森山威男公認HPライブレポートNo.121

2006年5月5日(金、祝)井上淑彦(ts)音川英二(ts)佐藤芳明(acc)田中信正(p)望月英明(b)@横浜ドルフィー

今日は地元の井上さんが出るだけあって、もうドルフィーの入場時間には長蛇の列。入場して、カウンターに陣取るがしばらくすると店は満員、カウンターの中までお客さん。トイレに行くのも大変!


19:35にスタート、
Birth of Life から。そ〜っと始まるイントロ、ノブ君のメロディーが美しく響き渡る。ホーンのアンサンブルかっこいい〜。佐藤君のサウンドも管のような音に聞こえる。ドカ〜ンと大音量で始まる森山さんのダイナマイトアフロリズム、緊張感が一気に倍増!ノブ君迷彩色のズボンにピンクの長袖シャツ。淑ちゃんのソロから。低音のサウンドが力強く響き渡る。音川さんはサックスのベルを抱えて目をつぶって頷きながら、佐藤君は淑ちゃんの手元をじっと見つめて、左手はボタンの上を行ったり来たりしながらソロを聴いている。今日は照明が暗いなあ、遠い佐藤君や森山さんは写真が撮れなさそう。森山さんがロールをまわしてビシ〜っとソロの終わりを告げる、ばっちり合った。音川さんソロ、森山さんタムの連打が地響きをたて、リムショットが鳴り響く。佐藤君もバックをつける。音川さんのけぞって、今日は最初からちょっと力んでいるみたいだ。ノブ君の腕が鍵盤の上を跳ね回る。佐藤君のソロ、うってかわって少し抑えめ、少しノブ君も抑えてどうやってつけようかとじっと佐藤君のソロを聴いている。左側にあるモニタースピーカーを回転させて。アコーディオン、ベース、ドラムのトリオで進む、出た前腕弾き!森山さんが後ろから勝負をかけるようなドラミング、あおられるようにして弾きまくる佐藤君。アコーディオンソロ終わりのフレーズ、座ったまま音川さんと井上さんがテーマのフレーズをつける。ノブソロ、森山さんがすっとトーンダウンして退き、ノブ君とグズラさんのデュオになる。ノブ君身をよじりイヤイヤをするような仕草で不思議な音階を弾き続ける、アンプのジーっという音が気になる。ノブ君の指が跳ね回る、うなり声も聞こえてくる、いやここだけ取り出して聞いたらジャズとは思えない?森山さんがバシ!バシ!とスネアを入れて参戦、リムショットで威嚇、佐藤君大笑い、淑ちゃんはじっとクールに聞いている。ノブ君の椅子がどんどん後ろに下がってくるよ〜、でもこっちの椅子の方が高いし、斜め後ろなのでうまく押さえることができない。森山ソロ、スティックが飛ぶ、大音量からバシーっと切って小さな音でノブ君がイントロを弾きだす、このコントラストが見事。フロントのアンサンブルが入る、わあ〜、サウンドが厚い!
「テナーサックス、井上淑彦。曲(名)は、まだ、ない。・・・名前ついてるの?」笑い、何度やってるんだ〜!淑ちゃん「Birth of Life」と答える。「井上淑彦の曲です。もうこれができれば後はなくてもいいかな、っていうくらいの渾身の力を込めて。しばらく休憩したいと思います」爆笑。「私事でございますが私は静かに休憩したいと思います、次の曲は音川英二の曲で、・・・・・Hole in the world 淑ちゃんハモリのタイミングをわざとずらす、おもしろい。サビの部分はノブ君のピアノ。音川さんのソロになって、お、いきなり4ビートになった。グズラさんが力強く弦を弾く。そうか、もう25分経っている、人が増えるとソロの時間が長くなるからよけい時間がかかるねえ、こりゃ大変だ。井上ソロ、ゆったりした振幅のソロ。佐藤君が大きな目を見開いて井上さんをみている。左手だけでボタンを抑えて蛇腹を引いて、小さくバッキングしている。ん〜、しぶい。ノブ君のジャズっぽいソロ、何だ今のフレーズは?佐藤君と音川さんが大笑い。ノブ君をあおるようなバッキングを佐藤君がつける。森山さんも張り合うように音を大きくする、そろそろやめろ、って?佐藤君のソロなしで頭へ。音川さんは大胆にフェイクしたメロディーでテーマを吹く、森山さんの腕が大きくしなる。


森山さんが汗を拭く、
Gratitudeが佐藤君の口笛とアコーディオンのユニゾンで始まる。8小節すすんだところでノブ君が8小節。淑ちゃんが吹くメロディー、ううう渋い。音川さんがハモリを入れる。淑ちゃんのソロ。なんてあたたかいの・・・とうるうるしてしまう。佐藤君の力強いソロ、生きていることに勇気がわいてくるような。音川さんソロなしで、目でノブ君にソロを渡す。きれいなノブソロ。・・・でもやっぱり「ジー」という音が気になるなあ。森山さん抑えたバッキング。観客はうっとり浸っている人、目頭を抑える人。最後は佐藤君の口笛で、グズラさんが高音で弦をカリカリと鳴らす。


N.O.W.。うんうんいいな〜、この曲。ALA で大編成でやったらすごく映えそう。音川さんソロから、もう彼の十八番だね。佐藤君のバッキング、音川さんのけぞり、佐藤君が軽快に横からおだてるようなバッキング。佐藤君ソロ、蛇腹を引ききって返すのと森山さんがすごい勢いでシンバルを叩くタイミングがばっちり合って。あ、佐藤君Straight, no chaserだね。そろそろかと音川さんがかまえるがまだもう1コーラス。淑ちゃんソロ、また打って変わってすごいブルースっぽい、スピード感を抑えたソロ。あ、そういえばこの曲はブルースだったんだった、と思い出す。佐藤君アコーディオンを床におろし、メガネを外して汗を拭く。グズラさんのベースも井上さんのフレーズに反応している。テナー、ベース、ドラムでどんどんつっぱしる、淑ちゃんゆったりした感じからどんどん体感速度アップ。ノブ君首を上下に振って張り子の虎みたいな感じ。森山さん怒濤のロールまわし、暴れる暴れる。ノブソロ、森山さんとデュオに鳴る。もう70分だ、う〜ん。ノブ君の指器用に動くなあ〜、前衛ですか。テナー2人が顔を見合わせてタイミングを計ってフレーズを入れる。森山さんがグズラさんの方をちらっと見る、いやすごいピアノとドラムのバトル、お互いがよく見えるせいか、にらみあって延々続く。森山さんソロ、佐藤君めがまん丸。バカン!で全員合わせてテーマになだれ込む、キャ〜、かっこいいわ〜、すごい〜。 「望月英明!井上淑彦!音川英二!佐藤芳明!田中信正!」 とメンバー紹介、「しばらく休憩します」

1時間近い休憩の後、メンバー登場。だいたいメンバーもトイレに並んでなかなか終われない、ノブ君が入っているのに佐藤君、望月さん、音川さんがトイレに並ぶってのは壮観。

メンバーみんながノブ君の方を見ている。「え?一人?一人?」と騒いでいる、イントロを出すのが自分一人ってのにうろたえているわけね、会場から笑いが。「どうしよう、え〜、カウント出して〜」と甘えるノブ君。「Catch up with him」だ、ノブ君が一人で弾き始め、サンダーロール!このドライブ感、たまりませんねえ。よしよし、テーマの森山さんのドラミングもばっちり決まってかっこいい〜。佐藤君のソロにノブ君がぱらぱらとバッキングを入れる、カリカリカリと緊張感をつける。佐藤君が大きくアクションをつけてBメロの進行へ。すごいぞ、足踏みをしながら延々弾きまくる。森山さんもカリカリとつけ、ソロは最高潮へ。アコーディオンを振り上げてリフ、う〜、決まったね。音川ソロ、佐藤君がバッキングをしているように聞こえたんだけど弾いてないんだ。音川さんストレートな硬質の音で吹き捲くる、倍音が襲いかかる、うへえ。バックに合図してアドリブのエンディングへ。ドラムの切れもばっちりだ。また淑ちゃんが渋くてちょっとアラビックな感じのソロ。同じ音を使ったモチーフから展開、ノブ君と佐藤君がにたような感じでトレモロでバッキング。ちょっと抑えた感じ。リズムをかえたところでぱっとアドリブの雰囲気を切り替えるのが見事、スピーディーなソロへ。森山さんのスタタスタタという三連が気持ちいい。シンバルが大きく揺れる。ノブソロ、ベースがうなる、レガートが切り込む、ノブソロ、よくまあ・・・力強いわ。すごいアップテンポ、森山さん大丈夫?ドラムソロへ、ノブ君靴のひもを結び直している。う〜ん、このドラマーは化け物だな、やはり。というと息子に「森山さんを化け物だなんて言ってはいけません」と怒られるのだが。そろそろ戻るかな、おちゃらけドラムを入れるかなと思うんだけどまだまだ、よく叩くなあ〜!ソロも延々だ。そろそろかと思ってフロントはみんなすぐ入れるように身構えているのだが。すっと音を切って、ノブ君一人のイントロになり、テーマに入ったのでドラムソロへの拍手をし損ねる。終わったらやっぱり大拍手!


「これは佐藤芳明の作ってくれた曲で、割に簡単なんですよ(曲の内容じゃなくてタイトルね)、・・・何っつったっけ?」今簡単って言ったじゃない。「Catch up with him」と佐藤君。「だから非常に言いやすい、Catch upだから春よ来いだと思った。いや〜、いい曲を書いてくれました、練習のときはうまくいかなかったんですけれど、本番は・うまくいかなかった」爆笑。「まあそのうちにはこういうのはまとまるもんなんですよ。ほっといても必ずうまくなるようになってるんです。ちょっとその間の出来上がりを楽しむように長い目でみていただければと思います」まあそういえばN.O.W.もそうだったな。やりはじめのころあんなに苦労したのに今は全然感じさせないもの。「次の曲は音川英二の作りました曲で、これは簡単なんです、Blue Indigo」お、言えましたね。


淑ちゃんの、テーマのメロディーへの絡みのラインがかっこいい〜。思わずこの前新潟で一緒に聞いたOkadato と顔を見合わせる。音川さんのソロから。ノブ君の床蹴りが響く、佐藤君はアコーディオンを抱えて床にしゃがんでいる。音川さんの吹いている音が、以前に比べて揺らぎが減ってストレートになったように思う。鋭く硬質のサウンド。淑ちゃんのソロ、スイングしたサウンド。思わずノートを抱えたまま体が揺れてしまう。佐藤君ソロ?ってノブ君は佐藤君の方を見るが、佐藤君は床に座っている、ノブ君を見て眉毛を上げただけで合図。ノブソロ、(彼にしては)オーソドックスな感じ(それでも相当オーソドックスではないと思うけど)のソロ、きっちりしめて佐藤君に渡す。足蹴り、バランスをとってスイングするソロ、すっと締めてテーマに、音川さんが戻ってエンディングへ。

森山さんふう、とため息をついて固まったまま。どうするのかな、と思っていたら音川さんを見上げて「あ、まだやる?」音川さん「911」森山さん「はい、はいっ!」と構える。


ルバート、そして森山さんの小さなレガート、ノブ君のイントロのサウンド。テーマ、かっこいいっす!森山さん決まってる!暑くなってきた、演奏もホットになりそうなので上着を脱ぐ。思わずテーマが終わったところで拍手をしそうになる。佐藤君からソロ、「至上の愛」ですか、ノブ君も反応して。佐藤君がフレーズを切ったところ、森山さんがフィルインを入れようとしてタイミングを逃したか、ニヤッと笑う。音川さんのストレートなブロウが心地よい。ノブ君がホク反応してバッキングしているのがよくわかる。あ、音川さん合図したのは何だったんだろう、よくわからなかった。しかし長いソロだな〜、佐藤君の目はどこを見ているんだろう。う〜、森山さんドラムソロ状態、すごい、あごが外れそう。淑ちゃんソロ、ここでベースと淑ちゃんのデュオになるかと思ったんだけどドラムとデュオ、ずいぶん雰囲気を変える。抑えめだったがだんだん森山さんヒートアップ。グズラさんかまえる、ここでテーマに?って感じでグズラさんが入り佐藤君も構えたがそのままノブソロへ。タムの響きがすばらしい、レガートが突き刺さる、グズラさんのラインは黙々と。ノブ君は不思議なリズム、フレーズに聞こえないよ?ノブ君助けて〜って感じに見える。う〜ん、ソロの変わり目にテーマのメロディーを入れるのかと思ったけど入れず。あんまりやるとくどいのかな?ドラムソロ、短めだが爆裂。ノブ君からすっと入ってバラードっぽくおとなしく、緊迫感にちょっと欠けたかな。そしてテーマ、エンディングへ。


さて、どっちが吹くの?って感じで音川さんがゆずって井上さんが吹き始める
Hush-a-bye。Okadatoが思わず隣でため息をつく。サビは音川さん、そしてテーマ終わりの8小節は井上さんに戻る。曲の頭で佐藤君がソロに入りそうになるがそのまま井上さんがソロをとる、佐藤君そのまま固まる。淑ちゃんのソロ、しびれちゃうな〜。森山さんの三拍フレーズ、音川さんの吹き捲くりに佐藤君のけぞり、森山さん細かい音であおる。フレーズをそのまま拾って佐藤君ソロへ。なんかコミカルなフレーズが出てくる、ノブ君のソロも。井上さんと音川さんが何か相談している、さっきとテーマを吹く担当を入れ替えるという話のようだ、つまり出だしは音川さんでサビが井上さんということだな。ノブ君前衛チックなソロ〜。グズラさんソロ、本当はソロしたくないと思ってる・・・わけじゃないよね?サビで佐藤君と音川さんがつける。グズラさんのソロが1コーラス終わったところで音川さんがさっと構えて吹き始めたら森山さんがドカンバシンと暴れだす、あれ〜、もしかしてドラムソロをしようとしてたの〜?珍しい〜!音川さん引っ込みがつかずそのままテーマを吹き続ける、サビの井上さんの音色がすばらしい。


「ありがとうございました!」拍手拍手。頭を下げて「しばらく休憩します」爆笑。「テナーサックス井上淑彦、テナーサックス音川英二、アコーディオン佐藤芳明、ベース望月英明、ピアノ田中信正。ドラムス森山威男でした」と頭を下げる。「今日はこれにて終わり、今日は明日のためにいい運動をしたような気がします」佐藤君ずっこける。「明日はいいからね!ありがとうございました」で楽屋へ引っ込むが、拍手がおさまらない。森山さんだけ再度出てきて「明日はやりますよ。なんとかがんばって元気を取り戻して。今日はいつになくすごい勢いでたたけたような気がするんですが」拍手。「本当はまだまだやれるんだけど音川がかわいそうだから」大爆笑、「明日をお楽しみに。どうもありがとうございました」
終わってからも音川さん、ノブ君、佐藤君がピアノの前でいろんな音を出して楽しそうに笑いあってる、いい感じ。とてもこちらも楽しい。

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