今日は席が予約できているし、チケット発売もセッティングの手伝いもないし、昨日のような4時という時間に行かなくてもいいのである。午後から3時間専門学校で講義をし、ヘアカットに行って7時にラブリーに到着。音川さんの小学校中学校時代の同級生という女性(Okadatoと私とタメ年だ〜)、以前アケタでもお会いしている、名古屋は初めてだがまだ久富の串カツを召し上がっていない、というので無理矢理久富へラチ。味噌おでん、串カツを食す、8時前に戻ってスタンバイ。

「長い曲をやりますので」と音川さん、構成を変えて組曲を最初に?と思ったが「至上の愛をやります」「おおお〜」と会場から驚きと歓迎の声。なんだけど、私一人で「今度の水戸バブルの予行演習だな〜」とシニカルな見方。でもまあ、昨日と同じ曲ばかりじゃ佐藤君が抜けているので少し淋しいかも。

A love supreme,タターン・タ・タンのベース反復音、曲が始まる。音川ソロ、何か安心して聞ける。あれ、森山さんスティック後ろに飛んだ?ノブ君ソロはマッコイ風と言うより、なんていうんだろう、う〜ん、ノブ風?森山さんノブ君をあおろうとしてるのかという風。Love Supremeの旋律が入って二部。

拍手無し。うゎ、森山さんの破壊力!かっこいいなぁ〜、テーマ終わって拍手。ノブソロ、心地よいテンポ。この二人の対決はすごい!わーわー、森山さんの視線はまっすぐノブ君を射抜きそうだ。森山さんの左手、軽快なんだけどタイミングがピシピシとすっごくタイト。音川ソロ、またこれもタイトに。盛り上げ方、すごい、うゎあ、ぞくぞくしちゃう、かっこいいなぁ。「水戸バブルの予行演習とはいえ、同じメンバーでこのラブリーと同じことを水戸で聴くなら行かなくてもいいかな」と一瞬思った自分を大反省。このバンドはね、そんなもんじゃ絶対ないんだから〜。音川さんのバックで森山さんノブ君をあおる、目で会話してるね。そして終わりになだれ込む。ドラムソロへ。そして第3部に突入。う〜ん、森山さん動きに全く無駄がない。ドラムピアノデュオへ。ノブ君がカカカカと弾く音に森山さんがリムショットで応戦。すっげ〜、今日短くしたばかりの髪の毛が総立ちになりそう。バシーッと入るところも決まる。ノブ君、ずっと以前は森山さんに突っ込まれると引いてたけど、そんな頃があったなんてみじんも思えない。すごいわ、一歩も引くどころかつっこみ返してるもんね。ドシンバシンドカンドガシャカ、スタタスタタカカカカカ、に対してカリコリガリゴリギャンギャンガシガシ!音川さんもこの二人の対決、客席から見たいくらいではないかしらん。音川ソロに入ったらテンポが少し速くなったかのように感じる、すごいぞ、高瀬さんがんばれ、森山音川デュオに。森山さん音川さんを後ろから見つめながら視線で焼き殺しそうな勢い、すごい緊張感。

テーマ終わり、ベースから第4部のバラードへ。このパートは音川さんの作曲。森山さんのブラシワーク、もう勝手に手が動くんだろうけれど、微妙な角度、プレスの仕方、かき回すスピードと力の入れ方、こんなにもスネアから出る音の表情が変わるのかと、唖然とする思い。この曲の雰囲気も音川さんらしいといえば言えるかな。静かな曲の方が写真が撮りやすいと思ってファインダーを覗くが、満足いける写真はなかなか撮れない・・・。

「ありがとうございました!田中信正!高瀬裕!森山威男!」で一部終了。

今日はドラムヘッドが3枚ある。じゃんけん大会、負ける気がしなくてまたしても勝ち進んでしまった、残りの5人となったときに音川さんが「こいつだけにはやりたくない」と思っているな、と感じた瞬間に「あ、負けるかも」と思ってしまい、本当に次のじゃんけんで負けてしまった。実は北海道ツアーの初日室蘭で森山さんがカンニングを書いたヘッドがあり、それが欲しかったんだ〜。結局、後になってそれはTOMさんがゲットしたんだけどねぇ〜。

New and Old Wonder Trilogy(組曲)。そうね、この曲のイントロ、Love Supremeと似ていると言えば言えなくもない。テーマからノブソロへ。ゆったりとしているが、後半の展開がおもしろい。ノブ君合図出して音川ソロへ。本当に一体感のある、いいソロ。すうっと引いてしまうので拍手しにくい。森山ソロの最中に音川さんサックスを持ち替えてソプラノへ。森山さんがす〜っと叩くのを止めてノブ君がきれいに高音を弾き出す(二部)。高瀬さんが弓でそーっとサポート。森山さんバスドラムに足をかけ「考える人」風のポーズ。マレットに持ち替え、シズルを多彩に響かせる。音川さんのフレーズにノブ君が、時にかわいく、時にコミカルにつける。ゆったり流れるてんぽ。音川さんが吹き終わってノブ君のソロへ。サックスを持ち替える間のつなぎ、じゃないよね。音川さんがしゃがんで、高瀬さんの写真を撮れる!と思ったら高瀬さんも弾いてないや。ピアノ・ソロ。音よりレポート用の画像を撮ることに集中しちゃだめだよね〜。やっぱり大事なのは音だわ。ノブ君の「ソロピアノ」これ、何かな〜。現代音楽?うまくテーマをいれ、森山さんとのなんだか雰囲気がめちゃくちゃなピアノとドラムデュオへ。高瀬さんバテたか?それとも打ち合わせ通り?丁々発止のバトル、吹き出すのをこらえたら水割りが鼻から出そうになった。高瀬さん入る、ごめんなさいバテたかなんて思って。お、弓でつけてますね。音川森山デュオに。デュオというよりもこちらもバトル。わ〜お、すごい、来たぞ来たぞ〜。絶頂の所で全員の演奏に。このスピーディーなタイム感ってのは、言葉にはできないドライブ感。スリリングだし気持ちいいし。よく鳴ってるよ、シンバルもすべて。落ちたスティックがバスドラのペダルの下にある、ひっかからないか心配だけれど余計なこと考えてる暇はない、凄いソロだ、くゎ〜。森山さん楽しそう!スゴイよ〜。

終わって、森山さんスティックで拍手。音川さんMC。「ラブリーには初登場の高瀬君の紹介をしたいと思います。高瀬君とは4-5年くらい前から一緒にやってます。小國モトカさんって、前に筑紫テツヤの番組の、長崎の春節祭っていう曲を書いた人と、胡弓のウェイウェイさんって言う人と一緒のバンドになって知りあったんだよね。そこで昨日の佐藤君とも知り合いになって。なかなか顔の広い活動をしています」一瞬顔の幅のことかと思って吹き出しそうになった。「それで気に入っちゃって、自分のバンドを作る時に参加してもらったんです、信頼して演ってます」そういえばこの音川・田中の二人がバンドを作りたいんだけれどメンバーがね・・・と相談していたことがあったな、と思って過去のレポートを見たら2000年末のラブリーのレポートにそんなことが冗談めかして書いてあった。

「けっこういろんなことやってるよね、伊藤君子さんのバンドとか、それは田中君ともいっしょだし。5人揃うのは難しいんです。素晴らしいベーシストです、高瀬裕!」拍手。「後の二人は・・・・(笑)もうおなじみですよね。おなじみで超絶な二人でもう手がつけられないって感じですけれど(爆笑)」そこで森山さん一言、「顔広いよ」これこそ顔の面積のこと、判った人は爆笑。大曲ばかりで聴く方が大変なのではと思いますが、僕があまりしゃべりたくなくて選んだんです。次の曲で最後になります。これもCDに入っていますが、日本海の朝焼け、って曲です。僕は新潟出身なんで」と言ったら後ろで三人組の男性が大喜び、新潟のご出身らしい。「おおっ、新潟の出身ですか!新潟県の青山というところで」と言ったところで後ろの3人にまたウケる。「僕の家の裏が海なんです。歩いて5分くらいで日本海なんですが、ゴン太という犬を連れて散歩に行くと佐渡に沈む夕焼けが見える、結構良いところなんです。高校出るまで朝焼けを見たことがなくって、日本海の朝焼けというありえないタイトルを付けたんです」森山さん「ありえないんですか?」「どうしても沈む方角しかなくって、朝鮮半島に行けば日本海から昇る朝日が見えるかも知れないですけど。いつもはアコーディオンで、日本海の風みたいな感じで佐藤君が口笛でイントロをやってくれるんですけれど、日本海の荒波、という感じで高瀬君にやってもらいましょう」

ベースのイントロからテーマ。リズム&ブルースって感じで、一歩間違うとムードミュージックか場末のキャバレーかという雰囲気になりそうだけれど。なんていうリズムなんだろう?音川さんのソロ、ああ、すごいんだけど心地よい、満足〜。ノブソロ、森山さんノブ君の出方をうかがってるな、ノブ君もだ。カリカリカリカタカタカタという感じの押さえ気味のソロから少しずつ音量アップ。高瀬さんのベースがメリハリをつけている。音川さん楽しそうな顔。昨日だったら佐藤君と顔見合わせて笑うっていうところだね。徐々にヒートアップしてきたぞ、エンディングに音川さん入って盛り上がる盛り上がる。いいバンドだなぁ、はぁ〜、ため息。

「田中信正!高瀬裕!森山威男!」で、アンコールの拍手。

「ここ(ラブリー)で、こういう顔ぶれでアンコールをやろうとするとどうしてもハッシャバイになってしまいます」歓声。テーマから。ノブソロ、う〜ん、多彩なフレーズ、コンパクトにまとめて。音川さんソロ、小気味よい。ベースソロからエンディングへ。

楽しい二日間でした。ラブリーの河合さんにお願いした甲斐がありました〜。

一日目、音川英二クインテット@ラブリーレポートへ