さて、楽器を持ったからには練習場所がいる。 たいていの管楽器奏者は学校のブラスバンド入る。 俺もそうだった。 そんなに部員はいなかった。 サックスは3人だったかな。 あるときリードアルトの譜面でテーマのソロパートがあった。 こちとらジャズをかじっているんで、そのテーマを譜面通りではなく、 ちょっとくずして吹いた。 そしたら指導に来ていたOBが 「渡辺、そこは譜面通りに吹かないとダメだ」と言ったので、 「なんで?ここはソロパートだよね?俺ひとりだからイイでしょ?」 「いや、譜面通りに吹かないとダメだ」とまた言ったんで、 「だってさぁ〜、この通りに吹くとダサいぜ!好きに吹かせてくれよ〜」 「ダメだ、譜面通りだ」 「ちぇっ、つまんねぇな・・・ダサいぜ!」 態度だけはデカいので現役OBと言われていた。 このときジャズ界はクロスオーバー・フュージョンのブームになる。 俺も虜になった。 そうだ、ナベサダに憧れて俺はサックスを始めたのだ。 よし、フュージョンをやろう! ブラスバンドはダサい。ということで担任のところへ行き 「先生、練習とかに一切関わらなくてイイんで顧問になってください」 と担任の名前を借りて「軽音楽部」を立ち上げたのだ。 さて、ここからは部員探し。 アイツはギターやってるとか、ベースを持っているとかドラムをやってるとか情報を得つつ ギター、ベース、ドラムが簡単に集まった。 そして高校三年の時の文化祭の前の日に中庭で初めて人前で演奏した曲がカシオペアの 「朝焼け」だった。 おいおい、原曲にサックスなんて入ってないぜ〜〜 なんかしっくりこねぇなぁ・・・なんて思ってたんだけど。 だってさぁ、ギターのヤツがやりたいって言うんだもーん。 back number 「 志 向 」 「 祖 父 」 「 メ モ 」 「 ネ タ 」 「 ガッツ石松と具志堅用高 」 「 アンネ 」 「 入口と出口 」 「 長嶋茂雄 」 「 壁 」 「 三宅裕司の奥さん 」 「 願 い 」 「 写 真 」 「 高田純次 」 「 エ ロ 」 「 いたずら 其の一 」 「 いたずら 其の二 」 「 顔 」 「 マイルス 」 「 占 い 」 「 うんこの夢 」 「 小 噺 」 「 セッション 2012 」 「 曲 名 」 「 健康診断 」 「 毒 舌 」 「 北海道 」 「 アメリカン ジョーク 」 「 サックス 」 |