森山威男公認HPライブレポートNo.123

2006年5月20日(土)土岐市スタジオF  伊藤君子(vo)日野皓正(tp)音川英二(ts)田中信正(p)望月英明(b)

リハーサル、さすがゲストもベテラン同士、どんな曲を?というのをそれぞれ持ち寄り、提案と承諾、相談であっという間にどんどん進行が決まっていく。森山バンドのサンライズを客席で聴いている日野さん、その後みんなが去った後森山バンドの曲を一人で練習されている。感激した。実は日野さんは何度か聴いている、記憶力が悪い私だが、初めて聴いたのは医者になってすぐの年、金沢厚生年金会館だと思う、Trans Blueのコンサート、グラディ・テイト(ds)、エディ・ゴメス(b)、ケニー・カークランド(p)と。ま、それが私の人生を変える大きな出来事になったのだが、まあそれはそれで置いておいて、日野さんはそのころよりずっと体格が良くなったように思う・・・太ったのではなく、筋肉がついてすごく大きく見える。すごく努力されているのだろうな。

会場の外には、だんだん花束が届いてくる。(実は森山さんから来た花束の名前が間違っていて、花屋さんが慌てて直したという話しもあるのだが)すごくきれい・・・。

なんと藤井先生がこの記念すべき100回めのコンサートを目前に体調を崩されてしまったとのこと、まあ大変。6時半を少し回ったところで藤井奥様先生が舞台に登場。「100回記念はあなたにまかせるよと言われたので、私のたっての願いで、日野さんと伊藤君子さんにお願いしてこのコンサートが実現しました。任せたついでといっては何ですが、3日前から高熱を出しまして、今日は最後に顔を出せるかどうか、皆様に失礼しますけれど。すばらしい演奏をよろしくお願いします(録音のスイッチが入っていなかったので正確ではないです、ごめんなさい)」とご挨拶。


カルテットが登場、
911から。この曲はやっぱり最初からずっと佐藤君がいるのを聴いているから、アコーディオンがないとちょっと寂しいな。音川さんの吹き上げるルバート、ノブ君のクリアな音のイントロ。テーマ、森山さん快調そう。ノブソロ、盛り上げ方がかっこいいな。森山さんがあおって叩きまくる、軽快に上下するハイハット。ノブ君こんなフレーズ弾いてて今どこやってるかわからなくならないのかな〜?唸りながらおでこが鍵盤にくっつきそうになったり背中が伸びたりと忙しい。ノブ君は最近お気に入りの、長袖シャツの上に半袖のTシャツを合わせるスタイル。桜の模様の上にピンクのTシャツがかわいらしい。森山さんが声をかけ、音川ソロへ。低音から高音を駆使して軽快に走る。ブルーのキャッツアイのペンダントが胸で光る。吹きまくるサックスもきらきら光ってきれい。目で合図して、ソロエンディングへ。森山ソロ腕の動きが柔らかい。すっとドラムがトーンダウンしてし〜んとなったら誰か後ろの方で喋っているのが聞こえる、そこからノブ君がまた弾き初めてテーマに戻る。サックスを振り上げてエンディングへ持って行く音川さん。


「ありがとうございます、メンバー紹介します。テナーサックス音川英二、ピアノ田中信正、ベース望月英明。え〜、100回記念おめでとうございます。といっても藤井先生がいらっしゃらないんですけれど。まあ、いらっしゃらないから「くやしいっ」ていうんで101回目をまた期待しています。このマイクはちょっと声がきれいに聞こえますか?次に歌われる方のマイクがこっちに来ているんじゃないかと思うくらい自分の声がきれいに聞こえるんですが。お待たせしました、伊藤君子さんです」


拍手の中を伊藤君子さんが登場、ベージュ色に光るすとんとしたデザインのレインコートみたいな(失礼)ドレス。
「ありがとうございます、小豆島が生んだ大年増でございます」笑い。「100回、本当におめでとうございますですね、藤井先生はいらっしゃらないんですけれど、奥様先生がいらっしゃいますから。残念ながら先生ちょっとお熱で。まだ伏せっていらっしゃるようですが、早く元気になられますようにね、みんなで声援いたしましょう。私は3回か、もう何回か忘れたんですけれどおじゃまさせていただきまして懐かしいな、って感じなんですけれど。森山さんとは2回目でござます、よろしくお願いいたします」と森山さんに頭を下げる。「ノブ君とは何回もやってるんですけれど。よろしくお願いします」と音川さんにも挨拶。「ではGreen dolphin street。1,2,1234」とカウントを出してトリオでのイントロが始まる。きれいなベージュのハイヒール、かなり高いヒールだけれど足首のところにきらきらしたストラップがついている。このストラップのおかげで安定感がありそう。蝶の模様の大きなイヤリングが光る。テーマの歌に音川さんがからむ。楽しそうな表情で、豊かな声。そして音川ソロへ、しかし歌伴とは思えない派手なソロだ。ノブ君はピアノの中をのぞいて譜面をみながらバッキング、そしてノブソロへ。これもまた派手なソロ、おお伊藤さんのパワフルなスキャット。そこからテーマに戻る、このメンバーでスタンダードはあまりやらないから新鮮な感じ。拍手、森山さんもスティックをカンカンと打ち付けて拍手。


「うゎ〜っとやっちゃうと楽しいですね!」と伊藤さん。音川さんも笑いながら頷く。「いつもこう、静か〜にやってるものですから、うわぁ楽しい!いっぱいエネルギーが来てすごく楽しい、ありがとうございます」と森山さんに頭を下げる、後ろを向いて望月さんの方にも挨拶、グズラさんも頭を下げて応える、なんとなくおかしい。「ノブ君もほんと久しぶりですもんねえ。楽しいなあ!」楽しそうだな〜、と思ったら本当に楽しんで歌ってらっしゃったんだ。「では2曲目、どうぞ恋人にするなら私にしてください、っていう曲です。すごくおおざっぱな訳ですけれど。Let it be me、という曲です」

バラード。イントロ、トリオで。音川さんはサックスを置いてステージの右端に座っている。ゆったりとした明るい感じのテーマ、初めて聴く曲だ。ノブ君のピアノソロを聴いていたら、ちょっとだけGratitudeを聴いている気分になった。終わりのテーマはサビから。「私のことを好きになって、お願い!」という雰囲気が伝わってくる、そうかバラードはこう表情豊かに歌うものなのね。


「どうもありがとうございます、それではまた戻っていただきまして、元気よくいきたいと思います」と音川さんが舞台にもどり、サックスを首にかける。「Sometime I’m happy」アップテンポのほんとに元気の良い曲。テーマに音川さんがちょっとだけ絡む、テーマの終わりにぱっと手を振って音川さんにソロを渡す。なかなか熱いソロだぞ、そしてノブ君に。カリカリキラキラしたソロ、伊藤さんは楽しそうに舞台の上でスイングしながら聴いている、スリットからキラキラしたヒールが見える。いいな〜、私もあんなの履いてみたいけど絶対こけるだろうな。発表会のステージで5cmのヒール履くだけで足が痛くなるもの。なんて考えているうちに終わりのテーマはどんどん盛り上がって、エンディングに。わ〜、普通の「歌もの」の終わり方ができました、ほっ。


「どうもありがとうございました!」と手を振って舞台を去っていく。「もう一方のゲストです、日野皓正」大拍手の中日野さんが登場。「さっき1回吹いてもらっただけで音川の曲を、『ようしそれじゃあそれをやろう』って、私なんざ到底まねできない、一晩かかってもまだできないようなことを2分で成し遂げてしまうというプロの技を見せていただきました」と頭を下げる森山さん。「ありがとうございます」と日野さん。「ありがとうございます、それでは曲目は音川から、なんて言う曲でしたっけ」「これは僕の曲じゃないんですが」「あ、音川さんの曲じゃなかった、これは鈴木宏昌さんが作ってくださった曲で、曲名は到底いえないんですが」Departure from the mysterious flash」と音川さんが伝えると、森山さんがオウム返しに「Departure from the mysterious flash・・・そういってもまだ訳がわからないんですが。こういうのはまあ、記号みたいなものですから」でもこれ、確かDr.MFと藤井修照(ふじいみちてる)の頭文字を入れてあるんじゃなかったっけ?「鈴木さんには気合いを入れて書いてもらった曲で、このグループらしい曲だと思っています」と直立不動って感じで気合いが入っているなと思ったら「では、Mysteriousなんたら」がくっ。


いつもはノブ君が弾くブリッジ(?)のところは日野さんが吹く。トランペットの音がストレートに飛んでくる。音川さんソロ。横に立っている日野さんはにこにこしている、踊っている。音川さんのけぞって、手も首も静脈が浮かび上がっている。森山さんがうしろからあおる。音川さんのソロ終了、ノブ君どうしようかって顔をしながらソロを弾き始めたがしばらくしたところで日野さんが制止して自分のソロに持って行く。変わった形のトランペットだなあ。ハイノートの音の切れ目で森山さんがどかどかと叩いてあおる。スネアの叩きまくりだけでなくシンバルもこれでもか!という感じで繰り出される。日野さんがだんだんピアノの方に寄っていき、ノブ君にソロを渡す。ピアノに耳を寄せて、肘から先をぐるぐる振り回す。ノブ君に巻きを入れているかのように見える、信正がんばれ。ときどき膝をがくっと折るけれど、なんかずっこけたかのようなアクション、何かノブ君が変なフレーズでも弾いたかと一瞬心配になるけどただのポーズだよね?ノブ君のソロカリカリ、バリバリの横で日野さんが膝を折ったり、持ち上げたり。ピーっとハイノートを入れ森山ソロに持って行く。日野さん、足下の水のペットボトルにかぶせてあった紙コップをつかんでステージの隅に放り投げる。ドラムソロ白熱、大音量と小さな音を叩き分け、ソロのエンディングは細かなロールからどかんとテーマに戻る。フィルインは日野さんと音川さんが二人で吹き分け、エンディングへ。拍手、拍手。
「日野皓正!ありがとうございます、しばらく休憩します」と皆で舞台を去っていく。

インターミッションではこのスタジオの下で、コーヒーやお茶、お菓子が振る舞われ、皆が楽しそうに談笑している。おせんべいとチョコレートをいただく、ごちそうさま。森山さんがドラムヘッドを持って現れる、じゃんけん大会ね。森山さんは「このじゃんけん大会が大好きで、演奏より盛り上がっちゃったりして」とにこにこしながら始める。「これはいいですよ、記念の100回目ですから」3枚あったが2回戦めは残った4人が全員森山さんとあいこか負け、でキャンセル。3回戦終わったところで、「一番遠くから来た人〜」「岡崎」なんて立候補もあったけど、多分その人は自分が一番遠くから聴きに来ていると思われたのだろう。それを言ったら北海道のNさんだけれど、彼は遠慮深くそこでは声をあげない。結局全部クリアにじゃんけんで決定。私はまたしても全回初戦敗退。ラブリーで勝ち抜いてゲットしたときの強運はどこへ行ったのだろう。「次のセットはすさまじいですよ」森山さん、会場がどっと沸く。


N.O.W.だ。スピーディーなテーマからノブソロ。ノブ君の靴今日はちょっと大きいようだけど、ペダルを踏むのにはあんまり関係ないのかな?森山さんのリムショットが響き渡る。ノブ君の指が鍵盤をはね回る。森山さんの方を見ながらペダルをがんがん踏んで、グリッサンドを繰り出す。音川ソロへ。グズラさんの指が師板を上下する、サックスの低音が足の先までびりびり響く、メモをとっているノートが細かく振動する。森山ソロ、バスドラの振動、リムショットで耳が痛い。パカン!でテーマに戻る、ううんかっこいい〜、なんて「かっこいい」しかボキャブラリーがないのかと思われそうだが、それしかないんだもん。


「Nowという曲でした。はぁ〜」とため息をつく、それだけで観客席から笑いが。「私のたっての願いで日野さんとデュエットをやらせていただきます」日野さん登場、音川さんとノブ君が舞台から降りる。グズラさんはベースを置いてステージの奥の隅っこに移動してピアノの陰に隠れる。ユーモラスで思わず会場から笑いが。日野さんがピアノの椅子に座ったら?って指さすが、グズラさんは「いやいいよ」と手を振る。森山さんは「そこにいたら真剣勝負にならないから」と退場を促す、日野さんも「真剣勝負ですから」と腹切りのまね、森山さんはスティックを真剣に見立てたのか寄り目でスティックの先を見つめる、会場から笑い。
全くのフリーをするのかと思ったら、
Round about midnightだ。日野さんが吹き、森山さんが応戦、という形で展開していく。ピアノの中に頭をつっこんで、弦をかき鳴らす。ピアノが鳴っている間にトランペットを吹き込んで共鳴させるという荒技が出る。すごいほっぺたがふくらむ、ディジーガレスピーほどではないが。日野さんは真っ赤、森山さんの顔に汗が光る。ベルがこっちを向いているとものすごい迫力と音圧を感じる。ありゃ、エンディングもっとどかどかバリバリと競い合うのかと思ったら日野さん意外にあっさり引き下がり、森山さんが振り上げた腕の行き場所がない感じ。さてどっちが勝ったのだろう?


メンバーが戻ってくる、譜面を見ながら日野さんが真剣に「ここは何回?4回と言うことは・・・」と音川さんに質問、譜面に書き込んでいく。おお
サンライズだ。トランペットのサンライズ、たぶん昔に聴いたことがあるはずだけれど記憶にないや。日野さん、膝を高く上げてポーズをとりながら吹く。テーマのコーラスを繰り返すタイミングが少しずれた、2回目のテーマが終わったところですかさず日野さんは譜面にメモをする。音川ソロ、左右にバランスをとってパワフルにスピーディーに。日野さんソロは高音域中心で全身を使って吹きまくる。気がついたらバスドラの前にあるマイクがずれてバスドラの皮に当たってしまっている、音川さんに合図してずらしてもらう、演奏中に使ってごめんなさい。音川さんがリフを入れようと吹き始めたら日野さんのソロが終わってしまった。ノブソロ。ペットボトルの水を飲んで床に放る日野さん、タップダンスを踊り出す。サビのところから日野さんがつけ、音川さんもあわせる、なかなかいい感じ。森山さんがすごくいい感じ。ノブソロ終わって日野さんがノブ君に声をかけ、笑いかける。森山ソロ終わろうとしたところで日野さんが床に置いてあったパーカッションを持つ。たたき始めたところでテーマに戻ってしまう、日野さんあわてて飛び道具を置き、トランペットを持つ。森山さんスティックが折れる、叫んでいる、笑っている。


「ありがとうございました、テナーサックス音川英二!ピアノ田中信正!ベース望月英明!そしてトランペット、日野皓正です!」森山さん完全に声がかすれている、裏返っている。拍手、「どうもありがとうございました!」日野さんがマイクを持って「森山、威男!ドラムス!・・すばらしい!」拍手の中メンバー退場。森山さんがマイクを持って「藤井先生いらっしゃいますか?藤井先生。一言よろしいですか?あ、あとから?・・ありがとうございます。今夜はまだまだ続きますので・・・」拍手。「ちょっと打ち合わせしてきます。もうやる曲がないので、もしアンコールがあるならば、最初っから全部やり直しと言うことで」爆笑、拍手。「ちょっとお待ちいただけますか?」


しばらくしてノブ君と望月さん、伊藤さんが登場、伊藤さんはドレスを着替えて、1stとはだいぶ印象の違う、白のてろんとしたラメとスパンコールがついたきれいなドレス。「では、第三部を」と言ってにっこり笑う、拍手。
「私がここに最初に呼んでいただきましたのは1992年だそうです、それで、一番最近伺ったのがもうすでに11年前」とMCのうしろで、ノブ君とグズラさんがそっと音あわせをする。「もうほんとに一昔、早いですよねえ、そんなに時間が経ったって思わなかったんですけれど。でもそういった100回目という記念のコンサートに参加させていただいて本当にうれしいです、ありがとうございます。では、この曲を3人でお届けします、Follow meおお、っという声と拍手。スタジオジブリの映画「イノセンス」の主題歌らしい。ノブ君のイントロがとても静かで雰囲気がある。「Follow me ---」と歌い出す、メロディーはアランフェス協奏曲。グズラさんとノブ君が二人でつける。ノブ君ソロ、キラキラ。そのバックでのグズラさんのベースがよく響き、存在感。共鳴しているスネアの響き線も、主が座っていないのに伴奏をしているかのようだ。終わりのテーマ、ノブ君のバッキングがかわいらしい。伊藤さんよくこんな高音がきれいに歌えるものだ。3人での演奏、さっきまでの曲と本当に雰囲気ががらっとかわっておもしろい。
「では、森山さん、音川さん、日野さん、どうぞ!おかえりなさい〜。」日野さんは「Follow me--」の旋律を口笛で吹きながら戻ってくる。どちらが真ん中に立つかで譲り合う日野さんと伊藤さん。「では、Old devil moon.恋に燃える女の歌」と言って自分で笑ってしまう伊藤さん。

こういうリズムはどういうのかな、カリプソ?パッパー、パッパー、と日野さんが吹き、音川さんがハモる。イントロ、そして伊藤さんが歌い始める。踊りながら楽しそうに歌い上げる。フロントの二人がからむ。しかし、このメンバーでどんな曲をどうやるんだろうって心配したけれど、リハもスムースにいったし案ずるより産むが易しだったようで。音川さんソロ。バックで日野さんが踊っている。日野さんソロ、腕に光るかっこいい大きな時計はカルチェだな、高そう〜。ノブソロの横で日野さんが腕を上げて手拍子、観客から手拍子を促す。ノブ君が森山さんの方を見て、笑いながら弾く。ノブソロが終わってブリッジ、ドラムソロは?って森山さんの方に目で訊くが森山さんが首を振って「なしで」と応える、テーマに持って行って、伊藤さんが歌い出す、日野さんがバックで「ひょっこりひょうたん島〜」のようなフレーズをつけ、音川さんもそれに合わせる。エンディングに向けて盛り上がっていく。拍手!。


「伊藤君子さんです!・・ありがとうございます、日野皓正さんです。音川英二、田中信正、望月英明!100回記念ライブ、おめでとうございました!」「森山威男!森山威男!ワオ!」と日野さん。アンコールの拍手が続く、「おしまい!もうないんだから!」まだまだ、という声が客席から。「じゃあ森山威男ドラムソロ!」拍手がまだ続く、森山さんが戻ってマイクを持つ。「僕も本当はトランペッターになりたかった・・・・」とちょっと肩を落とす、客席が笑いとともに静かになる。「ありがとうございました、藤井先生遅くまで大丈夫でしたか?」藤井先生登場。ステージの隅に立って「森山先生、すばらしい演奏を100回記念でありがとうございます」「(藤井)先生がドラムをお叩きになるのでしたら、私がピアノを弾きましょう」と森山さん拍手。藤井先生いやいやと手を振って「どうもありがとうございました。どうして皆さんから(大丈夫ですかと)訊かれるんだろうと思ったんですが、最初にばれていたんですね。4日ぶりに縦になったものですから(3日間寝ていらしたのですね)」そりゃドラムを叩くのは無理でしょう。「プログラムを書いたのですが、一枚の紙に収まらなくて」「そのうちの何回くらいわたしはやらせていただいてるのでしょうか、私はまだ今日が初めてのような気がしているんですが、図々しいったらありゃしない」「いやいやこれからもよろしくお願いします。本当にこの会を最初から、最後まで本当にお世話になりました」最後?「あの、会場の皆さんにもお世話になりまして」「私がお客さんだったら入れていただけたんでしょうか?」「今回はね、ちょっと特殊なご案内で。皆さんの名簿が第1回からあるものですから、コンピューター処理をいたしまして、本当に見覚えのあるお客さんばかりで。全然ご案内をしなかったお客さんもいっぱいいらっしゃるんです」「私も山梨のお友達を10人ばかりお断りいたしました、あとから電話口でドラムを叩いて聴かせようかと思っています。先生、本当にみなさんにご挨拶をなさってください、私と話しているととりとめがなくなってしまいますから」「どうぞ手伝ってください」「格調が下がりますから。藤井修照先生でした」拍手。「本当に100回記念、お越しくださいましてありがとうございました。暖かいお言葉と、お花などをちょうだいしました折りに、私のお見舞いまでいただいてしまいました。ありがとうございます。私ちょっと、途中から出てきまして、不思議に思っていたのですが、どこでばれたんだろうと。最後までがんばるつもりでおりましたけれど、ばれたのならしかたない。4日ぶりに縦の景色を見ることができました。またなんとか勇気が出てきそうな気がします。本当に今まで支えていただきました皆様のおかげですし、出演していただきましたたくさんのミュージシャンのおかげでもございます。また、私を支えてくださった陰のスタッフがたくさんおります。PAをやっているひと、上の方では音の調整をしている人、会場の準備をする人、受付をする人、さらに駐車場の整理係をやったり、ステージの合間のお茶のサービスをやったり、ほんとうにありがとうございます。この中にはボランティアの方がもちろんありますし、特に私の診療所の方の職員もずっと手伝ってくれました。まあ、それもあってずっとやってこられたのだと思います。これで切りが来たからやめる、ということは今は考えておりませんが」拍手。「皆さんのご要望がありましたら、私の力の続く限りやってもらいたいと思います、よろしくお願いいたします。長い間ありがとうございました」
去っていこうとする藤井先生に「アンコールはないんですか」訊くご婦人。あの・・・アンコールは済んでいて、もう日野さんも「おしまい!」って言ってらしたと思うんですが。藤井先生はお優しいから「ちょっと覗いてきます」ですって。


本当に100回もこのような質の高いコンサートを維持されるというのは、非常に努力の必要なことだと思います。敬意を表します。今後も、お体に気をつけながら(不養生の医者のくせに、医者に言うせりふではないわね)コンサートをお続けくださいますよう。
100回記念、おめでとうございました。

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