときには最初ドラムソロからロールを回してタカタドン!で合図をきちんとしてからだったが。しびれちゃうなあ〜。シリアスなサンライズ。森山さんがアルトのソロのバックでまずちょっと抑えめに叩いているが、徐々にヒートアップしていく。細かいロールがタイトに空間を引き締める。グズラさんの低音が地鳴りのようだ。板さんの手が手刀となり、様々に形を変えて鍵盤の上を舞う。ピアノソロ最初はやはりベースもドラムも抑えめ、徐々に音量を増していく。板さん必死のソロ、森山さんはにこにこ笑みを浮かべて余裕たっぷりの表情で板さんをあおっている。さあクライマックスか、というところで森山さんのかけ声、あおるあおる。すごい、まだやる板さん!森山さんも!とことんピアノを追い立てる感じ!!これでドラムソロに突入、森山さんかっこよすぎる!やっぱり毎週叩いているだけあるな〜、これからラブリーまで2ヶ月・・・ちょっと心配ではある。板さん、ゆっくり汗拭いてる場合じゃないよ、いつドラムソロが「タン!」で終わるか。うわぁ、まだやる!すごいわ、とことんだわ。あまりにすごくて涙が出てきた・・・ドラムソロで泣いてしまった。


「ありがとうございました、ベース望月英明、アルトサックス林栄一、ドラムス森山威男!ピアノ板橋文夫でした!また明日もありますから〜」拍手鳴りやまず。
再登場、森山さん
「じゃ〜んけ〜ん」と言いながら。思わずクリちゃんと手を出しそうになる。森山さん、「やるとも!」

Hush-a-byeだ。3連符のショットで林さんのアドリブへ。組長!格好良すぎです!!しかし、アンコールとは思えないしっかりした長さのソロ。森山組だとけっこうあっさり終わるのだけど。ソロが終わってしゃがんでくださる林さん、でもそれより譜面台なんですけど・・・。板さんソロ、おなじみのフレーズ満載。森山さんサビのバックでメロディーを歌う。さて、ベースソロへ。こんどはピアノの側に寄って立つ林さん。テーマに戻って、という森山さんの指示に従って吹き始めたと思ったらあらテーマじゃない、4バースになってしまった・・、あっちゃ〜。おかしくて思わず笑ってしまう、森山さんおちゃらけドラミング、ありゃ4バースも2コーラス目に突入、いつまで叩かせるの、あまりにおかしくて脱力。お互いどっちが最後の1音を出すか、というエンディングしつこくてまた笑っちゃう。


そして
Goodbyeだ。板さんのイントロにうっとりと聴き惚れる。録音機のトラックを分けるdevideボタンを押すつもりが一時停止になっていたのを、隣に座っていたYAMさんが指摘してくださる、ありゃGoodbyeのイントロ切れてしまった。静かにグッドバイのテーマに入ったところでイェー、とか拍手、とか。ちょっと雰囲気が・・・。ピアノソロに聴き惚れる。もっと長くやってくれてもいいなあ。ああ、あっという間に終わってしまった、長いようで短い。エンディングへ。静かに、静かに。音が切れたところで拍手、歓声。


森山さんにマイクを持つように板さんが促す。
「ありがとうございました。夢のようなひとときでした」拍手。「あの、私はクラシックをやっていて、クラシックの世界へ行くのはいやだと、むりやりジャズの方へ飛び込んで、無理矢理やったもんですから山下トリオになってしまって」爆笑。「普通のジャズをやりたいと思ったんです。山下トリオを辞めて、やっと普通のジャズをできるようになりました」普通かね〜?「すべて板橋さんに教えて頂きました、板橋さんどうも有り難うございました。板橋文夫!」板さん照れくさそうな顔をする。「え〜、ありがとうございました。明日も体力ある限りやりたいと思いますありがとうございました〜!」

写真は林さんのTシャツの柄。終わってから撮影させてもらいました。左下、後ろ向きの猫に見えるんだけど、何か他の絵?

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