![]() 音楽をやってると壁がある。 その壁を解体業者のようにどんどん壊して前に進む。 目の前にあるものはすべてブチ壊す。 おぉぉー、なんてワイルドなんだ! ちなみにワイルドで不良はオンナにモテる。 事実、高校の時友達だった不良は早くもオンナとXXしてた。 ビール1杯でフルチンになり騒いでいた俺はワイルドではなかったようだ。 そうだ、音楽の壁だ。 大人になってしまったので今では壁をブチ壊すこともなく、 「ごめんくださぁーい」と言いながらドアノブを回してお邪魔している。 あるとき演奏家には一線があって、それぞれ持っている境界線のようなところがあって、 つねにそれを行ったり来たりしているのではないかと思った。 そうでないやつもいると思うが、俺はそうである。 ある一線があって自分で制御している。 これが壊された瞬間があった。 偉大なるドラマー、森山威男さんと初めて演奏した時であった。 ![]() 学生のときナマで聴いたそのドラミングにブッ飛んだ記憶が蘇る。 カウントなしにスネア一発で曲に入る。 フロアタムをドロドロドロー、シンバルガッシャン!で曲にいくところはカッコいい!と思い即座にマネ。 今でも自分で仕切るセッションやグーパンチ!などではカウントなしを実行している。 生涯これを守るつもりだ。 オンナでいえば貞操である。 イキナリくるのが良いのだ。ドカーン!とくるのが好きなのだ。 カウントはイカンのだよー そうだ、森山さんと初めてやったときだ。 もうジャズなんてご無沙汰で久しぶりだし、どうやってよいのかわからずにモタモタしてたら、 おネェさんがやさしく「ここよ、わかる?ホラ、もうこんなになってるじゃないの」なんて手ほどきしてくれるわけもなく、 どんどん演奏は進んでいく。 俺のすぐ後ろには森山さんが居て、その嵐のようなドラムでモニターからは ベースのスの字もかき消されてテンポがまったくつかめなかった。 ソロが回ってきた。 テンポをさぐりながら吹いていたが嵐のような凄まじいドラムで、 今どこで何が行われているのかも定かではなくなっていた。 それでも無我夢中で吹いた。 ![]() そして一瞬、すべての音が消えた。 ブレイクし、俺ひとりになった。 ハダカにされた。 ワケがわからず無我夢中で吹いた。 気がついたら終わっていた。 そのような記憶しかない。 ものすごく緊張してたし。 演奏を壊しにかかる。 演者は軌道を自分なりに進んでいるにも構わず、それを壊しにかかる。 なんてワイルドであることか! カッコいい。 そこで俺が見たものは今までにない自分と、境界線より先にあるものが見えたような気がした。 練習などでは到達できないような世界。 ガムシャラに吹いて何がなんだかわからなくなったときに何が表現できるのか? 教えてもらえたような気がする。 森山さんに感謝です。 2006年から演奏して頂いているが、今でもステージ前は緊張してる。 もうドキドキしてる。 今日はウマくできるんだろうか?どうやればよいのだろう?勝てるかな? などとビクビクしてる。 この緊張がなくなったら俺はもうダメだな。 板橋文夫さんには打ち上げで 「オマエさぁ、今まで積み重ねてきたことがあるだろ?な?それをさ、全部すてるんだよ!」って言われた。 スバラシイ。 この方はそーゆー演奏をしているもんなぁ。 でも今までやってきこと全部捨てちゃうのはもったいないなぁ。 これだけ取っておこっかな?これはまぁいいか、なんて思ってはイカンのでしょ。 全部すてちゃうー! ってカンジでいかないと。 うーん、貧乏性だからムズカシイな。 だって、20年前の洋服がまだ押入れにあるくらいなんだもーん。 back number 「 志 向 」 「 祖 父 」 「 メ モ 」 「 ネ タ 」 「 ガッツ石松と具志堅用高 」 「 アンネ 」 「 入口と出口 」 「 長嶋茂雄 」 |