昨日分に引き続き、やはりメモだけですので読みにくいレポートですね。すみません。おっしゃったことなど、事実関係と少々違うかも知れませんし、もちろん全部メモし切れていないので不足分もあると思います。でもこれでかんべんね〜。

二日目。今日の方が客席の入りがよい。この不況の世の中、ジャズで、なおかつこの交通至便とは言い難い場所でこの入りは特筆ものであろう。

真っ暗ななか、井上さんとノブ君のデュオでA day in the Lifeが始まる。軽快で明るく、この前のDEPOTでのライブ(リハ?)レポにも書いたがこんなによい曲だったかという感じ。ノブ君の顔に笑みが。昨日の打ち上げの席で井上さんとも話したが、ノブ君のピアノは多彩でよいねー。バックはブルーとグリーン。静かで美しく軽快でクリアなソロが終わる。拍手しようかどうかと迷ったが、そのままベースソロに移行。森山さんが舞台の袖から出てきたら会場から拍手!森山さん、椅子に座って楽しそうに体を揺らす。顔色がよい、よかった。ベースソロが終わり、ドラムがばかーん。ノブ君がピアノをガシャンとならす、ノブ君、今日のシャツは袖がひらひらしていてかわいいよ。森山さん白いシャツにジャケット姿。ピアノの音あまりよく聞こえない、ベースとピアノ二人で合わせて決めのフレーズを入れ、エンディングへ。

「こんばんは。メンバー紹介をします。ピアノ、田中信正。ベース、井上陽介。こんな大きなこと(このコンサートのこと)をさせていただくとは思ってもみなかったんですが。昨日は死ぬかと思いましたが何とか生きて今日を迎えることができました。もっと若い時にやらせてもらえばよかったんですが、年をとらないとできないんでしょうか。昨日からガゾーン・バートンとを加えたカルテットで高さ、それから自分のバンドで深さというタイトルでやらせてもらっていますが、今日は広さ、ということで今までの私の生活の中で思い出に残る曲をやってみようと思っています。最初の曲はA day in the lifeというビートルズの曲でした(客席ざわめく)。いろんな曲をやりますので、曲名を紹介しませんが、私が知っている曲なので皆さんもご存知だと思います。出てこないのは演歌くらいのもので・・・。「月光」という曲をやるんですが、芸大を受験しようと一生懸命で山梨から東京にピアノのレッスンに通って、最初に曲らしい曲を弾いてみようという時に、田中さんの目の前でいうのは何ですが、簡単そうに、易しそうにみえたんです、タンタンタン タンタンタンという音を弾けば曲になるんですから。あとは子守歌ですね。今日母の背中をみたらあまりにも小さくて、あんな背中におぶさっていたのかな、と思ったんですが。私の想い出の曲ばかりですが、この次やらせていただくことがあれば、皆さんの想い出の曲をやってみたいと思います。お楽しみ下さい。」

タンタンタン タンタンタンと月光が始まる。トリオのテーマから、ノブ君ソロに幻想的なベースデュオ。森山さんがマレットで細かくシンバルを叩き、シャワーンという音を出す。すーっときれいにフェイドアウトしてベースは弓で月つながり「月の砂漠」のメロディーを。ノブ君のコードがおもしろい。ベース、音程がすごくしっかりきれいに聞こえる(素人がなに生意気言ってる!)。また月光に戻ったが、聴いている人は一瞬ワープしたみたいに頭がぐらっとして?!?!?!?かも。

ベースのソロで始まるテリーのテーマ。バックは濃いオレンジに変わる。絵になるなあ、ベースとドラムのデュオ。ベースすごい迫力でドラムに負けてない。大きくベースを振りながら対決。ノブ君、すごく楽しそうに大笑いしながらみている。森山さんのソロに。ブラシからスティックを持ち替え、タンタンタタンとリズムを入れたところでスマイルのテーマに変わる。これはチャップリンつながり。昔の森山グループでもよく演奏していた曲だ。あら、ノブ君ソロ軽快に進んでいたがぴたりととまってしまった??あ、4バースか。テーマへの戻り口、森山さんがマーチ風にして、ノブ君も合わせる、おかしい!

「すばらしいですね、あなた(と井上さんの方を見て)ニューヨークばかりにいて日本にいないんですから。日本はお嫌いですか?私は近くが好きなんです。なるべく可児から外に出ないようにしているんです。今の曲は「テリーのテーマ」「スマイル」両方ともチャップリンの映画のテーマ曲ですね。続いて人生の大きな挫折を味わった悲しみの曲です」・・・と芸大3年生で退学届けを出した日の話が始まる。「その人も私をいじめて、亡くなる数日前に手をついて謝ってくれて全部水に流しました。なつかしい曲です、お願いします。」

ノブ君のソロのイントロ、きれいだわ。ノブ君に真上からスポットが当たって明るく浮かび上がり、森山さんと井上さんがシルエットになって浮き上がって、「この道」が部分的にかわいく紡ぎ出されている。おもしろいハーモニー。ああ、そうか。この道〜は〜とおおダニーボーイ、の音の配列はよく似ている。「この道」はノブ君のソロで終わってしまった。森山さんがマレットを置き、ブラシを持った、さて始まるぞ。森山田中デュオ。ああ、このデュオよく練れている。ジャブの応酬から本格ハードパンチの打ち合い、森山さん真剣にノブ君をみつめている、大盛り上がり、大拍手!舞台暗転したところ、一瞬森山さんにスポットが当たり、そのあと今度はノブ君にスポット、ノブ君が自分で拍手している姿がライトアップされてしまっておかしい。

どっちがテンポを出すかでノブ君と森山さんがゆずりあい、見ているこっちは吹き出すのをこらえるのが必死。

タンタタタントン、タントトタン とタムで音階を出す森山さん。打「楽器」なんだな〜。ノブ君が五木の子守歌を弾き出す。これ、この前のDEPOTでのライブではやってなかったと思うけれど・・・何の曲とコンバインするんだろう。ソロ、ベースとのデュオ。不思議な音階の中にテーマの音階をちりばめて。ベース弓で。森山さん楽しげな顔で井上さんを見つめている。ノブ君の腕のしなりが上方凸で不思議な方角に。タンッタタタン、トン、でいきなりハッシャバイに。そういえばこれも子守歌である。ノブ君ソロの8小節目の頭に「おどま盆切り盆切り」のモチーフを入れる、おもしろいな。井上さんのベース、ギターかい、と思えるほどのソロ、ソロのさなかに拍手が沸く。ベースソロ終わり、大拍手が起きる。舞台の裾でサウンドミキサーの人かな、もノリノリで仕事しているわ。ノブ君靴を履いて、立って行こうとする。拍手、森山さんがもう一曲?って1本指を立て、歓声がウォーと上がる。行こうとするノブ君を手で森山さん制止して、指でピアノに戻るように指示「どうぞ」と。きれいなシマシマのスポットがノブ君に当たる、きれいなイントロだ、何を弾いてくれるんだろう。Goodbyeだ。もう何も言うことはありません。

8:30。登場してきたガゾーンが、サックスのベルの中から譜面を取りだした!ガゾーンの指揮でがーんと至上の愛が始まる。テナーがシルバーに光る。ガゾーン、今日はノーネクタイ。バートンはベージュのTシャツ姿。ジャケットを着ていないとものすごい体格なのがよくわかる。ガゾーンの後ろでサックスを吹き、水を飲むバートン。森山さん白っぽいジャケットに着替えている。ガゾーンの譜面台からはらりと一枚譜面が落ちたが大丈夫か?バートンソロ、昨日も思ったがソロを吹いている時もう一つ音がどこかから聞こえてくるような不思議な感じ。あ?何か降ってきたと思ったら、隣のOちゃんの前に森山さんのスティックが飛んできたんだ。さてノブソロと思ったらすう〜〜っと静かになってベースのソロ。また不思議な奏法だなあ。タンタタン、タンタタン、と井上さんがベースでメロディーを弾くとガゾーンがサックスを振り上げ森山さんに合図、サックス二人のハモリでパート2のテーマのメロディー。

ノブソロ、力強く。バートン、森山さんの方を見てにこにこ笑っている。水を飲んで、またふたをして、そのままふたをあけて、・・・よく飲むね。ノブ君バートンを見上げ、また少し不安げな顔。今日はサックスの音がよく聞こえる。ガゾーンの真剣な顔。井上さんになぜか目がいってしまう私。クリアなバートンの吹きまくりを後ろからあおる森山さん。バートン、吹き終わってまた水を飲み、譜面台に置いて、ふたをして、またとって、飲んで、ふたをして・・・なくなっちゃうんじゃない?また、水を取って、飲んで、ソロ中のガゾーンに向かって何か言っている。ガゾーンの顔が紅潮している。森山さんまた凄いドラミング。また譜面がはらはらと落ちた。森山さん、ガゾーンを後ろから叩きのめしてやろうと思っているのではないかと思えるような叩きっぷり。井上さん必死に、森山さんの顔に汗が光る。いつまで続くこの決闘。少しガゾーンが後ろ手で合図をいsて、テーマのサウンドを入れるが少し森山さん合わず。2回目で合い、ガゾーンソロ終了。森山さんソロへ、ひぇ〜。

パート3。ピアノソロ、ガゾーンがテナーを置き、ソプラノに持ち替えた。ノブソロ軽快に続く。軽快は変か?バートンをまたまた見上げてソロが終わる、ばーとんまたも不思議な入り方。バートンソロ、この人の音色は艶があるなあ、ああ何というサウンドだろう、森山さんがあおるあおる。もうホールだということを忘れそうだ。ソプラノを吹きまくるガゾーン、顔は真っ赤。バートン水を飲みたそうだが飲み干しちゃったね。森山さん派手なモーションで叩きまくる、スネアの音が、リムショットが、バスドラが、シンバルが鳴りまくる、またも譜面が落ちる。落ちないようにパウチにしておいたほうがいいかもよ?ドラムソロを叩きまくる森山さんを、ガゾーンが楽しそうに首を振りつつ見つめている。ドラムソロ、よくぞここまで、う〜ん、でも、す〜っと退いて、一瞬にしてホールが静寂につつまれる。テーマ、で終了。森山さん、ガゾーンお互いを見つめ合って笑い合っている。ガゾーンが森山さんを見て親指を立てる。

「ジャズを演奏してドラムを叩いている以上、ニューヨークの人とやってみたいと思っていたんですがこんなに年取っちゃいました。ガゾーンは5つ年下なんですって」客席からへぇ〜の声。「5つ年上に見えるんですけれど」笑い。ガゾーンが、森山は何を言ったんだ、という顔をして井上さんを見ている。「きっとおひげのせいでしょうね。 ・・・やりますよ〜まだ!!」歓声!!

I want talk about youが始まる。テーマをバートンが吹き、サビをガゾーンが。ガゾーンいい靴を履いているな。茶色でぴかぴか、さすがイタリア系。バートンソロ終わり、ガゾーンが吹くのかなーっていう所、ノブ君がガゾーンの方を見て「吹くのかな?」って顔をしながらピアノソロを。あれ?サビで交代?ガゾーンが入って短くソロをし、テーマ後半を吹きカデンツァーに。バートン、アルトのリードを交換中。チューニングどうするんだろう。ガゾーンのサックスがホール中に鳴り響く。カデンツァーからテーマを吹き、みんながつけて、終了。ふう。

ガゾーンがカウントを出し、テーマ、バートンのアルトで。Impressionsだ。ノブソロ。ガゾーンもリード交換中。ノブソロ、おおいい感じ、疾走、だんだんエキサイトしていく、いいぞいいぞ、バートン珍しくうなずいてわかってるぞよしよし、っていう顔。しかし入らず、またゆっくりとした感じで吹くのに合わせて森山さん井上さんhalf tempoで。ガゾーンステージの左端に立って森山さんを見ている。両腕を広げて叩いている森山さん、その右手をすっと離せばガゾーンを直撃できるよ。スティック落ちる、ヒートアップ、あれ、そこから吹くんじゃないの?ガゾーンバートンからソロ交代。ベースとピアノ休んでガゾーンと森山さんのデュオ。森山さん苦笑いしながら叩く、スティックが飛ぶ。はあ〜、言葉が見つからない。井上さん、すっとノブ君の方を見て入り、カルテットでの演奏に。汗が飛び、スティックがまた飛ぶ。パカン!で終わりのテーマに。

森山さんがガゾーンに一言、と井上さんに頼む。21歳の時に日本に来てから日本が大好きになったということ、森山さんのようなドラマーとコルトレーンを演奏できたことは大変光栄です。ドラムマスターと言ったと思ったけれど、ZENマスターと言ったそうです。 森山さんうけて、「あなたこそクリスチャンに見えます」爆笑。

最後、「やる?」ガゾーン、森山デュオ。ドラムが載っている台の上に片足をかけて、森山さんに向かって吹きまくるガゾーン。そうよ、これが見たかったのよ〜。Giant stepsになった。

後になって気がついたら、メモがここで止まっている。ごめんなさい、いちばん感動を伝えなくちゃいけないところで尻切れトンボ。拍手拍手、スタンディング・オベーション。歓声、ホール中どよめいている。困った、言葉にすると何もかも陳腐で。

企画を長いこと温めて実現させたM澤さん、いくつも山があったけれど、この演奏の成功を見越して頑張ってきた甲斐がありましたね、頭が下がります。最後にala関係者のみなさん、お疲れさまでした、ありがとうございました。来年も楽しみにしています。よろしくお願いいたします。

一日目のレポート

2001年のコンサートレポート